本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why?

syarin

文字の大きさ
27 / 354
地味すぎる転生悪役令嬢爆誕

27: 地味令嬢は見た!ヤンキーと攻略対象はお知り合い!?

しおりを挟む

午前の授業を終え、昼休み。

もたもたと支度に時間を掛け、カフェテリアへ向かう同級生達の波がある程度収まってから退室し、一旦逆方向へ向かう。

一番生徒が使わない奥から二番目の階段、一旦最上階手前の踊り場迄上がり、そこで10分程度時間を潰す。

今日は先程の授業の課題を終わらせよう。

大体10分ずらせば注文の混雑は落ち着き、攻略対象達が今日どこで昼食を摂っているのか安全に把握できる。
そして、彼等の位置から離れた安全そうな場所で食事を摂り、人の少ない安全ルートで図書館別館に引き籠る。

これがこの2ヶ月で確立した私の安心安全学校生活スタイルだった。

数日前から図書館別館手前にトラブルゾーン出来ちゃったけど…。

この2日、図書館にも行きにくくて、人気の無い場所を転々としていたがどうも攻略対象の影がちらつき、もう限界だった。
いつも通り図書館行って、手前で捕まったら捕まった、捕まらなければ読書、で良いかと決意し、荷物を纏める。

そろそろ10分経つのでカフェテリアに向かおうと階段を降りる。
2階から踊り場に下りかけた時、階下の階段前廊下辺りで怒鳴り声が聞こえて慌てて足を止める。鼓動が跳ね上がる。

私は、相手から見えないであろう位置からそっと階下を伺う。顔は見えないが、すらりとした下半身と、腰までのストレートの銀髪と長い脚が見える。

「何故だアレクサンドロ!!そんな不品行な人ではなかった筈だ。君は公爵家だぞ!?今からでも改めれば或いは…!殿下の側近k…」

「うるせぇ!え、ら、そーに俺に指図するじゃねぇーよ!高々、ガキの時少し遊んだことがあるってダケのテメーに俺の何が判る?とっとと消えろ!二度と話し掛けんな!」

聞こえてくる声に確信する。

アレックスと攻略対象の一人、宰相子息のクーデレ眼鏡銀髪だ!アレックスと知り合い!?

アレックスが動き、耳の半分位から下が見えるようになった。
苛立ちを隠さず振る舞う仕種が猛々しい。
声が続く。

「アレクサンドロ…!私は君を信じている…。そうだ!私から一度殿下に…」

「…おい!不愉快だ。俺は公爵家だぞ。侯爵家なんかがベラベラと許可もなく喋りかけてんじゃねーよ…。判ったらとっとと失せろ!!」

「アレクサンドロ…」

「気安く呼ぶんじゃねー。許可してねーぞ。」

「………!」

誰かが立ち去る足音が聞こえた。


「おらテメーら!何見てんだ!!何か文句あんのかよ!!?」

ガシャーーン!

とガラスが何枚も割れた音がする。

多分、アレックスが魔法を放ったのだろう。
何かヤンキーぽくないとか思ってたけど、こうやってる所を見ると凄くヤンキーだった。

凄ーい。怖ーい。


それにしても、攻略対象とこんなに肉薄してしまうなんて。

時間を潰すか迂回するか、思案していると音もなくアレックスが現れた。
機嫌極悪ヤンキー顔がふっと消え、ただのハンサムフェイスに戻る。

「!…フェリシア。こんなところでどうした?」

「ぁ。……その、」

「……すまない。怖がらせたか……?」

クーデレとの関係を聞きたいとか、質問に対して答えなきゃ、とか、そもそもクーデレもういないよね?とか考えて言い淀んだのを勘違いしたのか、
アレックスが眉を下げ、優しく指で頬をなぞった。

「いえ、それは大丈夫です。あの……」

「大丈夫だ。今、俺達には防音と認識阻害を掛けてるから、誰か通ったとしても気付けない。」

声をひそめ、少し階下を気にしながら言うとアレックスが自信たっぷりにそう言い、ちゅっ、と触れるだけのキスをしてきた。

途端、私の緊張が溶ける。

「便利ですね、その魔法。今、お昼食べに行こうとしてたとこなんです。
 ……実は私、事情があって、あーゆー身分の高い人達とは関わりたくないんですよねー。」

「おい、俺も公爵家なんだけど?」

「アレックス様はもう関わっちゃいましたし。」

一応、攻略対象じゃないし、まーいーかと。

「もしかして、その中身とそぐわない装いも事情のせいなのか?」

「アレックス様ってば名探偵ですね。……誰かの目に止まったり、目立ちたくないんです。」

「フン……昼まだなら丁度良い、バーガーやチキンで良ければ多めに買ってある。あの部屋で食べようじゃないか。……行くぞ。」

名探偵と言われて少し嬉しそうに鼻を鳴らし、そう言うとアレックスは歩き出す。

多めって、最初から私を誘うつもりだったんだろうか。昨日の夕食は本当に楽しかったし、アレックスもそう思って又食事を誘おうとしていてくれたんなら嬉しい。


人気の無い廊下、
アレックスの態度的に認識阻害は継続しているようだったので、私達は並んで歩き、渡り廊下へと向かった。
しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

処理中です...