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前世の少女は語る――ユウ君①
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――脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯。
ここは同人ゲームの世界。日本で暮らしていた私、小川結衣が死後に転生した世界。
公爵家令嬢――アリアンヌ・ボヌール。ゲームの主人公である悪役令嬢。彼女もそう、殺されてしまった。
死亡エンドが無かった物語が、歪んでしまった。それも私の介入があってという。
私がするべきこと、それは――攻略対象とのエンディングを迎え、そうして物語を正していくこと。
現時点では四名、エンディングを迎えた。これで終わりと思っていたのに、さらにドン! と追加された攻略対象は……四名!? 隠しは今でも見当がついてないのに。
さて、そろそろ戻ろう。今の私はアリアンヌ様として生きているから。
生きとし生けるものの、生命と力の源。世界の根幹である大樹。
ここは大樹をいただきし、栄えある国アルブルモンド。大樹の恩恵に授かりし大国。
そして、名門と呼ばれし我らが学園――アリエス学園が舞台となっています。
ゲームの世界だとしても、私は今ここで生きているのです。
わたくしは、アリアンヌ・ボヌール。華麗なる脳筋悪役令嬢として――。
小さい頃だったな、小学校に上がる前の春だったね。
初めて訪れた、高そうなホテル。お父さんに連れられた私は綺麗な女の人、そして――同じ年くらいの男の子と出逢ったんだ。
親の離婚で新しくできた弟、優人君。
くっきりとした顔立ちに女の子と見紛うような、そんな男の子だった。新しいお母さんの後ろに隠れて怯えていた。
時々顔をひょっこり出すけど、でも涙目で。内気な子だったなって。私が話しかけてみても、ずっと泣きそうだったの。打ち解けるのに本当に時間がかかったなぁって。
内気、そしていい子だったから。優しい子だというのは、わかっていたんだ。動物や草花が好きな子でもあった。彼も頑張って話そうとしていたのも伝わってきたから。会話が増えていったのが嬉しかったな。
距離近くになったから、私は『ユウ君』って呼ぶようになった。すごくね、嬉しそうに笑ってくれたんだ。私まで嬉しくなった。それからユウ君って呼ぶようになって。
年の差がそんなだった私たち、よく一緒にいたよね。登下校も基本一緒だった。それも彼が成長するにつれて減っていったけど。
そう、彼は成長していったんだ。一緒にいる時間も……減っていった。
ここは同人ゲームの世界。日本で暮らしていた私、小川結衣が死後に転生した世界。
公爵家令嬢――アリアンヌ・ボヌール。ゲームの主人公である悪役令嬢。彼女もそう、殺されてしまった。
死亡エンドが無かった物語が、歪んでしまった。それも私の介入があってという。
私がするべきこと、それは――攻略対象とのエンディングを迎え、そうして物語を正していくこと。
現時点では四名、エンディングを迎えた。これで終わりと思っていたのに、さらにドン! と追加された攻略対象は……四名!? 隠しは今でも見当がついてないのに。
さて、そろそろ戻ろう。今の私はアリアンヌ様として生きているから。
生きとし生けるものの、生命と力の源。世界の根幹である大樹。
ここは大樹をいただきし、栄えある国アルブルモンド。大樹の恩恵に授かりし大国。
そして、名門と呼ばれし我らが学園――アリエス学園が舞台となっています。
ゲームの世界だとしても、私は今ここで生きているのです。
わたくしは、アリアンヌ・ボヌール。華麗なる脳筋悪役令嬢として――。
小さい頃だったな、小学校に上がる前の春だったね。
初めて訪れた、高そうなホテル。お父さんに連れられた私は綺麗な女の人、そして――同じ年くらいの男の子と出逢ったんだ。
親の離婚で新しくできた弟、優人君。
くっきりとした顔立ちに女の子と見紛うような、そんな男の子だった。新しいお母さんの後ろに隠れて怯えていた。
時々顔をひょっこり出すけど、でも涙目で。内気な子だったなって。私が話しかけてみても、ずっと泣きそうだったの。打ち解けるのに本当に時間がかかったなぁって。
内気、そしていい子だったから。優しい子だというのは、わかっていたんだ。動物や草花が好きな子でもあった。彼も頑張って話そうとしていたのも伝わってきたから。会話が増えていったのが嬉しかったな。
距離近くになったから、私は『ユウ君』って呼ぶようになった。すごくね、嬉しそうに笑ってくれたんだ。私まで嬉しくなった。それからユウ君って呼ぶようになって。
年の差がそんなだった私たち、よく一緒にいたよね。登下校も基本一緒だった。それも彼が成長するにつれて減っていったけど。
そう、彼は成長していったんだ。一緒にいる時間も……減っていった。
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∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
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