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9話 チアルタ鳳凰録(上ノ巻)

まじで?

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「(持ち主が望めばどんな姿にも変えるって言ってたっけ…ということは…?)」

私は鞭を横におおきく振り構えると鞭の姿は消え片手剣のような姿に変わった。

「おお…本当に変わった…。」

「ほう…真剣で行くか。」
「喋った…(おう)」
「本音と建前逆になってんぞ。」

まあ、何はともあれこれで奴と対等に━━━━━━━…って! なんでお前まで真剣で来てんだ!張り合って来てんじゃねぇぞ!
それにあいつどっから出てきたと思う?木刀だよ!木刀! あの木刀の中に真剣仕込んでやがったよ!!!

「行くぞ小娘 我が奥義を食らうがいい!」

「(くる…!)」

片手剣で構える

「獄炎火山斬り!!!」

獄炎火山斬り…ネーミングセンスはどうあれこれは威力高いぞ…まあでも私は水の加護受けてるから焼け石に水なんだがな…あれ?今使う言葉で合ってんのか?

「そっちが属性魔法的なものを使うのであれば、こっちも使ってやろうじゃねぇかあ」

今の私の顔ものすごくゲスくなってる気がするがそこはあえてスルーで頼む。

「(しかし属性魔法で迎え撃つとは言った物の…使ったことすらないからわかんないしな…ええいなるようになれ!) アクアソード!」

ヤケクソで言ってみると私の片手剣は水を纏って名前のまんま水の剣となった。


「…不味い!」

不審者は何かを焦ったのか急に回れ右をして道場を離れようとしたが私はそんなことは絶対に認めず。

「悪即斬! 我流 水圧斬!」

翼はこの時「(だせぇ…)」と思ったそうな。

そして、不審者に攻撃が当たり奴は泡吐いて倒れた。

「成敗」

かっこよく決めてカチッと剣を鞘に収める。

「ヒトハさんかっこよかったです! やはり私の目に狂いはなかったです!ヒトハさんを勇者にして正解でした!」
「いや~照れる!」
「技のネーミングはともかくまあ、不審者倒したんだよくやったよ佐々木」
「皮肉か、まあでも残りの20%褒め言葉として受け取って残りの80%は丁重に雑に返す。」
「何言ってんのお前頭大丈夫か?」
「ツッコめや!」
「どこを?」

などと騒いでいるとタクヤが戻ってきた。

「ごめんみんなジンさんどこにも……あれ!? ジンさんなんでこんな所で泡吹いて倒れてるの!?」

その言い方から察するにまさかコイツ…

「ねぇ……タクヤ…念の為聞くけどこの不審者さ……もしかしてさっき言ってたお前の師範…?」
「う、うん…そうだけど…え?不審者? もしかして師範がヒトハさん達に何かしたの?」
「「何かした」ってか、いきなり襲って来たんだが…」
「そして最初の餌食になったのがこの豚でございます」
「まだそいつ寝てんのか」
「ほっとけほっとけ」

そしてタクヤは師範を俵担ぎをして、屋敷にIN。

「あいつイケメンの上に力持ちて…そして持ち方が男らしい…」
「男らしいてか、男だろ」
「そうだった…」
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