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30.情報いただきました
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――怒りに任せて行動しても、ろくな事はない。
二日程は頑張れた。頑張る事は出来た……が、そろそろ一週間。
ヒロインのアニスに甘々な王子の側近ブルーノ・バアラ侯爵令息と、何が何でも守ると言う王子の護衛ルネ・オーリー子爵令息。誰が主なのか分かったもんじゃないな。
というか、一週間も居たら、さすがに名前も覚えたわ……。いくらやってたと言っても、現実でこう向き合う感じになると微妙なんだよな~。そもそも名前だって細かく覚えてないし。
発音的に覚えにくい。英語だって一夜漬けしないと赤点まっしぐらで、何とか単語問題で点数を稼いでいるところがあるんだ。
「しかし……ミニゲーム挟んでくれ……ゲームがしたい……」
アニスの頭上でふわふわと浮かびながら、そんな事まで考えている。
家でお菓子を作っていたかと思えば二人に差し入れをし、家で勉強していたかと思えば、ブルーノに褒めてもらう。家で剣の素振りをしていたと思えば、ルネに褒めてもらう。あとは街中をブラブラ。
……うん、二人ありきの生活だよな。
王子はどうするんだ?いつ動くんだ?
そろそろお供えが恋しい……。
「お嬢様ぁ……お菓子を恵んでくれ~……」
「そろそろね……多分ここだわ」
俺が愚図ったタイミングで、アニスは手帳を開いてとある日付の所に大きな丸を書いて、場所の名前を書いていた。
これ……まさか……。
「要素的に、ここに湧くわね。街中の様子的にも合ってる筈よ。殿下攻略には絶対、茉莉花の艶は欠かせないわ!」
課金アイテムきたー!てか、そんな名前だったのか。
というか、要素とか様子とか、そんなのまで完全把握してるのか……というか、どういう条件なんだ本当に!
これ、愛に言ったら喜んで飛び跳ねて踊るだろうなぁ……なんて、もう会う事のない幼馴染をふと思い出してしまう。
あいつ、必死に探していたからなぁ……課金出来るわけでもないのに、せめて販売場所に一度は行ってみたい!とか言って。
「あとは貢いでもらったプレゼントを売って、お金を用意しなきゃね」
「うわクズだ」
どうせ聞こえないからと、心の声を思いっきり声に出して言ってやった。せめてそれくらいして、憂さ晴らししたい。
日付や場所を覚えたし、そろそろお嬢様の所に帰ろう……と思ったが、アニスが風呂場へ行くのが見え、ピタリと止まる。
うん、思春期少年ですからね。えぇ、どうせ認識されてないからね。でも……。
「やっぱ……ダメだ……」
顔を真っ赤に染めて、その場にうずくまった。
幽霊になってまで、覗くという第一歩を踏み出せない勇気よ。どうせ俺はヘタレだ。
えぇ、どうせ彼女なんて居ませんでしたよ。側に居る女は、母か愛だけだったなー。
そんな事を考えながら、俺はお嬢様の元へ戻った。
二日程は頑張れた。頑張る事は出来た……が、そろそろ一週間。
ヒロインのアニスに甘々な王子の側近ブルーノ・バアラ侯爵令息と、何が何でも守ると言う王子の護衛ルネ・オーリー子爵令息。誰が主なのか分かったもんじゃないな。
というか、一週間も居たら、さすがに名前も覚えたわ……。いくらやってたと言っても、現実でこう向き合う感じになると微妙なんだよな~。そもそも名前だって細かく覚えてないし。
発音的に覚えにくい。英語だって一夜漬けしないと赤点まっしぐらで、何とか単語問題で点数を稼いでいるところがあるんだ。
「しかし……ミニゲーム挟んでくれ……ゲームがしたい……」
アニスの頭上でふわふわと浮かびながら、そんな事まで考えている。
家でお菓子を作っていたかと思えば二人に差し入れをし、家で勉強していたかと思えば、ブルーノに褒めてもらう。家で剣の素振りをしていたと思えば、ルネに褒めてもらう。あとは街中をブラブラ。
……うん、二人ありきの生活だよな。
王子はどうするんだ?いつ動くんだ?
そろそろお供えが恋しい……。
「お嬢様ぁ……お菓子を恵んでくれ~……」
「そろそろね……多分ここだわ」
俺が愚図ったタイミングで、アニスは手帳を開いてとある日付の所に大きな丸を書いて、場所の名前を書いていた。
これ……まさか……。
「要素的に、ここに湧くわね。街中の様子的にも合ってる筈よ。殿下攻略には絶対、茉莉花の艶は欠かせないわ!」
課金アイテムきたー!てか、そんな名前だったのか。
というか、要素とか様子とか、そんなのまで完全把握してるのか……というか、どういう条件なんだ本当に!
これ、愛に言ったら喜んで飛び跳ねて踊るだろうなぁ……なんて、もう会う事のない幼馴染をふと思い出してしまう。
あいつ、必死に探していたからなぁ……課金出来るわけでもないのに、せめて販売場所に一度は行ってみたい!とか言って。
「あとは貢いでもらったプレゼントを売って、お金を用意しなきゃね」
「うわクズだ」
どうせ聞こえないからと、心の声を思いっきり声に出して言ってやった。せめてそれくらいして、憂さ晴らししたい。
日付や場所を覚えたし、そろそろお嬢様の所に帰ろう……と思ったが、アニスが風呂場へ行くのが見え、ピタリと止まる。
うん、思春期少年ですからね。えぇ、どうせ認識されてないからね。でも……。
「やっぱ……ダメだ……」
顔を真っ赤に染めて、その場にうずくまった。
幽霊になってまで、覗くという第一歩を踏み出せない勇気よ。どうせ俺はヘタレだ。
えぇ、どうせ彼女なんて居ませんでしたよ。側に居る女は、母か愛だけだったなー。
そんな事を考えながら、俺はお嬢様の元へ戻った。
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