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王道のために暗躍する
中村兄弟
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本日は土曜日、ヤンデレ変態魔人の目を掻い潜って中等部の寮へと勧誘のためにやって来た。
お目当ては庶務に欲しい双子。中村兄弟だ。
名前は兄の傑と弟の賢顔良し運動神経良しで中等部のランキングでも上位に上げられるが、唯一の欠点がBクラスであること。
そう、Bクラスなのだ。
生徒会役員はどんなに人気があろうがS、またはAクラスからしか選出されない。
双子ちゃんを『気に入ったから』というエコ贔屓だけで上げられないのだ。
せめてAクラスならば例え人気No.1でなくても指名で生徒会入りさせる事が出来る。
しかし、1年生で抜擢するには中等部の最初の中間試験からAクラスに上がれるだけの実力があることは必須。
さらに期末後にAクラス入りしなければ無理なのだ。
どうしても双子を庶務に入れたい俺としては、2人に意思が有れば勉強を頑張って貰いたい。
そうでなければ次点で周防兄弟、けーたんとゆーたんにお願いする事になる。
あの二人は基本スポーツバカなので、庶務業務なんてやりたがらない。
双子庶務という理想を追い求めるあまり、生徒会の運営がままならないと死ぬのは俺。
だって全部俺に任せて二人はやりたい事ばっかりやりそうなんだもん。そんなの絶対イヤ!
ちなみに、1つ上の三輪兄弟は3年になるので断られる可能性が高くなる。リサーチによると三輪兄弟は附属の大学に進まず、地元の大学に進む予定らしい。
稔は3年だけど附属の大学に進むので、推薦貰って受かった様なものらしい。
まぁ、稔は田口先輩と首位争いしてるくらいだから元から心配なんていらないけど。
つーか、心配なんかしてないし?!
ともあれ、中村兄弟と接触したいがために、本日は中等部の寮にやって来た。
「えっとー、アイドル棟なのは間違いないと思うんだけどなぁ」
キョロキョロと周りを見渡しながら談話室を除けば、複数人の生徒が談笑していた。
「あ、ねぇねぇ、ちょっと聞いてもいーい?」
「あ?って、あれ?斎賀様ですよね?」
「うっそ!斎賀様?!」
「本物だー!」
「どうしたんですか?」
「かっこいー!」
「綺麗!!」
「可愛いー!!!」
「写真撮っても良いですか?」
ちょっと聞こうと思ったら一瞬で囲まれてしまった。
中等部での俺の親衛隊はもう解散しているので、無法地帯なのだ。
よく見ると知っている顔が何人かいた。
その中でも特に親しかった1人に笑いかけて手招きする。
「久しぶりだね、ダイちゃん」
「覚えててくれたんですね」
「ふふっもちろんだよ」
ダイちゃんこと林 雄大は中等部で弓道部だった頃の後輩だ。人気もNo.1で、多分今年は生徒会長をやっていたはず。
「今日はどうしたんです?」
自然に二人で談話室を出る。出る前に手を振ってニッコリ笑えば、追いかけて来る子は居なかった。
「ちょっと聞きたいんだけど、中村兄弟って今どこに居るかな?」
「中村兄弟?」
「そうそう、いるでしょ?双子の人気あるそっくりな子」
「ああ、居ますね」
「ちょっとお話したいなぁと思って?」
「寮内放送で呼び出します?」
「いや、そんな大袈裟にはしたくないんだけどぉ」
「でも場所なんて分かりませんよ。それに、央蜜先輩がわざわざ中等部にいらしてるんですから、呼び出しましょう。生徒会会議室を使いますか?」
「あー、うん、じゃあ任せるね」
「はい!では会議室に行きましょう」
生徒会会議室にも寮内放送の機材が設置されている。
ダイちゃんと二人で会議室に向かいながら、これから呼び出される中村兄弟に心の中で合掌した。
休日に生徒会長から会議室に呼ばれるって、結構プレッシャーだと思うんだけどね。
なんか、ごめーん。
お目当ては庶務に欲しい双子。中村兄弟だ。
名前は兄の傑と弟の賢顔良し運動神経良しで中等部のランキングでも上位に上げられるが、唯一の欠点がBクラスであること。
そう、Bクラスなのだ。
生徒会役員はどんなに人気があろうがS、またはAクラスからしか選出されない。
双子ちゃんを『気に入ったから』というエコ贔屓だけで上げられないのだ。
せめてAクラスならば例え人気No.1でなくても指名で生徒会入りさせる事が出来る。
しかし、1年生で抜擢するには中等部の最初の中間試験からAクラスに上がれるだけの実力があることは必須。
さらに期末後にAクラス入りしなければ無理なのだ。
どうしても双子を庶務に入れたい俺としては、2人に意思が有れば勉強を頑張って貰いたい。
そうでなければ次点で周防兄弟、けーたんとゆーたんにお願いする事になる。
あの二人は基本スポーツバカなので、庶務業務なんてやりたがらない。
双子庶務という理想を追い求めるあまり、生徒会の運営がままならないと死ぬのは俺。
だって全部俺に任せて二人はやりたい事ばっかりやりそうなんだもん。そんなの絶対イヤ!
ちなみに、1つ上の三輪兄弟は3年になるので断られる可能性が高くなる。リサーチによると三輪兄弟は附属の大学に進まず、地元の大学に進む予定らしい。
稔は3年だけど附属の大学に進むので、推薦貰って受かった様なものらしい。
まぁ、稔は田口先輩と首位争いしてるくらいだから元から心配なんていらないけど。
つーか、心配なんかしてないし?!
ともあれ、中村兄弟と接触したいがために、本日は中等部の寮にやって来た。
「えっとー、アイドル棟なのは間違いないと思うんだけどなぁ」
キョロキョロと周りを見渡しながら談話室を除けば、複数人の生徒が談笑していた。
「あ、ねぇねぇ、ちょっと聞いてもいーい?」
「あ?って、あれ?斎賀様ですよね?」
「うっそ!斎賀様?!」
「本物だー!」
「どうしたんですか?」
「かっこいー!」
「綺麗!!」
「可愛いー!!!」
「写真撮っても良いですか?」
ちょっと聞こうと思ったら一瞬で囲まれてしまった。
中等部での俺の親衛隊はもう解散しているので、無法地帯なのだ。
よく見ると知っている顔が何人かいた。
その中でも特に親しかった1人に笑いかけて手招きする。
「久しぶりだね、ダイちゃん」
「覚えててくれたんですね」
「ふふっもちろんだよ」
ダイちゃんこと林 雄大は中等部で弓道部だった頃の後輩だ。人気もNo.1で、多分今年は生徒会長をやっていたはず。
「今日はどうしたんです?」
自然に二人で談話室を出る。出る前に手を振ってニッコリ笑えば、追いかけて来る子は居なかった。
「ちょっと聞きたいんだけど、中村兄弟って今どこに居るかな?」
「中村兄弟?」
「そうそう、いるでしょ?双子の人気あるそっくりな子」
「ああ、居ますね」
「ちょっとお話したいなぁと思って?」
「寮内放送で呼び出します?」
「いや、そんな大袈裟にはしたくないんだけどぉ」
「でも場所なんて分かりませんよ。それに、央蜜先輩がわざわざ中等部にいらしてるんですから、呼び出しましょう。生徒会会議室を使いますか?」
「あー、うん、じゃあ任せるね」
「はい!では会議室に行きましょう」
生徒会会議室にも寮内放送の機材が設置されている。
ダイちゃんと二人で会議室に向かいながら、これから呼び出される中村兄弟に心の中で合掌した。
休日に生徒会長から会議室に呼ばれるって、結構プレッシャーだと思うんだけどね。
なんか、ごめーん。
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