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第三十七節「二天に集え 剣勇の誓い 蛇岩の矛は空を尽くす」
~輸に密、業に安全徹底を~
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グランディーヴァの仕事は大統領との会合だけではない。
勇と福留がブライアンと会っていた頃、アルクトゥーンもまた大忙しの様相を見せていた。
その現場こそ、アルクトゥーン後部格納庫。
そこは補給物資の搬入口も兼ねており、ちょっとした倉庫と化している。
現在もデュランから寄せられたコンテナが隅に置かれており、時折カプロやピネ達が漁りに。
以前は【ヴォルトリッター】の追加パーツもあったのだが、現在は分解されてお蔵入りである。
そんな格納庫に物資を積載したエレベーターが戻って来れば、たちまち大賑わいだ。
何せ久しぶりの大型物資搬入、しかも待望のアルクトゥーン用部品まで含まれればなおの事で。
こぞって各担当班長が集まり、物資引き取りに奔走する事となるのだから。
その中には茶奈の友人の風香と藍まで。
二人は今や生活保障班の班長だ。
安全帽をしっかりと被り、揃って品出しの指示まで行っている。
福留直属の部下として随分と仕込まれてきたのだろう。
搬入物資には食料品から日用品、装備開発用の素材から電子機器部品などがぎっしりと。
他にも色々と仰々しい物々が詰まれ、山の様に聳え立つ。
皆はそこから該当物を探し出し、積み木崩しの様に回収するという感じだ。
なお、担当班長というのは当然、技術班長も含まれる。
となれば新任班長であるピネも当然その場に居る訳で。
そのとんでもない物資を前に、思わず顔をしかめさせる様子が。
「とてもめんどくちゃい仕事を引き受けてしまったかもしれないのネ」
しかし引き受けた以上はしっかり責任を果たす。
それを自然に成そうとする事もまた天才が故か。
とはいえ初めてで、しかも周りがやたらと必死に動き回るもので。
おまけに彼女の身体がとても小さいからか、とても動き難そうだ。
そうして動き回る姿はまるでダンスを踊っているかのよう。
遮る人影にくるくる~っと回されながら、物資へとジグザグに近づいていく。
「デュランの時は言えば持って来てくれたけどネ。 これはとってもしんどいのネ」
それでようやく物資前に到達したのだが。
物資のどれも大き過ぎて、彼女一人ではどうにもこうにも。
周りはフォークリフトやらなんやらで軽快に分搬し続けているので、ほんのちょっと不満そう。
いや、かなり不満そう。
それでも負けじと、必死に一つの物資に抱き着きよじ登る。
そしていざ貼られた伝票をよく見てみれば―――
「いっそあのフォークリフトで全部解体してくれればいいのネ。 さてこれは―――何でこんなモンがあるのネ!?」
今度は目をひん剥いて驚く姿が。
それもそのはず。
その伝票、物資そのものに刻印されしは特殊印。
それが示すは、物資がとある危険物質であるという事に他ならない。
丸を中心にして三方に台形が伸びる、そんな形に描かれた印は知る人ぞ知るあの物質の証だ。
そんな物を前にして慄かない訳が無い。
「なんちゅうとんでもないモンを積もうとしてるのネ。 ピネが思ってた以上にこの艦は危険なのかもしれないのネ」
そんな危険物の上で静かに佇み、深刻な顔付きで顎を手に取る。
思っていた以上にグランディーヴァがクリーンでは無かったという事に驚きだったから。
世界を救う為とはいえ、こんな物を使おうとする意思があったのかと。
するとそんな最中、ピネの下へとある人物が近づいていく。
「あら、ピネさん。 そんな所に乗っていると危ないですよ。 落ちてしまえば大変です」
それはなんと莉那。
まさかの艦長直々の登場である。
しかも管制室では滅多に見せない笑顔で、ピネにそっと手を差し伸べていて。
でもそのピネは差し出された手を前にしても腕を組み、膨れっ面を納めない。
それどころか「キッ」と睨み付ける始末だ。
「落ちるっていうはどういう意味で言ってるのか詳しく訊きたい所なのネ」
「いえ、貴女がそこから落ちたら危ないと思っただけなのですが。 ……ちなみにその荷物の事なら心配いりません。 現状では使用出来ない様になっていますので」
しかしそこはやはり莉那か。
どうやらピネが足蹴にしている物資が何か、しっかり理解している模様。
その仕組み、用途までも何もかも。
「ちなみにそれは私の担当です。 もしよろしければお譲り頂きたいのですが」
「どこに持っていくつもりなのネ?」
「おじいさまは隠す必要は無しと……いいでしょう。 【第一電脳室】です」
「開かずの部屋、【特禁室】行き、という事かネ……」
そしてその搬入先は、【第一電脳室】という一室。
アルクトゥーンを制御する各電脳室の中でも、入れる人物が特に限られている最重要室だ。
入れるのは艦長である莉那を始め、勇と福留、それと中を知るカプロとビーンボールだけ。
それ以外は例えどの様な立場であろうと立ち入れない【特禁室】となっている。
だから中に何があるのかも、彼等以外は誰も知らない。
知ってはいけない、という事になっているから。
「その部屋に関するものは一切触れてはいけないって言われてるのネ」
「ええ。 でも安心してください。 決して貴女が思う様な使い方はしませんから。 あくまでも世界救済の為。 それ以外に使うつもりはありませんので」
「……仕方ないのネ、なら今はアータを信じるのネ。 願わくばこんな物が使われない事を祈って」
「そうですね。 私もそう願いたい所です」
でもだからと無暗に危険物を運び入れて良いという訳ではない。
あくまでも必要だからこうして手に入れ、搬入したのだ。
いつかこの様な武器でさえも必要になる日が来るかもしれないからこそ。
相手がそれほど得体の知れない存在であるが故に。
それに対して最善を尽くすのがグランディーヴァの在り方なのだから。
「ちなみにピネさん、搬送係にお願いすれば指定物を運び出してくれます。 そうやって自ら出向かなくても良いのですよ?」
「それを先に言って欲しかったのネェ!! あのタヌキ、やっぱり新型魔剣の的にすべきだったのネ!!」
けれどもしかしたら、一番危険なのはこのピネという少女なのかもしれない。
色んな意味で。
物事には必ず何かしらのルールがあるので、しっかり確認しておこう。
特にこういった場所だと、時には大事故にも繋がるので注意が必要だ。
仕事は何でも、安全第一を忘れずに。
「何書いてあるかわからないけどヨシッ、なのネ」
絶対にこんな事は言わない様にしよう。
少なくとも、特級危険物の上では、決して。
勇と福留がブライアンと会っていた頃、アルクトゥーンもまた大忙しの様相を見せていた。
その現場こそ、アルクトゥーン後部格納庫。
そこは補給物資の搬入口も兼ねており、ちょっとした倉庫と化している。
現在もデュランから寄せられたコンテナが隅に置かれており、時折カプロやピネ達が漁りに。
以前は【ヴォルトリッター】の追加パーツもあったのだが、現在は分解されてお蔵入りである。
そんな格納庫に物資を積載したエレベーターが戻って来れば、たちまち大賑わいだ。
何せ久しぶりの大型物資搬入、しかも待望のアルクトゥーン用部品まで含まれればなおの事で。
こぞって各担当班長が集まり、物資引き取りに奔走する事となるのだから。
その中には茶奈の友人の風香と藍まで。
二人は今や生活保障班の班長だ。
安全帽をしっかりと被り、揃って品出しの指示まで行っている。
福留直属の部下として随分と仕込まれてきたのだろう。
搬入物資には食料品から日用品、装備開発用の素材から電子機器部品などがぎっしりと。
他にも色々と仰々しい物々が詰まれ、山の様に聳え立つ。
皆はそこから該当物を探し出し、積み木崩しの様に回収するという感じだ。
なお、担当班長というのは当然、技術班長も含まれる。
となれば新任班長であるピネも当然その場に居る訳で。
そのとんでもない物資を前に、思わず顔をしかめさせる様子が。
「とてもめんどくちゃい仕事を引き受けてしまったかもしれないのネ」
しかし引き受けた以上はしっかり責任を果たす。
それを自然に成そうとする事もまた天才が故か。
とはいえ初めてで、しかも周りがやたらと必死に動き回るもので。
おまけに彼女の身体がとても小さいからか、とても動き難そうだ。
そうして動き回る姿はまるでダンスを踊っているかのよう。
遮る人影にくるくる~っと回されながら、物資へとジグザグに近づいていく。
「デュランの時は言えば持って来てくれたけどネ。 これはとってもしんどいのネ」
それでようやく物資前に到達したのだが。
物資のどれも大き過ぎて、彼女一人ではどうにもこうにも。
周りはフォークリフトやらなんやらで軽快に分搬し続けているので、ほんのちょっと不満そう。
いや、かなり不満そう。
それでも負けじと、必死に一つの物資に抱き着きよじ登る。
そしていざ貼られた伝票をよく見てみれば―――
「いっそあのフォークリフトで全部解体してくれればいいのネ。 さてこれは―――何でこんなモンがあるのネ!?」
今度は目をひん剥いて驚く姿が。
それもそのはず。
その伝票、物資そのものに刻印されしは特殊印。
それが示すは、物資がとある危険物質であるという事に他ならない。
丸を中心にして三方に台形が伸びる、そんな形に描かれた印は知る人ぞ知るあの物質の証だ。
そんな物を前にして慄かない訳が無い。
「なんちゅうとんでもないモンを積もうとしてるのネ。 ピネが思ってた以上にこの艦は危険なのかもしれないのネ」
そんな危険物の上で静かに佇み、深刻な顔付きで顎を手に取る。
思っていた以上にグランディーヴァがクリーンでは無かったという事に驚きだったから。
世界を救う為とはいえ、こんな物を使おうとする意思があったのかと。
するとそんな最中、ピネの下へとある人物が近づいていく。
「あら、ピネさん。 そんな所に乗っていると危ないですよ。 落ちてしまえば大変です」
それはなんと莉那。
まさかの艦長直々の登場である。
しかも管制室では滅多に見せない笑顔で、ピネにそっと手を差し伸べていて。
でもそのピネは差し出された手を前にしても腕を組み、膨れっ面を納めない。
それどころか「キッ」と睨み付ける始末だ。
「落ちるっていうはどういう意味で言ってるのか詳しく訊きたい所なのネ」
「いえ、貴女がそこから落ちたら危ないと思っただけなのですが。 ……ちなみにその荷物の事なら心配いりません。 現状では使用出来ない様になっていますので」
しかしそこはやはり莉那か。
どうやらピネが足蹴にしている物資が何か、しっかり理解している模様。
その仕組み、用途までも何もかも。
「ちなみにそれは私の担当です。 もしよろしければお譲り頂きたいのですが」
「どこに持っていくつもりなのネ?」
「おじいさまは隠す必要は無しと……いいでしょう。 【第一電脳室】です」
「開かずの部屋、【特禁室】行き、という事かネ……」
そしてその搬入先は、【第一電脳室】という一室。
アルクトゥーンを制御する各電脳室の中でも、入れる人物が特に限られている最重要室だ。
入れるのは艦長である莉那を始め、勇と福留、それと中を知るカプロとビーンボールだけ。
それ以外は例えどの様な立場であろうと立ち入れない【特禁室】となっている。
だから中に何があるのかも、彼等以外は誰も知らない。
知ってはいけない、という事になっているから。
「その部屋に関するものは一切触れてはいけないって言われてるのネ」
「ええ。 でも安心してください。 決して貴女が思う様な使い方はしませんから。 あくまでも世界救済の為。 それ以外に使うつもりはありませんので」
「……仕方ないのネ、なら今はアータを信じるのネ。 願わくばこんな物が使われない事を祈って」
「そうですね。 私もそう願いたい所です」
でもだからと無暗に危険物を運び入れて良いという訳ではない。
あくまでも必要だからこうして手に入れ、搬入したのだ。
いつかこの様な武器でさえも必要になる日が来るかもしれないからこそ。
相手がそれほど得体の知れない存在であるが故に。
それに対して最善を尽くすのがグランディーヴァの在り方なのだから。
「ちなみにピネさん、搬送係にお願いすれば指定物を運び出してくれます。 そうやって自ら出向かなくても良いのですよ?」
「それを先に言って欲しかったのネェ!! あのタヌキ、やっぱり新型魔剣の的にすべきだったのネ!!」
けれどもしかしたら、一番危険なのはこのピネという少女なのかもしれない。
色んな意味で。
物事には必ず何かしらのルールがあるので、しっかり確認しておこう。
特にこういった場所だと、時には大事故にも繋がるので注意が必要だ。
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