56 / 74
ルート別
55.聖女リリーナ
しおりを挟む
デューク達は、今までの成行きを噛み砕いてリリーナに話した。
「そうですか、色々ご迷惑をかけてしまったようで、申し訳ございません」
「いやまあ、君がやったと言えば、君がやったんだが、
君では無い君がやった事のようだし、気にするな、言ってる俺もややこしい」
「ありがとうございます」
デュークの気軽な物言いに少し気持が軽くなったのか、
リリーナは微笑みながらそう答えた。
「ところでリリーナ侯爵令嬢」
「いえ、こんな小島で侯爵など意味がございませんので、
リリーナと呼んで頂ければ」
「そう言って頂けると助かります、
聖魔法は使えるのでしょうか?
先ほど一瞬使われた気がするのですが」
「はい、少しばかり怠惰な生活をおくってしまってたようで、
神聖力は少しばかり落ちてしまっているようですが、
いずれ以前と同様に戻ると思います」
「それは、助かりますね、一応薬草などは集めているのですが、
聖女の毒消しや回復魔法があると心強いですので」
「問題はルシエルに近づけ無い事だな」
「ルシエルさんというとデューク様の妹さんでしたっけ?」
「ああしかし今は、俺とルイードの妻だ」
「はい?」
「何だかんだありまして」
「まあ法律的にも教義的にも問題は、ありませんが、
若いお二人のお相手ですと体力的に不安があると思いますので、
くれぐれも無理をさせないで下さいね」
「そこは、安心して下さい、しっかりと計画をしていますので」
「......ルイード様の計画と聞くと少しばかり怖いですが。
あと、ルシエルさんにはいずれ近づける様になると思います」
「それは本当か?」
「契約魔法は呪法に近いので、断言はできませんが、
神聖力で徐々に薄れさせる事は出来るかと思います」
「そうか助かる、無理しない程度によろしく頼むよ」
「はい、元はといえば私の責任ですし」
「ところで、リリーナさんは平気何ですか」
「私ですか?」
「ええ、婚約された王太子と同じ部屋で過ごす事になると思うのですが」
「俺近くに小屋作ってそこに住むか?」
「やめて下さいダン様、今その気くばりは逆に辛いです。
うーん、普通に考えますと、侯爵家の私がハーレック王太子との婚約を、
一方的に破棄は出来ません、ですが王太子の愛していた私は私じゃないんです」
「そもそも王太子って、聖女の事を愛していたのか?」
「デュークさん、そういうところですよ、
リリーナさんがショックを受けてるじゃないですか」
「せめて、そこに多少の愛はあったと信じたかったです......」
デュークの容赦ない言葉に聖女はうなだれてしまった。
「まあまあ、まずは私達の拠点に戻って、
王太子に説明しないとね、
あと今の段階でどれ程二人が近づけるの確認もしておきたいですし」
「...ええ、誰にも愛されない私が、
二人の旦那様に愛されているルシエル様に近付くなど恐れ多いですが」
「あ、以外に根に持つタイプかも知れません、デュークさん早めに謝って下さい」
「ぐ、すまなかったリリーナ嬢」
「ええ平気ですよ、勿論」
少しばかり怖い笑み浮かべたリリーナをみて、
以前の聖女の様に雑に扱うのは辞めようとデュークは決めたのだった。
「そうですか、色々ご迷惑をかけてしまったようで、申し訳ございません」
「いやまあ、君がやったと言えば、君がやったんだが、
君では無い君がやった事のようだし、気にするな、言ってる俺もややこしい」
「ありがとうございます」
デュークの気軽な物言いに少し気持が軽くなったのか、
リリーナは微笑みながらそう答えた。
「ところでリリーナ侯爵令嬢」
「いえ、こんな小島で侯爵など意味がございませんので、
リリーナと呼んで頂ければ」
「そう言って頂けると助かります、
聖魔法は使えるのでしょうか?
先ほど一瞬使われた気がするのですが」
「はい、少しばかり怠惰な生活をおくってしまってたようで、
神聖力は少しばかり落ちてしまっているようですが、
いずれ以前と同様に戻ると思います」
「それは、助かりますね、一応薬草などは集めているのですが、
聖女の毒消しや回復魔法があると心強いですので」
「問題はルシエルに近づけ無い事だな」
「ルシエルさんというとデューク様の妹さんでしたっけ?」
「ああしかし今は、俺とルイードの妻だ」
「はい?」
「何だかんだありまして」
「まあ法律的にも教義的にも問題は、ありませんが、
若いお二人のお相手ですと体力的に不安があると思いますので、
くれぐれも無理をさせないで下さいね」
「そこは、安心して下さい、しっかりと計画をしていますので」
「......ルイード様の計画と聞くと少しばかり怖いですが。
あと、ルシエルさんにはいずれ近づける様になると思います」
「それは本当か?」
「契約魔法は呪法に近いので、断言はできませんが、
神聖力で徐々に薄れさせる事は出来るかと思います」
「そうか助かる、無理しない程度によろしく頼むよ」
「はい、元はといえば私の責任ですし」
「ところで、リリーナさんは平気何ですか」
「私ですか?」
「ええ、婚約された王太子と同じ部屋で過ごす事になると思うのですが」
「俺近くに小屋作ってそこに住むか?」
「やめて下さいダン様、今その気くばりは逆に辛いです。
うーん、普通に考えますと、侯爵家の私がハーレック王太子との婚約を、
一方的に破棄は出来ません、ですが王太子の愛していた私は私じゃないんです」
「そもそも王太子って、聖女の事を愛していたのか?」
「デュークさん、そういうところですよ、
リリーナさんがショックを受けてるじゃないですか」
「せめて、そこに多少の愛はあったと信じたかったです......」
デュークの容赦ない言葉に聖女はうなだれてしまった。
「まあまあ、まずは私達の拠点に戻って、
王太子に説明しないとね、
あと今の段階でどれ程二人が近づけるの確認もしておきたいですし」
「...ええ、誰にも愛されない私が、
二人の旦那様に愛されているルシエル様に近付くなど恐れ多いですが」
「あ、以外に根に持つタイプかも知れません、デュークさん早めに謝って下さい」
「ぐ、すまなかったリリーナ嬢」
「ええ平気ですよ、勿論」
少しばかり怖い笑み浮かべたリリーナをみて、
以前の聖女の様に雑に扱うのは辞めようとデュークは決めたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる