勘違い白豚令息、婚約者に振られ出奔。~一人じゃ生きられないから奴隷買ったら溺愛してくる。~

syarin

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ここから番外編(腹黒王が割と出ます)

08: 王子は皆元気です。

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「はぁ、まぁ、その辺の配置や配分は後でや。後で兄弟仲良ぅ分けっこしてチョーダイ。
ほんなんより、ちゃんとアイツら連れて来よったか!?ケーキ切るお時間やでぇ♪」

玉座から、そんなんエエから、と王子達に王様が聞けば、再び王子達がワイワイ騒ぎ出す。

「おっしゃー!そら勿論!連れてきたでー!」「あったり前やんけ!パリやん、この為に頑張ってんもんな!」「んほほ俺もハーレムしぃたいなぁ~♪パリやんパリやん♡コンはハレムナィトに領地欲しい~な~♡」「アホか、コン」「エロコン!」

「巫山戯るな!!」

僕達を放置で楽しそうに話を進める王様と三王子に、アモネイが堪えかねたらしく叫んだ。

途端にシン、と静まり返った広間、王様と三王子だけじゃない全ての人の視線がアモネイと僕に突き刺さっている。

「……巫山戯るなよ!俺は王位を獲る為に、この手で兄弟全員殺したんだぞ!それなのに……!
そんな、…お前達が国を獲る為に、俺に兄弟を殺させたというのか…!?」

わなわなと震えながら叫び、苦悩で膝を折るアモネイに、僕は慌ててその背を擦った。


「ぷふっ。…何言うとんのかな、この子は。この手で兄弟を殺したやて。ちやうやん♪」

だけど、そんなアモネイをさも可笑しそうに王様は笑う。

ちやうやん、の言い方が本当に小馬鹿にした言い方で、人の心は無いのかと思わず顔を上げて王様を見上げたものの、何だか、王様とその周囲の雰囲気に違和感が有って、僕は黙った。

「全く、王位獲ったろ云うにはちぃと、甘過ぎやでぇ。詰めが甘甘やわ。ボン、王位獲るにはアイツ殺さなあきまへん、言われて頷いて、アイツ殺しましたわ、言われて頷いてただけやんけ。本当に死んだんか、証拠の一つも見せろと言わんし、そもそも、部下が殺そ言うたんも正しいかどうか疑いもせんかったやろ。」

俯いてブルブル震えるアモネイに、王様から容赦なく言葉が飛んできて刺さる。

「……俺はっ!」

「ハィハィ、判ってますよってに。大好きなお祖父さんが付けてくれた信頼出来る部下が言うたから信じたんやもんねぇ。……だから、第三王子殺してぇ…」

ぴょこっ!

(えっ!?)

怒りや様々な感情が暴れまわってるらしきアモネイの背を擦りながら王様を見詰めていると、玉座の背後から右にぴょこっ!と変なポーズで褐色肌のイケメンが顔を出した。誰!?

「第二王子も殺してぇ……」

ぴょこっ!

今度は左側にやはり褐色肌イケメンが顔を出す。その後も、右に左にと、王様が第○王子と言う度に顔が生える。

「……兄上っ……ぅぅ。」

アモネイは俯いたまま絞り出すような声で呟くが、玉座の方は幾人もの褐色肌イケメンが此方を見て欲しそうにアモネイを見詰めている。
しかも、何だかそのまま皆で円を描くように動き出し、王様の背後に延々と褐色肌イケメンの顔がグルグル回る事態に。ぐねぐねと手も動かすから酔いそうだ。

ていうか、ねぇねぇ、アモネイ。何か雰囲気的に彼等はその殺されたとされてるお兄さん王子達なんじゃないかなって思うんだけど。ねぇねぇ、ちょっと顔を上げてあげて。凄く此方を見てほしそうだよ。ねぇねぇ、アモネイ。

僕はアモネイの肩をそっと揺すった。

「……あ、な、兄上!?……えっ?!」

その甲斐有って顔を上げたアモネイが、玉座の背後でグルグル回る顔見て驚きにあんぐり口を開ける。

「お兄ちゃんだけやのぅて、弟らもおんで。」

途端に、玉座の後ろに無数の褐色腕が飛び出して来て、ヒラヒラぐねぐねと不思議な動きを魅せる。東方の大陸に伝わる、千本の腕を持つという神の像みたいだ。凄い動き……。

ていうか、僕達が広間に入ってくる前から玉座の背後に待機してたって事だよね……?

「船なんざで悠長に来るから、暇して偉ぅ振付けが派手になってしもたわ。」

半ば呆れる僕の視界の中央で、ハレムナィトの王子達の顔はぐねぐねぐねぐねと回り続けていた。
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