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番外編ですよ。
7: 隠密ヤンキーは気が気じゃない。
しおりを挟む「フェリシア嬢が男性と会ってます。」
その報告に、一瞬、目の前が黒くなったり赤くなったりする。
親族ではない男性。
隣国カルサイト人。二十代前半の青年。
女慣れしていないのか、ギクシャクしたエスコートで交易街道沿い一番のホテルに入った。
追加で来る報告をハラハラしながら待った。
何故こんな時に俺はこんな辺境で警護なんかしてるんだ!!
腹立ち紛れに目の前の樹を殴れば、落ち着いて下さい、と影から窘められる。
「公爵家の者が一人でも居ないと箔が付かないって下らない理由で駆り出されて、その間に好きな女が俺に一言も報告なしに男と会ってるんだぞ?お前、落ち着けるのか?」
苛苛とするのを隠さず言えば、ふぅ、やれやれ…と言いたげな顔をされる。
「束縛はあんまり強いと嫌われますよ~?彼女、特に男性にフラフラするタイプで無いし、坊っちゃんガッチリハート掴んでるじゃないですか…。何が不安なんです?
俺の彼女みたいに、俺の事全然好きじゃないんじゃないかって不安になるくらいドライな子なら判りますよ?不安でしゃーないですもん。
でもね?坊っちゃんの彼女、滅茶苦茶態度に出てるじゃないですか。滅茶苦茶坊っちゃん好きじゃないですか。
何なんすか?あの、一応いつ捨てられてもおかしくないよーな関係だからのめり込まないようにしなきゃ!とか微かに思ってるものの、そんなブレーキぶち壊す好き好きオーラ!
何でいつもそんな彼女をこの俺に警護させるんです?好き好きオーラ渇望してる俺への当て付け?
何で偶に彼女の警護外れたと思ったら、俺にそんな事聞くんです?惚気?当て付け?喧嘩売ってます?ねぇ。
むしろ聞きたい。何で不安なんです?俺の不安聞く??」
何だか凄い勢いで説教されてしまったが、判ってないな、フェローにその気は無くても、相手が懸想しやがったらどうするんだ…。
そう思い、言い返せば、凄い褪めた目で見ながら「認識阻害とかで地味子ちゃんになってるから、心配しなくても大丈夫ですよ~……。」なんて軽く返されてしまった。しかも、あの顔、フェローの可愛さを判ってない。
「覚えとけよ、いつか認識阻害取った姿拝ませてやるからな…!」
「はいはい、誰だって彼女が世界で一番可愛く見えますからねー。」
全く腹立たしい。
結局、青年はエスコートしただけで、どうやら世界有数の富豪ロレンソ・アパタイト卿と会う約束だった様だ。
卿は明日から我が国の経済界を仕切ってる貴族や商会主達と交流の予定があるようで、それに合わせてフェローと約束を取り付けた様だ。
フェローが最近、卿の代表商品レッドプールのライバル商品となるマンスターを発売したから、多分その件で会うのだろう。
大丈夫かな、脅されたり、不利な条件で何か取引させられたりして無いかな。
エスコートしていた青年、孫だった様だが、彼を追い出して防音結界等を張りまくっての会談はかなり長時間に及んだ様で、財界人の会談なんかには良くあるとは思いつつも、何だか苛苛した感情が拭いきれなかった。
取り敢えず孫の方には、見張ってるぞ、という意味を込め、黒づくめ衣装で周りを彷徨かせたのだが、ムンストーンの溝鼠一派も同じ指示を出されたらしく、思ったより怯えさせてしまったようだ。
だが、まぁ、その位の方が良いだろう。
仕事を急いで終わらせて帰り、軽く息を整えた程度の時間差でフェローも帰ってきた。
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