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16: 俺、変態妖怪女に別れを告げて夢から醒める。
しおりを挟む……きこえますか、勇者よ、目覚めの時です。魔王を討ち滅ぼす使命に立ち上がるのです。……勇者よ。………勇者「うっせぇこのブスババァ。」「「そうだそうだー!バーカバーカ♪」」
俺はまだ痺れる下半身を何とか動かし、魔王様の足に抱き着き、変な女に吐き捨てた。サキュバス二人も追随して野次を飛ばす。
実はあの変な女、俺が魔王様に一目惚れして旅立った辺りから夜な夜な人の夢枕に立って今みたいな変な事をずっと囁くとても不快な妖かしなんである。
お隣のエレサ(75)が、都会には他人の恋に水を差したり、邪魔したり、時には横取りしたりして愉しむ妖怪が居ると言っていたが、多分あれがそうなんだろう。
サキュバスと仲良くなった際に、プチ講座を開きがてら夢に結界を張ってくれ、お蔭で大分遠くの方から囁くしか出来なくなったが、それでも眠る度ウザかった。
今だって、折角夢に魔王様♡♡が来てくれたのに!鬱陶しいヤツ!!
ギリギリと変な女を睨みながらそんな事を考えていたら、不意に魔王様♡が俺の頭を撫でてくれた。え、どうしよう!夢みたい!!
「リンデール、まさにこれは夢の中だが、撫でてるのは願望ではない。
それにしても、女神を妖怪と呼ぶ勇者とは何と愉快な事か…。可哀想に…。ウザい女神に取り憑かれ悪夢に悩まされる日々だったのだな……。」
優しく頭を撫でながら囁いてくれる魔王様♡は本当に本当に慈愛に満ちていて、俺は、思わず子犬の様に頼りなげな上目遣いでコクコクと頷いた。
視界の隅でサキュバス二人が、イイゾ!その調子!!とサムズアップしてくれるので、こっそり俺もサムズアップを返しながら、魔王様♡の腰に抱き着いた。
「可愛いリンデールよ…。我に口づけをしておくれ…。
そして、あの変な妖怪女神にお前が誰のモノなのかキッチリ教えてやるが良い。」
そういって微笑む魔王様はテラ超絶セクスィオブセクスィで、俺は鼻血噴きそうになりながらブンブン頷いた。
魔王様♡がその場に座ってくれたので、その胡座の上に跨がり、鎖骨の辺りからチュッチュと音を軽く立てて首筋、顎とキスしていき、満を持して唇を啄む。
魔王様♡の黒薔薇みたいにマットで美しい肌にうっとりすれば、そんな俺の背中や腰を、魔王様♡の黒薔薇みたいな掌が妖艶に這う。
そっと、舌でノックして、開いた唇から魔王様♡の口の中に舌を差し入れて、あっちこっち散策すれば、悪戯盛りの子猫を捕まえて撫でるみたいに優しく長い舌に囚われ、愛撫される。
「ふぁ………。」
思わず、その甘美な快楽に蕩けて全て忘れそうになったが、魔王様の言い付けを忘れちゃいけない。
俺は魔王様♡の首にこれ見よがしに腕を絡めると、見えない壁をどんどん叩いて壁に顔が歪む程に張り付いてる女神に向かって大声で叫んだ。
「ざまぁみろ!変態妖怪女め!毎日魔王様♡をディスりやがって!!この通り俺は魔王様♡ラブなんだ!とっとと帰れ!
魔王様♡の淫乱雌奴隷の座はこのリンデールが頂いた!!仲違いしてお前に譲ったりは絶対しないから諦めろー!」
俺の魂の叫びに、何故か魔王様♡がくつくつ笑う。
だか、不思議に思った瞬間に魔王様が手をさっと一振り。
途端に何か言いながら妖怪女が吹っ飛んでいって見えなくなったので、俺は不思議など吹き飛んで魔王様♡の頬に口付けして頬擦りした。
「魔王様♡ありがとう!魔王様♡カッコイイ!」
そう繰り返す俺をヨシヨシと撫でながら魔王様はサキュバスを見た。
「よし、これで女神はもう夢に入り込めぬ。だから、貴様らももう、リンデールの夢と繋がるな。判ったな?」
「「ヒィイィ!!了解です!魔王様♡!!お幸せに!リンデール!!」」
シュババッと立ち上がって最敬礼したサキュバス二人はそう叫ぶと、俺が手を振る間も無く消えてしまった。
「さて、可愛いリンデールよ。そろそろお前も起きる時間だ。愉しい愉しい奥の奥開発の時間だぞ♡」
俺を横抱きにして何処かへと向かう魔王様♡が何でもないようにそう言った。
え?
と、思った瞬間、自分の尻が何だかヌルヌルしてるのに気付く。
「そら、挿入れるぞ。」
「え?コレ…なんっっーーー!!???」
何だ?どうなった??と思った瞬間、ズン!!と俺の中に魔王様♡が一気に攻め入ってきて突き当たりを小突いた。
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