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第四章
11.魔道具を作ろう
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真がどこかへ飛んで行った。
騎士や兵達は相変わらず真を追っているようだが、全く見つからない事から宣言通り、国から出て行ったのだろうと落ち着いたようだ。
たまに神殿へも真の事が問い合わせられるらしいが、居ないと返事をしていると枢機卿から聞いた。
実際、居ないものを居ないと事実を述べているだけだから何もおかしい事はない。
神殿内でも、真を悪魔と罵り怯える輩は安心したように日常を過ごしている。
そう、戻ってきたのだ。また日常が。真が居ないという一点だけ変化して。
だけど……私達はもう、のんびりしているだけではない。
「マコト様は新たな国を作りたいと仰っていました」
それは、真が居なくなって数日経った時だ。
枢機卿にお茶をしようと呼び出された私達は、その好意を受け取った。真を心配して食が細くなっていたキィの為というのもあるだろうと。
そして、気を安らげる為だと言って護衛騎士を少し遠くへと置き、呟くように枢機卿は言ったのだ。
その真意は分からない。
私達に何を伝えたいのかも、何をして欲しいのかも分からない。
でも、確実にゆっくりのんびり時間が過ぎるのを待っているだけではないという事だけは理解した。
「ねぇ。少し離れた所に海のようなものもあるのね」
「珊瑚とかあるのかな?」
「そこの生地や服もどんなのか知りたいね」
その準備になるかは分からないけれど、自分達で暮らせるように。自立できるように。
……国を立ち上げる資金となるように。
私達は真が残してくれた知識や行動を元にして、商品の開発を進めていたし、それと並行して周辺諸国の勉強もしていた。勿論、その国の言語も。
「あの……さ。ちょっと良い?」
日々、図書室に籠ったり、街へと出たりして忙しなく過ごす中、キィが私達に声をかけてきた。
「どうしたの?」
「商品開発で、ちょっと思い立った事というか実験したい事があって……」
そう言って私達の前に置いたのは、魔法陣の書物だった。
……魔法陣に錬金。前、必死で勉強していたそれらは、どうしても恵の事を思い出させる。
「……」
「……魔法陣……」
何とも言えない重苦しい空気が流れる中、私はそっとその書物に手を置いた。
あんな事が出来てしまうという事から、恐怖の気持ちが拭えないのもある。けれど、いくら子どもといってもキィは賢い。何か理由があって、この書物を持ってきた筈だ。
「実験って?」
私の言葉に、キィは真剣な瞳を返してきた。
「この世界を異世界と言うなら……魔法というものがあるなら、色々と試してみたいの! 魔道具作りとか!」
騎士や兵達は相変わらず真を追っているようだが、全く見つからない事から宣言通り、国から出て行ったのだろうと落ち着いたようだ。
たまに神殿へも真の事が問い合わせられるらしいが、居ないと返事をしていると枢機卿から聞いた。
実際、居ないものを居ないと事実を述べているだけだから何もおかしい事はない。
神殿内でも、真を悪魔と罵り怯える輩は安心したように日常を過ごしている。
そう、戻ってきたのだ。また日常が。真が居ないという一点だけ変化して。
だけど……私達はもう、のんびりしているだけではない。
「マコト様は新たな国を作りたいと仰っていました」
それは、真が居なくなって数日経った時だ。
枢機卿にお茶をしようと呼び出された私達は、その好意を受け取った。真を心配して食が細くなっていたキィの為というのもあるだろうと。
そして、気を安らげる為だと言って護衛騎士を少し遠くへと置き、呟くように枢機卿は言ったのだ。
その真意は分からない。
私達に何を伝えたいのかも、何をして欲しいのかも分からない。
でも、確実にゆっくりのんびり時間が過ぎるのを待っているだけではないという事だけは理解した。
「ねぇ。少し離れた所に海のようなものもあるのね」
「珊瑚とかあるのかな?」
「そこの生地や服もどんなのか知りたいね」
その準備になるかは分からないけれど、自分達で暮らせるように。自立できるように。
……国を立ち上げる資金となるように。
私達は真が残してくれた知識や行動を元にして、商品の開発を進めていたし、それと並行して周辺諸国の勉強もしていた。勿論、その国の言語も。
「あの……さ。ちょっと良い?」
日々、図書室に籠ったり、街へと出たりして忙しなく過ごす中、キィが私達に声をかけてきた。
「どうしたの?」
「商品開発で、ちょっと思い立った事というか実験したい事があって……」
そう言って私達の前に置いたのは、魔法陣の書物だった。
……魔法陣に錬金。前、必死で勉強していたそれらは、どうしても恵の事を思い出させる。
「……」
「……魔法陣……」
何とも言えない重苦しい空気が流れる中、私はそっとその書物に手を置いた。
あんな事が出来てしまうという事から、恐怖の気持ちが拭えないのもある。けれど、いくら子どもといってもキィは賢い。何か理由があって、この書物を持ってきた筈だ。
「実験って?」
私の言葉に、キィは真剣な瞳を返してきた。
「この世界を異世界と言うなら……魔法というものがあるなら、色々と試してみたいの! 魔道具作りとか!」
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