腐男子会計の王道計画!

卯月

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王道のために暗躍する

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日曜日の夜には連絡が取れた東は、月曜日さっそくクラスまで来て謝罪をしてくれた。
慶太も悠 悠太も最初こそ怒っていたが、東の事情を聞くやすぐに謝罪を受け入れた。

どうやら、日曜日の早朝に実家から連絡があり、どうしても取引先に同行しなくては行けなかったらしい。
東は去年Sクラスで寄付金も多く出していたが、途中から業績が落ち込み、Aクラス落ちしたのだという。
実家からの連絡とあり、急遽帰宅したらしい。
取引先と長時間いたので、連絡もままならなかったのだそうだ。

まぁ、あずにゃんにも色々あるんだろうね。

そして迎えた実習当日。

「買い出しの時は本当に悪かった。今日はよろしくな」

あずにゃんは申し訳無さそうにやって来た。

「いいって、事情聞いたら仕方ないって思ったから」
「だなー、俺らも実家から呼ばれる経験あるしな」
「俺も、元から気にしてないよぉ」

俺たちは蟠りも残ることなく、流れる様に調理を開始した。

「で、どうするんだっけ?」
「まずはパイシートを型に嵌めるんだろ?」
「型がなくね?」
「あ、本当だ」

そして、序盤から詰み始めた。
お互い顔を見合わせて様子を伺う。

「あー、もうさ、フライパンで良くなぁい?」
「フライパン?」
「これ、取手が取れるみたいだから、フライパンにシート嵌めよぉ」
「おー!天才かよ!」

学内でも上位に入るイケメンが4人も揃って、フライパンを片手にぎこちなく調理する姿を、周囲は暖かく見守っていた。

「つか、海鮮多いな!」
「お前来てねーんだから文句言うなし!
「コンソメってどのタイミングで入れる?」
「えー、もう適当で良いんじゃなぁい?」
「「だねー」」

調理は買い出ししなかったあずにゃんがメインで進めて、俺が混ぜる係、双子は切る係となってなんとか終わった。

出来上がったキッシュはキッシュと言うよりはシチューのようで、シチューよりも濃厚な何かが出来上がった。
味は魚介たっぷりの旨味があり、美味しかった。
美味しかったが、キッシュでは無かった。

「何がダメだったんだろーな」
「まぁ、味はうまいからこれはこれでありじゃね?」

味は良かったので教員からもしっかりと評価もしてもらえた。

「料理って結構面白いのな」
「また一緒にやろーな!」

濃厚なキッシュ擬きは4つに分けても食べきれず、近くにいた生徒に配布された。
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