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「ラウラ! しっかりしなさい!」
エマはバンッとラウラの背中を叩く。
「私はラウラしか義妹と認めないからね! ラウラ以上なんて居ないんだから!」
「そうだね。王太子妃、しいては次期王妃となるのは、義姉さんしか居ないね」
なんと心強い言葉だろう。
「……ありがとう」
ラウラは目に少しだけ涙を浮かべ、微笑みながら二人に感謝の気持ちを示した。
大丈夫。
私は大丈夫。
きっと頑張っていれば、いつかホセ様も……。
「王太子妃として私に出来る事を全力でするわ」
「そうこなくっちゃ!」
「全力で手伝うよ!」
そしてラウラは、ずっと……ずっと、国の為、民の為にと二人の手を借りながら奔走するのだ。
王太子妃として認められ、王妃となっても……。
ただひたすらに。がむしゃらに。
いつの日かを願い続けて……。
――結局、それでもホセの心だけは自分へ向ける事が出来ないままだったけれど。
◇◆◇
「聞いたか? 王妃様の話は」
「あぁ、廃妃にされたってやつだろ?」
「新しく妹を王妃にしたってな」
「あんな良い王妃様は居ないだろうに」
新しい王妃が即位し、前の王妃は廃妃となった。
その話題は瞬く間に国中へと広がり、民達の間ではどよめきが起こった。
ラウラが王太子妃として過ごし、王妃となった四年間。それは貴族達を黙らせるだけの力量を示しただけではなく、民達の信用すら勝ち取っていたのだ。
幾度となく市井に足を運び、民の暮らしを知り、過ごしやすい環境を整えていく。
そんなラウラの姿勢は、いつしか「名前だけの妃」ではなく「歴代最高の妃」と言われるまでになっていたのだ。
「きゃぁああああ!!」
「た……大変だー! 大変だ!!」
港の方から悲鳴と叫び声があがる。
なんだ、どうしたと、人々は声がする方へと駆けつけるのだが、そこで更に混乱が広がる。
「嘘だろ!?」
「まさか……こんな事が!!」
誰もが目の前にある光景を受け入れられない。
現実として捉えられない。
狼狽え、躊躇し……目を背けるように叫ぶ。
「…………ラウラ王妃……」
しかし、誰かがポツリと呟いた言葉が、まるで波紋のように広がって静寂が訪れる。
認めたくない現実を突きつけられたのだ。
「おい! 水死体があがったと聞いたが!?」
「それはどこだ!?」
誰かが呼びに行ったのだろう衛兵達がやってきたけれど、誰も言葉を発せずに、ただジッと水に濡れて横たわるラウラを見つめていた。
そう……水死体としてあがってきた、ラウラ王妃を。
「なんで……こんな事に……」
民達は、これが夢であればと願いたくなる程、ラウラの死を嘆いた。
それと同時に……こんな事になった原因だろう国王陛下達へ不信感を募らせるのだった。
四年間、何も成し遂げておらず、自分達へ寄り添う事のなかった国王陛下へと……。
エマはバンッとラウラの背中を叩く。
「私はラウラしか義妹と認めないからね! ラウラ以上なんて居ないんだから!」
「そうだね。王太子妃、しいては次期王妃となるのは、義姉さんしか居ないね」
なんと心強い言葉だろう。
「……ありがとう」
ラウラは目に少しだけ涙を浮かべ、微笑みながら二人に感謝の気持ちを示した。
大丈夫。
私は大丈夫。
きっと頑張っていれば、いつかホセ様も……。
「王太子妃として私に出来る事を全力でするわ」
「そうこなくっちゃ!」
「全力で手伝うよ!」
そしてラウラは、ずっと……ずっと、国の為、民の為にと二人の手を借りながら奔走するのだ。
王太子妃として認められ、王妃となっても……。
ただひたすらに。がむしゃらに。
いつの日かを願い続けて……。
――結局、それでもホセの心だけは自分へ向ける事が出来ないままだったけれど。
◇◆◇
「聞いたか? 王妃様の話は」
「あぁ、廃妃にされたってやつだろ?」
「新しく妹を王妃にしたってな」
「あんな良い王妃様は居ないだろうに」
新しい王妃が即位し、前の王妃は廃妃となった。
その話題は瞬く間に国中へと広がり、民達の間ではどよめきが起こった。
ラウラが王太子妃として過ごし、王妃となった四年間。それは貴族達を黙らせるだけの力量を示しただけではなく、民達の信用すら勝ち取っていたのだ。
幾度となく市井に足を運び、民の暮らしを知り、過ごしやすい環境を整えていく。
そんなラウラの姿勢は、いつしか「名前だけの妃」ではなく「歴代最高の妃」と言われるまでになっていたのだ。
「きゃぁああああ!!」
「た……大変だー! 大変だ!!」
港の方から悲鳴と叫び声があがる。
なんだ、どうしたと、人々は声がする方へと駆けつけるのだが、そこで更に混乱が広がる。
「嘘だろ!?」
「まさか……こんな事が!!」
誰もが目の前にある光景を受け入れられない。
現実として捉えられない。
狼狽え、躊躇し……目を背けるように叫ぶ。
「…………ラウラ王妃……」
しかし、誰かがポツリと呟いた言葉が、まるで波紋のように広がって静寂が訪れる。
認めたくない現実を突きつけられたのだ。
「おい! 水死体があがったと聞いたが!?」
「それはどこだ!?」
誰かが呼びに行ったのだろう衛兵達がやってきたけれど、誰も言葉を発せずに、ただジッと水に濡れて横たわるラウラを見つめていた。
そう……水死体としてあがってきた、ラウラ王妃を。
「なんで……こんな事に……」
民達は、これが夢であればと願いたくなる程、ラウラの死を嘆いた。
それと同時に……こんな事になった原因だろう国王陛下達へ不信感を募らせるのだった。
四年間、何も成し遂げておらず、自分達へ寄り添う事のなかった国王陛下へと……。
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