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第三章
良いメロンは早めに予約しろ
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次の日、二人で早めに登校しようと決めていたので、
教室に入るとそこには顔を少し赤くして、
もじもじしているアイリスさんがいた。
私を見るとぱっと明るい顔で微笑んで、
軽く私に手をふってきたので、
私もそれに応えて手を振り返した。
生徒が一斉に登校してくる時間だと、
絶対にアイリスさんは逃げるので、
早めについて待ちかまえる作戦にしたのだ。
「リーナさん、私少しばかり変じゃない?」
「そんな事ないですよ、アイリスさん、
私が男性だったら直ぐにでも求婚してしまうわ」
「えでも、リーナさんが男性だったらジーク様と婚約出来ませんよ」
「アイリスさん、ごめんなさい、私の事は忘れて下さい」
「はや、私捨てられるのはや」
二人で馬鹿な話をしていると、レナード第一王子が、
お供の持っチーズ二人を引き連れて教室に入ってアイリスさんを見るなり、
直ぐに教室を出て行った。
恐らく教室を間違えたと思って一度確認したのだろう。
合ってますよ、ここはAクラスで、
貴方が見惚れたのは婚約者候補のアイリスさんですよ。
「アイリス嬢君か」
「たった一日で婚約者候補を忘れてしまうなんて、随分薄情です事」
「いや決して忘れた訳では無いのだが、随分変わったのでな」
「王子様の好みに合わず申し訳ございません」
「いやそんな事はないぞ、凄く似合っているし私の好みの通りだ」
アイリスさんは、見事な位に真っ赤になってうつむいてしまった。
攻撃力は強いけど防御が弱いタイプね、段ボール戦士ね。
少しばかりピンクちゃんを見習った方が良いわ。
あれはゴールド戦士並みに防御力ありそうだもの。
「そんなセリフを今まで何人におっしゃったのかしら」
「その誤解は昨日解いたろう」
「いいえ、全く解けておりません」
「あゝ、もう分かった、これからはキチンと態度で示すから側で見ていてくれ」
「まぁまぁ、そう言う事でしたら、これからの態度次第で信じてあげないこともなくてよ、
…ちなみに我が家から出している婚約者立候補の件ですが」
「今日にでも父上に話して正式にこちらから申し込みに行かせて貰う。
昨日の今日で呆れられてしまうだろうが、良いメロンは早めに予約しないと、
手に入らぬのだ」
「何ですか、その良いメロンて!!」
これで二人は安心だろう、ドリルも白豚もルートは潰したわ。
後もう一人は、闇魔法と言うか、病み魔法使いが入れば手が出せないでしょう。
ザンシュさんか、レンザさんか、怪しいムーブさんの三択ね。
ピンクちゃんモテモテね、選り取り緑の深緑よ。
そんな事を考えているといつものように、遅刻ギリギリと言うか、
予鈴なり終わってるから遅刻じゃないかな。
ご丁寧に今日もてへぺろしてるけど、最早私しか見てないんじゃないかしら。
あ、アイリスさんに気付いた、いい感じに顎が落ちたわね。
休み時間になると何故かピンクちゃんは、
私に絡んできた、げせぬ。
「何でドリルじゃないのよ!」
何故それを私に言うのかしら、
でも私が犯人、大体合ってるわね。
でも甘いわ、焼饅頭だっていつの間にか、
餡が入っているバージョンが出来たのよ。
変わらないな物なんてないの。
あっしには関係ない事でござんす。
私は適当にピンクちゃんのクレームを流す事にした。
教室に入るとそこには顔を少し赤くして、
もじもじしているアイリスさんがいた。
私を見るとぱっと明るい顔で微笑んで、
軽く私に手をふってきたので、
私もそれに応えて手を振り返した。
生徒が一斉に登校してくる時間だと、
絶対にアイリスさんは逃げるので、
早めについて待ちかまえる作戦にしたのだ。
「リーナさん、私少しばかり変じゃない?」
「そんな事ないですよ、アイリスさん、
私が男性だったら直ぐにでも求婚してしまうわ」
「えでも、リーナさんが男性だったらジーク様と婚約出来ませんよ」
「アイリスさん、ごめんなさい、私の事は忘れて下さい」
「はや、私捨てられるのはや」
二人で馬鹿な話をしていると、レナード第一王子が、
お供の持っチーズ二人を引き連れて教室に入ってアイリスさんを見るなり、
直ぐに教室を出て行った。
恐らく教室を間違えたと思って一度確認したのだろう。
合ってますよ、ここはAクラスで、
貴方が見惚れたのは婚約者候補のアイリスさんですよ。
「アイリス嬢君か」
「たった一日で婚約者候補を忘れてしまうなんて、随分薄情です事」
「いや決して忘れた訳では無いのだが、随分変わったのでな」
「王子様の好みに合わず申し訳ございません」
「いやそんな事はないぞ、凄く似合っているし私の好みの通りだ」
アイリスさんは、見事な位に真っ赤になってうつむいてしまった。
攻撃力は強いけど防御が弱いタイプね、段ボール戦士ね。
少しばかりピンクちゃんを見習った方が良いわ。
あれはゴールド戦士並みに防御力ありそうだもの。
「そんなセリフを今まで何人におっしゃったのかしら」
「その誤解は昨日解いたろう」
「いいえ、全く解けておりません」
「あゝ、もう分かった、これからはキチンと態度で示すから側で見ていてくれ」
「まぁまぁ、そう言う事でしたら、これからの態度次第で信じてあげないこともなくてよ、
…ちなみに我が家から出している婚約者立候補の件ですが」
「今日にでも父上に話して正式にこちらから申し込みに行かせて貰う。
昨日の今日で呆れられてしまうだろうが、良いメロンは早めに予約しないと、
手に入らぬのだ」
「何ですか、その良いメロンて!!」
これで二人は安心だろう、ドリルも白豚もルートは潰したわ。
後もう一人は、闇魔法と言うか、病み魔法使いが入れば手が出せないでしょう。
ザンシュさんか、レンザさんか、怪しいムーブさんの三択ね。
ピンクちゃんモテモテね、選り取り緑の深緑よ。
そんな事を考えているといつものように、遅刻ギリギリと言うか、
予鈴なり終わってるから遅刻じゃないかな。
ご丁寧に今日もてへぺろしてるけど、最早私しか見てないんじゃないかしら。
あ、アイリスさんに気付いた、いい感じに顎が落ちたわね。
休み時間になると何故かピンクちゃんは、
私に絡んできた、げせぬ。
「何でドリルじゃないのよ!」
何故それを私に言うのかしら、
でも私が犯人、大体合ってるわね。
でも甘いわ、焼饅頭だっていつの間にか、
餡が入っているバージョンが出来たのよ。
変わらないな物なんてないの。
あっしには関係ない事でござんす。
私は適当にピンクちゃんのクレームを流す事にした。
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