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18.強制的に戻らされる
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もう一度!と思ってお嬢様から離れようとするも、結局離れられず。そうこうしている内に授業は終わってしまった。
勿論、邸に戻ってからお嬢様に、いくら暇だからって授業中に集中乱すような事は止めて、と苦言を呈されたわけだが……。
「どうして離れる事が出来たんだろう……」
今日も今日とて、お嬢様が授業を受けている間は大人しくし、視界から外れる頭上を浮遊している。離れる事が出来たら、この退屈な時間を有意義なものに出来ると思えるんだが……。
正直、こうやって憑き続けていれば、多少の情は湧くというもので、むしろ幽霊の立場を利用してお嬢様のスパイ活動なんて出来るのでは。なんて事まで思う。実際は無理なんだけど。せいぜい出来た所で貴族お嬢様のガールズトークを聞くくらいしか出来ていない。
「あれ?」
ふと窓の外に目を向ければ、ヒロインらしき女が木陰で休んでいる。さぼりか。
膝の上には本の様なものがおいてあり、そこに必死で文字を書き込んでいる……自習か?
全く謎なヒロインだな。
そんな事を思いつつ、何を書いてるのだろうという興味本位からヒロインの方へ近づこうとした。
「あ、無理なんだっけ」
思ったと同時に、俺は窓からすり抜けて外へ出ていた。
「!!??」
思わずパニックで教室の窓を二度見するが、俺は今、紛れもなく窓の外へ出ている。
あんなにも焦がれた外での暇つぶし。頭の中は疑問符が占める中、とりあえず俺はヒロインの方へと近づいて行った……のだが。
「アニス!ここに居たのか」
「あ、ルネ!」
確か、護衛とされる緑の髪に黄色の瞳をした屈強な男がヒロインの元へ駆けてきた。
隠れる必要はないのだが、俺は思わず木陰に隠れ、二人を様子見る。
「授業をサボるとは感心しないぞ。そろそろ戻ろう、ブルーノが心配する」
「そうね」
悪戯がバレた子どものような表情を見せ、ヒロインはルネという護衛と共に、その場を去っていった。となれば、俺はどうしようとなるわけで……。
「いっそ探索でも……」
ヒロインが向かった方向と反対へ向けば、いきなり身体が引っ張られる感覚を感じた。
「え?」
思わず抗おうとしたが、それは無意味で……気が付いたら、思いっきり引っ張られる感覚と共に、お嬢様の頭上へと戻ってきていた。
「はぁああああ!!!?????」
思わずと言った事で、思いっきり声を上げれば、ビクッと身体を跳ね上げさせたお嬢様が見えたわけで……。
やばっ、と思ったが、時すでに遅し。表情は一切変えずに授業を受けているものの、お嬢様からどす黒い怒りのオーラが見えている……ような気がする……と、思いたい。
勿論、邸に戻ってからお嬢様に、いくら暇だからって授業中に集中乱すような事は止めて、と苦言を呈されたわけだが……。
「どうして離れる事が出来たんだろう……」
今日も今日とて、お嬢様が授業を受けている間は大人しくし、視界から外れる頭上を浮遊している。離れる事が出来たら、この退屈な時間を有意義なものに出来ると思えるんだが……。
正直、こうやって憑き続けていれば、多少の情は湧くというもので、むしろ幽霊の立場を利用してお嬢様のスパイ活動なんて出来るのでは。なんて事まで思う。実際は無理なんだけど。せいぜい出来た所で貴族お嬢様のガールズトークを聞くくらいしか出来ていない。
「あれ?」
ふと窓の外に目を向ければ、ヒロインらしき女が木陰で休んでいる。さぼりか。
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全く謎なヒロインだな。
そんな事を思いつつ、何を書いてるのだろうという興味本位からヒロインの方へ近づこうとした。
「あ、無理なんだっけ」
思ったと同時に、俺は窓からすり抜けて外へ出ていた。
「!!??」
思わずパニックで教室の窓を二度見するが、俺は今、紛れもなく窓の外へ出ている。
あんなにも焦がれた外での暇つぶし。頭の中は疑問符が占める中、とりあえず俺はヒロインの方へと近づいて行った……のだが。
「アニス!ここに居たのか」
「あ、ルネ!」
確か、護衛とされる緑の髪に黄色の瞳をした屈強な男がヒロインの元へ駆けてきた。
隠れる必要はないのだが、俺は思わず木陰に隠れ、二人を様子見る。
「授業をサボるとは感心しないぞ。そろそろ戻ろう、ブルーノが心配する」
「そうね」
悪戯がバレた子どものような表情を見せ、ヒロインはルネという護衛と共に、その場を去っていった。となれば、俺はどうしようとなるわけで……。
「いっそ探索でも……」
ヒロインが向かった方向と反対へ向けば、いきなり身体が引っ張られる感覚を感じた。
「え?」
思わず抗おうとしたが、それは無意味で……気が付いたら、思いっきり引っ張られる感覚と共に、お嬢様の頭上へと戻ってきていた。
「はぁああああ!!!?????」
思わずと言った事で、思いっきり声を上げれば、ビクッと身体を跳ね上げさせたお嬢様が見えたわけで……。
やばっ、と思ったが、時すでに遅し。表情は一切変えずに授業を受けているものの、お嬢様からどす黒い怒りのオーラが見えている……ような気がする……と、思いたい。
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