【完結】異世界で幽霊やってます!?

かずきりり

文字の大きさ
31 / 65

31.問題だらけです

しおりを挟む
「…………」
「あの……お嬢様?」

 速攻でお嬢様の元に強制送還という手段を使って戻った俺は、日付と場所、ついでにアイテム名を報告したのだが……お嬢様は難しい顔をして、手を顎に当てて黙り込んでしまった。
 声をかけても返事がないけれど、お嬢様は帰ってきた俺に対してお供えをしてくれたので、手持無沙汰になる事もなく紅茶とお菓子をつまめる事が出来ている。
 ん~。娯楽や嗜好って本当に大事だな~。

「そうね……そうだわ……何故忘れていたのかしら……」

 お嬢様がポツリと呟いたので、クッキーを頬張ったまま俺は顔をあげてお嬢様の方を向いた。

「私もアイテムの販売場所を特定してみたいと色々調べていて……そうよ……そんな名前だったわ」

 お嬢様も前世で調べていた内容を思い出したのか。俺的には絶対無課金でしかしないから、調べてアイテム名までは見たかもしれないが、記憶する程ではなかった気がする。
 もっぱら調べていたのはミニゲームやクエストの事だ。

「場所も問題だけれど……そのアイテムの方が大問題よ……まさかゲーム内ではこうなってるなんて……」
「ん?」

 一人納得したように険しい顔をするお嬢様に、俺は首を傾げながら声をかけた。
 全くもって意味が分からない。
 いくら稀有だとしても、ゲームの中でヒロインが立ち入って手に入れる事が出来るアイテムなのだから、大問題とは?まさか、また何かシナリオが変わっている?

「あ、ごめんなさい」

 俺の頭に疑問符が湧き出て、既に脳がオーバーヒートしているのに気が付いたのか。
 一週間、ある意味で拷問を受けて生き地獄を味わって……いや、死んでるけど。やっと帰ってきたら脳みそ疑問符だらけって、そりゃないですわ。
 そんな気持ちが顔に出ていたのか、お嬢様は更に追加のお菓子と紅茶をお供えしてくれた。

「あざまーっす!」
「とりあえず食べながらで良いから聞いて……説明するから」

 俺はそれに頷いて答えるにとどめた。
 会話する事や食べたり飲んだり、更に言えば眠る事だってなくなった状態だと、今この瞬間が幸せ以外なにものでもない。もう幸せを嚙みしめるのが最優先!

「まず、場所なんだけど、そこは出入り禁止になっている所なの」

 思わず飲んでた紅茶を噴き出しそうになった。
 ヒロイン、行ってはいけない場所に行くゲームって何だそれ。いきなりのレッドカード展開じゃないか。

「その昔、人身売買があったり大量虐殺があったりした場所で、人が近寄らないし、周辺にまともな人は住まないから治安も良くないの」

 思った以上の言葉に、俺は食べるのも忘れて口をあけて呆然とした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!? //////////////////////////////////////////////////// 悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。 しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。 琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇! ※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……? ※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。 ※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。 隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

【モブ魂】~ゲームの下っ端ザコキャラに転生したオレ、知識チートで無双したらハーレムできました~なお、妹は激怒している模様

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
よくゲームとかで敵を回復するうざい敵キャラっているだろ? ――――それ、オレなんだわ……。 昔流行ったゲーム『魔剣伝説』の中で、悪事を働く辺境伯の息子……の取り巻きの一人に転生してしまったオレ。 そんなオレには、病に侵された双子の妹がいた。 妹を死なせないために、オレがとった秘策とは――――。

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

処理中です...