お前らの企み、私の前では無意味だ!

アサルダ

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一章 典型的なあれだな

今から紹介します! 脱出の巻

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 とある王都でとあるシェアハウスにてあの少女が一人露出の高い装備を纏って出掛けようとしていた。
「うーん!今日もよい日和だ」と言いながら体を伸ばすように腕を伸ばして体の目覚めを促した。
「さて今日も仕事に行きますか!」と元気よく言ってから、自室から出ていき皆が集合するであろうリビングに赴くと嗅覚を唆す良い匂いがした。
(そうか今日はあの人が当番か)
彼女がドアノブを捻ってリビングに入ると元気の良い声が響いた。
「あ!リョウカが来た!」と幼い少女の声がリョウカと呼ぶ人が来訪したことを告げた。
「ああリョウカ様~今日も麗しい…」と彼女に惚れている年上の男性が一輪の薔薇を持って告白のノリで言ってみたが、当の本人はスルーしていた。
その代わり、その薔薇に向けられた人物はいた。
その人はこのシェアハウスの大家だった。
「あらぁ~嬉しいわぁ~こんなおばちゃんでもまだまだいけるもんだね!」と満更でもないような雰囲気で彼女は薔薇ごと青年に抱きついた。
 一方、リョウカはリビングに置いてある大きいテーブルがあってその上に彼女の故郷の料理が並んでいた。
白飯、味噌汁、鮭の塩焼き、刃物野菜の和え物だった。
本来、これらの料理はこの異世界において稀なもの達だ。
これらについての料理は『あずま』と言われる国にある料理だと大家に教えてもらった。
だが材料においては品薄がほとんどだった。
米、味噌は先程いった『東』の物。
輸入において値段がはっていた。
だから、彼女の経営においては入手困難。だから、リョウカのスキルが役に立つのだ。
「匂いが良い。また腕をあげたのではないか?ディーネさん」と言うと、ディーネと言われた彼女は青年を離しリョウカに近づきこう言った。
「これもアンタのおかげだよ!」
「いいや、私は何もしてない。ディーネさんの努力の賜物だよ」と謙虚にそう言うと、ディーネは頬を赤く染め照れたように左手で頬を掻いた。


 実を言うとこの大家ディーネは元々料理のスキルは持っていなかった。
さらに言うと器用なことも。
彼女について話すにはまず、リョウカがここにいることから話さないといけない。

 彼女は召喚された者。影金カゲカネ兩霞リョウカ
あの宮殿で召喚されて自身が持つ能力に少しばかり驚いたけどこの時点で典型的な主人公として喚ばれたことに悟り、もう一人いた人間に身代わりとして差し出した。
最初、彼らを見たとき自身が趣味としてやってきた人間観察をやると、すると【鑑定】【闇鑑定】が発動した。
【鑑定】は相手のステータスとレベルによって能力が見れる。
【闇鑑定】、これは彼女が元の世界でやってきたことがスキル化したもの。
この能力は、相手の起こしてきた罪とこれからやろうとしてる犯罪が見れる。
これらを用いて相手の野望が見れるのだ。
そして、今目の前にいる皇子と見れるこの人にあったのは【魅了】【カリスマ】だった。
【闇鑑定】で見えたのは、ここでは教えられないがはっきりと言えるのは汚いものは蓋をして綺麗なものだけを置くクズ皇子だってこと。
こんな人間に自分の能力を使わせたくないと思ってしまった。
(……実際にそういう大人達のために利用・・されてきたからな)と自分のいた世界に生活に嫌気が指すように苦笑いを浮かべた。
そんなだから、兩霞はここを脱出することに決めた。
まずそのためには自分の身代わりになってくれる人間に自分と同じ聖女持ちにするために早速話をするために、スキルの一つ【時間停止】を使った。
【時間停止】は文字通り、空間の時間を止めることが出来る。
だが、レベルにおいて止められる時間が決まる。
今回はMAXなので2分だけ止められる。
それで、伊原に話をつけてコピーし聖女持ちにさせた。
だが、一つだけ違うところがあった。それは自分の【聖女】はMAX・・・なのに彼女のはからだった。
(まぁもう一個創った時点でこうなるのは当たり前か……)と納得してから今度は脱出する際に彼らに記憶に残らないように今度はスキル【創造魔法】と【妨害】の合成魔法『記憶操作』をした。
それで、兩霞に対する認識が入らなくなり、誰も気づかなくなるが一度目にした人間は少しだけ引っ掛かる程度に残るだけ。
それから、玉座の間を抜け何処か隠れる場所を探しながらさ迷った。
そして、迷っているうちに妙に豪勢な部屋に入ってしまった。
「あれ?道間違えたか?」
普段・・の彼女ならこんなミスを犯したりはしないがだが今回は特例である。
人の動きを見ながらついて歩いてみたが、やはり出口には辿り着けなかった。
「………あっちとは勝手が違うからな」
自身の能力を使おうとすると、いちいち【スキル】が発動するかなため息を何度も吐いた。
「しかし……」と言いながら、【鑑定】を発動させながら宝物と思われるもの達を見ていった。
(どれも浅い価値ね…見事な宝物・・だな)と細く嘲笑うようにして思っていると、不意にただ一言で『金貨』と表示された物があった。
(やはり、皇家はお金大量にあるわね。少しくらい拝借しても良いよね)と心の中で謝罪を思いながら、今後の生活を考えて6枚ほど拝借し、それから王都に出るための変装を考えてると不意に脳内にアラームが響いた。
「何だ?」と言いながら、ステータスを開くとスキル欄のあるスキルが示すように光っていた。
そのスキルの名は【コレクター】と【服飾】だった。
これらの二つを示す通りに使ってみるとステータスのとは別の画面が現れ、そこにはテーマとファッションが勢揃いに記されていた。
「スゴい………これらは全部、この世界のファッションセンスなんだ」
 それらを見ていると、【女戦士】というファッションの概要を見てみるとそんなに固い鎧は着けておらず、胸と腰につけてるだけで後は無地のシャツが下に着るような見た目で、足は黒のニーハイソックスと灰色のブーツを履いていた。
そして、肝心の武器は短剣が二つ両腰に携えていた。
(私の得意武器も把握してくれるんだな…)
なぜ短剣が得意なのかはまた別の話しになりますが、今はこれを身に付けることにし、それをタップすると、突然彼女の足元から光のカーテンが現れ体を包み込んだ。
 思わぬ眩しさにリョウカはすぐさま目をつぶった。
(うう……眩しい!!)
そうこうして数秒経って、光の眩しさが弱まってることに気づきゆっくりと目を見開いてみるとすでに変身は終わっていた。
それで、どんな風に着こなしてるか確認したいと思っていると宝物の中に高級な鏡があってそこから、覗くとかなり似合っていると客観的に思えた。
「装備の性能は?」と聞いたら、またもやステータスが開き今度は装備の欄を覗いてみると、様々な効果が付与されていた。
「こういうのにも付くんだ…」と感心していると、すると、外の方から足音が聞こえてきてその矛先がここであることを察した。
(大方、聖女絡みの何かを取りに来たんだろう)と思いながらまた【時間停止】を使おうとしたら『使用不可』と出てきた。
その言葉が出てくる理由はただ一つ。
【クールタイム】
それは、必ずしもあるスキルを使いそして休憩期間が存在する。
それで、【時間停止】の【クールタイム】は4時間と記されていた。
(結構、時間がかかるな…)と思っていて、不意に別のスキル【創造魔法】はいつでも使えるようで【クールタイム】がなかった。
「丁度いい、いろいろ使ってみるか!」
そうして、【創造魔法】を使い生み出した魔法は人は誰でも望んだことのある魔法。
透明インビジブル」と唱えると兩霞の体はみるみるうちに洋服と共に消えていき、文字通り透明になっていった。
そして、頭まで完璧に隠されてから、兩霞はもう一度鏡を見ると自分のところだけモヤァっとなっていた。
(鏡には気を付けないとな)と肝に命じてから彼女はドアに近づき外の物音と人の気配がなくなってることを確認してから慎重に開き、さらにまたスキル【消音】を使って自身の足音を消した。
 今、彼女が歩いてるのは消石灰で出来た白い床だ。
さらに言うと壁も同じ素材と思われた。
今履いている靴だと床のせいで音が漏れるし、さらに自分が着ている鎧も音が出るため、用心にスキルを発動させた。

 一つ一つ、歩いていきそして自分が今城の3階にいることが判明した。
どうやらあちらこちら歩いたお陰でスキルの一つ【把握】が働き頭の中でこの階を地図として浮かべることが出来た。
それから、階段を見つけ二階へと進んでいると不意に銀色の髪をした貴族の青年が階段を昇ろうとしていた。
今は、透明になっているので気配などでバレないだろうと慎重に降りていたら、すると、兩霞が下まで降りつきそのまま一階へと続く階段に足を向けた。


 しかし、姿見えなくて気配も感じづらいはずなのに青年は途中で足を止めて何かを求めてゆっくりと振り向いた。
「今の……香りは……」


 



 一階まで抜けて使用人の入り口を使って、外に出てたまたま止まっていた荷馬車に潜り込んだ。
その丁度に『透明インビジブル』は解けて自身ではどう変わったか鏡や窓、水辺がないから自身を見ることは出来なかったから、彼女はステータスを開いて体力の隣にある状態を見たらそこには何も書かれていなかった。
「ここにないとなれば体が見えてる状態か…」と小声で呟いてから、兩霞は周りにある荷馬車の荷物を見ると周りにあるのは木箱だけだった。
それで、【鑑定】を使って見るとそこに記されていたのは《空》と《過去;食料》と書かれていた。
(そりゃ、城から出ている荷馬車だ。そのぐらいは当然か)と思っているときに突如、【闇鑑定】が勝手に発動した。
一番後ろにいるため動かしてる人間の顔などが見えないので、このスキルは発動しないのに何故かこれは発動した。
(これだけ条件が違うのか)と思ってから【闇鑑定】の記されていることを読んでみた。
そこに書かれていたのは《横領》だった。
横領とは、上司などが本来支払うべき金額をほんの少しだけ自分の方に上乗せして、その残った分を部下に給料として支払う。
だが、その横領したお金はそう簡単には発掘することは出来ない。
簡単な計算が出来る人間だったら、見つけるのは容易いかもしれない。
 しかし、この異世界ではそんな経済が発達してるとは思えない。しかもそれが《横領》などは。
(気のせいかもしれないし…少し様子を見るか)
そう考えてからこの馬車が止まるまで待つことにした。
けれど、先程のこともあり気がかりに思えてふとスキルの一つ【聞き耳】を使った。
 【聞き耳】というのは、遠くやドア越しの声等の微かな声を聞く能力だ。
『全く…貴族様は何を考えてるか分かりゃしねぇな…急に祝いだとか…』
その内容は兩霞達が召喚されて目的の人間が見つかったからだろう。
『しかも、これだけお金をくれるとはなぁ。帰る前に酒でも飲んでいこうかなぁ』と言ってるときに突然何かに驚き馬車が止まった。

 それに驚いて兩霞もバランスを崩しそうになるがどうにか耐えた。
何だと思って、兩霞は馬車を降りて前の方に行くといかにもと言ったような貧相な服を着た痩せこけた少年が倒れていた。
「これは」と思って、また【鑑定】を使ったら彼のステータスが出てきて最悪なことは書かれていた。









                続く





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