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第一章
第5話 俺はいったい何者?
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「あああああもう、チッキショオーーーーーー!!!!!」
走る!
走る!
ただひたすら走る!
何十匹いるかもわからない巨大ウサギ軍団からとにかく逃げろ!!
追い付かれてもみろ、一瞬にして屑肉確定だッ!!!
地響きがヤベェ!
威圧感が半端ねェ!
すぐ後ろに真紅アイのウサギ軍団が迫ってると思うと生きた心地がしねェェェ!!!
気分は赤外線ビーム付きの狙撃銃を一斉に向けられているかのようだぜ!!!!!
『すぐ後ろには二番ウサジロウ、三番ウササブロウが今かと迫るっ! だが逃げる、逃げられているぞ一番ピクトグラム、このまま一気に逃げ切れるかーーーっ!?』
しかし視界右下ではへるぱが気の抜ける実況をしてやがる!
つーか、その実況机とマイク一体どこから持って来たアアア!!?
あと俺の馬名ピクトグラムにされてるのな!? どうでもいいけどォ!
『ああーっとここでウサジロウ、ウササブロウ、ウサシロウが速度を下げる! さらに後続の馬と共にグングンと下がっていくぞー!?』
「――え?」
そんな時、へるぱの台詞がふと耳に入り、気になってつい後ろへ振り向く。
すると列を成して立ち止まるウサギ軍団の姿が見えた。
それで速度を緩め、ゆっくり逃げながらも振り返ってみたのだが。
「あいつら、追ってこない……?」
俺がほぼ足を止めた状態になっても一向に向かってはこない。
ただし一定のラインを描くように横並びし続け、もはや壁のようになっている。
『どうやらチャージングラビットの縄張りから出たようですねぇ。あのラインが彼らの領域って訳です』
「そ、それじゃあもう襲ってこないってことか?」
『希少種とか奇行種がいなければ平気でしょうねぇ~』
「そんなのもいんのかよ……遭遇する前に逃げた方が良さそうだ」
なんにせよ助かった。
縄張りの中に突然突っ込まれた身としては気分は複雑だが、イベント回避できりゃとりあえずは文句ない。
曲がりなりにも絵心パワー(仮)の使い方も覚えられた訳だしな。
しかしもう夜になりそうな暗さになってきた。
このまままた変なのと遭遇する前に、どこか人里へ行き着きたいもんだ。
そう思い立つと、疲れきった体を引きずりつつも周囲を見渡す。
すると早速それらしい建造物が遠くに見えた。
横長い壁だ。
あれは明らかな人工建造物。となれば人里に違いない。
だったら完全に夜になる前に辿り着かないと。
猶予は無さそうだと感じ、限界を圧して再び走る。
しっかし、前世だとここまで走れたことは無かったが意外と耐えられるものだ。
ゲームみたいにレベルがあるみたいだし、もしかしたらウサギちゃんを倒したことで身体能力が向上しているのかもしれない。
その辺りは転生ボーナスでもかかっていると思おう。
そんなことを思いつつ走っていたら、割と早く門前へと辿り着くことができた。
それと同時に門番らしい槍を持った兵士が二人、こっちに向かってくる。
「おい、そこの男止まれ」
「ウ、ウーッス!」
「お前何者だ、この町の者ではないな?」
「あー……ええと、今来たばかりというか何というか」
「なんだ、もしかして流民か?」
「流民? んーまぁそんなとこっすね。旅人、みたいな?」
「それにしたって見たことの無い珍妙な格好だなぁ。見た限り荷物も無いし」
本当に今さっきこの世界に来たばかりな手前、何を話したらいいかわからん。
ただとりあえず敵意さえ見せなければ悪いようにはされないだろう。
「実はさっきチャージングラビット?ってのに襲われちゃって。命からがら逃げてきたものでして……」
「奴らと遭遇したのか……そいつは不運だったな。ま、縄張りに入ったことに気付けなかったのはお前さんの落ち度だが」
「あはは、それは不可抗力って奴ですよ。気付いたらそこにいたっていうか」
ある程度は本当の話を織り交ぜておかないとな。
特に、ウサギ軍団の縄張りがスタート地点ってくらいは。
「なんにせよ命があって良かったな。これに懲りて奴らの縄張りには気を付けることだ」
「ウーッス! ありがとうございます!」
あのウサギたちと比べれば門番さんたちのなんて優しいことか。
こんなに心配して貰えたことが嬉しくてたまらないよぉ~!
思わず笑顔を零しつつ、頭を下げて町へと一歩を踏み出す。
せめて泊まれる場所くらいはあればいいんだけどな。
だがそう思っていた矢先、十字に重なった槍が俺の目前に降りてくる。
「おおっと残念だがお前さんは町には入れんよ」
「な、なんで!?」
「そういう規則だからだ。この国の法律を忘れたか? 流民は町に入れないって」
「んな馬鹿なっ!?」
前言撤回だ!
この門番さんたち、融通が利かない!
ルールっていうのは目を瞑っていい時だってあるもんでしょう!?
「もしかしてお前、隣国から来たのか?」
「ま、まぁそんなとこですわ」
「名前は? 身分証明できる物はあるか? あるなら通しても構わんが」
「ああええと、俺の名前はですね、名前は――」
――あれ?
名前……俺の名前、なんだったっけ?
おかしい、思い出せない。
思い出そうとすると頭の中に霧がかったようになっちまう。
親友の名前もそうだ。
アイツとか、親とかの人名がなんでか出てこない。
スマホとかタブレットとか物の名前は出てくるのに。
なんだ、いったい何なんだよこれ……!?
走る!
走る!
ただひたすら走る!
何十匹いるかもわからない巨大ウサギ軍団からとにかく逃げろ!!
追い付かれてもみろ、一瞬にして屑肉確定だッ!!!
地響きがヤベェ!
威圧感が半端ねェ!
すぐ後ろに真紅アイのウサギ軍団が迫ってると思うと生きた心地がしねェェェ!!!
気分は赤外線ビーム付きの狙撃銃を一斉に向けられているかのようだぜ!!!!!
『すぐ後ろには二番ウサジロウ、三番ウササブロウが今かと迫るっ! だが逃げる、逃げられているぞ一番ピクトグラム、このまま一気に逃げ切れるかーーーっ!?』
しかし視界右下ではへるぱが気の抜ける実況をしてやがる!
つーか、その実況机とマイク一体どこから持って来たアアア!!?
あと俺の馬名ピクトグラムにされてるのな!? どうでもいいけどォ!
『ああーっとここでウサジロウ、ウササブロウ、ウサシロウが速度を下げる! さらに後続の馬と共にグングンと下がっていくぞー!?』
「――え?」
そんな時、へるぱの台詞がふと耳に入り、気になってつい後ろへ振り向く。
すると列を成して立ち止まるウサギ軍団の姿が見えた。
それで速度を緩め、ゆっくり逃げながらも振り返ってみたのだが。
「あいつら、追ってこない……?」
俺がほぼ足を止めた状態になっても一向に向かってはこない。
ただし一定のラインを描くように横並びし続け、もはや壁のようになっている。
『どうやらチャージングラビットの縄張りから出たようですねぇ。あのラインが彼らの領域って訳です』
「そ、それじゃあもう襲ってこないってことか?」
『希少種とか奇行種がいなければ平気でしょうねぇ~』
「そんなのもいんのかよ……遭遇する前に逃げた方が良さそうだ」
なんにせよ助かった。
縄張りの中に突然突っ込まれた身としては気分は複雑だが、イベント回避できりゃとりあえずは文句ない。
曲がりなりにも絵心パワー(仮)の使い方も覚えられた訳だしな。
しかしもう夜になりそうな暗さになってきた。
このまままた変なのと遭遇する前に、どこか人里へ行き着きたいもんだ。
そう思い立つと、疲れきった体を引きずりつつも周囲を見渡す。
すると早速それらしい建造物が遠くに見えた。
横長い壁だ。
あれは明らかな人工建造物。となれば人里に違いない。
だったら完全に夜になる前に辿り着かないと。
猶予は無さそうだと感じ、限界を圧して再び走る。
しっかし、前世だとここまで走れたことは無かったが意外と耐えられるものだ。
ゲームみたいにレベルがあるみたいだし、もしかしたらウサギちゃんを倒したことで身体能力が向上しているのかもしれない。
その辺りは転生ボーナスでもかかっていると思おう。
そんなことを思いつつ走っていたら、割と早く門前へと辿り着くことができた。
それと同時に門番らしい槍を持った兵士が二人、こっちに向かってくる。
「おい、そこの男止まれ」
「ウ、ウーッス!」
「お前何者だ、この町の者ではないな?」
「あー……ええと、今来たばかりというか何というか」
「なんだ、もしかして流民か?」
「流民? んーまぁそんなとこっすね。旅人、みたいな?」
「それにしたって見たことの無い珍妙な格好だなぁ。見た限り荷物も無いし」
本当に今さっきこの世界に来たばかりな手前、何を話したらいいかわからん。
ただとりあえず敵意さえ見せなければ悪いようにはされないだろう。
「実はさっきチャージングラビット?ってのに襲われちゃって。命からがら逃げてきたものでして……」
「奴らと遭遇したのか……そいつは不運だったな。ま、縄張りに入ったことに気付けなかったのはお前さんの落ち度だが」
「あはは、それは不可抗力って奴ですよ。気付いたらそこにいたっていうか」
ある程度は本当の話を織り交ぜておかないとな。
特に、ウサギ軍団の縄張りがスタート地点ってくらいは。
「なんにせよ命があって良かったな。これに懲りて奴らの縄張りには気を付けることだ」
「ウーッス! ありがとうございます!」
あのウサギたちと比べれば門番さんたちのなんて優しいことか。
こんなに心配して貰えたことが嬉しくてたまらないよぉ~!
思わず笑顔を零しつつ、頭を下げて町へと一歩を踏み出す。
せめて泊まれる場所くらいはあればいいんだけどな。
だがそう思っていた矢先、十字に重なった槍が俺の目前に降りてくる。
「おおっと残念だがお前さんは町には入れんよ」
「な、なんで!?」
「そういう規則だからだ。この国の法律を忘れたか? 流民は町に入れないって」
「んな馬鹿なっ!?」
前言撤回だ!
この門番さんたち、融通が利かない!
ルールっていうのは目を瞑っていい時だってあるもんでしょう!?
「もしかしてお前、隣国から来たのか?」
「ま、まぁそんなとこですわ」
「名前は? 身分証明できる物はあるか? あるなら通しても構わんが」
「ああええと、俺の名前はですね、名前は――」
――あれ?
名前……俺の名前、なんだったっけ?
おかしい、思い出せない。
思い出そうとすると頭の中に霧がかったようになっちまう。
親友の名前もそうだ。
アイツとか、親とかの人名がなんでか出てこない。
スマホとかタブレットとか物の名前は出てくるのに。
なんだ、いったい何なんだよこれ……!?
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