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第一章
第2話 破天荒なバーチャルヘルパーちゃん
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『あーあー、お疑いの所申し訳ありませんが、面倒なことになる前にさっさと説明しちゃおうと思いまーす!』
周囲に人が隠れられるような場所はどこにも無い。
それにもかかわらずいきなり傍から現れるなんてどう考えても普通じゃない。
それに何も声を上げていないにもかかわらず心境を当ててくる。
まるで俺の心を読んでいるかのようだ。
そんな複雑な心境を知ってか知らずか、彼女がダブルピースをキメてニコニコと話し始める。
『はいはいご注目~! 私の名前は〝入鹿へるぱ〟と申しますぅ~! 以後お見知りおきを! 見ての通り超絶美少女となっておりまーす! やったね!』
だが彼女が自己紹介をした途端、俺は堪らず驚いてしまった。
彼女の頭上に「入鹿へるぱ」というゴシック文字がシュッと現れたのだ。
和名!? 外国人みたいなのに!?
いや、それよりもあの名前、どうやって浮いているんだ!?
し、しかもその文字が途端に拡大して迫って来た!?
「うわあああああ!!!??」
『きっともう忘れられない名前になったかと思いますぅ~!』
ただその文字も目前で一瞬にして消え去り、再び彼女と草原が視界いっぱいに。
あまりにも常軌を逸したことが続き、つい目を擦ってしまう。
だがまただ。また奇妙なことが起きた。
瞼を閉じているのに彼女の姿がはっきり見える。
黒い背景に彼女だけがずっと見え続けているのだ。
当然ながら目を見開いても位置も姿も変わらない。
それどころか目線を移動させても彼女はなお視界中央にいたままだ。
『ああ~私、いわゆるヘルプ機能なので視界からは消せませぇん。それが! ここに来たあなたに! 付与された! チート能力ゥ!』
「は!? ここに来た!? チート!? はあ!?」
『ま、助言するだけのおまけみたいな力なんですけどねぇーウフフフフ……』
そんな彼女が空中に片足を乗り出して勝手に黄昏れる。
するとなぜか景色の先でカモメみたいな鳥が飛んでいった。
しかし飛び去った後を視線で追っても当然の如く何もいない。
『と、そんな訳で!』
「は、はい!?」
『パンピーで取柄が無いながらも後悔まみれで無惨に事故死したあなたは! なんと! この世界での復活やり直しが許されました~~~! 異世界転生、おっめでとうございますぅ~~~!』
「異世界転生!? つぅかなんだよその祝福!? 全然おめでたくねェーーー!!!!!」
祝うにも祝い方というものがあるだろう!?
これじゃあまるで「ロクでもない人生演出したからサービスしといたよ!」って言われているみたいじゃねぇかあああ!
「……だけどまさか異世界転生とは。はぁ~~~なんでまたそんなことに」
へるぱとかいう女からとんでもない事実を聞かされ、落胆を禁じ得ない。
生き返ったこと自体は嬉しいのだが、世界が違うとなれば話は別だ。
つまり今まで使えていた道具が存在しないって訳で。
タブレットもスマホも無きゃ、どうしたらいいかってこともさっぱりわからない。
やり直すならせめてどこかの子どもとして一からやり直したかったよ。
『まぁまぁそうガッカリしないでくださいよぉ。そのために私みたいな美少女がいるんだからぁ!』
「自分で美少女とか言っちゃう奴にロクな奴いねーわ」
だけど嘆いていたって何も始まりはしない。
だから気を取り直し、前向きに考えることにした。
へるぱが助けてくれる存在だっていうなら少しは頼りにしていいのだろうし。
「……ったく、それで? へるぱちゃんは何を教えてくれるんだ?」
『んーそうですねぇ、例えば……あ、ほら、景色の向こうにウサちゃん居ますよ! かわいいですねーっ!』
「あん? ……あ、ホントだ」
すごくどうでもいい話題だが、嘘って訳ではなさそうだ。
指を差された方を向けば、夕焼けに照らされて浮かぶウサギっぽい姿が実際に。
異世界ってのにもウサギがいるんだな。
『しかもほら、向こうもあなたに気付いたみたいですよっ!』
言われた通り、ウサギがこっちを見て、ちょんちょんと跳ねてこっちへやってくる。
うんまぁ、こういう些細なことでも教えてもらえるのは助かるよな。
道標になることまで教えてくれりゃもっと助かるんだけど。
……あれ?
なんだ、あのウサギ、妙に大き――
「――ってうおおお!!? で、でけぇええええ!!!???」
そうだよな、最初から彼方にいてウサギってわかるくらいだもんな。
遠近法の関係上、近づけばそれなりに大きくなるはずだよな。
という訳で俺の前にまでやってきたのは、三メートルにも達しそうな身長を持つ超巨大ウサギ。
しかもよく見るとたくさん牙も生えてるし爪も長くて鋭いし、色々ヤバいんですが?
『見てください! 耳がすごい長いです! モフモフでキュートですよね!』
「そうだがそれ以上に観点と危険度がヤバ過ぎんだろォォォ!!!??」
そんな化け物が蒸気のような吐息を吐き散らして俺の前で仁王立ちする。
目もウサちゃんらしく(?)燃えているかのような深紅で光っているし。
完ッ全に臨戦態勢だコレェ……!
『ピピピピン! チャージングラビット、獣系魔物。獰猛な性格と強い縄張り意識を持ち、侵入者を情け容赦なく切り刻む。レベル37。世界的に見て雑魚の部類』
「世界的に見るんじゃねええええええ!!!!! 現場的に見ろおおおおおお!!!!!」
「グルオォアッッッ!!!!!」
「ひいいいいいいいい!!!!!?????」
へるぱによる場のモンスター的な説明通り、かなりの凶暴さだった。
一つ溜めたと思えば、一気に飛び掛かって来たのだ。
それを間一髪横に跳ね逃げて躱せたが、これが続くのはとてもまずい!
「グゥワァオッッッ!!!!!」
「んっがあああ!!!!!」
またしても飛んで跳ねて逃げるが長くは保ちそうにない。
これって実はとんでもなくマズい状況なのでは……?
周囲に人が隠れられるような場所はどこにも無い。
それにもかかわらずいきなり傍から現れるなんてどう考えても普通じゃない。
それに何も声を上げていないにもかかわらず心境を当ててくる。
まるで俺の心を読んでいるかのようだ。
そんな複雑な心境を知ってか知らずか、彼女がダブルピースをキメてニコニコと話し始める。
『はいはいご注目~! 私の名前は〝入鹿へるぱ〟と申しますぅ~! 以後お見知りおきを! 見ての通り超絶美少女となっておりまーす! やったね!』
だが彼女が自己紹介をした途端、俺は堪らず驚いてしまった。
彼女の頭上に「入鹿へるぱ」というゴシック文字がシュッと現れたのだ。
和名!? 外国人みたいなのに!?
いや、それよりもあの名前、どうやって浮いているんだ!?
し、しかもその文字が途端に拡大して迫って来た!?
「うわあああああ!!!??」
『きっともう忘れられない名前になったかと思いますぅ~!』
ただその文字も目前で一瞬にして消え去り、再び彼女と草原が視界いっぱいに。
あまりにも常軌を逸したことが続き、つい目を擦ってしまう。
だがまただ。また奇妙なことが起きた。
瞼を閉じているのに彼女の姿がはっきり見える。
黒い背景に彼女だけがずっと見え続けているのだ。
当然ながら目を見開いても位置も姿も変わらない。
それどころか目線を移動させても彼女はなお視界中央にいたままだ。
『ああ~私、いわゆるヘルプ機能なので視界からは消せませぇん。それが! ここに来たあなたに! 付与された! チート能力ゥ!』
「は!? ここに来た!? チート!? はあ!?」
『ま、助言するだけのおまけみたいな力なんですけどねぇーウフフフフ……』
そんな彼女が空中に片足を乗り出して勝手に黄昏れる。
するとなぜか景色の先でカモメみたいな鳥が飛んでいった。
しかし飛び去った後を視線で追っても当然の如く何もいない。
『と、そんな訳で!』
「は、はい!?」
『パンピーで取柄が無いながらも後悔まみれで無惨に事故死したあなたは! なんと! この世界での復活やり直しが許されました~~~! 異世界転生、おっめでとうございますぅ~~~!』
「異世界転生!? つぅかなんだよその祝福!? 全然おめでたくねェーーー!!!!!」
祝うにも祝い方というものがあるだろう!?
これじゃあまるで「ロクでもない人生演出したからサービスしといたよ!」って言われているみたいじゃねぇかあああ!
「……だけどまさか異世界転生とは。はぁ~~~なんでまたそんなことに」
へるぱとかいう女からとんでもない事実を聞かされ、落胆を禁じ得ない。
生き返ったこと自体は嬉しいのだが、世界が違うとなれば話は別だ。
つまり今まで使えていた道具が存在しないって訳で。
タブレットもスマホも無きゃ、どうしたらいいかってこともさっぱりわからない。
やり直すならせめてどこかの子どもとして一からやり直したかったよ。
『まぁまぁそうガッカリしないでくださいよぉ。そのために私みたいな美少女がいるんだからぁ!』
「自分で美少女とか言っちゃう奴にロクな奴いねーわ」
だけど嘆いていたって何も始まりはしない。
だから気を取り直し、前向きに考えることにした。
へるぱが助けてくれる存在だっていうなら少しは頼りにしていいのだろうし。
「……ったく、それで? へるぱちゃんは何を教えてくれるんだ?」
『んーそうですねぇ、例えば……あ、ほら、景色の向こうにウサちゃん居ますよ! かわいいですねーっ!』
「あん? ……あ、ホントだ」
すごくどうでもいい話題だが、嘘って訳ではなさそうだ。
指を差された方を向けば、夕焼けに照らされて浮かぶウサギっぽい姿が実際に。
異世界ってのにもウサギがいるんだな。
『しかもほら、向こうもあなたに気付いたみたいですよっ!』
言われた通り、ウサギがこっちを見て、ちょんちょんと跳ねてこっちへやってくる。
うんまぁ、こういう些細なことでも教えてもらえるのは助かるよな。
道標になることまで教えてくれりゃもっと助かるんだけど。
……あれ?
なんだ、あのウサギ、妙に大き――
「――ってうおおお!!? で、でけぇええええ!!!???」
そうだよな、最初から彼方にいてウサギってわかるくらいだもんな。
遠近法の関係上、近づけばそれなりに大きくなるはずだよな。
という訳で俺の前にまでやってきたのは、三メートルにも達しそうな身長を持つ超巨大ウサギ。
しかもよく見るとたくさん牙も生えてるし爪も長くて鋭いし、色々ヤバいんですが?
『見てください! 耳がすごい長いです! モフモフでキュートですよね!』
「そうだがそれ以上に観点と危険度がヤバ過ぎんだろォォォ!!!??」
そんな化け物が蒸気のような吐息を吐き散らして俺の前で仁王立ちする。
目もウサちゃんらしく(?)燃えているかのような深紅で光っているし。
完ッ全に臨戦態勢だコレェ……!
『ピピピピン! チャージングラビット、獣系魔物。獰猛な性格と強い縄張り意識を持ち、侵入者を情け容赦なく切り刻む。レベル37。世界的に見て雑魚の部類』
「世界的に見るんじゃねええええええ!!!!! 現場的に見ろおおおおおお!!!!!」
「グルオォアッッッ!!!!!」
「ひいいいいいいいい!!!!!?????」
へるぱによる場のモンスター的な説明通り、かなりの凶暴さだった。
一つ溜めたと思えば、一気に飛び掛かって来たのだ。
それを間一髪横に跳ね逃げて躱せたが、これが続くのはとてもまずい!
「グゥワァオッッッ!!!!!」
「んっがあああ!!!!!」
またしても飛んで跳ねて逃げるが長くは保ちそうにない。
これって実はとんでもなくマズい状況なのでは……?
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