9ツノ世界と儀式

桜海 ゆう

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子供の世界

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    バレが目を覚ましたのは、宙の国の子供の世界。産まれた時にはすでに10歳だ。

    宙の国では産まれた時から9つの世界を旅する事を義務づけられている。目が覚めたら産まれても家族は存在せず、国があるだけだ。


     バレは色白の細身、茶色の瞳に茶色の背中まで伸びた長い髪を持ち真っ白なワンピースを着ている

      周りでは人種の違う同じ年齢の男の子や女の子が1人分のリュックと地図を持ち、慌ただしく宙の国から出国しようと走りまわっていた。

    この世界では、人間は1ヶ月で10年の歳をとる。その間に義務づけられた世界を命が尽きる9ヶ月後までに9つの世界を旅してまわらなければ永遠に宙の国で独り生き続けなければならない罰が与えらる。

        「早く!国を出たほうが良いよ!」
息を切らしながらバレの横を走りながら通りすぎた黒い髪の毛の女の子がバレに忠告しながら宙の国の金色の門を出ていった。


        この国には、どこまでも広がる草原と金色の門しかないが、国を出るには罰を受け永遠に生き続けている人間の番人から自分の訪ねる世界の地図と荷物を受け取らなければ出られない。

      「出遅れちゃったかな・・・」
バレがぼんやり辺りを見回すと、頭から足元まで真っ黒な布を被り、子供の中に地図を何千枚も抱え、子供に渡す荷物を何千個分も背負った老人や大人の男女がちらほらいる。 

      あれが罰を受けた人間であり、番人だ。宙に産まれた子供は誰でも産まれた時から知っている。  

        バレの近くを老婆が通った。
「すみません、荷物と地図を下さい」
バレに気がついた老婆は、片手に何千枚もの地図を持ち、背中には何千個の荷物を抱えてよたよたと歩いてきた。

       「重くないですか?少し持ちますか?」
黒い布から少しバレを下から覗きこんだ老婆は悲しそうな茶色の瞳でバレを見たあと、無言でバレに一枚の地図と1つのリュックを渡した。

        「優しい事は悪い事じゃない、でもこの国では罰を受ける。早くお行き。私になる前に」
   老婆はしゃがれた声で呟くと、金色の門に目をやり、また他の子供に呼ばれ、よたよたとバレの元を去った。


      バレは老婆の背中を見送りながらリュックを背負い地図に目をおとした。9の世界が金色の門の外にはあった。
  

     地図には9つの世界とバレの家族と愛する人の名前が書かれている。その9人を独りで探し命を終える。疑問も持たず旅に出るのがこの国の義務だ。

     バレは地図を片手に青葉の香る草原を駆け足に、金色の巨大な門を越えた。


 


       

       
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