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30: 浄化って便利だな、とお布団の中で考えてます。
しおりを挟むぼろアパートに住んでるから洗濯も自分でしてると思ったんだろうか。それとも、ジュリアは自分でしてるんだろうか。
なんて考えている内に床はキレイになり、浄化魔法で清潔になった衣類は一ヶ所に固められ、ジュリアはリビングへと消えていった。
どうやらリビングも片付けてくれているらしく、ガサガサと音がする。
(浄化魔法…頻繁に使えると便利だな…。いいな…。)
このサキュレント王国では、浄化魔法や回復魔法、それに生活を便利にするような魔法(水を出すとかお湯を出すとか火をつけるとか…etc. )などは無属性魔法と呼ばれて、少し劣ったモノとされている。
無属性の魔法ではなく、無属性の者でも扱える矮小な魔法、というワケだ。
そんなワケで、こういった無属性魔法を使うのは庶民か、庶民に寄り添う市井の聖職者位だ。貴族は使わない。
貴族も一通り習うが、基本的にそういうのは魔道具かメイド使用人達がやる事なので、一度出来たら家庭教師はさっさと次の魔法を教えるのだ。
重点的に鍛えるのは攻撃、防御、バフ、デバフ等、戦闘に特化した魔法や、諜報、災害鎮圧等に使える中・大型魔法だ。
魔法は何度も使うことで精度や使用回数、発動スピードが上がるから、きっとジュリアは浄化を使い慣れてるんだろう。
何と無く、ジュリアも貴族出身なんじゃないかと思っていたから、ちょっとそれが意外だった。
でも、もしかしたらジュリアの国ではそんな魔法に優劣など着けたりしていないのかもしれないな…。
もしくは、一人で暮らすようになってから便利さに気付いたとか…?
「あり得る…。洗濯屋って、ちゃんと朝、決められた所に置いとかないとだからな…。」
洗濯屋の回収は時間勝負なので、早朝、決められた所に決められた籠に入れて置いておかないとダメなのだ。
更に、彼等は合鍵で早朝と夕方にノーノックで扉を開けて籠を回収&返却するから、遊び人にはちょっと合わないシステムだと思う。
えちえちな雰囲気の時や、明け方まで飲んでぐっすりの時にダカダカと駆け込んで来て、バーン!と開けてバン!と閉めて行かれたら…。
以前の俺みたいな、毎日分刻みのスケジュールで追っかけしてるヤツには、目覚ましにもなるし、帰宅したら綺麗に畳んだのが置いてあるし、便利なんだけど。
俺の服、洗い方も複雑だし。ヒートの時は別の鍵掛けておけば、察して10日は来ないし…。特にこの辺の地区担当してる少年が気が利くんだよな~……。
なんて、えちえちの最中に乗り込まれて焦るジュリアの顔とか考えてたら、リビングの方でジュリアの呻き声が聞こえた。
「うぉぉ~…マジか…ネオン~!食い物何もねぇよ~!」
「え。俺、めっちゃ腹ペコなのに?」
ジュリアの呻きに、俺の腹がぐぅ、と鳴る。ヤバい、食べ物が無いと言われた途端空腹感が膨れ上がるのは何故なのか。
そんな、ベッドの中で腹ペコでもじもじしてる俺の所にやって来ると、ジュリアは俺のデコにキスを落として、青と菫色に染めた髪にさらりと手櫛を通した。
「ちょっと急いで食い物買って来るから、少しだけ待っててな♡」
一回のキスだけでも照れ臭いのに、眉毛に、瞼に、睫毛にとキスが雨霰と降り注いできて、俺は怠い体を精一杯捩ってクスクスと笑った。
「何か喰いたい物あるか?」
耳を擽りながら囁く言葉は酷く甘くて、程好く低く穏やかで、俺は蕩けそうになりながら答えた。
「ハム。」
「ハム?」
「ハム!それからハム!後、ハム!肉も喰いたい!肉肉肉ハム!肉ソーセージ!」
もう、この空腹は肉でしか埋めれないのだ。
野菜も食べろよ、なんて言って苦笑したジュリアだったが、少し長めに"行ってきます"のキスを唇に落とした後、買いに行ってくれた。
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