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58.それはアウト
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鳥類は羽化して最初に見たものを親だと思う刷り込みがある。
始めて居場所を提供してくれた竜王様に対して、そういう刷り込みが働いているんじゃないかと危惧して問いかけたのだが、マユはため息をついた。
「確かに、そういうのもあるかもしれないけど、向こうの世界でそういう恋愛結婚する人もいるし。継続はお互いの気持ち次第だと思う…」
恋心が芽生えていても気がつかない人もいるし、と呟くマユ。結構大人びた事を言う。
確かに政略結婚であれ、婚姻後の関係はお互いの気持ち次第でしかないのはこちらの世界も同じだろう。
「それにアリシアとは同性同士だからね。さすがに私は同性趣味はないし…」
するりと、足元に心地いい毛並みを感じる。
ディル様が獣姿で私の足にまとわりついたようだ。なぜこの状況で?
「マユの居た国では獣人が居なかったと聞く。異種族での婚姻をどう思う?確かに人型を取っている時は人間のように見えるだろう。同種族が良いならラルドも居る。義理の親子という関係にもなるが」
静かに何かを考えていたらしい竜王様が口を開く。
確かに婚姻となるとまた別だ。
元々のアズール国の人間は獣人を見下していたからという理由もあるが、マユの国には獣人自体が居なかったのだ。
「私には可愛らしい兎獣人の恋人がおりますので無理です」
ラルド様が惚気と共に恋人の存在を暴露した。
「…は?聞いてないぞ?」
「兎なので小柄で可愛らしい方ですよ」
竜王様は少し不満げに言うが、ラルド様の惚気は続く。
異種族婚姻に全く抵抗がない恋人同士なのだろう。この地の王妃が獣人になるとするならば、瞬く間に獣人にとっても住みやすい土地となるだろうと思える。
「異種族婚姻でも問題が起こったら起こった時に考えれば良いんです!竜王様は竜王様でそれ以外の何者でもないじゃないですか!」
だから後は竜王様の気持ちだけなんです!と声を上げて叫んだかと思ったら、マユはラルド様の方を向いた。
「てか、兎って!小柄って!!元の世界の定番パターンかどうか確認したいです!……外見年齢って、人間で言ういくつに見えるんですか?」
どうやらマユ的にはラルド様のお相手である兎獣人の方に気を取られたようですね。
ディル様は獣姿のまま寝そべって我関せず状態なのですが、少し大きめサイズなので寝そべっても私の腰辺りに頭があるため、思わずその毛並みを堪能すべく撫でまわしてしまう。
「…そうですね……人間で言う………八歳?」
「アウトォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
マユの絶叫が城内に響いた。
始めて居場所を提供してくれた竜王様に対して、そういう刷り込みが働いているんじゃないかと危惧して問いかけたのだが、マユはため息をついた。
「確かに、そういうのもあるかもしれないけど、向こうの世界でそういう恋愛結婚する人もいるし。継続はお互いの気持ち次第だと思う…」
恋心が芽生えていても気がつかない人もいるし、と呟くマユ。結構大人びた事を言う。
確かに政略結婚であれ、婚姻後の関係はお互いの気持ち次第でしかないのはこちらの世界も同じだろう。
「それにアリシアとは同性同士だからね。さすがに私は同性趣味はないし…」
するりと、足元に心地いい毛並みを感じる。
ディル様が獣姿で私の足にまとわりついたようだ。なぜこの状況で?
「マユの居た国では獣人が居なかったと聞く。異種族での婚姻をどう思う?確かに人型を取っている時は人間のように見えるだろう。同種族が良いならラルドも居る。義理の親子という関係にもなるが」
静かに何かを考えていたらしい竜王様が口を開く。
確かに婚姻となるとまた別だ。
元々のアズール国の人間は獣人を見下していたからという理由もあるが、マユの国には獣人自体が居なかったのだ。
「私には可愛らしい兎獣人の恋人がおりますので無理です」
ラルド様が惚気と共に恋人の存在を暴露した。
「…は?聞いてないぞ?」
「兎なので小柄で可愛らしい方ですよ」
竜王様は少し不満げに言うが、ラルド様の惚気は続く。
異種族婚姻に全く抵抗がない恋人同士なのだろう。この地の王妃が獣人になるとするならば、瞬く間に獣人にとっても住みやすい土地となるだろうと思える。
「異種族婚姻でも問題が起こったら起こった時に考えれば良いんです!竜王様は竜王様でそれ以外の何者でもないじゃないですか!」
だから後は竜王様の気持ちだけなんです!と声を上げて叫んだかと思ったら、マユはラルド様の方を向いた。
「てか、兎って!小柄って!!元の世界の定番パターンかどうか確認したいです!……外見年齢って、人間で言ういくつに見えるんですか?」
どうやらマユ的にはラルド様のお相手である兎獣人の方に気を取られたようですね。
ディル様は獣姿のまま寝そべって我関せず状態なのですが、少し大きめサイズなので寝そべっても私の腰辺りに頭があるため、思わずその毛並みを堪能すべく撫でまわしてしまう。
「…そうですね……人間で言う………八歳?」
「アウトォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
マユの絶叫が城内に響いた。
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