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40.幼馴染との再会
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「そこで私、男の子とゲームを…………」
瞬間、お嬢様はハッとした表情になり、こちらを向いた。俺も、まさか……そんな、なんて思いが募る。
「……斗真……え、なんで……?」
敬称がなくなって俺を呼び捨てにするお嬢様の瞳は、驚愕で見開かれた。
なんでって……何が?
でも、この様子から察するに、お嬢様は俺の事を確実に知っているようで……でも、先ほどの思い出を共有するような人は……。
「私……愛だよ……千堂愛……」
「愛!?え!?お嬢様が!?」
悲しそうな、懐かしそうな瞳をするお嬢様と反対に、予想していたとはいえ、俺は驚愕の声をあげた。だって……本当に知ってる人に会えるとは思ってなかったというか……。しかも、幽霊になった俺と意思疎通できる人だなんて……。
「ウケる……斗真にお嬢様とかって呼ばれてたなんて……」
「俺も愛の事をお嬢様って呼んでいたって思うと何とも言えない……」
俺のお嬢様呼びで笑いだす愛に、俺は若干複雑な感情を抱く。幼馴染にそう呼んでいたという羞恥心みたいな、でも再会出来た喜びというか。色んな感情が渦巻いていて、思わず顔を俯かせた。
「アデライトだもの……アイって呼んでよ。……斗真の声は周囲に聞こえないし……」
「それなら……アイで」
流石に中身が愛だと分かった以上、お嬢様と面と向かって呼べる気はしない。恥ずか死ねる。死んでるけど。
「愛は1人で、悪役令嬢として頑張っていたのか……」
愛だと分かれば、その道のりを考えれば俺まで苦しくなるし、むしろ今まで以上に、ヒロイン達へ対する憎しみも増える。愛に何て事してくれたんだ!と。
「……うん……愛だった事を思い出したら、結構色んな事も思い出せたみたい……というか、斗真……」
アイは話しづらそうに、少し視線を反らした後、しばらく躊躇った後に、しっかり俺の方を向いた。
「その姿……高校生だよね?斗真、いつ死んだの……?」
「え……?」
アイの言葉に驚いた。
俺はテスト当日に死んでいるわけで……愛は知っている筈だと思ったからだ。流石に学校でもお知らせがあるだろうし、そもそも幼馴染なのだから、俺が死んだのを知らないなんて、愛ならばありえない。学校でなくとも、親が連絡をしているだろうからだ。
まぁ、しかしアイは先ほど記憶がハッキリ戻ってきたばかりだし。
「まだ記憶が曖昧なのか……?俺はテスト当日、学校に向かっている最中、歩道橋から落ちて……」
「……私もテスト当日、学校へ向かう途中に事故で……」
――嘘だろ……。
お互い、驚きで言葉を発する事が出来ず、部屋を沈黙が支配する。
瞬間、お嬢様はハッとした表情になり、こちらを向いた。俺も、まさか……そんな、なんて思いが募る。
「……斗真……え、なんで……?」
敬称がなくなって俺を呼び捨てにするお嬢様の瞳は、驚愕で見開かれた。
なんでって……何が?
でも、この様子から察するに、お嬢様は俺の事を確実に知っているようで……でも、先ほどの思い出を共有するような人は……。
「私……愛だよ……千堂愛……」
「愛!?え!?お嬢様が!?」
悲しそうな、懐かしそうな瞳をするお嬢様と反対に、予想していたとはいえ、俺は驚愕の声をあげた。だって……本当に知ってる人に会えるとは思ってなかったというか……。しかも、幽霊になった俺と意思疎通できる人だなんて……。
「ウケる……斗真にお嬢様とかって呼ばれてたなんて……」
「俺も愛の事をお嬢様って呼んでいたって思うと何とも言えない……」
俺のお嬢様呼びで笑いだす愛に、俺は若干複雑な感情を抱く。幼馴染にそう呼んでいたという羞恥心みたいな、でも再会出来た喜びというか。色んな感情が渦巻いていて、思わず顔を俯かせた。
「アデライトだもの……アイって呼んでよ。……斗真の声は周囲に聞こえないし……」
「それなら……アイで」
流石に中身が愛だと分かった以上、お嬢様と面と向かって呼べる気はしない。恥ずか死ねる。死んでるけど。
「愛は1人で、悪役令嬢として頑張っていたのか……」
愛だと分かれば、その道のりを考えれば俺まで苦しくなるし、むしろ今まで以上に、ヒロイン達へ対する憎しみも増える。愛に何て事してくれたんだ!と。
「……うん……愛だった事を思い出したら、結構色んな事も思い出せたみたい……というか、斗真……」
アイは話しづらそうに、少し視線を反らした後、しばらく躊躇った後に、しっかり俺の方を向いた。
「その姿……高校生だよね?斗真、いつ死んだの……?」
「え……?」
アイの言葉に驚いた。
俺はテスト当日に死んでいるわけで……愛は知っている筈だと思ったからだ。流石に学校でもお知らせがあるだろうし、そもそも幼馴染なのだから、俺が死んだのを知らないなんて、愛ならばありえない。学校でなくとも、親が連絡をしているだろうからだ。
まぁ、しかしアイは先ほど記憶がハッキリ戻ってきたばかりだし。
「まだ記憶が曖昧なのか……?俺はテスト当日、学校に向かっている最中、歩道橋から落ちて……」
「……私もテスト当日、学校へ向かう途中に事故で……」
――嘘だろ……。
お互い、驚きで言葉を発する事が出来ず、部屋を沈黙が支配する。
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