極悪ヒロインVS性悪妹の争いは見てて飽きないむしろもっとやれ

みさにゃんにゃん

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第1部

その51 希望を持て

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はいどーも、ヒロインのせいで足を負傷したリリアナちゃんです。
今ね、どうしようかマジで悩んでる、助けを呼ぼうにも他の班とはかなり距離があるし何よりきっとヒロインはルッソ達を別の場所へと誘導するに違いない。

そう言えばリリアナで国外追放されるってあったな、まさかこの森が国外追放される場所だったりして?
そんなことあるわけないかー、確かに?ルドルミー国とはかなり離れてるし? 
遭難しても誰も助けに来ないからここで野垂れ死ににはうってつけ……じゃねぇだろうがよぉぉ!

このままじゃまずいだろ! 私死ぬの? え、嫌なんだけど、なんのためにここまで頑張ったの思ってんの?
それをあの極悪女のためなんかに命散らしたくないんだけど。

仕方ない、ここは痛みを承知の上で━━━━━━━━…

私は痛みに耐えながらもゆっくりと立ち上がった。

「あ…あ…あはは…まるで膝が爆笑してらぁ…と言うより産まれたての子鹿だァ… 」

立ってるのがやっとヤバい凄い痛い、捻りどころが悪かったのかこのまま歩けば確実に骨折しちゃうんじゃないかってくらい痛い。

アルプスの山に行ったあのドイツお嬢様も牛に驚いて初めて立ち上がった時もこんな感じ?
いやそもそも場面が違うし痛みなんてなかったはずだし。

私今まさに「ク〇ラが立った」状態だよね、うるさいやかましいわ!

ひとりコントやってるとか、かなり虚しいな…こんなに虚しかったことは好きなゲームやって推しがガチャで全然出てこなくてイベントギリギリ終了する間際に引いても結局出なかった苦い思い出が……って、関係ないな。

ああ、1人でこんなところにぽつんと立ってると馬鹿なこと考えてしまう。

お願いだからはよ誰か来いよヒロインでもいいから!


そして私の願いに功を奏したのか林の草むらから人がでてきた。

お願いヒロインじゃないよね?ヒロインじゃなくあってくれ!ヒロインはヒロインでもメイリンちゃんでたの…


「あっれれぇ~?リリアナ様ってばまぁ~だそんなところにいたんですかぁ~? すっごぉ~い!  」

最悪だ…極悪ヒロインの方だったか…。
つーかなにしに戻ってきやがったこいつ…。

少し警戒をしつつヒロインを睨みつけるもヒロインは臆することなす私を挑発的な目で見ては見下した目をする。

「あんたの物って言ってたルッソのことなんだけどぉ~ ルッソはぁ~この私のぉ恋人だからぁ~絶対ぜぇ~ったい近づかないで? あとぉ?攻略キャラ全員にもね!」

「ルッソ様達に何をしたの?」

「なぁ~んにもぉ? 私の可愛さをみんな元から愛してくれてるからぁ~な~んにもする必要ないのぉ~うふっ」

「ひとつ聞いてもよろしいですか?」

「なぁに? 負け惜しみ? いいけど短くしてよねぇ?」

「あなた先程までの口紅の色と違いますがどうしました?」

「ああ~気付いちゃったぁ?  実はぁ幻のアイテムをラブリップを塗ったからなのようふふっ だからぁこれを塗ってキスしたらルッソ達の好感度ったらあ~っという間にぃ上がっちゃったっうふっ!」

そうかやはりラブリップを手に入れてキスを済ませていたか。

好感度が上限に達してしまった以上私にもう勝ち目はない。

このままヒロインの思い通りにことを運んでバッドエンドを迎えるまで待ってろって言うの?

そんなの御免こうむるわ、私の目で確かめるまで絶望するにはまだ早いし。


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