出会い系で知り合ったのが会社の同僚だった話

よしゆき

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 出会い系で知り合った相手との待ち合わせ場所に行くとそこにいたのは会社の同僚で、その同僚とセックスする事になり、そして何故か彼と恋人になっていた。
 という事件から数週間が過ぎた。
 どうして仕事もできて顔もいい社内でモテまくりの彼が、自分なんかを恋人にするのか。
 恋人と言いながら、博臣は太一を恋人扱いするつもりなどないのだろう。財布代わりとか、面倒な仕事を押し付けたり、太一をいいように使いたくて恋人にしたのだ。
 どんな理不尽な頼み事をされても、こちらが断れないとわかっていて。
 太一はそんな風に思っていたのだが。
 名ばかりの恋人となってから、毎日のように博臣にご飯に誘われた。てっきり奢らされるのだと思ったのに、その逆で、彼は一切太一に金を払わせなかった。こちらが払うと言っても金を受け取ってくれないのだ。
 そしてご飯のあとは必ずどちらかの家に行き、セックスをする。
 最初は自分を性欲処理に使うつもりかと思ったのだが、ただの性欲処理にしては行為が丁寧で濃厚すぎる。
 毎回毎回太一を快楽浸けにして、これ以上ないというほど甘やかしてくるのだ。事ある毎に可愛いと囁き、十分すぎるくらいに愛撫し、痛みを感じるような雑な抱き方は決してしない。
 触れる手は優しくて、太一の名前を呼ぶ声はどこまでも甘く蕩けていてる。本当に恋人にするかのように可愛がられ、ぐずぐずに溶かされてしまう。
 最近では、彼に頭を撫でられただけでペニスが勃起するようになってしまった。それを見た彼に「可愛い」と囁かれると体は更に高揚するのだ。
 もしかして、それが博臣の目的なのだろうか。太一に変な性癖を植え付け、取り返しのつかない体にするつもりなのでは。
 もう、それ以外に彼の目的がわからない。
 毎日博臣の事を考え、太一の頭の中は彼の存在でいっぱいだった。
 博臣の事は気にかかるが、仕事は仕事でちゃんとこなしていた。というか、仕事に集中する事で博臣の存在を頭から追いやっていた。
 太一は人のいない資料室で必要な資料を探していた。すると。

「太一~」
「っ……!?」

 背後から抱きつかれ、ビクッと肩を竦める。
 首だけ振り返れば、そこにはニコニコ微笑む博臣がいた。

「よ、吉野……っ」
「今日も終わったら一緒にご飯食べに行こうね」

 いつものように誘ってくる博臣を睨み付ける。

「会社では、下の名前で呼ぶなってば……っ」
「えー、なんで?」
「他の人に聞かれたら、変に思われるだろ」

 恋人になってから彼は人目を気にする事もなく社内で声をかけてくるようになった。人前で堂々とご飯に誘い、親しげに身を寄せてくるのだ。
 今まで殆ど接点がなかったというのに、急にそんな態度を取れば周りに怪しまれてしまうのではないか。よからぬ噂を立てられたりしてもいいのだろうか。

「だ、抱きついたりも、するなって言ってるだろ」
「えー、冷たいなー。いつもベッドの上では『博臣好き好きー』っていっぱい言ってくれるのに」
「っだ、だから! そういう事を言うなってば!」

 太一は顔だけでなく耳まで赤く染めて彼の腕から抜け出す。
 そんな事言ってない、と否定したいができない。快楽で思考が働かなくなってしまうと、彼に求められるまま恥ずかしい事を口にしてしまうのだ。

「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに……。恥ずかしがってる太一はクソほど可愛いけどね」

 甘さをたっぷりと含んだ瞳に見つめられ、心がときめきそうになった太一は目を逸らした。
 可愛いだなんて、本心ではない。社内一のモテ男であるコイツが、太一を可愛いと思うわけがない。自分にそう言い聞かせる。
 博臣と一緒に資料室を出て、それぞれ仕事に戻った。
 博臣の事を考えないように、太一は一心不乱に仕事に打ち込む。長い時間集中し、疲れを感じはじめたところで席を立った。コーヒーを買うため、自販機のある休憩所へ向かう。

「お、松岡」

 コーヒーを片手に声をかけてきたのは、太一の教育係だった先輩社員だ。
 太一が理解できるように、わかりやすく丁寧に仕事を教えてくれた。面倒見のいい頼れる先輩で、太一にとって社内で一番親しい相手だ。

「そういやお前、最近吉野と仲良くしてるんだって?」
「っえ……!?」
「お前、吉野の事苦手っぽかったのに」
「に、苦手っていうか……。吉野は俺とは全然違う人間だなって思ってて……」
「でも、今はしょっちゅう一緒に飯行ってんだろ?」
「それは、そうなんですけど……」
「いやー、良かったよ。お前にも、一緒に飯を食いに行くような相手ができて」
「わっ……!?」

 ガシガシと頭を撫でられる。

「仲良くしろよー。そういう相手って大事だからな」
「う……うぅ……」

 親切心で言ってくれる先輩に、太一は何と言葉を返せばいいのかわからない。
 多分彼は、普通に友人として仲良くしてると思っているのだろう。実際は全然そういう関係ではなく、恋人と称して一緒に食事をしたりセックスしたり休日に遊びに出掛けたりするだけの仲なのに。
 そういう関係を一般的に恋人というのだという事に太一は気付いていなかった。

「じゃ、今度俺とも飯行こうな」

 一頻り太一の頭を撫で回し、先輩はその場から去っていった。
 彼の反応を見る限り、太一と博臣の関係を怪しんでいる様子はない。純粋に仲良くなったと思われているようだ。もちろん、セックスしてるなんて事はバレていないだろう。
 その事に胸を撫で下ろしていると、後ろから肩を掴まれた。
 ビックリして振り向くと、無表情の博臣がそこにいた。いつの間に……と驚く太一の腕を取り彼は歩きだす。

「えっ、ちょ、吉野……っ?」
「こっちきて」

 彼の声は低い。いつもニコニコして穏やかな雰囲気を纏っているのに、今は表情も固く明らかに不機嫌なのがわかった。
 どうして機嫌が悪いのかわからず困惑する。こんな彼を見るのははじめてで、太一は抵抗もできず腕を引かれるままついていった。
 博臣は無人の男子トイレに入り、個室の中に太一を連れ込む。鍵をかけられ、狭い空間に博臣と二人きりになる。
 緊張に体を固くする太一を、彼は間近から見下ろす。

「太一さ、どういうつもり?」
「へ……? な、なにが……」
「アイツともセックスしたいわけ?」
「は? え? セッ……て、なに、アイツって誰のこと……」
「とぼけんなよ、あんなに頭撫でさせて」
「あ、頭……? え、先輩のこと……?」
「そうだよ。アイツとセックスすんの? だからあんな簡単に頭撫でさせたんだろ」

 博臣は責めるような口調でわけのわからない事を言ってくる。

「なに言ってるんだよ……。頭撫でさせたから……? だからせ、セックス、するって……どういう意味……?」
「だって太一は頭撫でられたら感じてちんぽ勃起するだろ」
「はあ!?」
「アイツとセックスしたいから撫でさせたんだろ。ちんぽ勃たせて、セックス誘おうとしてたのか? 俺の時みたいに、アイツに生ちんぽ入れてってねだるつもりだったのか?」
「そっ、そんなわけないだろ……!」

 とんでもない誤解に、太一は声を荒げて否定する。

「先輩となんて、するわけないだろ! そもそも、頭撫でられたからって、ぼ、勃起、しないからな!」
「俺が撫でたらするだろ」
「だ、だから、それはお前だからだろっ」
「え……?」
「吉野に撫でられたからそうなっちゃうだけで、他の誰かに撫でられてもぼ、勃起なんてしない!」
「…………俺だけ?」
「当たり前だろ! 吉野が俺をそういう風にしたんだから……」

 自分で太一に変な性癖を植え付けておいて、自覚がないとでも言うのだろうか。
 睨み付ければ、彼は呆然としたような表情を浮かべた。不機嫌なオーラが消え、探るように太一の顔を覗き込んでくる。

「ホント? 確認するよ?」
「えっ、わ、ちょっ……!?」

 止める間もなくスラックスと下着をずり下ろされ、股間を剥き出しにされる。

「……ホントだ。勃ってない」
「だ、だから、そう言ってるだろ……」

 まじまじと見つめられ、太一の頬は羞恥に赤く染まる。

「太一のちんぽ、俺だけに反応するの……?」
「っ……」

 耳元に吐息がかかり、ぞくりと肌が粟立つ。

「可愛い、太一……いい子だね」
「ぁっ……」

 熱を帯びた声で囁かれ、優しく頭を撫でられる。たったそれだけで、太一のペニスは顕著に反応を示した。
 頭を擡げたそれを見下ろし、博臣は嬉しそうに目を細め感嘆の溜め息を漏らす。

「他の人にされても勃たないのに、俺に『可愛い』って言われてちょっと頭撫でられたら勃っちゃうの? もう、ホント可愛い……」
「やっ……」
「俺が太一をこんな風にしちゃったんだ」
「っあ……もう、撫でるの、やめ……っ」

 慈しむような手付きで頭を撫でられると、どうしようもなく興奮してしまう。体温が上昇し、ペニスは完全に勃起した状態になる。

「触ってないのに、先っぽ濡れてきたね」
「やっ……もう、やめろ……ってば……」
「これじゃあ、仕事に戻れないね」

 そう言って、博臣は便座に座った。そして太一のペニスを手に取り、顔を近づける。

「あ、うそっ、待っ……あぁっ」

 止めようとするが間に合わず、博臣はペニスを口に含んだ。

「あ゛っ、やっ、ばかっ、汚い、からぁっ、離し、んあっ、んっ、んーっ」

 熱くぬるついた粘膜に性器を包まれ、快感に上擦った声が上がる。

「大きい声出すと、外まで聞こえちゃうかもよ」

 博臣に指摘され、慌てて口を噤む。
 それからまたペニスを咥えられて、太一は声を抑えながら快楽に悶えた。

「ひっ、うっ、んっ、んんんっ」

 ぬるぬると裏筋に舌が這い、淫靡な音を立てて吸い付かれる。
 蕩けるような快感に腰が抜けそうだ。ガクガクと膝が震え、壁に背中を押し付けてどうにか体を支える。

「んぁっ、んっ、ふっ……うぅっ」

 ちゅうっと先走りを啜るように吸い上げられ、びくびくっと体が跳ねる。
 ペニスをしゃぶられ、触れられていないアナルが疼く。刺激を求めるように、中がきゅんきゅんと収縮を繰り返した。熱を欲しがり、腹の奥がじんじんする。

「ひっ、んうっ、や、めっ……もう、出る、から……あっ、んっんっ、~~~~っ」

 力の入らない手で博臣の肩を掴み、離してほしいと訴える。けれど彼は更に深くペニスを咥え込み、先端をねぶってはぢゅうぅっと吸いつく。
 強烈な快感に我慢など続かず、すぐに限界が訪れた。

「ぃっ、く……う゛ぅっ、~~~~っ」

 太一は博臣の口の中で射精する。
 彼はそのまま顔を離さず、放たれた体液を口内で受け止めた。ごくりと喉を鳴らして嚥下し、残滓までも啜り尽くす。
 それから彼は漸くペニスから口を離し、ずり下ろされていた下着とスラックスを元に戻した。
 立ち上がった博臣は、蕩けた顔で息を整える太一を抱き締める。
 彼の腕に包まれ、体の奥が物足りなさに疼いた。後孔が熱を持ちじんじんする。
 腰に回された博臣の手を意識してしまう。抱き締めるだけじゃなくて、後孔に触れてほしい。指を入れて、ぐちゅぐちゅに掻き回して、それから彼の欲望でいっぱいに埋め尽くしてほしい。
 想像して更に体温が上昇し、息が乱れた。
 こんな所でそんな事、してはいけない。僅かに残る理性が、欲情する体を押し留める。仕事だってまだ残っているのだ。

「そろそろ、戻らないとね……」

 博臣の言葉に、小さく頷く。
 わかっているのに、離れがたくて彼の腕から抜け出せない。

「今日は、仕事が終わったらまっすぐうちに行こうか」

 太一はまた、頷いた。
 それから名残惜しむように彼は体を離した。
 体内に蓄積した熱を持て余したまま、仕事に戻る。
 定時に仕事を終わらせ、博臣と一緒に彼の家に向かった。互いに無言で、けれど相手を意識しているのはひしひしと伝わってくる。
 博臣を求め、体は切ないくらいに疼いていた。早く、早く、とエレベーターが目的の階に着くのをジリジリと待つ。
 エレベーターが止まれば、二人は足早に廊下を進む。部屋に入り、ドアが閉まると同時にどちらからともなくキスを交わした。

「んっ……ふぅんんっ……」

 深く唇を重ね、舌で舌を擦り合う。キスだけで快感が全身を駆け抜け、ぞくぞくっと背筋が震えた。

「ふっ……ぁっ……んっ、んんっ」

 じんじんと脳髄が痺れるような感覚に襲われ、博臣にしがみつく。
 くちゅくちゅと濡れた音と互いの息遣いだけが耳に届いた。
 夢中になってキスを交わし、けれどすぐにキスだけでは足りなくなる。

「んぁっ……ひろ、おみ……」

 体を離し、彼に背を向ける。スラックスと下着を下ろして、腰を後ろに突き出した。ひくつく後孔を彼に晒し、顔だけ振り返る。

「ほし……博臣のおちんぽ、ほしい……。入れて……俺の、おまんこに……博臣のおちんぽ……」

 顔を真っ赤にして、潤む瞳でねだった。

「っ……」

 博臣は息を呑み、噛みつくようにキスをしてきた。太一の唇を貪りながら、彼は自身の性器を取り出す。

「んぉ……っ」

 ぬるんっと熱い肉塊がアナルの上を滑り、期待に胸が高鳴る。先走りに濡れた亀頭が、ぱくぱくと口を開ける蕾に擦り付けられる。
 太一は壁に手をつき、早くと催促するように尻を揺らす。

「入れてぇ……博臣……っ」
「っく……」

 毎日のように彼の陰茎を受け入れ、すっかり彼の形を覚えた後孔に太い亀頭がめり込む。

「ひんっ、んっ、あっ、おちんぽ、入ってくるぅっ」

 待ち望んでいた刺激を与えられ、内壁が悦び剛直に絡み付く。もっと奥へと誘うように、肉筒は中を締め付け媚びた。

「はっ……すご、太一のおまんこ、うねって、俺のちんぽにしゃぶりついて……っ」

 息を乱し、博臣は太一のうなじをねぶる。肌に柔らかく歯を立てながら、彼は腰を突き上げた。

「んひっ……」

 ずぷぅ……っと半分ほど陰茎が埋め込まれ、太一は歓喜に戦慄く。すっかり勃ち上がったペニスから、だらだらと蜜が溢れていた。
 ぶるぶると内腿を震わせ、太一は腸壁を擦られる快感に耽溺する。

「おっ……んっ……きもち、いっ……おちんぽ、きもちいぃっ」
「可愛い……可愛いね、太一」
「んおぉっ」

 博臣は甘い声で囁きながら、褒めるように前立腺を亀頭で撫でる。
 強烈な快楽に眩暈すら感じ、太一は何も考えずただ声を上げそれを受け入れた。

「おまんこよしよし気持ちいい?」
「いいっ、おまんこ、お゛っ、きもちいっ、しょこ、よしよししゃれるのきもちいいぃっ」

 ごりゅっごりゅっと敏感な膨らみを抉るように擦られ、強すぎる刺激に背中が仰け反る。

「いくっ、おまんこ、よしよししゃれてっ、いくっ、う゛ぅっ、~~~~っ」

 快楽に弱い太一は呆気なく絶頂を迎えた。達しているのにペニスはとろりと透明な蜜を漏らすだけで、抽挿に合わせてぷるぷると揺れる。

「お゛っ、んんっ、いってる、おまんこ、ぉっ、こしゅられるの、いいっ、きもちいいっ、あっ、あ~~っ」
「俺も、太一のおまんこすごく気持ちいいよ……。ちゅうちゅうって、吸い付いてきて……」

 ぬちゅっぬちゅっと陰茎が浅い部分で出し入れを繰り返す。雁が膨らみを引っ掻くような刺激に、太一はひたすら感じ入った声を上げ続けた。

「あひっ、ぃんんっ、きもちぃっ、~~~~っ、おちんぽっ、博臣のおちんぽ、きもちいいっ、あ゛っ、あっあっ」
「かわいっ、太一……俺のちんぽでそんなによがって……」
「んあ゛~~っ」

 うなじに噛みつかれ、僅かな痛みと鋭い快感にぞくっと震えが走る。

「あっあっん゛~~っ、ひっ、もっと、おまんこよしよし、してぇっ、いっぱい、してっ、あ゛っんっ、おまんこに、出してっ、しゃせいしてぇっ」
「もうっ……太一はホント、エッチで可愛いんだから……。俺以外によしよしさせちゃダメだよ。太一を可愛がっていいのは、俺だけだからね」

 中を掻き回されながら言われた彼の言葉に、何も考えずガクガクと頷く。

「ひろおみ、だけっ、ぉっおっ……ひろおみじゃなきゃ、だめ、んっひっ、ん゛っ、う゛~~っ」
「可愛い……。いい子だね、太一。俺も太一だけだよ」

 ぢゅうっとうなじに吸い付きながら、博臣はぬぽぬぽと剛直を抜き差しする。震える太一の腰を掴み、ねっとりと絡み付く肉襞を擦り上げる。

「っ、俺も、イきそう……太一のおまんこに出すよ」
「はひっ、ぅんんっ、だしてっ、なかっ、おまんこにだしてぇっ」

 射精をねだるように、肉筒が収縮する。きゅうきゅうと剛直を締め付け、彼の精液を求めた。

「太一……っ」
「んぁ゛っ、あっ、~~~~っ」

 どぷどぷ……っと勢いよく精が吐き出される。胎内に体液を受け入れる快感に、太一はだらしなく頬を緩めた。

「はっ、ひっ……きもちいぃ、ひろおみの、せいえき……」

 瞳をとろんとさせ、太一は彼の精液を味わう。
 もっと彼の熱を感じていたいのに、射精を終えた陰茎がゆっくりと引き抜かれていく。

「んぁっ……」
「大丈夫、太一? 体、辛くない?」

 太一は体の向きを変え、こちらを気遣う博臣と対面する。彼の瞳をじっと見つめた。

「やだ……」
「太一……?」
「おちんぽ、抜いちゃやだ……。もっと、おまんこよしよしして」
「っ……」
「足りない……。博臣のおちんぽ、ほしい……あっ」

 片脚を上げられ、足首までずり落ちていたスラックスと下着が足から抜ける。背中を壁に支えられ、片足立ちの状態で後孔を貫かれた。

「お゛っ、ひっ、~~~~っ」

 中に注がれた精液の滑りを帯び、先ほどよりも深く剛直が突き刺さる。

「ふかっ、おっ、うれひぃっ、おちんぽ、おぉっ」
「こんな所で、おちんぽおねだりするなんて……」
「んぉっ、ごめ、ごめんなひゃ、あ゛っ、がまん、できなくて……っ」
「怒ってないよ。太一がおちんぽほしがってくれて、すごく嬉しい」

 博臣は甘やかすように囁き、更に奥へ肉棒を捩じ込む。

「ひっ、~~~~っ、おっおっ、おくっ、はいって……っ」
「おちんぽおねだりする太一、すごく可愛い。素直におねだりできて、いい子だね。もっといっぱいほしがっていいからね」
「んひぃっ、ひっ、おくっ、ごりごり、されてっ……おぉっんっ、きもちぃっ」

 壁と博臣に挟まれた状態で腰を突き上げられ、体を揺さぶられる。片脚を持ち上げられ、片足の爪先しか床についていない不安定な体勢で、内奥までぐっぽりと剛直を嵌め込まれ、身動きも取れない。与えられる快感を受け入れる事しかできない。

「へあっあ゛っ、ひうぅ゛~っ、ひっ、んう、う゛~~っ」

 舌を突き出しあへあへと喘ぐ太一を見つめ、博臣は興奮に息を荒げた。

「可愛い、太一……」
「ん゛ぅっ、んっ、ん゛ーっ」

 舌に吸い付かれ、そのまま激しく唇を重ねられる。口の中の深くまで舌で犯され、息苦しさにくらくらした。

「ふん゛ん゛っ、~~っ、ぉっ、んっんっ」

 懸命に舌を絡めながら、ごちゅっごちゅっと奥を突かれる快感に絶頂を迎える。いっても中を突き上げられ続け、終わらない快楽に太一は身悶えた。

「はっ……イきっぱなしの太一の中、すごい、気持ちいい……」
「んぁあ゛っ、いいっ、きもちいっ、ひろおみの、おちんぽぉっ、あ゛っ、あ゛~~っ」
「はあっ……また、出そう、太一の中に……」
「ひう゛っ、あっ、らしてっ、おまんこにぃっ、ほしいっ、ひっ、お゛~~っ」
「可愛い、中出しおねだりする太一、可愛いよ」
「おっ、おっ、おっ、──~~~~っ」

 博臣は声を上擦らせ、激しく腰を揺さぶった。ぐぽぉっと最奥に亀頭がめり込み、熱い体液が注がれる。

「あひぃっ、でてるぅっ、いっぱい、うれひぃ……っ」

 それから、寝室に移動しベッドの上でも抱き合った。

「ん゛、ぉ゛~~~~っ」

 寝バックの体勢で、最奥を亀頭でねっとりと捏ね回される。

「おひっ、ひっ、んうぅ……っ」
「可愛い、太一……奥、気持ちいーね」

 背中に覆い被さる博臣は、太一の耳をちゅぱちゅぱとねぶり緩い動きで腰を回す。
 亀頭で結腸口をくぽくぽと優しく突き上げられ、蕩けるような快感に太一は耽溺した。

「きもちいいっ、あっ、おくっ、おくぅっ、~~~~っ」
「ふふ……太一はこうやって、優しーく、なでなでされるの大好きだもんね」
「しゅきっ、なでなでされるのしゅきぃっ」
「あはっ、かーわいい」
「でも、はげし、のも、しゅきっ」

 快楽に頭を支配された太一は、思うがままを口にする。

「博臣のおちんぽで、奥、いっぱい、はげしくされるのも、すきっ……博臣にされるの、ぜんぶ、きもちい、から……すき、なんでも、だいすき……っんおぉ゛」

 掴まれた両手首を後ろに引かれ、ごちゅんっと強く腰を打ち付けられた。

「太一はっ……すぐにそうやって俺のこと、煽って……っ」
「おっ、ひっ、んっんっ、おっ、お゛ぉ゛っ」

 手首を掴まれ尻だけを高く上げた体勢で、どちゅっどちゅっと激しく最奥を貫かれる。

「優しく甘やかして可愛がってあげたいのに、優しくできなくなるでしょ……っ」
「んひっ、お゛っ、しゅご、お、おくっ、ごちゅごちゅしゃれてっ、──~~ひあぁっあ゛っ、きもち、いいぃっ、おっお~~っ」
「こんなに激しくされてるのにイきっぱなしになっちゃうなんて、ホントに太一は、いやらしくて、可愛すぎ、好き、大好き」
「ひうっ、んっ、あ゛~~っ、きもちいっ、しゅきっ、おちんぽぉっ、ひあっ、ああぁっ」

 奥深くまで剛直を突き入れ、抽挿を繰り返す。きつく収縮する胎内に、博臣は精を吐き出した。
 肉壁がきゅんきゅんと蠕動し、最後の一滴まで搾り取る。
 全てを注ぎ込み、博臣はゆっくりと陰茎を抜いていった。

「んはっ……んぅ……」

 太一はくたりとシーツに体を預ける。体はくたくただけれど、身も心も満たされ心地よい疲労感に包まれていた。

「大丈夫、太一?」
「ん……」

 博臣が顔を覗き込みながら優しく頭を撫でてくれる。こちらを見つめる瞳は甘く蕩けていて、太一の胸はきゅん……とときめく。

「そのまま寝てもいいよ。俺がお風呂に入れてあげる。中もちゃんと綺麗にしておくから」

 甘い声音で、甘やかすような事を言われると、彼に甘えたくて堪らない気持ちになる。
 その気持ちのままに顔を寄せ、彼の唇にそっと口付けた。ちゅ、と軽く唇が触れ合う。
 顔を離せば、博臣は真顔で固まっていた。
 太一は失敗した、と思った。調子に乗って、自分からキスしてしまうなんて。本当の恋人でもないのに恋人面して、彼にどう思われるか。
 博臣があんまり優しくて、本当の恋人にするみたいに甘やかしてくれるから、うっかりしていた。

「ぁ……ごめ……」

 体を起こして謝ろうとしたら、肩を掴まれベッドに仰向けに倒された。
 おろおろする太一を、博臣はギラギラと情欲を宿した双眸で見下ろす。

「太一が眠そうだったから、やめてあげようと思ったのに……」
「へ、あの……?」
「太一からキスしてくれたってことは、誘ってるってことだよね? もっとしてってことだよね? 一晩中嵌めっぱなしでいいってことだよね?」
「っえ……?」
「太一がそのつもりなら、遠慮することなかったね」

 にっこり微笑む博臣に、何だかとんでもない事になってしまったと思うけれど既にどうしようもなく。
 こちらに伸ばされる手から逃げる事もできず、太一のあえかな悲鳴が寝室に響いた。





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