恋愛短編まとめ(異) ②

よしゆき

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断罪後に備えて準備を進めようとしたけれど失敗に終わって結局断罪されなかった話

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 悪役令嬢に転生してしまったので、断罪され国外追放された時に備えて準備をしようとするが失敗に終わる話。

 乙女ゲーム転生




──────────────────





 ダリアは何故か前世の記憶を持って産まれてきた。
 ぼんやりとだが覚えている。日本で極々普通で平凡な生活を送っていたことを。
 だから最初は戸惑った。現世の自分は貴族のお嬢様だったのだから。豪華な食事にきらびやかなドレス、高級品で溢れた自分の部屋。気の強そうな目付きのきつい顔ではあるけれど、美少女と呼んでも差し支えのない自分の姿。何もかもが前世とは違いすぎた。
 けれど、まるで物語の中のお姫様のような状況を嬉しくも思った。いくら憧れようと、前世では決して手に入らなかった状況の中に自分がいるのだ。
 困惑しつつも純粋に楽しみながら、前世とはまるで違う生活を送っていた。
 そして十歳になった時、ダリアは第二王子ルフィノの婚約者となった。
 サラサラの銀髪に紫色の瞳を持つ同い年のルフィノは、ちょっと無愛想だけれど優しい人だった。ダリアにとって理想の王子様そのもので、彼の婚約者になれたことにはしゃいでいた。
 第二王子の結婚相手として覚える事は多く、勉強は大変だったけれど充実した毎日だった。
 ルフィノに相応しくあるためにと、努力を重ねていた。
 今世で知識を増やしていく一方、曖昧だった前世の記憶も徐々に鮮明になっていった。
 自分の家族や友達。観ていたドラマ、読んでいた漫画、プレイしていたゲーム。
 どんどん思い出していく内に、気づいてしまった。
 ここは乙女ゲームの世界だ。そしてダリアとはヒロインのライバルポジション。悪役令嬢キャラだ。
 その事実に気づいた瞬間、今までキラキラ輝いていた世界はすっかり色褪せてしまった。
 ゲームの内容を詳しく思い出せば、絶望しかなかった。
 十五歳でダリアもルフィノも学院に通うことになり、そこで彼はヒロインのフィロメナと出会う。わがままで横暴なダリアに嫌気がさしていたルフィノは心優しいフィロメナに癒され、そして互いに恋に落ちていく。いい感じになっていく二人に気づいたダリアは彼らを引き離そうとする。フィロメナに嫌がらせを繰り返し、ルフィノから離れるように詰め寄るのだ。最後には、ダリアはいじめや脅迫の罪で断罪される。当然婚約は破棄され身分も剥奪され国外追放となり、そこでダリアの出番は終わりだ。
 というのがゲームの展開である。
 もちろん前世の記憶を持っている今のダリアは、わがままでルフィノを困らせるような事をしてきた覚えはない。今のところは嫌われてはいないだろう。
 そしてフィロメナに嫌がらせをするつもりもない。
 自分は悪役令嬢にはならない。断言できるけれど、ここがゲームの世界なのだとしたらどうなるのかわからない。ダリアの意思に関係なく展開が進んでしまうかもしれない。
 そうなってしまえば、ダリアは話の流れに逆らう事などできないだろう。
 解決策は見つからないまま時は流れ、遂にダリアとルフィノは学院に入学する事になった。
 そして不安は的中し、フィロメナと出会ったルフィノは彼女とどんどん親しくなっていった。彼がフィロメナと笑顔で談笑している姿を何度も見かけた。ダリアには微笑みかけてくれる事などないのに。それどころか、ギロリと冷たい瞳で睨んでくるのだ。
 決して、ダリアはルフィノに迷惑をかけたりはしていない。寧ろ彼とは距離を置いているくらいなのだ。だというのに、彼の態度を見る限り自分は明らかに嫌われている。
 これはもう、確実に断罪される。ダリアに待っているのは国外追放という未来だ。
 箱入りお嬢様の自分が、身一つで国外に放り出され生きていけるわけがない。ゲームでのダリアのその後はわからないが、野垂れ死んでいる可能性が高い。
 断罪から逃れられないのであれば、身一つで生きていく方法を見つけるしかない。
 そこでダリアが目をつけたのは学院の地下に住んでいる魔女だ。
 ゲームに登場するキャラで、ヒロインが問題にぶち当たった時、魔女の存在を知り彼女に助言を求めに行くのだ。
 ダリアはゲームの中でヒロインとして会いに行っているので、地下の魔女のところへの行き方はわかっている。
 手段を選んでいる場合ではないダリアは、早速魔女のもとへと足を運んだ。

「私の存在もこの地下の部屋も、知っている生徒はいないはずなのだけれどねぇ?」

 いきなり現れたダリアを、魔女は不審に満ちた目で見つめる。

「えーと、風の噂で聞きまして」
「…………はあ。まあいいわ。それで、私に何の用?」

 ダリアの適当な言い訳に呆れたような溜め息を零しつつ、魔女は用件を促した。

「私に魔法を教えてください!」

 ダリアは深く頭を下げた。
 魔法を使う事ができれば、一人でも生きていけるかもしれない。少なくとも、何もできないよりは生存率は上がるだろう。

「ええー?」

 魔女は胡乱げな視線をダリアに向ける。

「お願いします! 私には魔法がどうしても必要なんです!」
「そうねー……。じゃあ、リカルド殿下の下着をくれるなら教えてもいいわよ」
「…………え?」

 魔女の出した条件にダリアは普通に引いた。
 軽蔑の眼差しで魔女を見る。
 リカルドとは、ルフィノの兄だ。
 そういえば、リカルドも攻略対象者だった。リカルドルートに進んだ場合のフィロメナのライバルポジションはこの魔女なのだ。魔女はずっとリカルドの事が好きだったという設定で、色々とストーリーに絡んではくるけれどフィロメナとリカルドの邪魔はせず最後には潔く身を引く。
 ダリアと同じヒロインのライバルという立場だが、彼女は断罪などはされず失恋して終わるのだ。
 つまり魔女は好きな人のパンツが欲しいらしい。

「わかりました。リカルド殿下の下着を手に入れてきます」
「…………え?」

 ダリアの宣言に今度は魔女が引いていた。

「いや、普通断るでしょ。パンツよ、パンツ。アンタ、第一王子のパンツ盗むつもり?」
「こっちは今後の命運がかかってるんです! パンツの一枚や二枚、そりゃ盗みますよ!」
「えー……」

 自分で言ってきたくせにドン引きしている魔女に下着を渡したら必ず魔法を教えるように約束してもらい、ダリアはその場から立ち去った。





 数日後、王城で開かれたパーティー。第二王子の婚約者であるダリアは当然招待されている。
 一通り挨拶を済ませ、ダリアはそっと会場を抜け出した。
 城には子供の頃から何度も訪れていたが、決まった客室にしか通された事はない。リカルドの部屋は事前に調べておいた。
 目的の場所に辿り着き、ダリアはそっとドアを開ける。そのまま静まり返る室内に忍び込んだ。
 そして、下着のありそうな場所を探しはじめる。 緊張と恐怖にバクバクと心臓が脈打つ。
 早く早くと焦るばかりで、なかなか見つからない。

「おい、何をしてる?」
「っ……!?」

 かけられた声に、心臓が飛び出るかと思った。
 だらだらと冷や汗を流しながら顔を向ければ、睨むようにこちらを見据えているルフィノがいた。

「る、ルフィノ、殿下……」

 一気に血の気が引いていく。
 このままでは、断罪される前に泥棒の罪で裁かれてしまう。

「あ、あの……」
「聞こえなかったのか? 俺の部屋で何をしてるのかと訊いているんだ」
「えっ!?」

 ルフィノの「俺の部屋」という発言に、思わず大きな声を出してしまう。

「うそ、間違えた……」
「『間違えた』? 何を間違えたんだ?」

 漏れた呟きを耳聡く聞き咎め、ルフィノの瞳が更に厳しくダリアを睨めつける。

「い、いいえ! 何も!」

 ダリアはぶんぶんと激しく首を振った。
 リカルドの部屋と間違えたなどと言ったら、更に事態は悪化してしまうだろう。

「それで、何をしていたんだ?」
「も、申し訳ございません……!!」

 体を折り曲げるように謝罪しながら、頭をフル回転させて言い訳を考える。

「謝る前に、まず説明しろ」
「その……ルフィノ殿下の、身に付けているものが、欲しくて……」
「は……? なんだ、それは?」
「ハンカチでも、何でもよかったんです! ただ、ルフィノ殿下のものであれば、何でも……」
「何故?」

 ルフィノは不可解そうに眉を顰めている。
 とにかく彼を納得させなければと、ダリアは言い訳を続けた。

「ルフィノ殿下の事が好きだからです!」
「…………は?」
「好きな人の持ち物が、どうしても欲しくて……。本当に申し訳ございません!」
「お前が、俺を、好き……?」

 ルフィノはどこか呆然としている。何を言われたのか理解できていないように。

「好きです、愛してます! だからこんな愚かな真似をしてしまいました! 申し訳ありません!」

 ダリアは拳を握って力説する。

「あっ、でも、ルフィノ殿下の恋を邪魔する気は一切ありません!!」
「……邪魔?」
「はい! ルフィノ殿下と恋仲になった相手に嫌がらせなんて絶対しません! 私はルフィノ殿下の幸せを願っていますので、潔く身を引きます!」
「何を言ってるんだ? お前が俺の婚約者だろう」
「そ、そうですけど……」

 今はまだ。でも近い将来破棄されるのだ。
 ルフィノももうダリアの事など婚約者と認識していないと思っていたのだが。フィロメナとの関係はどこまで進んだのだろう。まだ恋愛にまでは発展していないのだろうか。

「でも、人生何が起こるかわかりませんし、その、もしも……もしもの話です! もし殿下に他に結婚したいと思う女性が現れたら、私の事はお気になさらず! 私は決して二人の仲を引き裂こうなどと考えたりはいたしませんので! 寧ろ応援します!」

 一番いいのは、断罪されず円満に婚約を破棄してもらう事だ。効果があるかはわからないが、ダリアは自分が無害であるのだと必死にアピールした。
 そんなダリアを、ルフィノはじとっとした目で見据える。

「…………ダリア、お前は俺が好きなんだな?」
「ええ、もちろん。心から愛しております」

 確認するように訊いてくるルフィノに、深く頷いた。愛ゆえの行き過ぎた行動だったのだと彼に思わせる為に。

「そうか」

 一つ相槌を打ち、それから彼はダリアをベッドに押し倒した。

「ルフィノ殿下……!?」
「なんだ?」
「いえ、あの、どうしてベッドに……?」
「嫌なのか?」
「嫌……というか……。嫌なわけでは……ないですが……」
「俺の事が好きなんだろう?」
「はいっ」

 元気よく答えた瞬間、唇を重ねられた。

「んんっ!?」

 ダリアは驚きに目を見開き、慌てて彼を押し返す。
 するとルフィノは不機嫌そうに瞳を眇めた。

「どうして拒む? やはり嫌なのか?」
「い、いいえ! でもあの、こういう事を、私にするのはよくないのではないかと……」
「逆ではないか? 婚約者であるお前以外の奴とする方がよくないだろう」

 ルフィノが真っ当な事を言ってくる。
 確かに。確かにそうなのだが。
 だがしかし、彼はダリアを嫌っているのではないのか。フィロメナといい感じになっているのは間違いないはず。それなのに、ダリアにこんな事をする理由は何だろう。まさかダリアを練習相手にするつもりなのだろうか。

「ルフィノ殿下っ、練習も必要な場合がありますが、やはりこういう事は思い合った相手とするべきではないかと……っ」
「つまり、お前の俺を好きだという気持ちはウソだったという事か?」
「まさか!」

 ギロリと睨まれてぶんぶん首を横に振る。

「好きです、大好きです!」
「なら問題はないだろう」

 そう言って彼は再びキスをしてくる。

「んっ……んんっ……」

 深く唇が重なる。
 抵抗すれば、やはり好きではないのだと疑われる。そうなると部屋に忍び込んだ理由が嘘だとバレてしまう。
 どうすればいいのかわからずにいる間に、角度を変えてキスが深まる。舌で唇を舐められる感触に、ビクッと肩が跳ねた。

「ぁっ……ルフィノ、でんか、だめ、です……っ」
「何故? 俺達は婚約してる。問題はない」
「んんんっ……」

 彼はまだフィロメナに恋をしていないのだろうか。だとしても、どうして嫌っているはずのダリアにこんな事をするのか。
 わからなくて混乱する。

「んぁっ、待って、んっんっ……」

 戸惑うダリアの口内にルフィノの舌が入ってくる。彼の舌がダリアの舌に触れ、擦り合わされ、絡み付く。
 ぬるぬるとした感触に、ぞくんっと体が震える。
 彼を止めるべきなのか抵抗するべきではないのか判断がつかず、ダリアはされるがままだった。

「ふあっ、んっ……待って、ルフィノ殿下……ひぅっ……んんっ」

 溢れた唾液で濡れた口元を、ルフィノにぴちゃぴちゃとねぶられる。彼の舌の感触にぞくぞくして、体温が上がる。
 唇から顎を辿り、首筋を舐め上げられる。

「ひぁっ、んっ、舐めちゃ、だめ、です……っ」
「何故だ?」

 何故と訊かれると、答えられない。
 というか、逆に訊きたい。何故ダリアにこんな事をするのだ。こういう事はヒロインのフィロメナにするべきだ。このままではルフィノが不誠実な男になってしまう。やはり止めるべきではないか。

「こ、こういう、のは……結婚してからじゃないと、よくないと思います……っ」
「いずれ結婚するのだから問題ないだろう」

 結婚しないから問題あるのだ。とは言えない。
 何と言って彼を止めるべきなのか、言葉を考えている間にドレスを乱される。

「あっ、待っ、だめっ、だめです、ルフィノ殿下……っ」

 胸元がはだけて肌が露になる。羞恥と困惑に抵抗もままならない。
 制止の言葉を紡ごうとした唇をキスで塞がれる。

「んふぅっ、んっんっ……」

 口腔内を舌で蹂躙しながら、ルフィノの手がダリアの胸に触れる。柔らかく膨らみを揉まれ、彼の掌の感触にびくびくと肩が震えた。

「はぁっ、んっぁっ、だめっ……んんっ、だ、め……むね、やぁっ……」
「俺に触られるのが嫌なのか?」
「違っ……けど……んっんっんんっ」

 嫌がっていると思われるわけにはいかず、強く抵抗できない。しかしダリアが拒まなければ行為はどんどん進んでいく。
 むにむにと揉まれ、胸の突起がつんと尖る。それに気づいたルフィノの指が、乳首を撫でた。

「んぁあっ……やっ、そこ、だめです……っ」
「『そこ』とはどこだ?」

 わざとなのかはわからないが羞恥を煽るような事を真顔で言われ、ダリアの頬は真っ赤に染まる。
 答えられずにいれば、ルフィノの指はくりくりと突起を撫で回した。
 快感が込み上げて、ダリアの口からはしたない声が漏れてしまう。

「あっあっんっ、だ、めっ、だめ、そこ、弄っちゃ、あっあんっ」
「どこだ? ちゃんと言ってみろ」
「ひぅんっ……」

 固く膨らんだ乳首を指で挟んで捏ねられる。痺れるような快感に、ダリアは背中を弓なりに反らせた。

「ひっあっ、ち、くび……あぁっ、ちくび、弄るの、んあっ、やめっ……んんんっ」
「だが、乳首を弄られて随分気持ちよさそうじゃないか。どうしてやめてほしいんだ? やはり俺に触られるのが嫌なのか?」
「あんっ、んっ、ちが、ぃますっ、やじゃ、なくて……あっあっ、気持ちよくなっちゃう、からっ、あっあっ、だめ、もっ、離し、んあぁ……っ」
「そうか、気持ちいいんだな」

 ルフィノは柔らかく目を細めた。
 まるで喜んでいるような彼の表情に胸が高鳴ってしまう。
 いやいや、ときめいてはいけない。彼はヒロインと結ばれるのだから。
 きゅんきゅんしている場合ではないのだと自分に言い聞かせていると、ルフィノの顔が胸元へと移動する。胸の先端の赤く色づく突起を、彼はぺろりと舐めた。

「ひぁっ……!?」

 驚きと快感に甲高い声が上がる。

「あっ、うそ、やっ、でんか、あっあっあぁっ、だめっ、そんな……んっあっんんぅっ」

 舌がぬるぬると突起を舐め回す。むずむずするような感覚が下肢に生まれ、ダリアはひっきりなしに腰を捩る。

「や、めっ……だめ、ですっ、んっんっ」

 彼を止める声はどうしようもなく甘く蕩けている。
 乳輪ごと口に含まれちゅうっと吸い上げられれば、快楽に体が痺れた。

「る、ふぃの、殿下ぁっ、あっあぁっんんっ、だめぇっ」

 制止の言葉など聞こえていないかのように、ルフィノは両方の乳首を指と唇で徹底的に愛撫する。
 はじめて与えられる快感に、徐々にダリアの思考は溶けていく。

「んんぁ……っ」

 漸くルフィノの唇と指が胸から離れる頃には、散々弄られた乳首はじんじんと熱を持ちいやらしく勃ち上がっていた。
 ダリアは荒い呼吸を繰り返し、ぼんやりとルフィノの動きを目で追う。
 すると彼はドレスを捲り上げ、今度はダリアの下半身を晒してしまう。

「や、やめっ……くださ、あっ、殿下ぁ……っ」
「その呼び方をやめろ」
「は、へ……?」
「昔のように呼んでみろ」
「え……昔……って……」

 彼の言葉に幼い頃の記憶が蘇る。
 ルフィノ殿下、とスムーズに呼べなくてしょっちゅう噛んでいた。それを見兼ねて彼が言ってくれたのだ。

「まさか忘れたのか?」
「いえっ、もちろん覚えています……っ」

 覚えてはいても、今はもう昔のようには呼べない。
 躊躇い口を閉ざせばルフィノはムッとしたように眉を寄せ、ダリアの下肢へと手を伸ばしてきた。

「あっ、だめっ、です、ルフィノ殿下、あっ、やめてくださ、んっ」

 必死に訴えるが聞き入れてもらえず、彼はダリアの下着に手をかけた。
 彼の指が素足に触れるだけでぞくぞくとした快感が背筋を走る。
 するりと下着が脱がされていく。

「だめっ、だめですっ、ルフィノ殿下……っ」
「呼び方が違うだろう」
「っ、っ、ルノ、だめ、やめてください……っ」

 数年ぶりにその呼び方で彼を呼んだ。
 ダリアだけの特別な呼び名だと。ダリアだけは「ルノ」と呼んでいい、とルフィノは言ってくれたのだ。
 彼の特別な存在になれた気がして、嬉しくて、ダリアはルフィノをそう呼んでいた。
 けれど自分が悪役令嬢だと気付いてから、その呼び方では呼べなくなった。
 何がきっかけで彼に疎まれるかわからない。いつまでも呼び方を変えなければ馴れ馴れしいと思われてしまうかもしれない。
 だから「ルフィノ殿下」と呼び方を戻した。それが正しい呼び方なのだから。
 そのはずなのに、「ルノ」と呼ばれた彼は満足そうに頷いた。

「それでいい」
「ひぁっ、待っ……だめ……っ」

「ルノ」と呼べばやめてくれると思ったのに、彼は行為を止めなかった。
 下着を脱がされ、脚を閉じようとすればその前に彼の手が秘所に触れた。

「ひゃっ……」

 花弁を指が辿り、くちゅりと濡れた音が耳に届く。ダリアは羞恥で泣きそうだった。

「濡れてる……」

 ルフィノは熱い吐息を漏らした。
 無意識に漏れたような彼の呟きに、ダリアは恥ずかしくて堪らなかった。

「も、もう、許してください……あぁっ、だめです、そんなところ、触っては……んんっ、だめ、ルフィノ殿下……っ」
「また間違えてるぞ」
「んひぃっ……!?」

 咎めるように、ルフィノの指が陰核を撫でた。
 ぴりぴりと痺れるような快感が駆け抜け、腰が浮く。

「あっあっ、だめ、ですっ、そこ、あぁっ、やめ、でんか、んああぁっ」

 敏感な肉粒を濡れた指で擦られ、強すぎる刺激に身悶える。
 いやいやとかぶりを振って乱れるダリアを、ルフィノはじっと熱の籠った双眸で見下ろす。

「やっ、お願い、んあっ、だめぇっ」
「誰に頼んでいるんだ?」
「あっ、でんか、んっ、ルフィノ殿下、ひああっ」
「違うと言ってるだろう」

「ルフィノ殿下」と呼ぶと彼は不機嫌そうに眉を顰めてダリアを快楽で攻め立てる。

「んひっあっ、ごめ、なさっ、あっ、ルノ、ルノっ、あぁっ、だめっ、もう、やめてくださ、ひぅっ、ルノっ」

 ぬちゅぬちゅと花芽を捏ねられる快感から逃げたくて、腰を捩り何度も彼を呼ぶ。
 ルフィノは褒めるようにダリアの頬に唇を落とし、秘所から指を離した。

「ふぁっ、はっ、はあっ……」

 ダリアは激しく胸を上下させる。
 解放された事に安堵し、けれど中途半端に高められた体はじくじくと疼いてダリアを苦しめる。蜜に濡れた秘所はきゅんきゅんと収縮し、それを鎮めたくて内腿を擦り合わせた。
 乱れた呼吸を整えていると、トラウザースの前を寛げるルフィノの姿が目に入りぎょっとする。

「で、でんっ、ルフィノ殿下……っ」
「…………」

 驚きのあまり呼び方を間違えれば、無言で睨まれた。

「あ、ルノ、あの、その、それはさすがに、よくないかと……っ」

 ダリアは下を見ないようにうろうろと視線をさ迷わせながら、彼の説得を試みる。

「い、一回、落ち着いて、冷静になりましょうっ……」
「俺は落ち着いてる」
「いえっ、殿下、じゃなくてルノは今、冷静じゃありません……」

 話しながら、彼が性器を取り出したのがわかった。絶対に見てはいけないと、ダリアは不自然に顔を背ける。

「深呼吸して、よく見てくださいっ。相手は私ですよ? フィロメナさんじゃないんです……っ」
「そんな事、よく見なくてもわかっている」

 ルフィノは何を言っているんだ、という目で見てくる。

「私にこんな事をするなんて、きっと気の迷いですっ……。だ、だから、もうやめ……ひゃあっ」

 ずりゅんっと固く熱いもので陰核を擦られ、ダリアは喉をのけ反らせて嬌声を上げる。
 そのまま、ぬりゅぬりゅと押し潰すようにそこを撫で回された。
 見なくても、彼の陰茎で陰核を弄られているのだとわかった。

「ひっあぁっ、だ、めっ、ルノっ、ルノ、やめて、あっあぁんっ、だめです、だめっ、ルノ……っ」
「何がダメなんだ? 俺達はいずれ結婚するんだ。なら問題ないはずだ」
「んぁっ、そ、それは……」
「それともダリア、お前は俺と結婚する気がないとでも言うのか?」

 ギラギラと、まるで浮気を責め立てるような視線を向けられて慌てて首を横に振る。

「そんなっ、こと、ありません……あっあっんんっ」

 反り返った陰茎で花芽をくちゅくちゅと擦られ続け、快感にはしたなく腰が動いてしまう。

「それなら、いいだろう?」
「だ、めぇっ、あっあっあぁっ、だめなのっ、んぁあっ、ルノ、おねが……っ、ひああっ」
「やはり、俺との婚約を解消するつもりか? だからそんなに必死に止めるんだろう?」
「ちが、違い、ますっ……あっ、待って、あっんっ、擦っちゃ、やあぁっ」

 婚約を破棄するのはルフィノの方なのに。とは、言えない。

「っは……すごいな……どんどんぬるぬるになっていく……」

 ルフィノは頬を上気させ、呼吸を乱している。
 情欲の浮かぶ彼の表情はあまりにも色っぽく、見ているだけでくらくらした。
 陰茎の先端が、にゅるっと蜜口の上を滑る。感触を楽しむように、ぬるぬると亀頭が秘裂を撫でる。

「だめ、だめっ、だめですっ、入れちゃ……っ」

 反射的に、拒絶するような声を上げていた。
 これではまた疑われてしまう。そう思い、ダリアは焦って言葉を続けた。

「け、結婚っ……結婚してからじゃなきゃ、だめですっ……結婚してからがいいです……っ」
「結婚してから?」

 彼の問いに、ダリアはこくこくと頷く。

「大切な事、だから……ちゃんと、結婚するまで、とっておきたいんです、だから、お願いします……」

 潤んだ瞳で、情に訴えかけるように懇願する。

「わかった」

 ルフィノが頷いてくれたことにダリアは胸を撫で下ろす。

「ひゃうぅっ……!?」

 しかし再び陰核を亀頭で捏ねられ、びくんっと背中がしなる。

「あっ、なに、なんで、あっあっ、ルノっ」
「心配しなくても、入れたりしない」
「そん、なっ、あっんんぅっ」
「脚を閉じろ、ダリア」
「ふあっあっ、あぁっ」
「ちゃんと閉じないと入ってしまうぞ」

 ルフィノの言葉に、ダリアはきゅっと太股を閉じる。脚の間に真上から彼の陰茎がぐちゅぐちゅと抜き差しされた。
 膨らんだ花芽も濡れそぼった花弁も硬い幹で擦り上げられる。

「ひあぁっ、あぁっ、こすれて、んんんっ、あんっあっ、だめぇっ」
「擦ってるんだ。入れちゃダメなんだろう?」
「だめ、だめぇっ、あっあっああぁっ」
「っふ……ダメって言うわりに気持ちよさそうな顔をする……」
「ひっんっんっ、んあぁっ」
「ここも、こんなにぐちょぐちょに濡らして……。いやらしいな」
「あっ、ごめ、なさいぃっ、ひぁっあっあぁっ」

 駄目だと言いながら、体は明らかに快楽を得ている。はしたない女だと思われ軽蔑されてしまうのではないかと恐れ、ダリアは謝罪の言葉を口にする。

「謝るな。別に責めてはいない」
「んぁっあっ、でも、私っ、こんな……いっぱい、感じて……っ」
「それでいいんだ。そのまま感じて、俺の前で乱れてみせろ」
「ひぁんっ」

 かりっと乳首を爪の先で優しく引っ掛かれ、腰が浮く。するとぐちゅりと亀頭が蜜口を押し潰す。
 ダリアは甲高い声を上げ、ルフィノも息を詰めた。

「んやぁっ、だめ……あっ」
「お前が、動くからだろう……」
「だって、んっ、ちくび、する、からぁっ」
「そうだな。お前は感じやすいから、少し触っただけで反応してしまうんだな」
「ひあっあっ、だめ、あっあぁっ、ちくびと、両方、んひぁっあぁんっ、気持ちいいの、だめぇっ」

 秘所を陰茎で擦りながらコリコリと乳頭を指先で刺激され、ダリアは快感に悶える。
 花弁の奥からとろとろと蜜が溢れて止まらない。ぐちゅぐちゅと濡れた音はどんどん大きくなり、ダリアの羞恥を煽った。
 恥ずかしいけれど、気持ちよくて堪らない。

「んぁあっ、ルノっ、あっあっ、だめ、私、もうっ……あっあっあっ」

 ぞくぞくとした感覚が駆け上がってくる。
 それを促すように、ルフィノの愛撫は激しくなった。

「あっあっ、~~~~っ」

 ぶるぶるっと内腿を震わせ、ダリアは絶頂を迎える。

「んひっ、あっ、やぁあっ、待っ、ルノっ、んあぁっ、だめぇっ」

 ダリアが達してもルフィノの動きは止まらず、どろどろに濡れた秘所を陰茎で擦られ続ける。達したばかりで敏感になった箇所に絶えず刺激を与えられ、ダリアは涙を流し快楽に溺れた。

「ほら、ちゃんと脚を閉じていないと、入ってしまうぞ……?」
「ひぁっんっ、だめぇっ、だめ、あっあっあーっ」

 きゅうっと脚を閉じれば擦られる刺激は強くなり、けれど脚を開いて快感を逃がす事はできない。
 縋るものを求めてルフィノの腕にしがみつけば、更に彼の動きは激しくなる。

「んひぃっ、ひぁっ、やっ、また……っああああ──!」
「っ……」

 ルフィノが太股の間から陰茎を引き抜き、ダリアの下腹部に吐き出された体液が飛散した。
 半ば放心状態で、これで終わったのだとぐったりとベッドに身を預ける。

「ダリア……」
「んっ……」

 酷く甘ったるい声で名前を呼ばれ、顔を向ければ口づけられた。
 ぼんやりとした頭で、与えられるキスを受け入れる。唇を重ねられるだけだったキスは、気づけば舌を触れ合わせる濃厚なものへと変化していった。

「ふっ……んんっ、はぁっ……んっんっ」

 呼吸もままならないほどに唇を貪られ、ダリアの瞳はとろりと潤む。
 唇を離したルフィノは、とろとろになったダリアの顔を見て目を細めた。彼の瞳の奥にはまだしっかりと熱が灯っていた。
 それに気づいた時には、彼の手は再びダリアに触れていた。

「っあ……だめです、ルフィノ殿下……っ」
「『ルフィノ殿下』……?」
「ひゃぅんっ、あっ、ごめんなさい、ルノっ、あぁっ、待って、ルノ、だめぇっ、あぁんっ」
「大丈夫だ。入れたりはしないから」
「そ、そういうことでは……んんっ、あっあっんんぅっ」

 ルフィノの愛撫に、止める間もなくダリアはまた快楽の波に飲み込まれていった。








 リカルドの下着を盗むはずが、どうしてあんな事になってしまったのか。
 あれから数日経った今でもダリアにはわからない。
 下着は手に入らなかったのだから、当然まだ魔女に魔法を教えてもらえずにいた。
 婚約者なのだからと色々されてしまったけれど、断罪を回避できたとは思えない。現に、ルフィノは今も変わらずフィロメナと仲睦まじく過ごしている。ダリアとのアレはただのバグで、やはり彼は既にフィロメナに惹かれていてダリアと結婚する気などないのではないか。
 そう思えてならないので、なんとしてもリカルドの下着を入手しなければならない。一度は失敗してしまったが、ダリアはまだ諦めてはいなかった。
 眉間に深い皺を刻みながら学院内のカフェでお茶をしていると、声をかけられた。

「やあ、ダリア」

 顔を上げれば、爽やかに微笑むリカルドがいた。 同席を求められたので、快く頷く。
 椅子に座ってからリカルドは口を開いた。

「随分悩んでいるようだけれど、何か心配事でも? 僕でよければ相談に乗るよ」

 ではあなたのパンツをください。とは、口が裂けても言えない。

「ありがとうございます、リカルド殿下」

 笑顔で礼を伝えながら、何と言って誤魔化そうか考える。
 その時、ルフィノとフィロメナが連れ立ってカフェに現れた。
 何気なくそちらを見ていれば、ルフィノと目が合った。すると彼は鋭い視線をダリアに向ける。
 睨み付けているとしか思えない彼の視線に、会釈を返す事しかできない。
 やはり、どう考えても嫌われているとしか思えない。
 思わず嘆息を漏らせば、リカルドは苦笑を浮かべた。

「ひょっとして、ルフィノの事で悩んでいるのかな?」
「えっ……まあ、その……」

 リカルドの指摘に、何とも言えず言葉を濁す。
 婚約者でありながらダリアとルフィノが微妙な関係になっているのは彼も気づいているだろう。ルフィノがダリアではなくフィロメナと一緒にいる事の方が多いのは明らかだ。

「心配しなくても、ルフィノは君の事が大好きだと思うよ」

 リカルドは笑顔でそう言ってくれるが、ルフィノの態度を見る限りそれはただの慰めだろう。目が合えば睨んでくる相手が、自分を大好きなはずがない。
 ダリアは曖昧に微笑んだ。

「そうだと、いいのですけど……」
「大丈夫。君はルフィノに愛されてる。僕が保証するよ」

 リカルドは根拠もなく自信満々に言ってくる。元気づけようとしてくれているのだろう。そんなわけないですよ、と否定するわけにもいかず、ダリアはありがとうございますと言っておく。
 ふと強い視線を感じて顔を向ければ、ルフィノが射殺さんばかりの勢いでこちらを睨めつけていた。 やはり嫌われているようだ。





 それから数日後、二度目のチャンスがやって来た。城ではパーティーだのお茶会だの頻繁に開かれるので助かる。
 ダリアは前回同様、こそこそと会場を抜け出した。
 慎重に廊下を進み、目的の部屋に辿り着く。今度こそ、間違いなくリカルドの部屋のはずだ。ゆっくりとドアを開け、人の気配のない室内へと足を踏み入れる。
 今日こそリカルドのパンツを手に入れてみせる。そう意気込んで部屋の奥へ足を進める途中。

「おい、ここで何をしてる?」
「っ……!?」

 背後から声をかけられ、危なく悲鳴を上げるところだった。寸でのところでそれを飲み込み、そっと振り返れば憮然とした表情でこちらを睨むルフィノが立っていた。

「る、ルフィノ、殿下……」

 どうしてまたしても彼が──。前回の事もあるし、もしかして最初から怪しまれていて後をつけられたのだろうか。

「ここは兄上の部屋だぞ。そんな場所に忍び込んで、何をするつもりだ?」

 ルフィノからピリピリした空気が伝わってきて、ダリアは震えた。

「ま、間違えましたっ……!」
「間違えた?」
「はい……。ルフィノ殿下の部屋と、勘違いして……。あ、も、もちろん、ルフィノ殿下の部屋だからといって、無断で入っていいだなんて思ってないですが……!」
「なら、俺の部屋で何をするつもりだったんだ?」
「あの、その……ルフィノ殿下と、二人きりになりたくて……」

 全く頭が回らなくて適当な言い訳しか出てこない。

「来い」

 そう言ってルフィノはダリアの手を取り部屋を出る。そのままルフィノの自室へと連れていかれた。

「あ、あの……ルフィノ殿下……?」

 困惑するダリアをベッドに座らせ、そして彼も隣に腰を下ろす。ぴったりと体を寄り添わせるルフィノに、ダリアは慌てて離れようとするが彼の腕が回されそれを阻止される。

「ルフィノ殿下、な、どうして……何を……?」
「俺と二人きりになりたかったんだろう?」

 ルフィノは何を焦っているのかと不可解そうな顔で言ってくる。

「そ、そうですけど、それはその……こんな風にくっつきたかったとか、そういうわけではなくて……」
「なら、俺と二人きりになって何をしたかったんだ?」
「ええっと……手を繋いだり、お話したり……?」
「そんなの、二人きりにならなくてもいつでもできるだろう」
「え、でも、学院ではルフィノ殿下はフィロメナさんと一緒にいますし……」
「気にせず、声をかけてきたらいいだろ」
「そんなっ……お二人の邪魔はできませんから」
「何故だ? お前は俺の婚約者だ。寧ろ当然の権利じゃないか」
「とんでもないです! お二人の間に割って入るなんて、私が悪者になってしまいます……っ」

 断罪を避けられないとしても、ゲームの中のダリアと同じように悪役になるのは嫌だ。できることなら平和的に婚約破棄してほしいのだ。わざわざ事を荒立てるような真似はしたくない。
 しかしダリアの発言にルフィノは眉を顰める。

「何故お前が悪者になるんだ? 俺の婚約者はお前だろう。俺が他の女性と親しくしていたら、それを咎めて何が悪い?」
「悪いですよ、めちゃくちゃ悪いです!」

 ヒロインと攻略対象者の恋路を邪魔すれば、確実に断罪ルートだ。

「私はルフィノ殿下の幸せを心から願っておりますので! 決して邪魔はいたしません! 寧ろ応援したいと思っている所存でして!」
「……お前、俺の事が好きだと言ったよな?」
「大好きです! 好きだからこそ、ルフィノ殿下には心から思い合う相手と結ばれてほしいと……!」
「ならば、もし俺がお前との婚約を破棄したいと言ったら?」
「もちろん、快く受け入れます!」
「…………そうか。わかった」

 拳を握り即答すれば、ルフィノの瞳に不穏な色が浮かぶ。
 あれ? 何か発言を間違えただろうか。と疑問が頭を過るけれど、ベッドに押し倒されてそれも吹き飛ぶ。

「ルフィノ殿下……!?」
「お前にはわからせてやらないといけないようだ」

 真上から見下ろすルフィノのほの暗い視線がダリアに絡み付く。

「え……あ、あの……?」
「婚約破棄などできないようにしてやる」
「ええっ……?」

 ルフィノの手がダリアのドレスを乱していく。

「ひゃっ、やめ、だめですっ、ルフィノ殿下……!」
「呼び方が違う」
「っ、ルノっ、あっ、やめてください……」
「やめない」
「そんな……あっ、だめぇっ……」

 抵抗するも、ドレスはどんどん脱がされていく。

「んっ、あっ、だめ、私に、こんなことしちゃ……あぁっ、フィロメナさんと、結婚できなくなっちゃ、ぅんんっ」

 制止の言葉を遮るように唇をキスで塞がれる。舌で唇を割られ、口腔内を深く犯される。

「んふぅっ、んっ、ぁっ、んんっ……」
「っ……ダリア……」

 キスの合間に熱の籠った声音で名前を囁かれる。
 じんじんと熱が灯り、体に力が入らなくなっていく。
 ダリアの舌を吸い上げながら、ルフィノの手が肌に触れる。剥き出しにされた乳房を掌に包まれ、更に体温が上昇していく。
 数日前に散々弄られ快感を教え込まれた突起が、愛撫を期待してツンと尖る。

「んぁぁ……っ、んっ、んうぅっ」

 ルフィノの指が乳首を撫でた。
 待ち望んだ刺激を与えられ、漏れる喘ぎ声はキスに飲み込まれる。
 指の腹で突起を転がされる快感に、もっとと求めるように背中が浮いて胸を突き出してしまう。

「ぁっ、んんっんっ」
「っふ……気持ちいいのか?」
「あんっ……あっあっあぁっ」

 溢れた唾液でべとべとになったダリアの口元を舐めながら、ルフィノは乳首を指先で小刻みに弾く。
 そこから生まれる強い快楽に、びくびくと体が震えた。下腹部にじわじわと熱が集まり、ダリアは無意識に何度も内腿を擦り合わせる。

「んぁあっ、だ、めぇっ、ルノ、ルノぉっ、やめっ」
「ダメ? そんなに甘い声を上げているくせに?」

 揶揄するような囁きに、ダリアは手で口を押さえようとする。
 しかしそれを許さないとばかりに、胸元に顔を埋めたルフィノが乳首に柔らかく歯を立てた。

「ひあぁっ……」

 コリコリと甘噛みされ、鋭い刺激に身悶える。

「んゃっあぁっ、だめぇっ、それ、あっあっ、ゆるして、ひぃんっ、つよすぎるの、噛んじゃやあぁっ」
「気持ちいいんだろう?」
「きもちぃっ、きもちいいからぁっ、もう、だめっ、あっあっんああぁっ」
「それなら、吸ってやろう」
「ひぁあんっ」

 ちゅっちゅうぅっと乳首をしゃぶられる。
 断続的に快感を与えられ、ダリアは秘所から蜜を漏らす。下着は既にじっとりと濡れていた。

「あんっ、あっあっ、だめぇっ、吸うのも、だめ、あぁっんっ、きもちいいのっ、きもちよくなっちゃうから、あっ、ひうぅっ」

 ルフィノは固くなった乳首を濡れた音を立てて舐め上げては、口に含んで吸い上げる。もう片方も指で摘まんで扱くように擦った。
 蕩けるような甘い快楽に、ダリアはひたすら喘ぎ身をくねらせた。蜜口からは絶えず体液が溢れ、下腹部が疼く。

「やっあっ、だめっ、あぁっあんっ、ルノ、やぁっんっ」

 堪らなく気持ちよくて、だんだん何も考えられなくなっていく。

「ルノっ、ルノ、んぁっあっ、きもちいいっ、ルノぉっ」

 わけもわからず彼の名前を繰り返す。すると愛撫は激しさを増した。
 ぢゅるるるっと卑猥な音と共に強く吸われ、びくびくんっと体が跳ねた。

「っ、──~~~~~~っ」

 声もなく背中を仰け反らせ、快楽の余韻に浸る。
 はあはあと荒い息を吐くダリアを見下ろし、ルフィノはうっそりと笑みを浮かべ濡れた乳首を撫でた。

「ここでイッたのか?」
「は、へ……?」
「本当に感じやすい、いやらしくて……美味そうな体だ」
「っあ、だめぇ……っ」

 ドレスの裾を捲り上げられ、下肢が晒される。

「ダメなのか? そのわりに、先程から触ってほしそうに腰を動かしていたな」
「そんな、あっ、違っ……」
「ほら、もうこんなに濡らして……」
「んんっ……」

 下着の上から花弁をなぞられ、くちゅりと音が鳴った。ダリアの顔は羞恥で真っ赤に染まる。

「やっ……触っちゃ、だめ、です……んっ」
「本当にダメなのか?」
「ひあっ……」

 布越しに花芽をかりっと引っ掛かれ、弾かれたように腰が浮く。

「あっあっあんっ、だめ、そこ、あぁっあっ」
「ダメじゃなくて、気持ちいいだろう?」
「ひんっ、んぁあっ、あっあっ、だめぇっ」
「ここを下着の上からでもわかるくらいに濡らして、そんなトロトロの顔で言われてもな」

 ルフィノの指は止まる事なく、下着の上から陰核を擦り続ける。

「んひっひっ、あっあっ、ルノ、おねが、ぁあっ、だめ、だめなのっ」
「何がダメなんだ?」
「あっんっ、そこっ、そんな、擦っちゃ……あぁっあんっあっ、きもちいいの、きちゃうのぉっ」
「ふ……イきそうなのか? それなら、我慢せずにイけばいい」

 吐息だけで笑い、ルフィノは指の動きを速くする。円を描くように、くるくると先端を撫で回す。

「ああぁっ、それ、だめぇっ、あっあっあっ、くる、きちゃうぅっ」

 強烈な快感に内腿が痙攣する。はしたなく脚を広げ、ダリアは絶頂を迎えた。
 とぷとぷ……っと蜜が溢れ更に下着を濡らした。

「汚れてしまったな」

 そう言って、ルフィノは愛液で張り付く下着に指をかける。

「っあ……」

 止める間もなく下着は下ろされ、そのまま足から引き抜かれる。

「っは……ぬるぬるだな……」
「やっ……見ないで、くださ……っ」

 脚を閉じようとするが、ルフィノに手で押さえられかなわない。
 しっかりと脚を開かれ、濡れそぼった秘所を彼の目に晒される。

「やあぁっ、だめっ、ルノ、見ちゃいやぁっ」
「俺達は結婚するんだ。寧ろ、お前のここを見ていいのは俺だけだろう」

 言いながら、ルフィノの顔がどんどん下肢へと近づいていく。

「味わっていいのも、俺だけだ」
「んひぃっ……!?」

 ぬるりとした感触が花弁の上を這い、甲高い悲鳴を上げる。
 彼の舌が秘所をねぶるのを、ダリアは信じられない思いで見つめた。

「ひっあっ、うそっ、そんな、あぁっ、だめだめっ、そんなこと、しちゃだめぇっ」
「ん……お前のここは、甘いな……」
「っ、っ、やあぁっ、ルノ、やめっ、やめてぇっ、ルノぉっ」

 首を振り立て必死に訴えるが聞き入れてもらえる事はなく、ルフィノは味わうようにそこに舌を這わせる。
 ぴちゃぴちゃと音を立てて蜜口をねぶり、その上の敏感な粒へと舌を伸ばす。

「ひあぁっ、だめ、そこっ、舐めちゃ、あぁっあっあっんんぅっ」

 固く膨らんだ花芽を、余すところなく舐め回される。強すぎる快感に、ダリアは激しく身を捩る。

「あっ、だめっ、あっあっあっあ~~~~~~っ」

 びくびくっと腰を浮かせ、再び絶頂を迎える。
 達して敏感になった陰核を今度は口に含まれ、思う様舐めしゃぶられた。

「ひあぁっあっ、ひぅんっ、だめっだめぇっ、もうっ、んんんぁっ」

 あまりの快感に涙を流し、ダリアは繰り返し絶頂に達する。

「ルノぉっ、あぁっ、おねがいぃっ、もうゆるして、ひあっあぁっ、やめて、あぁっ、~~~~っ」

 漸く唇がそこから離される頃には、ダリアは息も絶え絶えの状態になっていた。
 ルフィノは体を起こし、流れるダリアの涙を舐めとる。

「はっぁっ……ルノ……」

 涙に濡れる瞳を向ければ、ルフィノはちゅっ、ちゅっと顔に唇を落としてくる。
 優しい唇の感触にぼうっとしていると、しとどに濡れた花弁にルフィノの指が触れた。

「っひ!? あぁっ……」

 ぬかるんだ蜜口に、ぬぷりと指が挿入される。

「やっ、あっあっ、やめっ、んんっ、ルノ、だめぇっ」
「ダメじゃない。俺達は夫婦になるんだから。お前の中に触れていいのも、俺だけだろう?」
「ひっあっ、私の、なかっ、あっんんっ、ルノに、触られてるの……っ」
「そうだ。ダリアの中が、喜んで俺の指に絡み付いてくるぞ」

 嬉しそうな笑みを浮かべながら、ルフィノは指を動かし膣内をくちゅくちゅと擦る。

「んっひっあぁっ、だめっ、あっあっ、なか、擦っちゃ、だめなのっ、ルノぉっ」
「ダメじゃないと言ってるだろう?」
「んああぁっ、そこっ、だめぇっ」

 敏感な箇所を擦られて一際大きく反応すれば、ルフィノは重点的にそこを攻めはじめる。とめどなく蜜が滴り、彼の指の動きに合わせてぐちゅぐちゅと水音が響く。
 自分の漏らした体液の音なのだと思うと恥ずかしくて堪らない。それでも、ダリアは花弁から溢れる蜜を止める事などできない。

「ここが気持ちいいのか?」
「ひあっあっ、だめ、んんっ、ルノ、んぁぁっ、そこ、擦られたら、あっんっんっ、きもちよくなっちゃう、んっあぁっ」
「気持ちよくなっていい。俺だけに、その快楽に蕩けた顔を見せろ。俺の前では、どれだけ乱れてもいい」
「んああぁっ」

 蜜口に、二本目の指が差し込まれる。

「やっ、だめ、あぁっ、ルノっ、やめて、これ以上、しちゃ、あっあっあっ、だめっ、ルノぉっ」
「嫌なのか? 俺にこうして触られるのが」

 ルフィノの瞳が冷たく翳る。
 不穏なものを感じ、ダリアは慌てて首を横に振った。

「やじゃないっ、んっあっ、ルノに触られるの、いやなんかじゃない、んんぁっあっんんっ」
「それなら、ダメじゃないだろ」
「っ、だめ、なのっ、んんっ、けっこん、してからじゃないと、だめっ」
「お前は俺と結婚するんだろう?」
「ひあっ、する、するぅっ、ルノと、けっこん、んあぁっ」

 こくこくと頷けば、ルフィノは満足そうに深い笑みを唇に刻む。

「俺の事が好きだな?」
「んっんっ、すき、すきっ、ルノ、大好きぃっ」
「愛してるな?」
「はひっ、あいして、んっんっ、ルノを、あいしてる、んぁっあっひあぁっ」

 ずるっと膣内の指を抜かれる。蜜口は物足りないというようにヒクヒクと収縮を繰り返した。

「それなら、何も問題はないよな」
「はぇ……っ?」

 ルフィノは自身の性器を取り出す。
 とろとろに濡れ綻んだ花弁に、それが押し当てられた。

「へっ、えっ? あっ……? ま、待っ、だめっ」
「ダリア……」

 熱っぽく名前を囁くルフィノと目が合う。
 情欲に濡れた彼の瞳は、まるで心からダリアを求めているかのような熱を帯びていた。
 彼の視線に、抵抗できなくなる。
 強く手を握られ、近づいてくる彼の唇。
 キスを受け入れるように、ダリアはそっと目を閉じた。






 が、結局のところ、ギリギリのところでダリアの処女は守られた。
 あの後、ルフィノを捜しにリカルドが部屋にやってきたのだ。顔を真っ赤にして慌てふためくリカルドに、ルフィノは静かに舌打ちした。それから緊急家族会議が開かれ、ルフィノは王と王妃にたっぷり叱られたらしい。
 うっかり流されて処女を捧げてしまいそうになったダリアだが、気を取り直して三度目の下着泥棒計画を立てようと意気込む。
 しかし、何故かルフィノは常にダリアの傍にいるようになった。学院ではいつも、休み時間も昼休みも放課後もフィロメナと一緒にいたのに。
 フィロメナの姿が見える場所で、今も彼はダリアの横にぴったりと寄り添っている。
 ヒロインをほったらかしで、悪役令嬢の傍にいるなんて。
 ダリアはじとりとした目をルフィノに向ける。

「どうした?」
「……酷いですよ。あんなに仲良くしていたのに……。散々気のある素振りを見せておいて、こんな急に突き放すような真似……」
「何の話だ?」
「フィロメナさんの事ですっ」
「……ああ」

 語気荒く詰め寄れば、ルフィノはふ……と笑みを浮かべる。

「心配無用だ。焼きもちを焼く必要はない」
「そ、そういうことでは……っ」
「俺とフィロメナは、好きな相手の気を引くために仲のいいフリをしていただけだ」
「…………え?」
「つまり、利害が一致して互いに互いを利用していたんだ」
「は…………?」

 ダリアはポカンと口を開け、ルフィノとフィロメナを交互に見やる。

「仲のいいフリ……? 気を引くためって……だ、誰が、誰の……?」
「俺はダリアの、フィロメナは兄上の、だ」
「へ……?」

 ダリアは何度も頭の中で反芻し、彼の言葉を理解しようとする。

「はは……それだと、ルフィノ殿下が私の事を好き、みたいなんですが……」

 まさかね……という気持ちでへらりと笑えば、ルフィノの冷たい視線が突き刺さる。 

「お前は俺が、好きでもない女にあんな事をするゲスのような男だと言いたいのか?」
「め、滅相もございません……!!」

 ぶんぶんっと首を横に振る。

「ええっと……つまり、ルフィノ殿下は……私の事が……好き……なんですよ……ね?」
「当たり前だろう」

 ルフィノは憮然とした顔で即答するが、ダリアにとっては寝耳に水だ。

「え……その……いつから……?」
「出会った時からだ」
「ええっ!?」

 さらりと驚愕の事実を告げられ、思わず大きな声を出してしまう。

「えっ、えっ……その……本当に……?」
「お前はもう忘れているのかもしれないが、俺は今でもお前と出会った時の事をはっきりと覚えてる」
「私も、覚えています、けど……」

 はじめてルフィノと顔合わせをした時の事は、ダリアもちゃんと覚えている。
 衝撃的だった。ルフィノがあまりにも理想的な王子様だったから。

『カッコいい! 本物の王子様だ! 王子様のお嫁さんになれるなんて夢みたい!』

 なんて、本人の前で子供のようにはしゃいでしまった。まあ、肉体的には子供だったのだけれど。
 失礼な事をしてしまったと反省し、後から羞恥に苛まれたのを今でもしっかりと覚えている。
 悪印象を与えてしまったのではないかとかなり不安だったのだが。

「嬉しかったんだ、俺は」
「え……?」
「周りは皆、優秀な兄の事ばかり。誰も彼もが兄上ばかりを見ていた。認められたくて努力をしても、俺よりも更に上の結果を出す兄上ばかりが褒められ、俺を見てくれる者など誰もいない気がしていた。兄上さえいれば、第二王子の俺なんていてもいなくてもいいのではないかと、そんな風に感じていたんだ……」

 はじめて彼の心情を聞いた。彼が苦しんでいたなんて知らなかった。彼の気持ちも知らず、自分は彼の前でただ能天気に笑っていた気がする。

「だから、婚約者も第二王子の俺ではなく、第一王子の兄上と結婚したいと思っているに違いないと思っていた。それなのにお前は俺と出会った時、目をキラキラさせて、本当に嬉しそうに笑ったんだ。そんなお前に、俺は救われた」
「ルフィノ殿下……」
「俺を見て、認めてくれるお前に惹かれ、好きになった。お前に見合う男になりたくて、腐らず努力を続けてきた。出会った時からずっと、俺はダリアだけを愛してる」
「っ……」

 瞳を見つめてまっすぐに思いを伝えられ、ダリアの顔に熱が上る。

「そ、んな……私、てっきり嫌われていると……。フィロメナさんとばかり一緒にいて、私は目が合えば睨まれていたから……」

 ダリアの言葉に、ルフィノはムッと眉を寄せる。

「先に俺を避けはじめたのはお前だろうが」
「えっ……」
「兄上や他の奴とは普通に笑顔で話すくせに、俺とは目も合わせずよそよそしい態度ばかりとるようになっただろう。まさか自覚がないとは言わないよな?」
「うっ……!?」

 もちろん心当たりのあるダリアは言葉に詰まる。
 ここがゲームの世界だと気付き、自分が悪役令嬢だとわかってから、確かにダリアは彼を避けるようになった。
 自分の言動が彼の機嫌を損ねてしまうのではないかと不安だったのだ。何せ悪役令嬢なのだから。ゲームの中のダリアのように、彼に嫌われ疎まれるのが怖かった。
 だから極力、ルフィノに近づかないようになっていったのだ。
 嫌われていると勘違いするような態度を彼がとるようになったのは、ダリアの自業自得だった。その事実に気付き、愕然とするしかない。

「言っておくが、俺から離れようなんて考えても無駄だからな」

 ルフィノは指を絡めダリアの手を握る。

「俺はお前を放すつもりはない、絶対にな」
「ルフィノ殿下……」
「呼び方が違うと言ってるだろう。それとも、間違えないように体に教え込んでほしいか?」

 耳元で意味深な声音で囁かれ、ダリアの頬は紅潮する。

「け、結構です……!」
「それなら間違えないことだな。今度間違えたら強制的に教え込んでやるから覚えておけ」
「は、はい……ルノ……」

 呼び方一つで満足げに微笑むルフィノを可愛いと思ってしまう。
 断罪ルートまっしぐらだと思っていたのに、どうやら自分が考えていた展開にはならないようだ。





───────────────


 読んで下さってありがとうございます。


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