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地味すぎる転生悪役令嬢爆誕
27: 地味令嬢は見た!ヤンキーと攻略対象はお知り合い!?
しおりを挟む午前の授業を終え、昼休み。
もたもたと支度に時間を掛け、カフェテリアへ向かう同級生達の波がある程度収まってから退室し、一旦逆方向へ向かう。
一番生徒が使わない奥から二番目の階段、一旦最上階手前の踊り場迄上がり、そこで10分程度時間を潰す。
今日は先程の授業の課題を終わらせよう。
大体10分ずらせば注文の混雑は落ち着き、攻略対象達が今日どこで昼食を摂っているのか安全に把握できる。
そして、彼等の位置から離れた安全そうな場所で食事を摂り、人の少ない安全ルートで図書館別館に引き籠る。
これがこの2ヶ月で確立した私の安心安全学校生活スタイルだった。
数日前から図書館別館手前にトラブルゾーン出来ちゃったけど…。
この2日、図書館にも行きにくくて、人気の無い場所を転々としていたがどうも攻略対象の影がちらつき、もう限界だった。
いつも通り図書館行って、手前で捕まったら捕まった、捕まらなければ読書、で良いかと決意し、荷物を纏める。
そろそろ10分経つのでカフェテリアに向かおうと階段を降りる。
2階から踊り場に下りかけた時、階下の階段前廊下辺りで怒鳴り声が聞こえて慌てて足を止める。鼓動が跳ね上がる。
私は、相手から見えないであろう位置からそっと階下を伺う。顔は見えないが、すらりとした下半身と、腰までのストレートの銀髪と長い脚が見える。
「何故だアレクサンドロ!!そんな不品行な人ではなかった筈だ。君は公爵家だぞ!?今からでも改めれば或いは…!殿下の側近k…」
「うるせぇ!え、ら、そーに俺に指図するじゃねぇーよ!高々、ガキの時少し遊んだことがあるってダケのテメーに俺の何が判る?とっとと消えろ!二度と話し掛けんな!」
聞こえてくる声に確信する。
アレックスと攻略対象の一人、宰相子息のクーデレ眼鏡銀髪だ!アレックスと知り合い!?
アレックスが動き、耳の半分位から下が見えるようになった。
苛立ちを隠さず振る舞う仕種が猛々しい。
声が続く。
「アレクサンドロ…!私は君を信じている…。そうだ!私から一度殿下に…」
「…おい!不愉快だ。俺は公爵家だぞ。侯爵家なんかがベラベラと許可もなく喋りかけてんじゃねーよ…。判ったらとっとと失せろ!!」
「アレクサンドロ…」
「気安く呼ぶんじゃねー。許可してねーぞ。」
「………!」
誰かが立ち去る足音が聞こえた。
「おらテメーら!何見てんだ!!何か文句あんのかよ!!?」
ガシャーーン!
とガラスが何枚も割れた音がする。
多分、アレックスが魔法を放ったのだろう。
何かヤンキーぽくないとか思ってたけど、こうやってる所を見ると凄くヤンキーだった。
凄ーい。怖ーい。
それにしても、攻略対象とこんなに肉薄してしまうなんて。
時間を潰すか迂回するか、思案していると音もなくアレックスが現れた。
機嫌極悪ヤンキー顔がふっと消え、ただのハンサムフェイスに戻る。
「!…フェリシア。こんなところでどうした?」
「ぁ。……その、」
「……すまない。怖がらせたか……?」
クーデレとの関係を聞きたいとか、質問に対して答えなきゃ、とか、そもそもクーデレもういないよね?とか考えて言い淀んだのを勘違いしたのか、
アレックスが眉を下げ、優しく指で頬をなぞった。
「いえ、それは大丈夫です。あの……」
「大丈夫だ。今、俺達には防音と認識阻害を掛けてるから、誰か通ったとしても気付けない。」
声をひそめ、少し階下を気にしながら言うとアレックスが自信たっぷりにそう言い、ちゅっ、と触れるだけのキスをしてきた。
途端、私の緊張が溶ける。
「便利ですね、その魔法。今、お昼食べに行こうとしてたとこなんです。
……実は私、事情があって、あーゆー身分の高い人達とは関わりたくないんですよねー。」
「おい、俺も公爵家なんだけど?」
「アレックス様はもう関わっちゃいましたし。」
一応、攻略対象じゃないし、まーいーかと。
「もしかして、その中身とそぐわない装いも事情のせいなのか?」
「アレックス様ってば名探偵ですね。……誰かの目に止まったり、目立ちたくないんです。」
「フン……昼まだなら丁度良い、バーガーやチキンで良ければ多めに買ってある。あの部屋で食べようじゃないか。……行くぞ。」
名探偵と言われて少し嬉しそうに鼻を鳴らし、そう言うとアレックスは歩き出す。
多めって、最初から私を誘うつもりだったんだろうか。昨日の夕食は本当に楽しかったし、アレックスもそう思って又食事を誘おうとしていてくれたんなら嬉しい。
人気の無い廊下、
アレックスの態度的に認識阻害は継続しているようだったので、私達は並んで歩き、渡り廊下へと向かった。
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