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リリの場合2
しおりを挟む昔、とある王国に王と王妃がいた。
大変仲睦まじい二人であった。
ただ、一つ問題があった。
結婚から5年が過ぎても子を授からなかった。
そこで議会は王に側妃を提案した。
それは王という立場を考えると当然のことであった。
しかし王は拒否した。
自分の伴侶は一人だけだと。
幾度も話し合いが持たれたのち、王は弟に位を譲り退位することになった。
弟は王弟から王になり、その妻は王弟妃から王妃に子供は王子から王太子になった。
ところが
新国王が即位して間も無く、退位して公爵となった元国王夫婦に子供が生まれた。
しかも男の子。
国中がざわついた。
仲の良い兄弟ではあったが、王は側妃の子で元王は正妃の子であった。
その男の子がリリーナの曾祖父である。
以後公爵家は王家より正当な血筋を持つと言われ、両家は常に比較されていくこととなる。
特に王太子妃にと望んでいた隣国の王女が元国王の子と婚姻してそれは加速した。
王家は公爵家との婚姻によって、安定を図ろうとした。
ただ、残念なことに両家ともにその後2世代続けて、男児が続きそれは成し遂げられなかった。
3代目となって、ようやく王家に男児公爵家に女児が生まれた。
それが王太子ショルーズとリリーナであった。
二人が婚約したのはショルーズとリリーナが共に7歳の時、王の退位から実に70年後のことだった。
王家の念願が果たされるはず、だった。
ただ、1つの誤算だったのは、ショルーズが生まれながらの王族ということに強いこだわりと過剰に高いプライドをもっていたこと。
国王夫妻である両親がリリーナのことを何かと気にかけるのが気に食わなかった。
いつしかショルーズの中でリリーナと公爵家は王権を脅かす不穏な輩、両親を弱腰の情けない王と王妃と見る様になった。
親に無断で密かに書類を書き換えてリリーナとの婚約を破棄し、新たに出会った伯爵令嬢と婚約する。
婚約破棄を知らないリリーナの振る舞いを不敬、王太子の婚約者への攻撃と断罪したのである。
公の場でいきなり行われた断罪劇に、国王夫婦はなす術がなかった。
息子か、悲願か。
その場で迫られた決断。
王は選ぶしかなかった。
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