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81.フィンの宣言
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いきなりの攻撃に心臓が激しく動く中、フィンは更に私を抱き寄せ、空中に浮いたまま全ての者に宣言するかのように言い切った。
「シアは俺のだ」
…………は?今なんて言った?
思わず思考が停止した。恥ずかしいとか照れるとか、そんなもの全て頭から吹き飛んでフィンの顔を凝視してしまう。そこには真顔で嘘をついているような感じが一切ないフィンの顔があるだけで……え?でも今、なんて言った?
きっと今私は淑女としてあるまじき呆気にとられた表情をしているだろう。開いたままの口に気が付き、表情を戻そうとするが、思考回路は全く追い付いていない。そんな私を置いていくかのように、獣人達は誰かが噴き出すのをキッカケに笑い声が沸き起こった。
「確かに!」
「フィンと一緒に居るのが当たり前になってるな!」
「お似合いだよ!」
そんな声と共に盛大な拍手が沸き起こる。
え?そりゃ今まで一緒に居たし。何なら前世から一緒だけど……え?
――ほぅ。
ワイバーンが関心したかのような声を出した為、思わずそちらに視線を向けると、無表情にも関わらず何故かニヤニヤと笑っているような気がした。
「なっ……なぁ!?」
声にならない声が出る。間違えた悲鳴を出したような気がして更に恥ずかしさが込み上げてくるけれど、出てしまった声をなかった事には出来ない。思わず口を噤んで下を向くと、フィンがそれに気が付いたように覗き込んでくる。
「……シア、嫌?貴族とかそんなの関係なく、これからも自由に俺と暮らしていくのは嫌?」
うわぁああ!大人の姿で上目使いとか、可愛さではなく色気が醸し出されてる!何か色々と犯罪ちっくですけれど!?そして後半の提案は素晴らしい!素晴らしいけども、何となく先ほどの事も考慮するとプロポーズっぽくないですかねぇ!?というかプロポーズだとしたら、こんな公衆の面前とか!
「あー……ごめん……?」
「……口に出してた?」
どうやら思いっきり口に出していたようで、フィンは罰が悪そうに一瞬眼を背けたが、またすぐに私へと視線を戻してきた。私としてはさっきから恥ずかしさの連続で、このまま血圧上がりすぎて死ぬのではないかとさえ思える。いっその事、気を失ってなかった事にしたいというか、逃亡したい。
「王太子妃になるか、今まで通り俺と暮らすか」
「何その究極な選択」
むしろその2つしかないのかと問いたい。……けれど、この状況を考えても、じゃあまた森で暮らしますという選択は難しいという事くらい理解している。王族の駒になんてなりたくもないし、名も連ねたくはない……今までの生活が幸せだったと感じていたのならば……。私の答えは、幸せを選ぶ。
「……皆と今まで通り暮らしたい」
うぉおお!と獣人達が叫ぶ中、フィンは残念そうに少し肩を落としてそうくるか……と呟いていた。
「シアは俺のだ」
…………は?今なんて言った?
思わず思考が停止した。恥ずかしいとか照れるとか、そんなもの全て頭から吹き飛んでフィンの顔を凝視してしまう。そこには真顔で嘘をついているような感じが一切ないフィンの顔があるだけで……え?でも今、なんて言った?
きっと今私は淑女としてあるまじき呆気にとられた表情をしているだろう。開いたままの口に気が付き、表情を戻そうとするが、思考回路は全く追い付いていない。そんな私を置いていくかのように、獣人達は誰かが噴き出すのをキッカケに笑い声が沸き起こった。
「確かに!」
「フィンと一緒に居るのが当たり前になってるな!」
「お似合いだよ!」
そんな声と共に盛大な拍手が沸き起こる。
え?そりゃ今まで一緒に居たし。何なら前世から一緒だけど……え?
――ほぅ。
ワイバーンが関心したかのような声を出した為、思わずそちらに視線を向けると、無表情にも関わらず何故かニヤニヤと笑っているような気がした。
「なっ……なぁ!?」
声にならない声が出る。間違えた悲鳴を出したような気がして更に恥ずかしさが込み上げてくるけれど、出てしまった声をなかった事には出来ない。思わず口を噤んで下を向くと、フィンがそれに気が付いたように覗き込んでくる。
「……シア、嫌?貴族とかそんなの関係なく、これからも自由に俺と暮らしていくのは嫌?」
うわぁああ!大人の姿で上目使いとか、可愛さではなく色気が醸し出されてる!何か色々と犯罪ちっくですけれど!?そして後半の提案は素晴らしい!素晴らしいけども、何となく先ほどの事も考慮するとプロポーズっぽくないですかねぇ!?というかプロポーズだとしたら、こんな公衆の面前とか!
「あー……ごめん……?」
「……口に出してた?」
どうやら思いっきり口に出していたようで、フィンは罰が悪そうに一瞬眼を背けたが、またすぐに私へと視線を戻してきた。私としてはさっきから恥ずかしさの連続で、このまま血圧上がりすぎて死ぬのではないかとさえ思える。いっその事、気を失ってなかった事にしたいというか、逃亡したい。
「王太子妃になるか、今まで通り俺と暮らすか」
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むしろその2つしかないのかと問いたい。……けれど、この状況を考えても、じゃあまた森で暮らしますという選択は難しいという事くらい理解している。王族の駒になんてなりたくもないし、名も連ねたくはない……今までの生活が幸せだったと感じていたのならば……。私の答えは、幸せを選ぶ。
「……皆と今まで通り暮らしたい」
うぉおお!と獣人達が叫ぶ中、フィンは残念そうに少し肩を落としてそうくるか……と呟いていた。
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