【完結】婚約破棄された令息を婿に迎えますが、その人は私の最推しです!

かずきりり

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 ある日の午後、ノエル様が皆に話をしたいと言って集まった。

「ソフィア嬢が開発した商品をリスト化しました。こちらはレシピです。そして先駆けに売る商品としてはこちらを」

 ノエル様がテーブルの上に、紙の束をドンッと置いた。うん、ドンッだ。鈍器じゃないかと思える程の音。そして量。
 私、こんなに色々と作ったかと思いながら、小首を傾げて考えたが、突っ走っていた思い出しかない。
 パラパラと真剣に紙の束を確認するお母様やエディとは違い、私は遠い目をして、若干現実逃避をしていた。

「これだけあるのならば、商会でも作った方が良さそうね」
「だな」

 お母様の言葉に、お父様は腕を組みながら即答し、エディも頷いている。

「出来るか?」

 お兄様の言葉にノエル様は、しっかり目を見つめて頷いた。

「はい。しかし商会はソフィア嬢の名前で作ろうと思います。これは全てソフィア嬢の功績ですから」
「うぉおおお! ありがたい!」
「何て人間出来た子なのかしら!!」

 ノエル様の言葉にお父様は号泣し、お母様まで感動で打ちひしがれている。
 そこは領地の事を考えなくて良いのだろうか?
 一応、物の流通が捗るから経済は活性化するし、後々領地も潤うだろうけれど……。

「自分の取り分もしっかりとれよ?」

 お兄様はしっかりと言い聞かせるようにノエル様へと言葉をかけた。
 ただ働きは良くないからね。前にお母様が言っていたように、自分の給料として賄って欲しい。

「姉上、ノエル様を大事にしてくださいね」
「勿論! むしろ全額ノエル様にあげても良いのだけれど」
「それは駄目です!」

 エディの言葉に私が力強く拳を作って返せば、ノエル様に怒られた。

「ソフィア嬢の功績です! きちんと自らの功績を認めて受け取らないといけません!」

 それをノエル様が言うかぁ……? と思ったのだけれど、口に出すと傷つくかなと心の中で呟くにとどめる。
 家族達はノエル様の言葉にいたく感動し、目に涙を浮かべている程だ。
 お転婆な娘がとか、平民のような生活しかしない子が、なんて言葉が聞こえている気がするけれど……失礼な! それのどこが悪い!?
 美味しい魔物食べて、雨風凌げていたら上等じゃないか。

「ソフィアを……ソフィアを頼みます……任せましたよ……っ!」
「はい、お任せ下さい!」

 内心不貞腐れていた私だが、感動の涙を流しながら言ったお母様の言葉に頷く家族達と、しっかり握手を交わして答えるノエル様。
 あ、夫婦っぽい!
 萌えと感動に興奮した私の心拍数は急激に上昇している。
 これ、私の寿命は擦り減っているのではないか……? いや、寿命と引き換えに推しの言葉を頂けるのであれば十分だ!
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