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一章 典型的なあれだな
今から…自己紹介します… 子供編
しおりを挟む【ステータス】
エリオ 8歳
体力 16/50 状態 瀕死 飢餓
魔力 30/30
その他は見る余裕がなかった為無視して、ステータスを消して少年の前に出ようとした。
今にも運転手が馬を使って少年を殺そうとしていたから。
視点を代えて少年に向けよう。
その少年はいつものように腹を空かせていた。
(おなか……すいたな…)
この少年はとある場所にて捨てられ天涯孤独だった。
いつも路地に捨てられているカビたパンや落として食べられないと判断した食べ物などを拾って食べていた。
それでも、夜になれば寒さを忍んで少しでも壁がある場所へと向かって逃げて、雑草や枝を使って簡易的なテントを作ってみたりとして一夜を過ごしていた。
だが今日は無理が祟ったのか体が思うように動かせなかった。
ふらふらと彷徨い歩くように行き、途端脳裏に太陽を明るいところに出たいと思ってしまったのか自然と足が動いていきついに、表通りに出てしまった。
それから周囲に白い目と哀れな視線を一斉に受けながら通り抜けていき、最後には力尽きてあの場所で倒れてしまった。
そのせいで微かながら人のどよめきと怒号の声が聞こえてきたけど、朦朧としていて何も頭が働いてこなかったけど相手が次第に激しくなっていき終いには馬を動かして少年を殺そうとしていた。
(ああ………、僕死ぬんだ…)と何もかも諦めていっそ苦しまないように目を閉じてその時を待っていた。
だが、待てども待てども馬の蹄による衝撃が来なかった。
代わりに妙に体が軽くなるような暖かいような感覚がやってきた。
また、視線を代えて兩霞は周りの人間が動かないと知って、運転手が目の前の少年を殺そうとしていたので二重魔法を使うことにした。
右手は防御バリア、左手は回復を使った。
これも器用が高いから使える技法だ。
「弱い人間を痛め付けるとは人間の風上にも置けんな」
そう言ったら、馬は彼女の気迫に驚いて二、三歩下がり運転手の彼はさらに激昂していた。
「このクソアマが生意気な口を叩いてんじゃねぇぞ!」と怒鳴り散らしていると彼女は目の前の男を睨んだ。
「くそ、お前も轢き殺してやる!」と言いながら、手綱を握り直しもう一度はたこうとした。
その目の当たりをした野次馬達も恐怖に戦いた。
「………ここも………あそこも……変わらないな……」と小さく呟いてから子供を両手で抱き抱えてから、目の前の男にとある魔法を使った。
「一つお前の企みはこれで阻止させてもらうぞ」
(【創造魔法】呪術 戦酒)
【戦酒】とは彼女のオリジナル魔法の一つ。
これを受けたものはあるペナルティを課せられる。
殺意、戦意を沸き上がらせると異常に酒が飲みたくなる。
だが、それ以外の目的では飲めなくなる。
例えば、酒場で宴開いてるときや家で夜酒を嗜んでるとき、そして、仕事を失いやけ酒に陥ってるときなどが、一切行えなくなる。
何の力もない商人は一時の殺意が沸いてるときに酒を飲ませる。
そして暴れまわって騎士団や自警団などに捕まってそこで人生はおしまいだ。
それを狙って筋書きだ。
「ああ?妙に酒が飲みたくなってきたな」と漏らしてから、運転手いや商人は馬を他所の方に向かせて酒場へと駆けていった。
その様子を見ていた野次馬達は彼女の手腕と身を呈した行動に感動を覚え次第に手を叩き、そして量が増えていきついには拍手と呼ぶのものになっていった。
(傍観者め)と小さく悪態を吐いてから、これ以上騒ぎが大きくして自警団辺りがここにやって来るかもしれないと考え、兩霞は少年を抱き抱えながら立ち上がり軽くお辞儀をしてから人混みへと入っていった。
その後から心の中でスキルを発動させた。
【疾走】
このスキルの能力はただ一つ。
素早さが格段に上がること。
ただレベルによっては威力が違ってくる。
己のステータスにも影響するので、体への反動も変わってくる。
兩霞の場合、初めからMAXなので閃光に近い素早さを得て、端から見たら強い風か鳥か何かが通ったのかと思うくらいだ。
それを使って、通り抜けていき適当に足を走らせていたら不意にさっきいた場所の方から甲高い笛の音がした。
(ここは警備の者がいるのか)
そして、【疾走】が切れる頃合いに立ち止まった。
続く
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