【完結】悪役令息の義姉となりました

かずきりり

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 ルイスは、自分の環境を何となくだけれど感じているのだろう。
 なんて賢い! 尊い!
 確かに、平民からいきなり貴族の家へ引き取られるとか、詳しい事は話されないとか。更に公爵夫人から冷たい目線を受けていれば、そうなるか。
 それでも五歳にしては空気を読めすぎているよ! 推しが神々しい!
 絶対、孤独になんてさせないと心に強く誓う。

「……僕も、義姉上が好きです」
「あ、死ぬ」

 優しく微笑むルイスに、全身の血が逆流して脳に集まるような感覚がして、意識が飛びそうになる。

「あ、義姉上ー!?」

 焦ったルイスの声も尊い。
 写真とか、録音機とかないのが悔しすぎる。いっそ発明できないものか。
 意識を保つためにも他事を考えていた私は、ルイスの口元が怪しく微笑み、その瞳に熱がこもっている事に気が付かなかった。





「あの子と仲良くするなんて、何を考えているの?」

 ルイスが引き取られてから一ヵ月が経とうとした頃、お母様に呼ばれて行けば、眉間に皺をこれでもかという程に寄せて苦言を吐き出された。
 ルイスは貴族のマナー教育、私は公爵家の跡継ぎ教育の合間に、庭園を散歩したりお茶をするのが日課となっている。

「義弟ですから。家族仲良くしなくては」

 たまに匂いを嗅いだりしているけれど。
 推しだからという言葉を自分の中に押しとどめて、正当だろう理由を述べれば、お母様の目が見開かれた。

「愛人の子だろう子と!? 貴方は公爵家が乗っ取られても良いと言うの!?」
「あ……」

 そういえば、お母様達は未だに仲たがいをしているのだ。
 ルイスに夢中で、すっかりと忘れていた。
 食事の席だって、ルイスとのおしゃべりに夢中となっていたが、両親は……うん、無言だったな。むしろ凍えるような空気さえ漂っていた気がする。

「……本当に、愛人の子なのでしょうか?」

 ギスギスしている両親も、それはそれで嫌だけれど、それが原因でルイスと引き離される事になるのは、もっと嫌だ。
 首を傾げて、ヒントを与えるように言葉を紡ぐ。

「でなければ、何だと言うの!?」

 頭に血がのぼっているお母様には、他の選択肢なんて思いつかないというか、愛人の子という決めつけでしか物事を図れなくなっている。お母様の中では、愛人の子であるという事が決定事項なのだろう。

「だって、お父様は公爵家当主なのですよ? その背には色んなものを背負っています。例え家族にだって話せないような事もあるでしょう」
「でも、子どもを引き取るなんて重要な事……っ!」
「むしろ、愛人の子を引き取るのであれば、それこそ公言すれば良いだけの話では?」
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