【完結】ネットゲームで知り合った配信者に恋をした

かずきりり

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 私の事を少しでも覚えていてくれた事に胸が高鳴る。饒舌になったように、つい文字を打ってしまう。

 しぃ:収益化の設定はしたまま、楽しく配信を続ければ良いんじゃない? まぁ、ゲームではなく、声に惹かれて来てる人も居るみたいだけど……。
 ロイナル:だねぇ……。まぁそれでゲームしてくれたら、イベント増えたりするから、こっちとしては有難いけど。
 しぃ:確かに! そして収益でれば更にラッキー!

 ほんの少しだけ、嫉妬や寂しさを含んで出した言葉だった。けれど、ロイさんは変わらない。ただ、純粋にゲームを楽しんでいるだけで、そんなロイさんに少しだけ安堵の息を漏らしながら揶揄った。

 ロイナル:まぁ、確かに昔から声は褒められるけど(笑)

 いきなり戻された話題に、ドキッとした。

 しぃ:確かに(笑) 声はカッコいいよね!
 ロイナル:声だけじゃないかもよ?(笑)
 しぃ:自意識過剰ですか~?(笑) なら顔出ししてみる?
 ロイナル:絶対嫌だ(笑) 声だけでも十分でしょ(笑)

 鼓動が高鳴る。
 文字だけのやり取りだからこそ、そこに表情や声色なんてものがなく、これが本気か冗談なのかの区別もつかない。
 勘違いしては駄目だ。これはネットなのだからと、平静を装いながら私はチャットを打つ。

 しぃ:声だけ男前(笑)
 ロイナル:声だけでイかせる自信がある!
 しぃ:いきなりの下ネタ?(笑)

 あの声で囁かれたと想像するだけで、下腹部が疼いて熱くなる。
 早くなる鼓動で胸が苦しくなってくるのを、誤魔化すように、かわす。こういう時、文字だけなのは本当に便利だと思う。

 ロイナル:ホテルで試してみる?(笑)
 しぃ:顔バレしますよ?(笑)
 ロイナル:しぃなら良いよ(笑)
 しぃ:何言ってんの~! ネットには危険が潜んでるんだよ? 私が危険人物かもしれないでしょ(笑)
 ロイナル:しぃとは付き合いも長いし、信頼もしてるんだよ。
 しぃ:それは嬉しい。

 素直に感情を吐露した。これは言っても良いと判断して。
 信頼されているのは、素直に喜ばしい事だと思う反面、更に鼓動が早くなり、頭にまで響いてくる程だ。
 こんなに心臓というのは高鳴るのか。

 ロイナル:本当にしぃとは気が合いそうだから、リアルで会ってみたい気はする。
 しぃ:まだ言うか!
 ロイナル:良かったら、ご飯でも行こうよ!
 しぃ:いつもの冗談かな?
 ロイナル:本気! その後はホテルで(笑)
 しぃ:却下します~!

 意外と軽いんだ。
 ロイさんのそんな一面を知って、胸に少しだけ痛みが走る。

 しぃ:他の人にもそんな事を言ってそう(笑)スキャンダルな炎上は止めてよ~?
 ロイナル:誰にでも言ってるわけじゃないし(笑)しぃの事は信頼してるから大丈夫!
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