【完結】異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり

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第二章

08.子どもが嫌い

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 今日は私、琴子、キィの三人で自主勉強をする日だ。
 というのも、元居た世界の事を含めて、この世界の事を知るという目的もある。

「腐葉土? とかいうのあったよね? こっちの世界ではないのかな」
「石灰も使っていたけれど……買って手に入れていたので何とも……」
「その腐葉土や石灰というのは、どんなものですか?」

 そう、今回は野菜の肥料について。
 神力だけではなく、誰でも良い野菜を作る為だ。
 私と琴子の説明で、アンドリューがメモをとっていく。一応腐葉土は似たようなものがあるとの事だが、石灰については首を傾げている。

「土を買う……そこに神力を含ませるというのは!?」
「結局、それじゃ神力頼りになるだろう」

 ウィルの言葉にデイルが突っ込む。
 私達三人と言っても、護衛騎士達も参加してくれる。居ないとこちらの世界での事が分からないから、必然的参加とも言えるが。

「堆肥やもみ殻……化学肥料は錬金術で行えるかな?」
「意外と真が化学肥料の原料を知ってそうよね……」

 土作りに必要な土なんて分からない上に、分かったとしても買って終わりだった私は、そもそもの原料と言うか、それが何から出来ているのかも詳しくは知らない。

「育てる作物によっても違うと思うのよね……」

 暗い表情しか見ていなかった琴子だが、真剣に考えてはくれているし、しっかり意見も出してくれる。体調的には大丈夫なのだろうと、安堵から息を吐けば、キィがガタリと椅子を鳴らして立ち上がった。

「なんなの!? 二人して分からない話ばっかり!」
「え、キィ……」
「ずるい! ずるいよ! そんな事、習った事もないのに!」

 むしろ私だって習ったとかいうわけではない。多分学校で習ったとしても地層くらいな気がする、うん。多分。
 それこそ農業系の授業がある学校でなければ、習うなんて事はないと思うのだけれど、キィには分からないのだろう。……年齢の差もあるし。中学や高校では当たり前に習っていると思っていそうだ。

「習ったわけではないわよ」
「じゃあ何で知ってるの!?」

 溜息を吐きながら返した琴子の言葉に、更にキィが噛みついた。

「年齢を重ねるにつれて常識は染み付いていくでしょう。そう簡単に癇癪を起こしたりしないようにとかね」

 嫌味のように言った琴子の言葉に、キィが目を見開いた後、悔しそうに唇を噛みしめた。

「琴子……落ち着いて」

 これ以上、無駄に言い合っていても仕方ないと思い、私は止める為にも琴子へと声をかけた。
 こういう時、どうしても年齢が上の方へと声をかけてしまうのは仕方ないだろう。でも、琴子はハッキリと言葉を告げた。

「子どもは嫌いなの」
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