【完結】婚約破棄された令息を婿に迎えますが、その人は私の最推しです!

かずきりり

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 嬉しさに心躍らせてしまった私なんて誰も気にせず、とっとと邸へと戻って両親に報告をした。
 売れたら売れた分だけ、私の収入になるのだ。両親が反対なぞするはずもない。

「ならばノエル様に全て任せて良いでしょうか。売上からノエル様のお給金を出しなさい」
「それは良いな! ヤル気も増えるだろう!」
「はい! ありがとうございます!」

 両親だけでなく、お兄様やエディまで嬉しそうな顔をしている。

「ソフィアは結婚する気がないとか言っていたし……本当どうしようかと……」
「姉上が平民以上に苦労なく稼げるのであれば、もう感謝しかありませんね」

 まだ商売が始まっても居ないのに、お兄様とエディの言葉にお父様が感激の涙まで流し始めた。
 ……ここで決まってるわけではないだろ! と突っ込みを入れたくもあったが、それを言ってしまうとノエル様を否定する事になる。
 私はグッと言葉を飲み込み耐えていたのだが、お父様が急に厳しい顔つきとなった。

「しかし……王家に献上はしたくないな」
「出来れば売りたくもないな」
「そんなに良い商品なら使って欲しくないですね」
「可愛いソフィアを馬鹿にした事を後悔させたいわ」

 お父様の言葉を皮切りに、お兄様やエディ、そしてお母様までそんな事を言いだした。
 うわぉ。家族の愛よ……。
 正直どうでも良いし、こんなもの王家が使いたいと思うのか? と、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
 いかん、またノエル様を否定してしまう所だった。
 ノエル様が見出した私の商品を卑下してはいけない。ノエル様まで卑下してしまう事になる。

「それについては考えがあります」

 怪しく笑うノエル様。
 私は興奮を抑えるように、心を無にする瞑想を始めるのだった。





 それから、ノエル様の生活は一変した。
 毎日のように自分の足で領地を歩き回り、商品を見ては領民と話しをする。
 表情はとても生き生きとしており、私は自己嫌悪に陥るのだ。

「……過保護すぎたかなぁ……」

 今と昔を見比べれば、人形と人間。感情の有無といった位に差はある。
 良かれと思ってした事が、全て裏目だったなんて、申し訳ないにも程があるし、ノエル様のファンとしてなってなさすぎる。
 ……けれど、嬉しそうに仕事をするノエル様を見て、私も嬉しくは思うのだ。自己嫌悪は別として。
 部屋で反省と萌えを繰り返していれば、ノックの音が響いた。

「ソフィア嬢、ノエルです」
「は……はい!」

 そう、そしてノエル様は私の元へも毎日通ってくれるようになったのだ。
 商品の話は勿論の事、お茶を飲みながら他愛のない話もしてくれるのだ。
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