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第一章
19.キィの乱入
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「魔法陣の図形は、丸だけ? 四角や三角は使わないのかな。デイルは知っている?」
「いえ……魔法陣は古代のもの。俺は全く知りません」
恒例となった図書館での集まり。
ふとした疑問をデイルに投げかけてみるけれど、焦ったように答えられる。
「丸は循環という意味があるのよ。だけど……そうね、それを歪ませる的な意味で使うのは試してみる価値あるわね」
紙に新しい魔法陣を書いていく恵。
相も変わらず恵は、生活魔術や神力の勉強以外はずっと図書館にこもっている。
「古代語ではなく、普通の文字と日本語、そして英語で試してみたのだけれど」
「え!?」
「どうなったの!?」
琴子の言葉に、皆が身体を乗り出す。
古代語と言われていたら、古代語だけだと思っていたのだ。
「威力も様々だけれど、それなりに成果は出たわ……けれど……」
コインの形を変える実験をしていた琴子が、私達の前に結果を出してくる。
こちらの文字と日本語は同じで、古代語はそれ以上。だけれど、英語は全く違ったものへと変化していたのだ。
「それスペル間違えてるじゃない」
「あっ!」
さすが恵。見ただけですぐに指摘した。
琴子は顔を赤らめて、すぐに紙を隠そうとしたのだけれど、恵はそれを制してジッと魔法陣と結果のコインを見つめる。
「そっか……そっか、なるほど」
ぶつぶつと一人呟く恵。
私と琴子は視線を交わして、何の事だと言わんばかりに首を傾げたのだけれど……琴子の後ろに居るアンドリューの表情が厳しくなっていたのが分かった。
しかし、それに気が付いていない琴子は、恵の難しい話に付き合う気はないのか、私へと話しかけて来た。
「灯りを付ける生活魔術が難しくて……魔法陣で何とかなったのよ」
「あ! 私も! お湯を作るのが難しくて魔法陣を貼り付けて……」
そう、勉強して生活する上で、いかに苦手分野を出来るようになるか。どうやって効率を上げるか。
自立する為にも必要だと思って、組み込めるものは組み込んで試していたのだけれど、まさか琴子もだったとは。
「魔法陣を貼り付けて……?」
恵は驚いてこちらを向いた。
恵の場合はロランやメイドに面倒な事は頼んでそうだもんな。お嬢様みたいに。いやまぁ確かに贈り人様かもしれないけどさ、私達は。
「何を皆でコソコソやってるの?」
そんな時、キィが私達を見つけたのか、声をかけてきた。
だけれど、その表情は小学生らしくない、どこか険しく厳しい目つきだった。
「コソコソって……」
「何それ!? 自分達だけずるくない!?」
「いえ……魔法陣は古代のもの。俺は全く知りません」
恒例となった図書館での集まり。
ふとした疑問をデイルに投げかけてみるけれど、焦ったように答えられる。
「丸は循環という意味があるのよ。だけど……そうね、それを歪ませる的な意味で使うのは試してみる価値あるわね」
紙に新しい魔法陣を書いていく恵。
相も変わらず恵は、生活魔術や神力の勉強以外はずっと図書館にこもっている。
「古代語ではなく、普通の文字と日本語、そして英語で試してみたのだけれど」
「え!?」
「どうなったの!?」
琴子の言葉に、皆が身体を乗り出す。
古代語と言われていたら、古代語だけだと思っていたのだ。
「威力も様々だけれど、それなりに成果は出たわ……けれど……」
コインの形を変える実験をしていた琴子が、私達の前に結果を出してくる。
こちらの文字と日本語は同じで、古代語はそれ以上。だけれど、英語は全く違ったものへと変化していたのだ。
「それスペル間違えてるじゃない」
「あっ!」
さすが恵。見ただけですぐに指摘した。
琴子は顔を赤らめて、すぐに紙を隠そうとしたのだけれど、恵はそれを制してジッと魔法陣と結果のコインを見つめる。
「そっか……そっか、なるほど」
ぶつぶつと一人呟く恵。
私と琴子は視線を交わして、何の事だと言わんばかりに首を傾げたのだけれど……琴子の後ろに居るアンドリューの表情が厳しくなっていたのが分かった。
しかし、それに気が付いていない琴子は、恵の難しい話に付き合う気はないのか、私へと話しかけて来た。
「灯りを付ける生活魔術が難しくて……魔法陣で何とかなったのよ」
「あ! 私も! お湯を作るのが難しくて魔法陣を貼り付けて……」
そう、勉強して生活する上で、いかに苦手分野を出来るようになるか。どうやって効率を上げるか。
自立する為にも必要だと思って、組み込めるものは組み込んで試していたのだけれど、まさか琴子もだったとは。
「魔法陣を貼り付けて……?」
恵は驚いてこちらを向いた。
恵の場合はロランやメイドに面倒な事は頼んでそうだもんな。お嬢様みたいに。いやまぁ確かに贈り人様かもしれないけどさ、私達は。
「何を皆でコソコソやってるの?」
そんな時、キィが私達を見つけたのか、声をかけてきた。
だけれど、その表情は小学生らしくない、どこか険しく厳しい目つきだった。
「コソコソって……」
「何それ!? 自分達だけずるくない!?」
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