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20: 魔王、幸せを願い、残りを片付ける。

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「クハハハハ!勇者は我が鳥籠の中手の内。聖剣は折れ、真名は賢者のステータスを下げた。さぁ、次は誰だ!かかってくるが良い!…貴様か?何やら加護を受けし戦士よ…!」

我は高嗤うとそう挑発し、賢者の横に突っ立つ若者を指した。
何やら賢者から沢山加護を受けているようだ……。

本来、あの加護は勇者にかけるモノだと思うのだがな……。まぁ、先程の様に避けたのやもしれぬ。何せ、リンデールだからな……。

「俺は死ねない!!何だか無理やり連れてこられたが、正直魔王とか英雄とかどうでも良い!!リリーが守れれば良いんだ!生きて帰ってリリーと結婚し、二人で何処かにこじんまりとした家を建てて暮らすんだ!小さな庭に、子供用のブランコ、白い犬…!!幸せな家庭を築くんだ!だから生きて帰るんだ!!」

加護をキラキラさせながら宣う戦士に、ほう、と感心する。

「成る程…?つまりお前はそのリリーとかいう伴侶と仲睦まじく暮らせれば我に歯向かわないのk「歯向かわない!!」

鬼気迫る仁王立ちで食いぎみに返された。うむ。愛とは良いものよな。うむうむ。

「承知した。なれば、魔王城の近くの閑村で良ければ用意してやろう。年寄りばかりだが、気候も良いし動植物も豊かで喰うに困らない所だぞ。
小さめの屋敷に小さな庭。子供用のブランコ、白い犬…はアイスウルフの子供で良いか?お前達に危害は加えないし、育てば良い番犬になるだろう。」

「魔王様万歳!!お願いします!!」

「よし、直ぐに手配させよう。」

ガバッと土下座し、ハキハキ大声で頼んでくる姿に我が番と似通った所を感じつつ、直ぐに手配の指示をする。

「きゃぁ?!」「リリー!あぁ!逢いたかった!もう離さない!!」「まぁ!サム!逢いたかったわ!サム!もう何処にも行かないでぇー!!」

転移で呼び寄せた伴侶に、加護まみれ戦士は歓喜して抱き着いた。
うむ。愛とは良いものだな。

「「ありがとうございます!!魔王様!!」」

キラキラ女神の加護を振り撒きながら我に感謝する二人を麓の村に飛ばし、配下の一人に後を任せ、我は残りの二人に向き直った。


巻き込まれた無力なヒトの番よ……幸せになれよ。


「さて、残り「このツーイタール王国一の剣豪!王宮騎士団団長ロマンティコが!魔王!貴様の首を獲る!!」

我の言葉を遮って叫び、隣の剣士が我を倒すとほざく賢者に、我はうっそりと笑んだ。

「ふむ……ならば貴様だな。知力と魔力に優れ、要らぬ知識をたっぷり蓄えた賢者の貴様に、肉便器の職と脳ミソが焼き切れる程の感度アップと淫紋をプレゼントしよう。膨大な知識を全て忘れて快楽に耽るが良い。」

「ぬぉぉぁぁ!よせ!やめ…あへぇ……♡」

闇の触手に囚われ、ジタバタと足掻くも、淫紋を下腹に刻まれた途端にアへ顔ダブルピースを決めた髭面爺に、王国一の剣豪と呼ばれていた男がヒクヒクと頬を引き攣らせた。

「ふむ、お前は体つきが良いから、ケンタウロスやミノタウロス達等の種馬か苗床に良さそうだ……。やはりメス墜ちさせて苗床かな?」

あやつらは中々に忠臣だからな、褒美に丁度良いかもしれん。

そう思って呟けば、剣士は真っ青になり、転んだ幼子のようにギャンギャン泣き喚きだした。




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