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56.現場をおさえる
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「何するのよ!話してよ!」
「待て!!」
アニスは捕まったようだが、騎士団の焦る声が聞こえる。……何かを取り逃がした?アイの顔にも緊張が走る。
その時、こちらに向かって走ってくるフードを被った人影が見えた。
「ちっ」
小さな舌打ちが聞こえたと共に、そいつは剣を取り出し、スピードを落とす事なくこちらに向かってきた。
危ない!
本能が危険だと告げる。
「アイ!」
思わず俺はアイの前に立ち憚る。後ろから騎士が追いかけてくるところを見れば、こいつは商人の方なのだろうか。
この国に茉莉花の艶を持ち込むだけで罪になる。そりゃ逃げもするだろうが……。
目の前に迫る商人、振り上げられる剣を前に、俺はアイの前に立ったまま目を瞑る事しか出来ず……。
キィンッ!ドガァッ!!
(…………?)
金属が鳴る音と、打撃のような音。
恐る恐る目を開けると、目の前にはアイの後ろ姿が……あれ?いつの間に?
そして、足元には先ほどのフードを被った人が転がっていて、追いかけてきた騎士達も呆然としていた。
「!拘束しろ!」
一足先に正気へと戻った騎士が、周囲の騎士達に命令を下し、アイに対して礼を言うと言い頭を下げた。騎士達によってフードを被った人があっと言う間に拘束されていくのを目に、俺はまだ茫然としていて……。
「アイ……?」
バッと、アイが俺の方を振り返る。驚きに目を見開きながら。
……いや、驚きたいのは俺の方だけど……実践なんてやってなかったのに、意外と出来る……?え、俺の立場は?
色んな言葉が頭を駆け巡るが、口が小さく動くだけで言葉として外に出す事が出来なくて……。
「殿下!捕縛完了いたしました!城へ戻り事情聴取をお願いいたします!」
「ランデー公爵令嬢!?どうして此処に!?」
アイの存在に気が付いた騎士が、疑わしそうな目でアイを見る。
そりゃこんな現場に居れば、疑われても仕方ないと言うものだ。……そうなる前に帰って欲しかった感はあるんだが……。
「彼女も被害者だからね。その目できちんと事の成り行きを見たいと言ったんだ……誰か!アデライトを送ってくれ」
学園で広まっているアイの噂を大半が耳にしていたようで、納得したように頷くと、邸まで送ると申し出た。
俺に対して何かを言いたそうに口を開き、視線を向けるも、言葉を飲み込むようにして騎士達の後をついていった。
『あとは宰相達に任せればいいのか』
『いや……まだやる事はあるよ』
脳裏に浮かぶ、二人の姿。幼い頃から一緒に居て、心許せる側近と護衛に選んだ者。
まだ厳罰な処分や処遇はされていない。だからこそ、アニスが捕まった事で二人が詰め寄ってくるのは目に見えて分かっている。
「待て!!」
アニスは捕まったようだが、騎士団の焦る声が聞こえる。……何かを取り逃がした?アイの顔にも緊張が走る。
その時、こちらに向かって走ってくるフードを被った人影が見えた。
「ちっ」
小さな舌打ちが聞こえたと共に、そいつは剣を取り出し、スピードを落とす事なくこちらに向かってきた。
危ない!
本能が危険だと告げる。
「アイ!」
思わず俺はアイの前に立ち憚る。後ろから騎士が追いかけてくるところを見れば、こいつは商人の方なのだろうか。
この国に茉莉花の艶を持ち込むだけで罪になる。そりゃ逃げもするだろうが……。
目の前に迫る商人、振り上げられる剣を前に、俺はアイの前に立ったまま目を瞑る事しか出来ず……。
キィンッ!ドガァッ!!
(…………?)
金属が鳴る音と、打撃のような音。
恐る恐る目を開けると、目の前にはアイの後ろ姿が……あれ?いつの間に?
そして、足元には先ほどのフードを被った人が転がっていて、追いかけてきた騎士達も呆然としていた。
「!拘束しろ!」
一足先に正気へと戻った騎士が、周囲の騎士達に命令を下し、アイに対して礼を言うと言い頭を下げた。騎士達によってフードを被った人があっと言う間に拘束されていくのを目に、俺はまだ茫然としていて……。
「アイ……?」
バッと、アイが俺の方を振り返る。驚きに目を見開きながら。
……いや、驚きたいのは俺の方だけど……実践なんてやってなかったのに、意外と出来る……?え、俺の立場は?
色んな言葉が頭を駆け巡るが、口が小さく動くだけで言葉として外に出す事が出来なくて……。
「殿下!捕縛完了いたしました!城へ戻り事情聴取をお願いいたします!」
「ランデー公爵令嬢!?どうして此処に!?」
アイの存在に気が付いた騎士が、疑わしそうな目でアイを見る。
そりゃこんな現場に居れば、疑われても仕方ないと言うものだ。……そうなる前に帰って欲しかった感はあるんだが……。
「彼女も被害者だからね。その目できちんと事の成り行きを見たいと言ったんだ……誰か!アデライトを送ってくれ」
学園で広まっているアイの噂を大半が耳にしていたようで、納得したように頷くと、邸まで送ると申し出た。
俺に対して何かを言いたそうに口を開き、視線を向けるも、言葉を飲み込むようにして騎士達の後をついていった。
『あとは宰相達に任せればいいのか』
『いや……まだやる事はあるよ』
脳裏に浮かぶ、二人の姿。幼い頃から一緒に居て、心許せる側近と護衛に選んだ者。
まだ厳罰な処分や処遇はされていない。だからこそ、アニスが捕まった事で二人が詰め寄ってくるのは目に見えて分かっている。
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