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02.ゲームの世界
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乙女ゲーム「恋加護」
前世、私が息抜き程度にハマっていた乙女ゲームだ。一般的な乙女ゲームと同じで、ヒロインであるリディア・ファルス伯爵令嬢が色んなルートで恋をしていく。その度に邪魔をするのが、メイン攻略者である第二王子ディアス・ヴィ・アルヴァン殿下の婚約者である、レティシア・ミゼラ公爵令嬢、つまり私だ。
しかも見事に何故か他の攻略対象ルートでも邪魔ばかりして、挙句最後は追放もしくは処刑となる悲しいエピソードを持っていたりするんだが……。運営、王道ばかり作ってないで、少しは違うものを作れ。なんて、悪役令嬢のその後なんて気にしてゲームしてなかった私は今になって思ってしまう。
前世はただの一般モブ子だった私からすれば、公爵令嬢として生活に苦しむ事なく、更に顔立ちも良い。ストレートでサラサラな緑の髪は腰まで美しく伸びているし、金色の瞳も気に入っている。それを追放如きで人生終わらせられてたまるか!というか、そもそも前世は美容に力を入れていないどころか生傷絶えなかった……。それでも幸せな人生であったと自信を持っていえるけれど、記憶を戻した今は気がかりな事もある。
そしてこの世界には魔法があり、聖獣や魔獣、更には獣人なんてものも存在する。
そして何より私がハマった理由は隠しルートだ。何と隠しルートで聖獣を攻略出来る。しかも、もふもふのフェンリルだ。難しいけれど隠しルートで獣人攻略なんて素敵!という事でファンが大絶賛したゲームでもあるが、その中の一人は確実に私である。
「シア様……お考え事ですか?」
ゲームの内容を頭の中で反芻していたら、私がショックを受けているのかと思ったのは心配そうな顔でフィンが声をかけてきた。
「まぁ……これからどうしようかと……」
ゲーム通りならば追放か処刑なのだけれど、少しでも歪みが生じているならば、全てその通りになるわけでもないだろう、なんて楽観的に考えている自分が居る。そもそも、前世は一般市民だったからこそ、別に市井で暮らす事にも抵抗はないんだけど……。
「あ」
「どうしました!?」
思わず呟いた一言に、フィンが食いつく。つい出た言葉だったんだけど、それは私の下心が芽生えたからなんだけれど……。
「フィンにお願いがあるの……アレして……?」
「うっ!」
いっそこのままお願いしてしまおうと上目遣いで懇願すると、フィンは照れたような顔をした後、俯いて小さく言った。
「……邸につくまでの間ですからね」
そう言ってふわりと目の前に現れたのは、白銀のサラサラふわふわした毛並みの尻尾。幼い頃からの……いえ、前世から私の大好物の、もふもふである!
前世、私が息抜き程度にハマっていた乙女ゲームだ。一般的な乙女ゲームと同じで、ヒロインであるリディア・ファルス伯爵令嬢が色んなルートで恋をしていく。その度に邪魔をするのが、メイン攻略者である第二王子ディアス・ヴィ・アルヴァン殿下の婚約者である、レティシア・ミゼラ公爵令嬢、つまり私だ。
しかも見事に何故か他の攻略対象ルートでも邪魔ばかりして、挙句最後は追放もしくは処刑となる悲しいエピソードを持っていたりするんだが……。運営、王道ばかり作ってないで、少しは違うものを作れ。なんて、悪役令嬢のその後なんて気にしてゲームしてなかった私は今になって思ってしまう。
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そして何より私がハマった理由は隠しルートだ。何と隠しルートで聖獣を攻略出来る。しかも、もふもふのフェンリルだ。難しいけれど隠しルートで獣人攻略なんて素敵!という事でファンが大絶賛したゲームでもあるが、その中の一人は確実に私である。
「シア様……お考え事ですか?」
ゲームの内容を頭の中で反芻していたら、私がショックを受けているのかと思ったのは心配そうな顔でフィンが声をかけてきた。
「まぁ……これからどうしようかと……」
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「あ」
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思わず呟いた一言に、フィンが食いつく。つい出た言葉だったんだけど、それは私の下心が芽生えたからなんだけれど……。
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