【完結】異世界で幽霊やってます!?

かずきりり

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64.言ってよかった

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「斗真なの!?」
「……ん!?」

 つい、返事をしてしまった自分に気が付いた。

 ――やっちまった。

 隠しているわけでもない、結果隠しているようなものだけれど。
 いや、でもこれ……うん、今バラす気はなかったというか……。そもそも、どう顔合わせて良いものかも分からない。
 幽霊ならまだしも、全く別人の顔で対面してるわけだし、乗っ取ったようにも見えるし。

「どうして!?何で殿下の身体に!?何があったの!?」

 怒涛の質問攻め。
 興奮気味に前のめりとなっているアイに、落ち着けと手で制す。
 まぁ、確かに謎でしかないよなぁ。
 執事を呼び、アイとの時間をもう少しとってもらえるよう調整をお願いすると満面の笑みで頷かれた上に、紅茶のお代わりとお茶菓子まで追加で用意された。
 ……二人の仲が良いのは喜ばしいって事か……今は俺だとしても何か複雑……。

「……実は……」

 一息ついて準備が整ってから、あの日、王子と出会った頃の話から始める。
 精神世界で出会った事。王子から説明を受けた事。王子の思い。
 そして、王子と共に目が覚めた事。身体の自由が利かなかった事。証拠を集めた事。

「私の事は良いのに!どれだけ心配したと思ってるの!?」

 アイが荒げた声を上げて驚いた。確かに、目覚めてからやっていたのはアニスの件だ。

「いや、でも違法行為だし、何とかしないと国の為にもならないでしょ?」
「だからって……私がどれだけ心配したと…………」

 アイからしてみれば、寝て起きたら俺が居なくて、呼びかけても現れなくて、という状態だったのだ。

「もう……会えないかと思った……」

 アイの嗚咽と共に漏らした言葉と、瞳から涙が零れ落ちるのを見て、俺の胸は激しく痛んだ。
 いきなり再会して、急に消えて……あんな状態で孤独の中で放り出されたら、どれだけ心細かった事だろう。……しかし、きちんと現場に来ていた辺り、今を生きるアイらしいと言えばアイらしい。

「これからどうなるの?王子の身体から離れて、また一緒に居られるの?」
「あ」

 アイの叫びで、説明が途中までだった事を思い出す。
 幽霊として一緒に居る事をお望みなのだろうか……そんなモヤモヤした感情が襲うけれど、これから先一緒に居るとしたならば、言っておかないと。
 ……というか、ぶっちゃけ支えて欲しいし助けて欲しい場面も出来そうだ。
 話した事により、妙に冷静な頭で先々を思い浮かべると、言う以外の選択肢はなかったな。結果オーライか。

「……王子から身体を貰った」
「……え?」
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