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ループの真相エピソード③
兄さんが“壊れる”のは、俺のせいじゃない。
そう思いたかった。
だけど、もし俺以外の誰かが、兄さんの心に余計なものを植えつけてるとしたら?
……たとえば、やたらと距離を詰めてくる、あの隣国の王子。
気安く腰を抱き、俺の前で“兄さん”の名を馴れ馴れしく呼んだ。
過保護を免罪符のように振りかざし、柔らかな笑みを浮かべた第二王子。
まるで兄さんの心に土足で踏み込むように、甘えた声を向けてきた。
無遠慮に声をかけてきた、公爵家の次男。
まるで軽口のつもりなのか、それともただの無知か――
兄さんの身体にベタベタ触っていた。
忠義を建前にした、騎士団副団長。
その敬意の裏側に滲む感情に、兄さんは気づいていただろうか。
ほんの、小さなきっかけ。
たったそれだけで、すべてが崩れてしまう気がする。
誰かの気配が、ほんの少しでも兄さんの心に入り込んだら――
兄さんの目は、また冷たくなるんじゃないか?
俺を見てくれなくなるんじゃないか?
俺の名前を呼ばなくなって、
俺の存在を、記憶の隅へと追いやってしまうんじゃないか……?
怖かった。
たまらなく、怖かった。
……そうなる前に。
兄さんの心が壊れてしまう前に。
いや、俺の方が壊れてしまう前に。
“排除”しなければならなかった。
本当は――兄さんじゃなくて、あいつらを殺したかった。
でも、殺したところで、またやり直しができるとは限らない。
もし、もう一度やり直せなかったら――
俺は罪人として裁かれ、投獄されて、二度と兄さんに会えなくなる。
……それだけは、どうしても嫌だった。
この手で人を殺すよりも、
兄さんを失う方が、何倍も、何千倍も――怖かった。
この世界で兄さんの傍にいられる、たった一つの方法。
誰よりも近くにいて、誰よりも兄さんを見ていられる立場。
だから、俺は志願した。
“執事見習い”として、兄さんの傍につく道を。
それは忠誠なんかじゃない。正しさなんて要らない。
ただただ――兄さんを守りたかった。
“壊させたくなかった”。
……俺以外の誰にも、触れさせたくなかった。
けれどそれでも、やはり兄さんは、冷たくなってしまう。
どんなに気を配っても、どれだけ排除しても。
(……いったい、なにが原因なんだ……?)
(なにが、兄さんを変えてしまう……?)
わからない。
でも、だからこそ。
俺は、繰り返す。
繰り返して、繰り返して。
今度こそ、兄さんを壊させないために――。
でも、兄さんを殺すたびに、俺の心も一緒に死んでいった。
耐え難い苦痛に、喉が裂けるほど叫び、血の涙を流し続けた。
なのに、また殺した。
何度だって、何度だって──俺のこの手で、兄さんを。
それは、俺を誰よりも愛してくれた人を、自らの手で踏み躙る行為だった。
それでもやめられなかった。兄さんが笑えば、誰かを愛せば、俺は壊れそうになった。
そんな俺の心を守るために、“狂人”という仮面を被った。
壊れてなどいないふりをした。
理性の仮面を被らなければ、嫉妬と執着の熱で脳が焼け落ちてしまいそうだった。
壊れていたのは──最初から、俺の方だったのかもしれない。
兄さんを“守る”という言い訳で、奪って、縛って、傷つけて。
本当は、何度も泣いて、叫んで、縋りついて──
それでも“壊れる”兄を前に、 ……どうしても、壊れてしまうしかなかったんだ。
でも――
兄さんがまた“壊れた”夜、
今度は、誰にも会っていなかった。
ただ、少しだけ庭を見ていただけ。
誰の声も、誰の手も触れていないのに――
それでも、あの目になっていた。
「……レオ? なんで泣いてるんだ?」
わからない。
俺にはもう、なにが原因で兄さんが壊れるのかわからない。
だったら、どうすればいいんだ。
なにを――なにを奪えばいいんだ。
もう、全部……消すしか、ないのか。
***
真っ白な世界。
何かの機械音だけが聞こえる。
リュシアン――いや、“魂となった俺”は、天井のような場所から俯瞰で室内を見下ろしていた。
この部屋、見覚えがある。実家の俺の部屋だ。
誰かがベッドで寝ている。
誰だこれ?
その第一印象のあと、理解するのに少し時間がかかった。
顔は浮腫み、ヒゲも髪も伸び放題でボサボサ。手足だけが不自然に細く、まるで蝋人形のようだった。
「……まさか、俺?……嘘だろ……?」
それが“元の俺の体”だと気づいた瞬間、全身のどこかに寒気が走る。
酸素供給器と経管栄養の装置。
かすかに上下する胸。
……生きている。
確かに、まだ――死んでいない。
「……俺……死んで、ない……?」
ちょっと待て。理解が追いつかない。
じゃあ、あの『ラストラビリンス』の世界は——全部、俺の妄想で……夢だったってことか……?
……いや、違う。そんなはずがない。
あの温もりも、手の感触も、交わした言葉も——
全部、確かに“そこ”にあった。
あれは夢なんかじゃない。本物だった。
考えろ、考えるんだ。
——そもそも、なんで俺はループしていた?
リュシアンは主人公だ。
なのに何度も死んで、何度も始まりに戻って……
主人公が死ぬなんて、ゲームの中にはそんなシナリオ存在していない。
……存在しない?
……だからか?
“死”という想定外のイベントが、バグを引き起こした……?
いや、それだけじゃない。
レオだ。レオの行動がおかしかった。
最初の“あれ”——腹部を刺されたときから、何かが狂っていた。
あいつは、なぜあそこまで俺に異常な執着を見せた?
なぜ、どのループでも……俺を殺そうとする?
わからない。
考えれば考えるほど、わからなくなってくる。
……でも、思い出せ。
レオの言葉、仕草、怒り、涙。
そこに、ヒントが隠れているはずだ。
俺を殺すことが、レオの願い……?
なぜだ。なぜ、そんなことを……?
待て。……待てよ。
俺が死ぬと——世界は巻き戻る。
死ぬたびに、最初からやり直しになる。
つまり……ループを起こしていたのは、俺じゃない。
レオだ。
……レオが、俺を殺すことで、
何度も何度も世界を巻き戻していたんだ……!
でも、もしそうだとして、俺に記憶があるのは、なぜなんだ?
ありえない。そんなこと、起きるはずがない。
……いや、本来なら、起きるはずがないんだ。
だけど――何か、説明のつかないことが、実際に起きている。
もし――。
もし、この世の摂理すらねじ曲げるような、誰かの執念――そんなものが働いていたのだとしたら。
そして、それを……レオが、成し遂げていたのだとしたら?
……いや、分からない。ただの憶測だ。
でも、レオには、そこまでして成し遂げたい目的があったはずだ。
あのとき、俺を刺す前に見せた涙――
「兄さん……俺のこと、捨てないで」
そう言って、泣いていた。思えば、あの瞬間からレオの様子は明らかにおかしかった。
……俺の魂がこっちの世界にある間、あっち――ラストラビリンスの“リュシアンの体”は、どうなっているんだ?
まさか、空っぽのまま……?
レオとの記憶は確かに、俺の中にある。
感情も、時間も、すべて――俺自身が生きた証だ。
けれど、ひとつだけ、腑に落ちない。
「兄さん……俺のこと、捨てないで……」
レオは、泣きながら、そう言った。怯えるように、縋るように。
……でも、なぜ? 俺は、あいつを捨てたことなんて一度もない。
最初は、ただ情緒が乱れているだけかと思ってた。
だけど――
あの一言だけが、ずっと、心に引っかかっていた。
あのとき、レオは泣いていた。怯えるように、子供みたいに。
あれが本音だとしたら――
レオは、「俺ではない俺」に、いつの間にか会っていたんじゃないか……?
もし――もし今、俺の魂が、この瞬間、
“元の体”に戻る運命にあるのだとしたら……。
レオは、何も分からないまま、
ずっと、“俺”を探しつづけているのかもしれない。
……つまり、このループの目的は――
俺を、呼び戻すこと。
……それだけ、だったのか……?
本当に、こんな仮説が合ってるのかは分からない。
けど……
それでも……
ああ、なんだろうな、これ。
魂に目頭なんてあるわけないのに、どうしようもなく――泣きたくなった。
……レオ。
……レオ……。
…………レオ!!!!
その運命を拒みたいと願うなら。
レオと、生きたいと願うなら――
変えられるのは、この“俺”しかいない……!!
ベッドの傍らでは、母が小さな椅子に身体を丸めて座り、眠っていた。
髪は白くなり、頬は痩せこけている。
三年という歳月が、彼女を老婆のように変えていた。
見つかっていないんだろう、入所先も。
諦められず、まだ俺を家で看てくれている。
視線の先、サイドボードの上。
そこにあったのは、事故のときに俺が持っていた、レオのアクリルスタンドだった。
バキバキに割れていたはずのそれを、母が修復して、そっと置いてくれていたのだろう。
ひびの入った笑顔が、こちらを見つめていた。
恥ずかしい。
でも――ありがとう、母さん。
もう、終わりにしてあげるね。
静かに降りていく。
魂のまま、モニターのそばへ。
そもそも、物理的に触れられるのかすらわからない。
ただ、近くのボタンに手を伸ばす。
強く願うように、祈るように――それに触れた。
パチッ。乾いた音が、静寂を切り裂く。
――よし、押せた。
「……どれだ? どれを止めればいい……」
頭の中は混乱でいっぱいで、冷静な判断などできなかった。
知識も何もなく、ただ――
――全部、止めた。
酸素を送り込む機械。
心拍を見守るモニター。
絶え間なく鳴っていたアラーム。
ひとつずつ、そっと、電源を落としていく。
機械が静かに息を潜めていく。
そして、部屋にただ静寂だけが残った。
「……ありがとう」
言葉にならない想いを胸に、
震える声で、そっと続ける。
「俺の体。母さん。」
ただ、静かだった。
世界は、白く、音もなく、静かだった。
***
拘束された椅子に凭れ、
リュシアンは静かに目を閉じていた。
窓の外から差し込む月の光が、
白い肌と乱れた栗色の髪を照らしている。
その光景は、まるで死を待つ聖人のようで──
それでも、レオの瞳には“壊れてしまった兄”にしか見えなかった。
「……もう、俺が壊れるしかないんですか? ──兄さん……」
声は震えていた。
手の中のナイフが、カチカチと小さく音を立てる。
もう、優しかった兄はいない。
あの目の奥の光は、とうに消えている。
何度ループしても、何を変えても、
リュシアンはいつか“壊れてしまう”。
理由がわからない。
ただ、庭を見ていただけの夜にさえ、壊れていた──
もう、どうすれば兄を守れるのかわからない。
だったら。
だったら……すべてを消すしか、ない。
そのためには、
この世界の“終わり”を、ここで引き寄せなければならない。
「──ごめんなさい、兄さん」
歩み寄る。
ナイフを、喉元に。
その指にこめられた覚悟は、本物だった。
だが。
そのときだった。
静かに、
リュシアンのまぶたが開いた。
「……レオ」
優しい声だった。
あまりにも、優しかった。
レオの動きが、止まった。
刃がぷるぷると揺れる。
「……にい、さん……?」
その瞳に、狂気はなかった。
憎しみも、怨嗟もなかった。
そこにあったのは、
深い優しさと、
長い時間の果てにたどり着いた哀しみと──
それでも、自分を信じてくれている光。
ナイフが、手から落ちる。
カシャン、と音を立てて、床に転がる。
レオは、その場に崩れ落ちた。
「……どうして……なんで……」
嗚咽が漏れる。
歯が、震えるほど食いしばられていた。
信じたかった。
けれど、信じられなかった。
その“信じたい”と“信じられない”の間で、
何度も何度も世界を殺してきた。
それでも今、目の前にあるのは──
“何度壊れても、自分を許した兄”の眼差しだった。
「ごめん、なさい……俺、また……兄さんを──」
リュシアンは、首を横に振った。
「……おまえが俺を殺そうとしたことなんて、一度もなかったよ」
その言葉に、胸の奥を何かが強く突いた。
息が一瞬止まる。何かを言おうとしたのに、喉がうまく動かなかった。
レオは、ただリュシアンを見つめていた。
言葉を発せようとすれば、何かが崩れてしまいそうで。
「おまえは、いつも“救おう”としてた。俺を。ずっと……ずっと、あのときから……」
レオが顔を伏せ、泣き崩れる。
嗚咽が止まらない。
リュシアンは、拘束されたままの腕を、少しだけ持ち上げようとして──
できないとわかると、優しく、笑った。
「レオ。俺、やっと気づいたんだ。……なにをすれば“終わらせられる”のか」
レオは、ただ黙って聞いていた。
何も言わず、何も抗わず。
静かに、涙だけが頬をつたって落ちていった。
「おまえが、何度も何度も俺を殺して、やり直して、
それでも俺がいなくなって、また戻って。……きっと、あれは、おまえが願ってた未来にすら、たどり着いてなかったんだろ?」
「…………はい」
この瞬間、レオは悟った。
兄は、全部知っているのだと――自分が繰り返してきたことも、その果てに何を失ったのかも。
「だから、今度は、俺が“やってきた”んだよ。
この果てまで。……全部終わらせて、ようやくおまえに“戻って”きた」
“壊れたふりをしてたんだ”
そう告げるような微笑みだった。
けれど、レオの瞳は揺れていた。
それでも、信じきれずにいる。震える声がこぼれる。
「……本当に……終わったんですか? 兄さんは……もう、どこへも行かない?」
「――ああ。終わった。俺は、ちゃんと全部、閉じてきた。
もう誰も死なないし、俺も、おまえの前から消えたりしない。……何があっても、もう二度と」
「本当に……?」
「うん」
「もう、やり直さなくていい……?」
「……もう、やらせない」
レオは顔を伏せて、また泣いた。
それは絶望の涙じゃなかった。
やっと終わったんだと、心が理解した証だった。
静かな沈黙が、ふたりを包んでいた。
言葉はもう、いらなかった。
ただ、胸を打つ心臓の音と、頬を伝う涙の滴る音だけが、
この夜のすべてを物語っていた。
――この夜を境に、世界は変わる。
けれど。
崩れかけていた“兄弟の世界”だけは、
壊れずそこにあった。
いいや――壊れかけたからこそ、
ふたりは、あの頃よりも深く結びついたのかもしれない。
言葉にならない想いが、静かな夜に溶けていく。
涙の熱も、胸の痛みも、すべてを包んでくれるこの場所で。
信じた絆に、もう一度触れることができた。
二人は、ずっと探していた世界に、
ようやくたどり着けたのだった……。
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