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第一章
第17話 ノオン達、意外と強かった?
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思えばなかなかしんどい戦いだったな。
まさか伝説の聖剣と戦う事になるとは思わなかったよ。
まぁ賊の親玉ツァイネルはもう物言う事さえ出来ないけれど。
とはいえ、人であった時よりはずっとマシだろう。
消費する事しか出来なかった前よりは。
実を生らして森を育める様になったから、ずっと生産的でさ。
「さて、こいつらの証拠でも集めておくか」
しかしこのまま放って置く訳にはいかない。
賊どもの証拠を集め、真実を伝えなければ。
最悪、戦争に発展する可能性もあるが。
けど、俺にもさすがにその戦争を防ぐ手立ては無い。
仮に真実を伏せた所で、第二第三の盗賊が生まれるだけだ。
それに今もこいつらだけが犯人とも限らないし。
もしかしたら他に似たような団体がいるかもしれない。
それを俺一人で、は骨が折れる。
だからといって紫空界を止めるにも、真相を掴む手段が無いからな。
正直な所、お手上げだ。
ならもう国家間で話し合って貰うしかない。
その結果「やめてね、うんわかったー」で済めば御の字だろう。
そうなる事を祈るしかないんだ。
これがツァイネルの言った「相応の代償」なんだろうな。
全く、面倒な土産を置いて逝ったものだ。
とはいえ嘆いていても仕方がない。
なのでひとまずツァイネルのサークレットを回収。
ついでに聖剣も頂くとしよう。
ただこのまま持ってると明らかに怪しいので対策を施す。
聖剣は【輝操転現】で砂糖にでも変えておこう。
後でうっかり舐めないよう専用の袋に仕舞っておくか。
うん、もしもの時の非常食にもなるしバッチリだな。
なお、俺は使うつもりなんて無い。
聖剣なんて大それた物を持ちたいと思える性分じゃないんでね。
それに飛び道具は個人的に好きじゃないしな。
そんな訳で遺品をポイポイと回収し終えて。
背中の鞄がパンパンとなった所で次を考える。
恐らく今頃、外の奴等が異変に気付いて向かっているかもしれない。
あんなデカい樹が飛び出したら誰だって驚くだろうし。
まだ来ない辺り、外で待ち構えている可能性もあるな。
となればうかうか安心しては居られない。
通路は狭いから戦いにくいし、まだ面倒は多そうだ。
と思った矢先、早速足音が。
仕方がない、ここで迎え撃つか。
「アークィン! 合図を受け取ったよ!」
「なッ!? ノオン!?」
けれどやって来たのは意外にも意外、ノオン達だった。
いや、待て。
なんでここまで来た?
合図なんて出していないぞ??
そもそもどうやってここまで来れた???
道中には多くの敵がいたはずだ。
寝てた奴等だっていたし、その数は計り知れない。
それをどうやって突破して来たっていうんだ!?
「ほら、さっき『ドンドンドドーン』と音がしたじゃあないか!」
「あーあの斬撃の音ね。ってそれ合図違ぁうッ!!」
「そうしたら敵が何を思ったのか一杯出て来たんだ!」
「あーそれでこっち来なかったのか。ってそれじゃ何故ここまで来れた!?」
状況的に俺が助かる風に動いていたのはいい傾向だ。
だけどその全てを(良い意味で)無為にしたノオン達って何!?
まさかこいつら、実はツァイネルの仲間とかじゃないよな?
「それは簡単さ。ボクがズバーッ! シュビーッ! とね」
「そして私とクロ様でズドン! ドッカァンさ」
「テッシャもね、ばばばー! ドッパァンってやったよー!」
「くふふ、フィーの強化魔法は~ビャ~なのーよー」
わからん。
だけど嘘では無さそうだ。
だってノオン達に付いた返り血すごいもん。
なにこれ、軽くスプラッターなんだけど。
まぁ俺も人の事言えない様な所業をしたけどさ。
「おや、これは凄いね。元からあったのかい?」
「あーいや、俺がやった」
「さすがだねアークィン、どうしてこんな事が出来るのか不思議でしょうがないよ」
するとノオン達がツァイネル樹に気付き、驚きを見せる。
それでも追及してこない辺り、やっぱり空気は読めているらしい。
彼等は俺の詮索をしないんだ。
興味が無いのか、それとも礼儀をわきまえているのか。
だから俺も必要以上にノオン達に干渉していない事にしている。
探りを下手に入れるのも悪い気がしたからな。
もしかしたらきっと同じ様な理由かもしれない。
おや、ノオンがツァイネルの頭に気付いた様だ。
やはり気色悪いのか、恐る恐る覗き込んでいる。
「この顔って――もしかして賊はツァイネル殿だったのかい?」
「なッ!?」
しかしその時、驚くべき事をノオンが口走った。
待て、俺はまだその名を教えていないぞ!?
「何故その名を知っているッ!?」
「何でって、知っているからさ。面識もあるし、なんなら話した事もあるよ。小さい頃だけどね」
「何ィ……!?」
「ボク、紫空界の出身なんだよ」
これにはビックリだよ。
まさかノオンがツァイネルの身近に居た人物だったとは。
間者であるとは思えないが、これはこれで衝撃的だぞ。
「ごめんアークィン、ちょっと戦いで得た詳細を教えてくれないか? 場合によっては動き方を変えなければならないかもしれない」
「どういう事だ?」
「このままだと青空界と戦争になりかねないよね。でも多分ボクなら何とか出来るかもしれないんだ」
「何、本当か!?」
しかもまさかの予想外の話に。
ノオンが戦争を止められるかもしれない、だって!?
つまりお前は只うるさくて騎士被れで転がるのが趣味な奴じゃないって事か!?
それなら願ったりだ。
もし可能性があるのなら、俺はこの状況を変えたい。
平穏に変えられる事が出来るのならば。
こうして俺はノオンに戦いで得られた情報を話した。
ツァイネルの事。
彼等の目的の事。
それとその発端がまだわからない事も。
でもそれだけで充分だったらしい。
そこでノオンはこう提言した。
〝今回の事はしばらく伏せておき、紫空界に行って真相を確かめよう〟と。
その理由は、俺達が探りを入れている事をバレない様にする為だ。
だから敢えて賊が何者かを知らされないようにしておく。
青空界がもしそれを知って行動を起こせば混乱するだけだから。
青空界王国まではさすがにノオンでもどうにもならないらしいので。
もちろん、事が済んだら【ケストルコート】を通じて真実を報告する。
それまでは今回の戦闘自体を無かった事にするという。
ただし捕まった人達はちゃんと助けた上で。
そこで俺は、さっきの少女達が助かるならそれでいいと伝えた。
仲間達も同様の意見だ。
なので俺達はノオンの策に乗り、救助だけを済ませて戻る事に。
助けた人達にも「君達を救助しに来ただけ」と伝えて。
なお、救助人数はなんと一七七人。
他の部屋にも多く詰め込まれていたのだ。
ちなみに賊どもは殲滅済み、本気でノオン達がやったらしい。
ただその怒涛の惨劇を前にして、要救助者達が吐き散らかす事態に。
すまない、俺がやった訳じゃないけどすまない。
にしてもこの四人、実は結構強いんじゃないか?
単に俺が粋がっていただけで。
……地位や名誉で驕るな、か。
どうやら立場に驕りを抱いていたのは俺も、だったらしいな。
うーむ、これは大いに反省しなければ。
まだまだ修行が足りんなー。
まさか伝説の聖剣と戦う事になるとは思わなかったよ。
まぁ賊の親玉ツァイネルはもう物言う事さえ出来ないけれど。
とはいえ、人であった時よりはずっとマシだろう。
消費する事しか出来なかった前よりは。
実を生らして森を育める様になったから、ずっと生産的でさ。
「さて、こいつらの証拠でも集めておくか」
しかしこのまま放って置く訳にはいかない。
賊どもの証拠を集め、真実を伝えなければ。
最悪、戦争に発展する可能性もあるが。
けど、俺にもさすがにその戦争を防ぐ手立ては無い。
仮に真実を伏せた所で、第二第三の盗賊が生まれるだけだ。
それに今もこいつらだけが犯人とも限らないし。
もしかしたら他に似たような団体がいるかもしれない。
それを俺一人で、は骨が折れる。
だからといって紫空界を止めるにも、真相を掴む手段が無いからな。
正直な所、お手上げだ。
ならもう国家間で話し合って貰うしかない。
その結果「やめてね、うんわかったー」で済めば御の字だろう。
そうなる事を祈るしかないんだ。
これがツァイネルの言った「相応の代償」なんだろうな。
全く、面倒な土産を置いて逝ったものだ。
とはいえ嘆いていても仕方がない。
なのでひとまずツァイネルのサークレットを回収。
ついでに聖剣も頂くとしよう。
ただこのまま持ってると明らかに怪しいので対策を施す。
聖剣は【輝操転現】で砂糖にでも変えておこう。
後でうっかり舐めないよう専用の袋に仕舞っておくか。
うん、もしもの時の非常食にもなるしバッチリだな。
なお、俺は使うつもりなんて無い。
聖剣なんて大それた物を持ちたいと思える性分じゃないんでね。
それに飛び道具は個人的に好きじゃないしな。
そんな訳で遺品をポイポイと回収し終えて。
背中の鞄がパンパンとなった所で次を考える。
恐らく今頃、外の奴等が異変に気付いて向かっているかもしれない。
あんなデカい樹が飛び出したら誰だって驚くだろうし。
まだ来ない辺り、外で待ち構えている可能性もあるな。
となればうかうか安心しては居られない。
通路は狭いから戦いにくいし、まだ面倒は多そうだ。
と思った矢先、早速足音が。
仕方がない、ここで迎え撃つか。
「アークィン! 合図を受け取ったよ!」
「なッ!? ノオン!?」
けれどやって来たのは意外にも意外、ノオン達だった。
いや、待て。
なんでここまで来た?
合図なんて出していないぞ??
そもそもどうやってここまで来れた???
道中には多くの敵がいたはずだ。
寝てた奴等だっていたし、その数は計り知れない。
それをどうやって突破して来たっていうんだ!?
「ほら、さっき『ドンドンドドーン』と音がしたじゃあないか!」
「あーあの斬撃の音ね。ってそれ合図違ぁうッ!!」
「そうしたら敵が何を思ったのか一杯出て来たんだ!」
「あーそれでこっち来なかったのか。ってそれじゃ何故ここまで来れた!?」
状況的に俺が助かる風に動いていたのはいい傾向だ。
だけどその全てを(良い意味で)無為にしたノオン達って何!?
まさかこいつら、実はツァイネルの仲間とかじゃないよな?
「それは簡単さ。ボクがズバーッ! シュビーッ! とね」
「そして私とクロ様でズドン! ドッカァンさ」
「テッシャもね、ばばばー! ドッパァンってやったよー!」
「くふふ、フィーの強化魔法は~ビャ~なのーよー」
わからん。
だけど嘘では無さそうだ。
だってノオン達に付いた返り血すごいもん。
なにこれ、軽くスプラッターなんだけど。
まぁ俺も人の事言えない様な所業をしたけどさ。
「おや、これは凄いね。元からあったのかい?」
「あーいや、俺がやった」
「さすがだねアークィン、どうしてこんな事が出来るのか不思議でしょうがないよ」
するとノオン達がツァイネル樹に気付き、驚きを見せる。
それでも追及してこない辺り、やっぱり空気は読めているらしい。
彼等は俺の詮索をしないんだ。
興味が無いのか、それとも礼儀をわきまえているのか。
だから俺も必要以上にノオン達に干渉していない事にしている。
探りを下手に入れるのも悪い気がしたからな。
もしかしたらきっと同じ様な理由かもしれない。
おや、ノオンがツァイネルの頭に気付いた様だ。
やはり気色悪いのか、恐る恐る覗き込んでいる。
「この顔って――もしかして賊はツァイネル殿だったのかい?」
「なッ!?」
しかしその時、驚くべき事をノオンが口走った。
待て、俺はまだその名を教えていないぞ!?
「何故その名を知っているッ!?」
「何でって、知っているからさ。面識もあるし、なんなら話した事もあるよ。小さい頃だけどね」
「何ィ……!?」
「ボク、紫空界の出身なんだよ」
これにはビックリだよ。
まさかノオンがツァイネルの身近に居た人物だったとは。
間者であるとは思えないが、これはこれで衝撃的だぞ。
「ごめんアークィン、ちょっと戦いで得た詳細を教えてくれないか? 場合によっては動き方を変えなければならないかもしれない」
「どういう事だ?」
「このままだと青空界と戦争になりかねないよね。でも多分ボクなら何とか出来るかもしれないんだ」
「何、本当か!?」
しかもまさかの予想外の話に。
ノオンが戦争を止められるかもしれない、だって!?
つまりお前は只うるさくて騎士被れで転がるのが趣味な奴じゃないって事か!?
それなら願ったりだ。
もし可能性があるのなら、俺はこの状況を変えたい。
平穏に変えられる事が出来るのならば。
こうして俺はノオンに戦いで得られた情報を話した。
ツァイネルの事。
彼等の目的の事。
それとその発端がまだわからない事も。
でもそれだけで充分だったらしい。
そこでノオンはこう提言した。
〝今回の事はしばらく伏せておき、紫空界に行って真相を確かめよう〟と。
その理由は、俺達が探りを入れている事をバレない様にする為だ。
だから敢えて賊が何者かを知らされないようにしておく。
青空界がもしそれを知って行動を起こせば混乱するだけだから。
青空界王国まではさすがにノオンでもどうにもならないらしいので。
もちろん、事が済んだら【ケストルコート】を通じて真実を報告する。
それまでは今回の戦闘自体を無かった事にするという。
ただし捕まった人達はちゃんと助けた上で。
そこで俺は、さっきの少女達が助かるならそれでいいと伝えた。
仲間達も同様の意見だ。
なので俺達はノオンの策に乗り、救助だけを済ませて戻る事に。
助けた人達にも「君達を救助しに来ただけ」と伝えて。
なお、救助人数はなんと一七七人。
他の部屋にも多く詰め込まれていたのだ。
ちなみに賊どもは殲滅済み、本気でノオン達がやったらしい。
ただその怒涛の惨劇を前にして、要救助者達が吐き散らかす事態に。
すまない、俺がやった訳じゃないけどすまない。
にしてもこの四人、実は結構強いんじゃないか?
単に俺が粋がっていただけで。
……地位や名誉で驕るな、か。
どうやら立場に驕りを抱いていたのは俺も、だったらしいな。
うーむ、これは大いに反省しなければ。
まだまだ修行が足りんなー。
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