【完結】異世界で幽霊やってます!?

かずきりり

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22.不穏な噂

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 何か方法はないのか。そう考えながらも、その日はお嬢様の体調を優先して休む事に決めた。
 次の日も、考えた所で答えが見つかるわけもなく、ゲームのシナリオを読み漁った。どこか他にゲームと矛盾が生じていない所がないか、記憶を必死に手繰り寄せて調べたが、見つける事が出来ず。
 ……お陰で夜中の鍛錬と言わんばかりに、ストレス解消で身体を動かすお嬢様に憑きあわされた俺よ……。
 遠く離れていてもヒロインの所へ行こうと思えば行けるのだろうかと頑張ってみたが、それは無理だった。あぁ、お嬢様から逃げたかったんだよ、こんちくしょう……。

「ちょっと聞いた?」
「あれ……見てよ堂々と」
「図々しいわね」

 翌朝、学園へ行けば、周囲がお嬢様の方を見ては声を潜めて何かを囁き合っている。軽蔑、憎悪の感情を込めた周囲の目が突き刺さる。
 お嬢様も少し小首を傾げるも、そのまま堂々と教室までの道を歩いていくが、道行く人々は見事に道を開けては陰口を叩く。
 とてつもなく気分が悪い。そして居心地も悪い。

「……何だ?」

 こんなあからさまな周囲の態度を今まで見た事がなかった俺は、お嬢様の後ろを憑きながら周囲を見回す。誰もかれもがお嬢様を遠巻きにこちらを見て陰口を叩くような異様な雰囲気。現代でのいじめという風景を思い出す。

「大逆罪」

 ポツリと誰かが呟いた言葉が、耳に入った。
 お嬢様の耳にも入ったのか、ハッとした顔で声の方向へ振り返れば、その辺りに居た人達はスッと視線を反らし、散り散りとなった。

「どういう事だ?」
「……王族に危害を加えたって事よ……」

 遠巻きにされている為、他の者に聞こえない程の小さな声でお嬢様が言った。
 お嬢様が大逆罪?どういう事だ?
 全くもって意味が分からず、頭に疑問符を浮かべながら、俺はお嬢様から離れられる範囲ギリギリまで離れ、周囲にいる人間の陰口に耳を澄ます。

「ランデー公爵令嬢、よくあんな堂々と……」
「殿下を階段から突き落としたんでしょう?」
「未だ昏睡状態だと言うのに……」
「殺しかけたも同然じゃない!」
「よくもそんな事を……」

 ……は?お嬢様が王子を階段から突き落とした?
 思わず呆気に取られ、俺はそのまま身体を動かす事も忘れ、お嬢様に引きずられるような形で後方から憑いて行く。
 その間にも耳に入るのは、同じような噂だ。
 どういう事だ?
 そう思った瞬間、とある人物が脳裏に浮かんだ。

「まさか……ヒロインが動いた?」

 俺の言葉にお嬢様の肩がピクリと動いた。
 退場してもらうと言っていた……しかし、ここでとある疑問を抱く。
 どうして王子は昏睡状態なのか?俺はそれを聞くのをスッカリ忘れていた。
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