婚約破棄された私はドーナツ屋を開きました

みさにゃんにゃん

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1-1平手打ちをされ前世を思い出す

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バチーン!と会場に乾いた音が響く、その時脳みそがフル回転をし前世の記憶を取り戻した。

私は生前普通の世界に生きる普通の飲食店店員だった。

そして不慮の事故で私は死んでしまった。

なのになんで思い出すタイミングが平手打ち?という疑問しか無かった。

私はおもむろにビンタをしてきた男を確認するとすごいかっこいい人だった。
あ、この人私の婚約者のカイン王太子殿下だ。


「お前はなんて醜い心を持った女だ!貴様とは婚約破棄だ! その代わりお前の姉であり美しき女神リンダと婚約する!」

え?いきなりこの人は何を言い出しているのだろうか…そう思っているとカイン殿下の後ろから醜く太った厚化粧女…もとい、私の姉にあたるリンダだった。
ていうか体がデカすぎてカイン殿下の後ろからはみでてみえてたけど。

「ぶふふごめんなさいねぇ~リンダ達は真実の愛に目覚めちゃったのん ぶふふぶっぶふふふ!」


豚みたいにブヒブヒ笑って何言ってんねんこの厚化粧脂肪たっぷりのドブスが。

「カイン殿下…どうして私に婚約破棄を…?」

私は瞳をうるませて尋ねるとカイン殿下は汚いものを見るような目で見て口を開く。

「どうして?  自分の貧相な胸に聞け! まあ、分からないだろうな!ならば教えてやる! 
お前は昔から馬鹿力で私の愛する女神リンダに危害を加えていたそうだな! リンダは毎日泣いていたぞ!「いつか殺される!助けて」とな! だからお前がリンダを殺す前にこの国から追い出してやる! 国外追放だ!」

「そんなぁっ!ひどいです! わたし…私何も…何もしていません!濡れ衣ですし誤解ですわ!」

「ええい!この期に及んでまだそんなアホ抜かすか!」

そう言ってまたカイン殿下は私の頬をビンタする。

その時私の中でなにかがきれた気がした。


「……ああ、そうですかそんな豚姉で良ければ喜んで差し上げますよ仲良く子豚を産んでこの国を滅ぼす害虫となれこの最低男がァァァァ!!  貴様の面を見ずに済むと思うと清々するわい!!」

そして私は私は泣きながらパーティ会場に立っていた柱をバキッとへし折り2人目掛けて投げ飛ばした。

「酷い!酷いわ!この浮気者!不潔!女の敵!!」

そういい私は泣きながらパーティ会場を後にし家に戻り両親にもこのことを伝えたが…。


「この恥知らず! お前がちゃんとしてないから婚約破棄などされるんだ!分かってるのか!ええ!?」

「そうよ! なんとか言ったらどうなの!聞いてるの!?ルーチェ!」

「もういい!お前みたいな不出来な娘はうちの娘じゃない!荷物をまとめて出て行け!勘当だ!」

またまた何かがプツンと切れた。

「じゃーかーしぃ!さっきから大人しくしとれば好き放題いいよって!なーにが婚約破棄じゃなにが勘当じゃい!こっちから縁切りたいわ!それにおまんらの面を見ずに済むと清々するわい!!」

「なっ! なんだその下品なしゃべり方は!」」

「どうしたもこうしたもあるかい!全部お前らのせいやろがァァァァ!!」

私は玄関扉を取り外し2人目掛けて投げ飛ばした。

「酷いわ酷いわ!そうやってみんな私を悪者にするんだから!」

私は泣きながら両親に投げ飛ばした扉を足蹴にし2人が「ぐげっ」とカエルが潰れたような声を出してたが気にせず自室に駆け込み私は荷造りを始めた。
幸いにも私は両親からそこまで愛されていなかったのでそもそも持っていくような物もなかったので大きな旅行カバン1つで済み私は少しだけ扉で下敷きになった両親に涙を浮かべながら「さようならお元気で」と告げて家を後にした。


そして私は足にも自信があった故にあっという間に街にたどり着いた。

……勢いで飛び出したはいいけれど…この先どうすればいいのだろうか…と広場のベンチに腰掛けて途方に暮れていると心配そうに私を見つめる男の人が居た。

わおイケメン!じゃなくて………。
私はにこりと微笑みかけ「なにか御用でしょうか?」と尋ねる。

するとイケメンさんは「困ってるあなたを放っておけなくて話しかけるかどうか悩んでいました」といって私の手を握る。


「そうですかでも大した悩みでもないので手を離してください」

「いえいえ、こうして運命の人に出会えたんです逃がしません」

「離してって言ってるのが聞こえません?」

「聞こえているよでも離したくはない!」

そう言ってイケメン…もとい変態男は私に抱きつき胸に頭を埋める。

「何晒すんじゃいこの変態男がァァァァァ!!」


抱きついていた変態男を噴水に投げ飛ばし私は涙を浮かべる。

「酷い!酷いわ! か弱い私に抱きつきセクハラするだなんて! もう私の前に姿を表さないでーーー!!」


私は泣きながら広場を立ち去ったが後ろであの男が何かを言っていたが周りの声のせいもあって聞こえなかったのが幸いだった。







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