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第三十八節「反旗に誓いと祈りを 六崩恐襲 救世主達は今を願いて」
~〝恐〟襲、六崩世神~
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この時、世界が揺れた。
【六崩世神】が世界各地にて突如現れたのである。
彼等が現れたのはいずれも人口密度の高い場所ばかりだった。
まるで増え過ぎた人間へと戒めを与えるかの様に。
北アメリカ大陸西部。
アメリカ合衆国ネバダ州、ラスベガスでは―――
「キッヒヒヒ!! さぁ逃げろ逃げろ肉ども!! さもないと喰われて消えちまうぞ!!」
高層ビルの屋上から白光球を幾つも際限無く放り投げる者の姿が。
膝下程度の背丈しか持たぬ小人、キッピーだ。
でもその仇名はもう消えた。
【忘虚】ロワ、それこそが彼女の真名なのだから。
街中に降り注がれた白光球がたちまち人々の心を恐怖の底へと突き落とす。
何もかもをも捨て、ただひたすらに逃げ惑って。
そこに人種も性別も年齢も関係は無い。
皆が生きようと必死だったのだ。
この光球に触れたモノは須らく消滅してしまうが故に。
光球自体はそれ程大きくはないだろう。
精々人の頭程度の大きさといったところか。
しかしその数が真に尋常ではない。
その数、空一面が光で覆い尽くされる程の量。
まるで空に輝く満天の星々の如く。
そんなものが降り注がれれば、人々が逃げない訳も無い。
運の悪い者は直接光球に晒され、体を抉られて。
時には光球が削り取って生まれた穴に落ちて。
削り取られる事で崩落した建物に潰される者達もいた。
中には混乱に乗じて車に轢かれる者や、逃げ惑う民衆に踏み殺される者も。
大都市であるが故に、文明の利器さえもが今や殺人兵器と化している。
それさえも邪神に捧げる供物として。
「これだけじゃあ楽しめねぇよなぁ!? じゃあもっとバリエーションを増やしてとぉ!!」
ロワももう止まらない。
更には投げ付けて飛ばし、あるいは自由移動させる光球までをも生み出して。
降り注ぐ光球から辛くも逃げおおせた者達を更なる恐怖へと落とし込む。
元より逃がすつもりなど無いのだ。
誰一人として。
恐怖を吐き出す便利な道具。
信奉せし邪神に捧げる供物。
彼女は人間などその程度にしか見てはいないのだから。
あれだけ栄えていたラスベガスが一瞬にして廃墟と化しても攻撃は止まらない。
それどころか規模はますます大きくなり、周辺の街にまで影響を及ぼす事に。
元々ロワはこの周辺一帯全てを破壊し尽くすつもりだったのだろう。
この地に降り立ったのは、ただその礎にしようとしたに過ぎない。
何十万、何百万という人間全てを供物として捧げきるまで―――止まらない。
北アメリカ大陸東部。
同国ペンシルベニア州、大都市ニューヨークでは―――
「せっかく力を貰ったんだ、愉しまなきゃなぁああ~~~!!!」
【憎悦】が街を突き抜ける。
何もかもを破壊し尽くしながら。
駆け抜けるだけで何もかもが吹き飛ぶが故に。
人間と瓜二つの姿にも拘らず。
筋骨隆々の身体が突き抜ければ、まるで艦砲が撃ち込まれたかの如く吹き飛ばす。
人も、車も、道路も、家もビルも何もかも。
傍若無人に駆け、時に跳び、人に目を付ければ拳をも奮って。
ほんの少し駆け巡ればビル街が崩壊し。
炎上さえも引き起こし。
住宅街は飛び跳ねるだけで一帯全てが砕け散る。
夜間帯であろうがお構い無しである。
しかしそれでも衰える事は無い。
むしろまだまだ足りないと言わんばかりに力を上げ続けている。
まるで準備運動だ。
慣れぬ体を馴染ませる為の。
少なくとも【憎悦】自身はそうとしか思ってはいない。
神的肉体を得た今、心昂らずにはいられようか。
少なくとも、ベースとなった心体がその事実に悦びを隠せないからこそ。
「ふははは!! 素晴らしいッ!! この身体、このパワー!! これが超人というヤツかああ!! ずっと心の底では憧れていたぞぉ……デュランの様な力強さ、アルバの様な強靭な肉体、エクィオの様な俊敏さを!! それを俺は一気に全て手に入れたあッ!! 邪神に心を売った事でッッ!!!」
そう、悦んでいるのだ。
驚異的な肉体を得た事に。
その心に潜む憎悪を捧げた事によって得た力に。
その者の名はジェロール。
ディック一家を不幸に落とし、祖国フランスをも貶めた張本人である。
しかしてその身体には他の精神体までもが混じっている。
憎しみを是として他者を殺し尽くそうとしたレヴィトーンと。
民衆への憤りを憎悪へと換えて踏み躙ろうとした小嶋由子と。
それらを基軸として集まった多くの怒り、憎しみ、怨みの感情が。
象っているのはまさに憎悪。
そしてその感情を悦びと換えられる者を母体としている。
―――故に【憎悦】ジェロール。
それ以外に形容しようもない。
まさに人類が生み出した象徴と言えるだろう。
人から生み出されし邪神の従者が破壊の限りを尽くす。
まるで育ててくれた親に御礼を返すかの如く。
その無邪気とも足る心と力で、何もかもをも。
アフリカ大陸南西部。
ナイジェリア連邦共和国、旧首都ラゴスでは―――
「諦めませう、諦めませう。 心の赴くままに。 何もかもをも溶かし、主様に御心を捧げませう」
東洋風の錦織物を纏った美女が歩く。
青く長い髪をさらりと巻き上げながら。
一歩踏み締める度に、振袖を巻き上げた手を打って。
ポン、ポン、と緩やかなリズムのままに。
ただし、その美女が無数で。
街の各所で同じ様に動き、手を打って。
その度に人の心が消えていく。
音が一つ鳴る度に、人から抵抗心が消えていく。
心が消えた者はただぐらりと立ち尽くすだけで。
あるいは糸が切れた操り人形の様に倒れ落ちて。
体液を、糞尿を垂れ流そうが誰も気には留めず。
しかし決して人々から感情が消えた訳では無い。
実の所、心の奥底では全部見えているのだ。
自分達がどういう状況に陥っているのかがハッキリと。
でも何も出来ない。
何もさせてくれない。
美女の言葉が体と心を切り離し、自由を奪ったからこそ。
故に人々は恐怖する。
ただただ何も出来ずに廃人化していく事に。
更には美女達に潰され、死んでいく者達を目の当たりにして。
その心に響くのはもはや恐怖の根源である者の声のみ。
そう成せる者こそ、【諦唯】マドパージェ。
「畏れや神を。 願えや死を。 なれば主様は応えてくれませう。 共に至福の快苦を味わいませう」
その語りながら踊り行く姿はまるで舞子か。
でもその踊りが誘いしは死と恐怖。
白い顔肌を隠す青のヴェールが冷血ささえ醸し出し、人々の恐怖を煽りに煽る。
「其れが皆さまの幸せとなりますれば、この手この足を奮う事も厭いませぬ」
暴力では無く、ただの両平手一打ちによる無力化。
これが如何に人々を恐れさせたかわかるだろうか。
たったそれだけで人間は死ぬ。
それも何一つ抵抗出来ずに。
自分達はその程度の生き物でしかないと認識しながら。
如何に自分達がちっぽけで、ムシケラと大差無いのだと。
そう理解させられたのである。
それだけで充分だった。
たったそれだけで【諦唯】は恐怖を抽出する事が出来るのだから。
全ては、信奉する主へ最も尽くす為に。
ユーラシア大陸北西部。
ヨーロッパ、ドイツ連邦共和国、エッセンでは―――
「そ、そんな、アリエナイッ!! ガハッ!?」
街が燃えている。
それも、何処も彼処も見境無く。
明るい空さえも押し退ける程に轟々と。
その中に、あのパーシィとシスターキャロの姿が。
だがシスターキャロは瓦礫に埋もれて虫の息で。
パーシィでさえも成す術も無く、首を掴まれ宙へと浮かされる。
それを成せしは巨大な人型の魔人。
筋骨隆々の体全てが紅蓮の如き赤に染め上がり。
肩や肘膝などが刺々しく伸びて、内に秘めた鬼気を形に。
それでいて常に歯軋りをする顔はまさに怒り猛りの様相か。
【憤常】ゴルペオである。
「怒、怒、怒ッ!! 有り得る!! これが現実だッ!! 脆弱な肉と我等神との決定的な差であるッ!! 故に憤る!! この程度の力で我等に逆らおうなどとッ!!」
二人は偶然居合わせたのだ。
ゴルペオが現れたこの場所に。
それで勇敢にも戦いを挑んだのだが。
その結果は、圧倒的敗北。
尋常では無かった。
二人の力が一切通じなかったのだ。
それどころか、反撃の気迫だけで―――街はこの有様である。
その後のたった一撃でシスターキャロは死に掛けて。
残るパーシィもこうして殺され掛けている。
現実は無情だ。
勇達と良い戦いを繰り広げたはずのこの二人が、こうも圧倒されるなど。
いや、それだけゴルペオが強いのだ。
実力の底こそ未知数だが、グランディーヴァでさえ易々と止める事は叶わないだろう。
もしかしたら集団で掛かろうとも苦戦を強いられるかもしれない。
それも当然か。
何故ならば―――
「怒! 怒! 怒ォォォ!! 【六崩世神】の中で最も強い我、【憤常】ゴルペオがあッ!! 貴様等ムシケラ如きにィ!! 全力を見せつけるまでも無いわァァァ!!」
そう、ゴルペオは【六崩世神】の中で最も実力があるとされている。
それは単純に力が強いからこそ。
他者を圧倒する強靭な肉体と力がそう位置付けたが故に。
故にパーシィとシスターキャロでは止める事も叶わない。
勇一人に全く敵わなかったこの二人では。
絶対的な力の差を見せつけて、【憤常】ゴルペオが街を焼く。
強者二人を瞬く間に地へと沈めて。
果たして、かの様な最強の従者を―――誰が止められるのだろうか。
ユーラシア大陸北部。
ロシア連邦モスクワ州、首都モスクワでは―――
「ぺるっ、ぺるっ、ぺーるる~ん!!」
こんな声を上げて愉快そうに跳ねる幼女の姿が一人。
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、時にはくるりと宙返りしたり。
無邪気に笑うその姿はまさに子供そのものだ。
ただ、普通の子供かと言えばそれは違う。
背丈はおおよそ、常人の股下くらい。
でもその頭には、牡鹿の様な淡く輝く角を生やしていて。
若草色の厚手もこもこワンピーススカートをふわりと捲らせているけれど。
よくよく見れば、そのスカートは身体との継ぎ目が一切無い。
そして何より、人を踏み潰しながら飛んでいるのだ。
幼女の姿にも拘らず、その所業は異様以外の何物でも無かった。
頭を踏まれた者は須らく、骨片一つ遺さずミンチと化していたのだから。
まるで超重量の重機に押し潰されたかの如く。
それも距離が離れていようが関係は無い。
遠くで逃げ回る者の頭に瞬時に飛び乗り、潰してまた飛び移って。
例え何百メートル離れていようとも、一瞬にして追い付き必ず潰すという。
一人、また一人と、返り血が付かない程に絶え間無く。
彼女の名は【劣妬】ペルペイン。
言動に倣った容姿と、それに似付かわしくない所業を成す者である。
「にくをつぶすの、あきちゃった。 おなかすいたから、げんきをもらうね」
しかしそんな無邪気な殺戮も間も無く終わる。
飛び跳ねるのを止めた事によって。
でもそれは決して安堵の時が訪れたという訳ではない。
たちまちペルペインの身体がふわりと宙に浮いて。
空高く舞い上がり、その身を大の字に大きく広げる。
するとどうだろう。
突如として頭の角が強く輝き―――無際限に伸びていく。
それも無数に枝分かれし、まるで触手の様に蠢いて。
その間も無く、阿鼻叫喚が街を再び包む事に。
なんと角触手が人間一人一人を突き刺し始めたのだ。
近隣にて逃げ惑う人間を一人残らず。
しかもそれだけではない。
突き刺された者が次々に干からび、枯れ果て、崩れ始めていく。
そう、ペルペインは人間の精気を栄養にしているのである。
人が苦しもうが死のうが気に留める事も無く。
動く者全ての生命エネルギーを吸い尽くす。
子供らしい無邪気な笑顔のままに。
まさに死神の所業か。
死を運ぶ幼女にはもはや、命を諭す事など出来はしないだろう。
ユーラシア大陸南部。
インド共和国、デリー連邦直轄地ニューデリーでは―――
「さぁさぁ不遜な肉狩りをォ始めようかぁ!! きっと誰しもが主様に逆らおうとしているだろうからなぁ!!」
闇夜の街が今、恐怖で震える。
人々が空を見上げて慄く中で。
それもそのはず。
暗空を遮る程の巨体が突如として出現したのだから。
そう、巨体だ。
身長おおよそ三〇〇メートルにも至る程の。
巨大な岩の身体を有した巨人が街を見下ろしていたのである。
その様相はまさに【グリュダン】―――ずっと以前に勇達が戦った岩巨人と瓜二つで。
ただ異なる事があるとすれば、腹部に巨大な顔が浮かんでいる所か。
この声はそんな顔から打ち放たれたものだ。
その顔の主こそ【揚猜】オーギュ。
まさしく岩巨人の一部となっている。
そう喋り散らかした途端、巨体が動き出した。
街を、人を、踏み潰し始めたのだ。
更には巨腕を振るい、ビル群さえも一薙ぎで吹き飛ばして。
いざ力の限りに跳べば―――その引風だけで家々が吸い込まれて崩壊していく。
いざ全身で着地すれば―――その地響きだけで大地が陥没し全てを飲み込む。
その巨体を前に人々が成せる事などありはしない。
いくら全力で逃げようと、たった一歩だけで軽く追い越されてしまうから。
まるで怪獣映画の光景さながらである。
人々が逃げ惑い、それを怪獣が如き巨身が踏み潰す。
皆が恐怖に怯え、救いは無い。
それは例え軍隊が来ようとも。
最新鋭の戦闘機が、強固な戦車が到来しようが結果は変わらないだろう。
「のぁーはっは!! 遂には玩具まで取り出しよったぁ!! まぁだママゴトのつもりかぁ!?」
ミサイルが打ち当たり炎上しようと効きはしない。
砲弾が撃ち込まれようが通用しない。
圧倒的質量と神の如き力に遮られ、人間の武器などまさに玩具の様な物だったから。
あとは蠅を堕とすかの如く叩き潰せばいい。
あとは蟻を祓うかの如く踏み潰せばいい。
今のオーギュにとって人間の兵器など、その程度の相手でしかないのだ。
この時、街は崩壊する。
これ以上無い恐怖を巻き上げて。
オーギュの破壊行動のみならず、自らの戦闘行為によって。
故にオーギュは戯れるのみ。
ただそれだけで、人間達は勝手に自滅していくのだから。
ただほくそ笑み、恐怖心を煽り続ければいいだけなのだ。
その巨体ならば造作も無い事だからこそ。
そして現れたのは【六崩世神】だけでは無い。
世界中の各都市にて、一部の人間が突如として怪物に変わったのである。
負の力を植え付けられたネメシス体として。
一匹一匹の力はかつてのカイト・ネメシスと比べればずっと弱い。
精々普通の人間なら太刀打ち出来ない程度の個体だ。
ベースの誰しもが、存在感の薄い弱者だったから。
しかしその姿はまさに悪魔そのもので。
人々の恐怖を煽るには充分過ぎた。
故に世界が揺れる。
迫り来る無数の悪魔達と、天に映し出された【六崩世神】の暴虐を前にして。
阿鼻叫喚だった。
戦時中かの様だった。
誰しもが怯み、脅え、恐怖して。
泣き、叫び、時には怒りに咆え猛る。
その現場にはもう、人としての理性を保てている者は居ない。
人々はただただ逃げ惑い、脅え隠れるのみ。
どこに逃げても、どこに隠れても助からないとわかっていても。
もうどこにも救いは無いとわかっていようとも。
たった数刻だった。
たった数刻で世界は恐怖に堕ちたのだ。
アルトラン・ネメシスの崩世計画に沿って抜かりなく。
これこそが邪神の所業なり。
これこそが崩世の集大成なり。
神の沙汰を前にはもはや、ちっぽけな人間の逃げ道などありはしないのだ。
【六崩世神】が世界各地にて突如現れたのである。
彼等が現れたのはいずれも人口密度の高い場所ばかりだった。
まるで増え過ぎた人間へと戒めを与えるかの様に。
北アメリカ大陸西部。
アメリカ合衆国ネバダ州、ラスベガスでは―――
「キッヒヒヒ!! さぁ逃げろ逃げろ肉ども!! さもないと喰われて消えちまうぞ!!」
高層ビルの屋上から白光球を幾つも際限無く放り投げる者の姿が。
膝下程度の背丈しか持たぬ小人、キッピーだ。
でもその仇名はもう消えた。
【忘虚】ロワ、それこそが彼女の真名なのだから。
街中に降り注がれた白光球がたちまち人々の心を恐怖の底へと突き落とす。
何もかもをも捨て、ただひたすらに逃げ惑って。
そこに人種も性別も年齢も関係は無い。
皆が生きようと必死だったのだ。
この光球に触れたモノは須らく消滅してしまうが故に。
光球自体はそれ程大きくはないだろう。
精々人の頭程度の大きさといったところか。
しかしその数が真に尋常ではない。
その数、空一面が光で覆い尽くされる程の量。
まるで空に輝く満天の星々の如く。
そんなものが降り注がれれば、人々が逃げない訳も無い。
運の悪い者は直接光球に晒され、体を抉られて。
時には光球が削り取って生まれた穴に落ちて。
削り取られる事で崩落した建物に潰される者達もいた。
中には混乱に乗じて車に轢かれる者や、逃げ惑う民衆に踏み殺される者も。
大都市であるが故に、文明の利器さえもが今や殺人兵器と化している。
それさえも邪神に捧げる供物として。
「これだけじゃあ楽しめねぇよなぁ!? じゃあもっとバリエーションを増やしてとぉ!!」
ロワももう止まらない。
更には投げ付けて飛ばし、あるいは自由移動させる光球までをも生み出して。
降り注ぐ光球から辛くも逃げおおせた者達を更なる恐怖へと落とし込む。
元より逃がすつもりなど無いのだ。
誰一人として。
恐怖を吐き出す便利な道具。
信奉せし邪神に捧げる供物。
彼女は人間などその程度にしか見てはいないのだから。
あれだけ栄えていたラスベガスが一瞬にして廃墟と化しても攻撃は止まらない。
それどころか規模はますます大きくなり、周辺の街にまで影響を及ぼす事に。
元々ロワはこの周辺一帯全てを破壊し尽くすつもりだったのだろう。
この地に降り立ったのは、ただその礎にしようとしたに過ぎない。
何十万、何百万という人間全てを供物として捧げきるまで―――止まらない。
北アメリカ大陸東部。
同国ペンシルベニア州、大都市ニューヨークでは―――
「せっかく力を貰ったんだ、愉しまなきゃなぁああ~~~!!!」
【憎悦】が街を突き抜ける。
何もかもを破壊し尽くしながら。
駆け抜けるだけで何もかもが吹き飛ぶが故に。
人間と瓜二つの姿にも拘らず。
筋骨隆々の身体が突き抜ければ、まるで艦砲が撃ち込まれたかの如く吹き飛ばす。
人も、車も、道路も、家もビルも何もかも。
傍若無人に駆け、時に跳び、人に目を付ければ拳をも奮って。
ほんの少し駆け巡ればビル街が崩壊し。
炎上さえも引き起こし。
住宅街は飛び跳ねるだけで一帯全てが砕け散る。
夜間帯であろうがお構い無しである。
しかしそれでも衰える事は無い。
むしろまだまだ足りないと言わんばかりに力を上げ続けている。
まるで準備運動だ。
慣れぬ体を馴染ませる為の。
少なくとも【憎悦】自身はそうとしか思ってはいない。
神的肉体を得た今、心昂らずにはいられようか。
少なくとも、ベースとなった心体がその事実に悦びを隠せないからこそ。
「ふははは!! 素晴らしいッ!! この身体、このパワー!! これが超人というヤツかああ!! ずっと心の底では憧れていたぞぉ……デュランの様な力強さ、アルバの様な強靭な肉体、エクィオの様な俊敏さを!! それを俺は一気に全て手に入れたあッ!! 邪神に心を売った事でッッ!!!」
そう、悦んでいるのだ。
驚異的な肉体を得た事に。
その心に潜む憎悪を捧げた事によって得た力に。
その者の名はジェロール。
ディック一家を不幸に落とし、祖国フランスをも貶めた張本人である。
しかしてその身体には他の精神体までもが混じっている。
憎しみを是として他者を殺し尽くそうとしたレヴィトーンと。
民衆への憤りを憎悪へと換えて踏み躙ろうとした小嶋由子と。
それらを基軸として集まった多くの怒り、憎しみ、怨みの感情が。
象っているのはまさに憎悪。
そしてその感情を悦びと換えられる者を母体としている。
―――故に【憎悦】ジェロール。
それ以外に形容しようもない。
まさに人類が生み出した象徴と言えるだろう。
人から生み出されし邪神の従者が破壊の限りを尽くす。
まるで育ててくれた親に御礼を返すかの如く。
その無邪気とも足る心と力で、何もかもをも。
アフリカ大陸南西部。
ナイジェリア連邦共和国、旧首都ラゴスでは―――
「諦めませう、諦めませう。 心の赴くままに。 何もかもをも溶かし、主様に御心を捧げませう」
東洋風の錦織物を纏った美女が歩く。
青く長い髪をさらりと巻き上げながら。
一歩踏み締める度に、振袖を巻き上げた手を打って。
ポン、ポン、と緩やかなリズムのままに。
ただし、その美女が無数で。
街の各所で同じ様に動き、手を打って。
その度に人の心が消えていく。
音が一つ鳴る度に、人から抵抗心が消えていく。
心が消えた者はただぐらりと立ち尽くすだけで。
あるいは糸が切れた操り人形の様に倒れ落ちて。
体液を、糞尿を垂れ流そうが誰も気には留めず。
しかし決して人々から感情が消えた訳では無い。
実の所、心の奥底では全部見えているのだ。
自分達がどういう状況に陥っているのかがハッキリと。
でも何も出来ない。
何もさせてくれない。
美女の言葉が体と心を切り離し、自由を奪ったからこそ。
故に人々は恐怖する。
ただただ何も出来ずに廃人化していく事に。
更には美女達に潰され、死んでいく者達を目の当たりにして。
その心に響くのはもはや恐怖の根源である者の声のみ。
そう成せる者こそ、【諦唯】マドパージェ。
「畏れや神を。 願えや死を。 なれば主様は応えてくれませう。 共に至福の快苦を味わいませう」
その語りながら踊り行く姿はまるで舞子か。
でもその踊りが誘いしは死と恐怖。
白い顔肌を隠す青のヴェールが冷血ささえ醸し出し、人々の恐怖を煽りに煽る。
「其れが皆さまの幸せとなりますれば、この手この足を奮う事も厭いませぬ」
暴力では無く、ただの両平手一打ちによる無力化。
これが如何に人々を恐れさせたかわかるだろうか。
たったそれだけで人間は死ぬ。
それも何一つ抵抗出来ずに。
自分達はその程度の生き物でしかないと認識しながら。
如何に自分達がちっぽけで、ムシケラと大差無いのだと。
そう理解させられたのである。
それだけで充分だった。
たったそれだけで【諦唯】は恐怖を抽出する事が出来るのだから。
全ては、信奉する主へ最も尽くす為に。
ユーラシア大陸北西部。
ヨーロッパ、ドイツ連邦共和国、エッセンでは―――
「そ、そんな、アリエナイッ!! ガハッ!?」
街が燃えている。
それも、何処も彼処も見境無く。
明るい空さえも押し退ける程に轟々と。
その中に、あのパーシィとシスターキャロの姿が。
だがシスターキャロは瓦礫に埋もれて虫の息で。
パーシィでさえも成す術も無く、首を掴まれ宙へと浮かされる。
それを成せしは巨大な人型の魔人。
筋骨隆々の体全てが紅蓮の如き赤に染め上がり。
肩や肘膝などが刺々しく伸びて、内に秘めた鬼気を形に。
それでいて常に歯軋りをする顔はまさに怒り猛りの様相か。
【憤常】ゴルペオである。
「怒、怒、怒ッ!! 有り得る!! これが現実だッ!! 脆弱な肉と我等神との決定的な差であるッ!! 故に憤る!! この程度の力で我等に逆らおうなどとッ!!」
二人は偶然居合わせたのだ。
ゴルペオが現れたこの場所に。
それで勇敢にも戦いを挑んだのだが。
その結果は、圧倒的敗北。
尋常では無かった。
二人の力が一切通じなかったのだ。
それどころか、反撃の気迫だけで―――街はこの有様である。
その後のたった一撃でシスターキャロは死に掛けて。
残るパーシィもこうして殺され掛けている。
現実は無情だ。
勇達と良い戦いを繰り広げたはずのこの二人が、こうも圧倒されるなど。
いや、それだけゴルペオが強いのだ。
実力の底こそ未知数だが、グランディーヴァでさえ易々と止める事は叶わないだろう。
もしかしたら集団で掛かろうとも苦戦を強いられるかもしれない。
それも当然か。
何故ならば―――
「怒! 怒! 怒ォォォ!! 【六崩世神】の中で最も強い我、【憤常】ゴルペオがあッ!! 貴様等ムシケラ如きにィ!! 全力を見せつけるまでも無いわァァァ!!」
そう、ゴルペオは【六崩世神】の中で最も実力があるとされている。
それは単純に力が強いからこそ。
他者を圧倒する強靭な肉体と力がそう位置付けたが故に。
故にパーシィとシスターキャロでは止める事も叶わない。
勇一人に全く敵わなかったこの二人では。
絶対的な力の差を見せつけて、【憤常】ゴルペオが街を焼く。
強者二人を瞬く間に地へと沈めて。
果たして、かの様な最強の従者を―――誰が止められるのだろうか。
ユーラシア大陸北部。
ロシア連邦モスクワ州、首都モスクワでは―――
「ぺるっ、ぺるっ、ぺーるる~ん!!」
こんな声を上げて愉快そうに跳ねる幼女の姿が一人。
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、時にはくるりと宙返りしたり。
無邪気に笑うその姿はまさに子供そのものだ。
ただ、普通の子供かと言えばそれは違う。
背丈はおおよそ、常人の股下くらい。
でもその頭には、牡鹿の様な淡く輝く角を生やしていて。
若草色の厚手もこもこワンピーススカートをふわりと捲らせているけれど。
よくよく見れば、そのスカートは身体との継ぎ目が一切無い。
そして何より、人を踏み潰しながら飛んでいるのだ。
幼女の姿にも拘らず、その所業は異様以外の何物でも無かった。
頭を踏まれた者は須らく、骨片一つ遺さずミンチと化していたのだから。
まるで超重量の重機に押し潰されたかの如く。
それも距離が離れていようが関係は無い。
遠くで逃げ回る者の頭に瞬時に飛び乗り、潰してまた飛び移って。
例え何百メートル離れていようとも、一瞬にして追い付き必ず潰すという。
一人、また一人と、返り血が付かない程に絶え間無く。
彼女の名は【劣妬】ペルペイン。
言動に倣った容姿と、それに似付かわしくない所業を成す者である。
「にくをつぶすの、あきちゃった。 おなかすいたから、げんきをもらうね」
しかしそんな無邪気な殺戮も間も無く終わる。
飛び跳ねるのを止めた事によって。
でもそれは決して安堵の時が訪れたという訳ではない。
たちまちペルペインの身体がふわりと宙に浮いて。
空高く舞い上がり、その身を大の字に大きく広げる。
するとどうだろう。
突如として頭の角が強く輝き―――無際限に伸びていく。
それも無数に枝分かれし、まるで触手の様に蠢いて。
その間も無く、阿鼻叫喚が街を再び包む事に。
なんと角触手が人間一人一人を突き刺し始めたのだ。
近隣にて逃げ惑う人間を一人残らず。
しかもそれだけではない。
突き刺された者が次々に干からび、枯れ果て、崩れ始めていく。
そう、ペルペインは人間の精気を栄養にしているのである。
人が苦しもうが死のうが気に留める事も無く。
動く者全ての生命エネルギーを吸い尽くす。
子供らしい無邪気な笑顔のままに。
まさに死神の所業か。
死を運ぶ幼女にはもはや、命を諭す事など出来はしないだろう。
ユーラシア大陸南部。
インド共和国、デリー連邦直轄地ニューデリーでは―――
「さぁさぁ不遜な肉狩りをォ始めようかぁ!! きっと誰しもが主様に逆らおうとしているだろうからなぁ!!」
闇夜の街が今、恐怖で震える。
人々が空を見上げて慄く中で。
それもそのはず。
暗空を遮る程の巨体が突如として出現したのだから。
そう、巨体だ。
身長おおよそ三〇〇メートルにも至る程の。
巨大な岩の身体を有した巨人が街を見下ろしていたのである。
その様相はまさに【グリュダン】―――ずっと以前に勇達が戦った岩巨人と瓜二つで。
ただ異なる事があるとすれば、腹部に巨大な顔が浮かんでいる所か。
この声はそんな顔から打ち放たれたものだ。
その顔の主こそ【揚猜】オーギュ。
まさしく岩巨人の一部となっている。
そう喋り散らかした途端、巨体が動き出した。
街を、人を、踏み潰し始めたのだ。
更には巨腕を振るい、ビル群さえも一薙ぎで吹き飛ばして。
いざ力の限りに跳べば―――その引風だけで家々が吸い込まれて崩壊していく。
いざ全身で着地すれば―――その地響きだけで大地が陥没し全てを飲み込む。
その巨体を前に人々が成せる事などありはしない。
いくら全力で逃げようと、たった一歩だけで軽く追い越されてしまうから。
まるで怪獣映画の光景さながらである。
人々が逃げ惑い、それを怪獣が如き巨身が踏み潰す。
皆が恐怖に怯え、救いは無い。
それは例え軍隊が来ようとも。
最新鋭の戦闘機が、強固な戦車が到来しようが結果は変わらないだろう。
「のぁーはっは!! 遂には玩具まで取り出しよったぁ!! まぁだママゴトのつもりかぁ!?」
ミサイルが打ち当たり炎上しようと効きはしない。
砲弾が撃ち込まれようが通用しない。
圧倒的質量と神の如き力に遮られ、人間の武器などまさに玩具の様な物だったから。
あとは蠅を堕とすかの如く叩き潰せばいい。
あとは蟻を祓うかの如く踏み潰せばいい。
今のオーギュにとって人間の兵器など、その程度の相手でしかないのだ。
この時、街は崩壊する。
これ以上無い恐怖を巻き上げて。
オーギュの破壊行動のみならず、自らの戦闘行為によって。
故にオーギュは戯れるのみ。
ただそれだけで、人間達は勝手に自滅していくのだから。
ただほくそ笑み、恐怖心を煽り続ければいいだけなのだ。
その巨体ならば造作も無い事だからこそ。
そして現れたのは【六崩世神】だけでは無い。
世界中の各都市にて、一部の人間が突如として怪物に変わったのである。
負の力を植え付けられたネメシス体として。
一匹一匹の力はかつてのカイト・ネメシスと比べればずっと弱い。
精々普通の人間なら太刀打ち出来ない程度の個体だ。
ベースの誰しもが、存在感の薄い弱者だったから。
しかしその姿はまさに悪魔そのもので。
人々の恐怖を煽るには充分過ぎた。
故に世界が揺れる。
迫り来る無数の悪魔達と、天に映し出された【六崩世神】の暴虐を前にして。
阿鼻叫喚だった。
戦時中かの様だった。
誰しもが怯み、脅え、恐怖して。
泣き、叫び、時には怒りに咆え猛る。
その現場にはもう、人としての理性を保てている者は居ない。
人々はただただ逃げ惑い、脅え隠れるのみ。
どこに逃げても、どこに隠れても助からないとわかっていても。
もうどこにも救いは無いとわかっていようとも。
たった数刻だった。
たった数刻で世界は恐怖に堕ちたのだ。
アルトラン・ネメシスの崩世計画に沿って抜かりなく。
これこそが邪神の所業なり。
これこそが崩世の集大成なり。
神の沙汰を前にはもはや、ちっぽけな人間の逃げ道などありはしないのだ。
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