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第二章
第20話 新生流民区大紹介!前編
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クックック、やはり釣られて来やがったぜェ!
まさしく飛んで火に入る夏の虫、アリジゴクの穴にハマった蟻さんよぉ……!
ならばさぁ見るがいい!
俺たちがこの一ヵ月近くを有して造り上げた技術の粋を!
テメェラ上級国民サマに嫌ってほど味わわせてやるよォォォ!!!!!
「デモンストレーションということは内部に立ち入ろうが何も問題は無いと思ってよいのだな?」
「もちろんでございますっ! むしろご案内いたしましょう、この新生流民区のすばらしさをっ!」
……少しギネス組の影響を受け過ぎてしまったかな? 自重せねば。
だが目的は変わらない。
このバーグ・オムレツとかいう領主のおっさんにこのアトラクションを見せつけるという目的はな。
表の壁は奴を呼び寄せるために用意した急造品に過ぎない。
豊臣秀吉の逸話に倣い、インパクト重視で行かせて頂きましたよっとぉ!
「さぁ早速ですが、こちらは居住エリアでございます!」
そんな訳でさっそく入口すぐの左側を右腕で差し示す。
一礼を交えての華麗な紹介で。
「ぬ、扉が沢山!? まさかこれは!?」
「ええはい、集合住宅でございます!」
まずは軽くジャブから。
入口すぐ近くに造った集合住宅をお披露目だ。
「見てくださいバーギュ様! 壁がしっかりと塗装されています!」
「中もすごい! 内装も綺麗に貼られていますよ!?」
「ば、馬鹿な……こんな短期間にこれほどの物を!?」
「ええ、おまけに三階建てでございまして」
「「「三階建て!?」」」
「おかげで住民分の合計三八部屋、しっかりと完備でございます!」
ククク、たかが流民と侮っていたようだな!?
だがしかぁし! この俺がほんの少し入れ知恵を加えればご覧の通りだ!
『まぁ入れ知恵をしたのはこのへるぱちゃんですけどね! えっへん!』
そう、たかがネタ絵師の俺には当然ながら建築技術など持ち合わせていない。
でもこの世界を把握しきっているへるぱなら建築設計さえもAIの如く一瞬で答えを出すことが出来るのだ!
俺の視界内に限り、へるぱは自由自在に動けるからな。
そこで完成見本をARの如く景色に投射してもらい、必要な材料や部品形状などを導き出せた。
構造材は近隣の森にある木材を俺が切り出し、力を使って製材・加工。
壁紙はへるぱが指定した素材を住民に集めてもらい、これも力を使って精製。
後は流民の皆で協力して組み立て・仕上げ作業。
そして出来上がったのがこの集合住宅。
構造上の問題も全てへるぱの知識で解決済みだぜッ!
「こちらの構造は実に簡素でして、増築も可能となっております。よってもちろん今すぐ町の住民を引っ越しさせることも可能でしょう」
「だ、だが一部屋は狭い! これでは住むどころではないぞ!」
「ええそうですねぇ。流民の皆様はこれでも平気ということでしたので。フフッ」
「そ、そうであろう! だからやはり流民は――」
「ああ~~~っと、そういえば部屋の間の壁も外せるんだったぁ~~~!」
「「「なにいいい!!!??」」」
こんなことを言われたので即座にギネスたちに指示し、壁を外して見せてやる。
馬鹿め、その程度の反論など予測済みよ。
これは拡張・整理が可能な多機能住宅だ。
貴様らのような脳筋兵士ごときに理解できる代物ではないんだぜぇ~~~?
「うくく……わかった、住宅はもういい! まさかこれだけとは言うまい?」
「もちろんですとも。では反対側をご覧ください」
「「「ここは工房か……?」」」
「イグザクトリィ。ここは我ら流民の稼ぎを産出するための工芸品〝慈しむ女神像〟の製造工場でございまぁす」
「工芸品……!?」
お次は工房エリア。
俺の技術がふんだんに込められた自慢の場所だ。
「例えばこの土ですが、焼けば陶器になることは皆様もご存知でしょう?」
早速と、素材置き場に置かれた土を手に取り、無造作にサラサラと見せつける。
なんてことのない土を前に領主たちも鼻で笑うばかりだ。
「当然だ。焼き物は芸術であり工芸品としても一級。それが一体なんだと――」
「で、その土を焼いて出来たものがこちらです」
「「「――なッ!!!??」」」
だが壁の裏に隠してあった完成品を取り出した途端、奴らの表情が一変した。
「馬鹿な!?」
「黄金の!?」
「女神像だとぉぉぉ!?」
「こ、これは……う、美しい……」
フッ、領主にまで褒められちまった。
こいつを造形した俺の才能が恐ろしいぜ……!
「これは工芸班に造らせた逸品です。一つ一つ丁寧に造形して仕上げた自慢の製品なんですよ、フッ」
あーはい、これは半分嘘ですね。
素材造りは職人の仕事だけど、造形は俺が造った型で挟んだ成型しただけ。
あとははみ出てしまった挟み跡を職人が削り落として焼くだけだ。
なお焼く温度と程度はへるぱからの情報があるので間違いは無い。
建築もだが、へるぱ的には普遍的な技術を開示することは別に問題無いらしい。
例えスマホがあったってここまで速く正確に答えは出せないしな、こちらとしてはAIみたいな便利さで大助かりだ。
「しかし信じられん出来だ……女神の慈しみが表情に現れておる」
「それに金色とは。まさか金箔を貼って……?」
「そんなバカな!?」
「いえいえ、こちらは金色となる塗料を吹き付けたものです。貴重な金だなんて嘘を付けば本物の犯罪者と化してしまいますからねぇ」
「塗料でこれだけの光沢をだと……くっ、侮れん!」
ちなみに塗装の面もへるぱの息がかかっている。
とある素材を混ぜ合わせることで疑似的な金色を再現することが可能となったのだ。
そこで皆で協力し合って素材を集め、特殊な工法で塗料を精製。
あとは俺の力で塗布装置を創り出し、それを使って一個ずつ綺麗に吹付塗装。
するとあら不思議、あっという間に黄金の女神像(量産型)の完成である。
日本の超精巧なフィギュアとかと比べれば邪神像レベルかもしれん。
だが、この世界の人間を騙すには充分な出来栄えと言えるだろう。
絵心は無くとも人体構造の再現技術くらいはあるつもりだ。
今までに培ったその技術がやっと活かせたと思うと感無量で仕方がないね。
「あとは最近知り合った商人と商売契約を結びまして。近々も取引があるのですよ」
「な、なにぃ!? 商売だとぉ!?」
「おおーっと、流民でも商売は禁止されていないはずですよねぇ~~~?」
「うぐっ、そ、それはそうだが……くっ!」
商人と知り合えたのは偶然だったが、これは割と幸運だった。
後は俺の元商社営業マンとしての商才を発揮し、交渉は見事成立だ。
週百個かつ短期契約だから忙しいが、その分のマージンは受け取っているので問題ない。
「良ければそちらをお持ちください。お一人一つご用意させて頂いております」
「「「一人一つ……!」」」
どうやらこの女神像の破壊力は抜群だったようだ。
なにせ野郎どもばかりだからな、ほぼ全裸の女神様はさぞかしお美しく見えたであろう?
我が計画に抜かりなし!
さぁ次もあるんだ、像を舐めるように眺めていないでついて来るがいい!
まさしく飛んで火に入る夏の虫、アリジゴクの穴にハマった蟻さんよぉ……!
ならばさぁ見るがいい!
俺たちがこの一ヵ月近くを有して造り上げた技術の粋を!
テメェラ上級国民サマに嫌ってほど味わわせてやるよォォォ!!!!!
「デモンストレーションということは内部に立ち入ろうが何も問題は無いと思ってよいのだな?」
「もちろんでございますっ! むしろご案内いたしましょう、この新生流民区のすばらしさをっ!」
……少しギネス組の影響を受け過ぎてしまったかな? 自重せねば。
だが目的は変わらない。
このバーグ・オムレツとかいう領主のおっさんにこのアトラクションを見せつけるという目的はな。
表の壁は奴を呼び寄せるために用意した急造品に過ぎない。
豊臣秀吉の逸話に倣い、インパクト重視で行かせて頂きましたよっとぉ!
「さぁ早速ですが、こちらは居住エリアでございます!」
そんな訳でさっそく入口すぐの左側を右腕で差し示す。
一礼を交えての華麗な紹介で。
「ぬ、扉が沢山!? まさかこれは!?」
「ええはい、集合住宅でございます!」
まずは軽くジャブから。
入口すぐ近くに造った集合住宅をお披露目だ。
「見てくださいバーギュ様! 壁がしっかりと塗装されています!」
「中もすごい! 内装も綺麗に貼られていますよ!?」
「ば、馬鹿な……こんな短期間にこれほどの物を!?」
「ええ、おまけに三階建てでございまして」
「「「三階建て!?」」」
「おかげで住民分の合計三八部屋、しっかりと完備でございます!」
ククク、たかが流民と侮っていたようだな!?
だがしかぁし! この俺がほんの少し入れ知恵を加えればご覧の通りだ!
『まぁ入れ知恵をしたのはこのへるぱちゃんですけどね! えっへん!』
そう、たかがネタ絵師の俺には当然ながら建築技術など持ち合わせていない。
でもこの世界を把握しきっているへるぱなら建築設計さえもAIの如く一瞬で答えを出すことが出来るのだ!
俺の視界内に限り、へるぱは自由自在に動けるからな。
そこで完成見本をARの如く景色に投射してもらい、必要な材料や部品形状などを導き出せた。
構造材は近隣の森にある木材を俺が切り出し、力を使って製材・加工。
壁紙はへるぱが指定した素材を住民に集めてもらい、これも力を使って精製。
後は流民の皆で協力して組み立て・仕上げ作業。
そして出来上がったのがこの集合住宅。
構造上の問題も全てへるぱの知識で解決済みだぜッ!
「こちらの構造は実に簡素でして、増築も可能となっております。よってもちろん今すぐ町の住民を引っ越しさせることも可能でしょう」
「だ、だが一部屋は狭い! これでは住むどころではないぞ!」
「ええそうですねぇ。流民の皆様はこれでも平気ということでしたので。フフッ」
「そ、そうであろう! だからやはり流民は――」
「ああ~~~っと、そういえば部屋の間の壁も外せるんだったぁ~~~!」
「「「なにいいい!!!??」」」
こんなことを言われたので即座にギネスたちに指示し、壁を外して見せてやる。
馬鹿め、その程度の反論など予測済みよ。
これは拡張・整理が可能な多機能住宅だ。
貴様らのような脳筋兵士ごときに理解できる代物ではないんだぜぇ~~~?
「うくく……わかった、住宅はもういい! まさかこれだけとは言うまい?」
「もちろんですとも。では反対側をご覧ください」
「「「ここは工房か……?」」」
「イグザクトリィ。ここは我ら流民の稼ぎを産出するための工芸品〝慈しむ女神像〟の製造工場でございまぁす」
「工芸品……!?」
お次は工房エリア。
俺の技術がふんだんに込められた自慢の場所だ。
「例えばこの土ですが、焼けば陶器になることは皆様もご存知でしょう?」
早速と、素材置き場に置かれた土を手に取り、無造作にサラサラと見せつける。
なんてことのない土を前に領主たちも鼻で笑うばかりだ。
「当然だ。焼き物は芸術であり工芸品としても一級。それが一体なんだと――」
「で、その土を焼いて出来たものがこちらです」
「「「――なッ!!!??」」」
だが壁の裏に隠してあった完成品を取り出した途端、奴らの表情が一変した。
「馬鹿な!?」
「黄金の!?」
「女神像だとぉぉぉ!?」
「こ、これは……う、美しい……」
フッ、領主にまで褒められちまった。
こいつを造形した俺の才能が恐ろしいぜ……!
「これは工芸班に造らせた逸品です。一つ一つ丁寧に造形して仕上げた自慢の製品なんですよ、フッ」
あーはい、これは半分嘘ですね。
素材造りは職人の仕事だけど、造形は俺が造った型で挟んだ成型しただけ。
あとははみ出てしまった挟み跡を職人が削り落として焼くだけだ。
なお焼く温度と程度はへるぱからの情報があるので間違いは無い。
建築もだが、へるぱ的には普遍的な技術を開示することは別に問題無いらしい。
例えスマホがあったってここまで速く正確に答えは出せないしな、こちらとしてはAIみたいな便利さで大助かりだ。
「しかし信じられん出来だ……女神の慈しみが表情に現れておる」
「それに金色とは。まさか金箔を貼って……?」
「そんなバカな!?」
「いえいえ、こちらは金色となる塗料を吹き付けたものです。貴重な金だなんて嘘を付けば本物の犯罪者と化してしまいますからねぇ」
「塗料でこれだけの光沢をだと……くっ、侮れん!」
ちなみに塗装の面もへるぱの息がかかっている。
とある素材を混ぜ合わせることで疑似的な金色を再現することが可能となったのだ。
そこで皆で協力し合って素材を集め、特殊な工法で塗料を精製。
あとは俺の力で塗布装置を創り出し、それを使って一個ずつ綺麗に吹付塗装。
するとあら不思議、あっという間に黄金の女神像(量産型)の完成である。
日本の超精巧なフィギュアとかと比べれば邪神像レベルかもしれん。
だが、この世界の人間を騙すには充分な出来栄えと言えるだろう。
絵心は無くとも人体構造の再現技術くらいはあるつもりだ。
今までに培ったその技術がやっと活かせたと思うと感無量で仕方がないね。
「あとは最近知り合った商人と商売契約を結びまして。近々も取引があるのですよ」
「な、なにぃ!? 商売だとぉ!?」
「おおーっと、流民でも商売は禁止されていないはずですよねぇ~~~?」
「うぐっ、そ、それはそうだが……くっ!」
商人と知り合えたのは偶然だったが、これは割と幸運だった。
後は俺の元商社営業マンとしての商才を発揮し、交渉は見事成立だ。
週百個かつ短期契約だから忙しいが、その分のマージンは受け取っているので問題ない。
「良ければそちらをお持ちください。お一人一つご用意させて頂いております」
「「「一人一つ……!」」」
どうやらこの女神像の破壊力は抜群だったようだ。
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