7 / 10
7
しおりを挟む時間を少し遡り、パーティー会場に残されたサイラスはクロエの戻りが遅い事に不審を抱きはじめていた。
会場内を何度も見回すが、クロエの姿はない。戻ってきてはいないはずだ。
心配で待ちきれず、サイラスは女性の使用人に頼んで化粧室を見てきてもらった。すると、そこにクロエはいなかった。
いよいよおかしい。戻ってくると言ったクロエが姿を消してしまった。
焦る気持ちを抑え、冷静に彼女を捜しはじめる。会場内も改めて隅々までしっかりと見て回り、庭やパーティーの招待客用に解放されている客室も全て捜した。だがクロエの姿はどこにもない。
捜していない厨房や解放されていない部屋にいるのか。それとももうこの屋敷の中にいないのか。
彼女が自主的に出て行ったのではないとしたら、誘拐だろうか。それとも招待客の男に無理やりどこかに連れ込まれたのか。
嫌な想像が頭を駆け巡りゾッとする。今、彼女が無事であるという保証はない。一刻も早く捜し出さなくては。
サイラスはパーティー主催者にクロエの捜索を申し出ようとした。パーティーは中止になり、主催者も招待客も迷惑を被る事になるだろう。だが、そんな事はどうでもいい。クロエの方が大事だ。
だが行動に出る前に、背後からサイラスを呼ぶ声が聞こえた。
「サイラス様」
「っ……クロエ!?」
振り返れば、捜し求めていた彼女がそこにいた。クロエの無事な姿を目に映し、サイラスは心の底から安堵する。
「良かった、無事だったのか……!? どこにも姿が見えないから、何かあったのかと……っ」
「心配かけてごめんなさい。サイラス様のところへ戻る途中で、体調を崩した人を見つけて。その人を休める場所へ連れていっていたの」
「そう、だったのか……」
そうだとしたら、サイラスは屋敷の中を歩き回っていたので遭遇していてもおかしくないのだが。ちょうど庭に出ていた時にクロエは屋敷内を移動していたのかもしれない。
「とにかく、君が無事で良かった……。何もないのなら、それでいいんだ……」
胸を撫で下ろし、サイラスはくしゃりと笑った。それは彼がクロエの前だけで見せる、気の抜けた笑顔だった。
それを見たクロエは奇妙なものを見たような顔をして固まった。
「クロエ? どうしたんだ?」
「っ、え、あっ、いいえ、何でもないです……」
クロエは気を取り直したようにサイラスの腕に手を伸ばした。するりと腕を絡ませて、ぴったりと身を寄せる。
「それよりサイラス様、もう帰りましょう? 早く帰ってサイラス様と二人きりになりたいです」
「…………は?」
上目遣いに、あざとさの滲む微笑。
クロエの表情も言動も、違和感しかなかった。
「どうしたんだ、クロエ……?」
「え? 何がですか?」
「君がそんな事を言うなんて……何かあったのか?」
「えっ、あ、いいえ……その、そういう気分、だったので」
「そういう気分……?」
「サイラスに甘えたいって思って……」
クロエは笑う。艶やかに、色香を浮かべ。
サイラスは反射的に彼女から離れた。
違和感は疑惑に変わり、不審に満ちた目で目の前の彼女を見据える。
「君は誰だ……?」
「だ、誰って……嫌だわ、サイラスってば……クロエよ。あなたの妻でしょう?」
クロエの笑顔が引きつる。縋るように伸ばされた手をサイラスは避けた。
姿形はクロエだ。でも違う。確信を持って言える。
「違う……。クロエはそんな顔をしない。そんな風に笑わない。君はクロエじゃない」
「な、何でそんな事言うの……? どう見ても私はクロエでしょう? クロエじゃなかったら誰だって言うの?」
「わからない。でも、クロエじゃないのは確かだ。クロエはどこだ? クロエは今、どこにいる? お前が彼女をどこかへやったのか?」
サイラスは目の前の女性に詰め寄る。彼女がクロエでないとしたら、クロエは一体どこにいるのだ。
再び焦燥感に包まれ、唯一の手がかりであるクロエの姿をした誰かを問い詰める。
「クロエはどこだ? 彼女は無事なのか? 彼女に何をした? クロエをどこへやったんだっ?」
「や、やめてよっ……! 私がクロエだって言ってるでしょう……!?」
サイラスの追及に目の前の人物はどんどん取り繕えなくなっていき、声を荒げる。
「姿形がクロエなら、騙せると思ったのか? 口調も表情も仕種も、何もかもがクロエとは違うのに?」
「っ……」
悔しそうに顔を歪める女性を、サイラスは冷ややかに見つめる。
「クロエは今、どこにいる?」
「……さあ。今頃、他の男と楽しんでるかもね」
「何だとっ……」
「きゃっ……!?」
片手で胸ぐらを掴まれ、クロエの姿をした彼女は信じられないという表情を浮かべる。サイラスに乱暴にされるなど思ってもみなかったというように。
「は、離してよ……!」
「クロエはどこだ?」
「い、言っておくけど、この体は本当にクロエのものなんだからっ……。この体を傷つけたら、彼女を傷つける事になるんだからね……!?」
脅すような彼女の発言に、サイラスは一瞬怯んだ。しかし胸ぐらを掴む手を離さず、もう片方の手でナイフを取り出す。それはサイラスが護身用にいつも持ち歩いているものだ。
ナイフの刃を頬に寄せられ、彼女は瞠目する。
「クロエはどこにいる?」
「っ…………」
「答えないなら、痛い思いをする事になるぞ。体はクロエのものでも、もちろん痛みは感じるんだろう?」
「っ……こ、この体が、傷物になってもいいって言うの……? 何よあなた、本当は彼女の事なんて愛してないの?」
「いいや、違う。どれだけ傷ついても、俺はクロエを愛してる。それがクロエならな。本物のクロエを見つけ出すためなら、彼女の体を傷つける事だって厭わない。寧ろ、傷だらけになってクロエが誰にも見向きもされなくなった方が嬉しいくらいだ。彼女を目に映すのが俺だけになるんだからな」
そう言ってサイラスはうっそりと笑う。
その狂気を孕んだ笑みに彼女はゾッと青ざめた。
実際のところ、サイラスにクロエを傷つける事はできない。こうして彼女の顔にナイフを近づけているだけで手が震えそうだ。うっかり傷つけてしまったら……そう考えるだけで恐怖に竦みそうになる。
だから、精一杯演じる。この嘘を彼女に信じ込ませるために。
相手はクロエではない。ならば、いくらでも冷酷になれる。クロエの体を傷つける事はできないが、精神的に追い詰める事はできる。
「さあ、どんな傷をつけようか。頬の肉を削いで、目を抉って……どうせならうんと醜くしよう。俺とお揃いになるように。そうしたら、きっと俺以外の男に……男だけじゃない、誰もクロエに見向きもしなくなる。俺だけのクロエにできる」
「ひっ……」
クロエの顔が恐怖で歪み、短い悲鳴を上げる。
「や、やめてやめて……!! わかったわ、教えるからっ……」
彼女が屈服した事に、サイラスは内心深く安堵する。しかしそれを表には出さず、平静を装ったまま冷めた声を出す。
「クロエの居場所を教える気になったのか?」
「教えるわ、教えるから……っ」
「どこだ?」
「ゲストハウスよ……。裏口から出て、少し離れたところにある……」
サイラスはひとまずナイフをしまい、彼女の腕を掴んで移動する。クロエではなくてもクロエの体だ。逃がすわけにはいかない。
向かった先のゲストハウスに入る。廊下の奥にあるドアの向こうから声が聞こえてきた。
「いやっ……離して下さい……!! 助けて、サイラス様……っ」
それが自分に助けを求める悲鳴だと気付き、サイラスは考えるよりも先に動いていた。
壊すような勢いでドアを開ける。ベッドの上の二人の顔がこちらを向く。
一人は女性で、その女性の上に青年が跨がっている。二人とも見知った相手だった。イザベラと、今回のパーティーの主催者の息子だ。
イザベラが、サイラスの存在に気付き声を上げる。
「サイラス様……っ」
呼ばれた瞬間、彼女がクロエなのだとわかった。そして状況を理解し、カッと頭に血が上る。
サイラスはベッドに駆け寄り、クロエに襲いかかる青年を殴り飛ばした。呻き声を上げて青年がベッドから転げ落ちる。
「クロエ……!!」
サイラスは青年に見向きもせず、イザベラの姿をしたクロエの状態を確認する。ドレスが乱されているのを見て怒りが湧き上がる。しかしどうにか心を落ち着け、彼女の手首を縛るロープを持っていたナイフで切った。
彼女のドレスの乱れを直し、体を起こす。
「クロエ、怪我はないか……?」
「サイラス様……」
「遅くなってすまない……。もう大丈夫だ」
「はい……」
震える彼女の体をそっと抱き締める。蒼白になり怯える彼女の姿を見て、込み上げる感情を懸命に抑えた。
クロエがどれほど怖い思いをしたのか。怖い思いをさせてしまったのか。考えると自分の不甲斐なさに胸が押し潰されそうになる。
「な、何なんだ一体っ……どういう事だ、話が違うじゃないか……!?」
青年が喚きながら逃げるように走り去っていく。
部屋に残ったのはサイラスとクロエとイザベラだ。
サイラスはクロエの姿をしたイザベラに視線を向ける。
イザベラ。サイラスに呪いをかけた張本人。
サイラスはクロエと結婚する前、色んな女性と遊んだ。それはあくまで遊びで、誰一人本気ではなかった。
それはサイラスだけではなく、女性側もそうだった。ちょっとした刺激を求め、ほんの一時楽しい時間を過ごす為だけに、女性達はサイラスの誘いに乗る。
だから、今まで女性に恨まれた事はなかった。互いに割り切った関係しか結んでこなかった。
しかしイザベラは違った。サイラスが遊びでしか女性に手を出さないと知っていたから、イザベラは遊びの振りで声をかけてきた。でも実際はサイラスを落とす気でいたのだ。
当初、サイラスがクロエとの結婚に乗り気でない事をイザベラは知っていた。だから、イザベラは自分が誘惑すればサイラスはクロエとの婚約を破棄して自分と結婚してくれるだろうと考えていた。
しかしサイラスは落ちなかった。サイラスもサイラスで、結婚は家の為にするものだと割り切っていた。でなければ、そもそも婚約が決まる前に断っていただろう。
クロエは家の為に選ばれた最適な婚約相手だ。だから、サイラスはイザベラに何を言われようと婚約を解消するつもりなどなかった。それに、イザベラはあくまで遊び相手であって結婚したいと思えるような相手でもなかった。
それにイザベラが激怒した。自分のものにならないのなら不幸にしてやる。そんな思いから彼女はサイラスに呪いをかけたのだ。
「君だったんだな、イザベラ……」
「ええ、そうよ」
「どうしてこんな事を? 君が憎んでいるのは俺だろう? 俺に呪いをかけて満足したんじゃないのか? どうしてクロエを巻き込んだ……っ」
「だって許せないじゃない!!」
クロエの姿でイザベラは激昂する。
「私はあなたを不幸にしたいのよ! その為に呪いをかけたの! それなのに何よ、そんな女と楽しそうに、呪いになんてかかってないみたいな幸せそうな顔でデートして……っ」
二人は普通にデートしていただけだが、眼帯姿のサイラスとクロエのデートは密かに周りの注目を集めていた。仲睦まじく微笑ましい二人の様子に、サイラスを知る女性は少なからず驚いた。
クロエと結婚してからは女遊びもピタリと止まり、女性が誘っても全て断られていた。呪いのせいではなく、彼は妻を大事に思っているのだろうと。そんな噂を耳にして、イザベラは許せないと思った。
呪いで醜い顔にしたのは、二度と人前に出られなくなればいいと、部屋に引きこもり孤独で寂しい人生をサイラスに送らせる為だ。最初は確かに彼は人前に出るのを恐れ外に出なくなった。
それなのに今では堂々と外に出て、しかも幸せそうに妻とデートしているのだ。
イザベラは我慢ならなかった。自分を捨てたくせに、自分の事を忘れ、サイラスが他の誰かと幸せになるなんて許せない。
憎しみを込めてサイラスを睨み付ける。
「……わかった。俺の事が憎いなら、俺には何をしてもいい。何でも言う事を聞く。でも、クロエを巻き込むのだけはやめてくれ。彼女を元に戻してくれ」
「嫌よ! サイラスを不幸にするには、その女を利用するのが一番効果的だってわかったんだもの」
「イザベラ……」
サイラスは立ち上がる。イザベラは身構えた。またナイフを突き付けられるのではないかと思ったからだ。
だが違った。サイラスは床に膝をつく。両手も床につける。
その様子を、イザベラもクロエも呆然と、信じられないという顔で見ていた。
サイラスは深く頭を下げ、床に額もつける。
「頼む、イザベラ……。君の望む事は何でもする。だから、クロエにだけは手を出さないでくれ。お願いだ……っ」
サイラスは暴力をふるうのでもなく、脅すでもなく、ただ誠心誠意イザベラに頼み込んだ。
「何よそれ……。土下座とか、信じらんない……だっさい……。そんな事して、情けないと思わないの……?」
暴言を吐くイザベラの瞳は揺れていた。握った拳は震えている。
サイラスは顔を上げない。何を言われようと、どう思われようと構わなかった。クロエを助けられるのなら、サイラスは何でもするつもりだった。
「何で、そんな……。あの時は、何もしなかったくせに……っ」
責めるようなイザベラの声は、弱々しく掠れていた。
彼女の言う「あの時」とは、サイラスに呪いをかけた時の事だろう。
クロエとの婚約を解消し自分と結婚しないかというイザベラの誘いを断れば、彼女は「呪ってやる」という捨て台詞を残して去っていった。
その翌朝、サイラスが目覚めるとこんな醜い顔になっていた。
サイラスはすぐにイザベラのところへ行った。問い質すまでもなく、彼女はあっさり自分が呪いをかけたのだと認めた。
そしてイザベラは言ったのだ。縋りつき許しを請えば呪いを解くと。
サイラスは自分の容姿に自信を持っていた。それが彼の武器でもあり、彼という人間を作り上げた要素の大部分を占めている。
だから、イザベラは彼の顔を呪いで醜く変貌させた。そうすれば、彼は呪いを解く為に自分の言う事を何でも聞くだろうと思ったから。
だが、サイラスはイザベラの思い通りにはならなかった。
彼のプライドがそれを許さなかった。彼女に縋り許しを請うくらいなら、一生この顔のままでいた方がましだった。
サイラスはイザベラの要求を突っぱね、彼女の元を去った。
サイラスのその行動に自尊心を傷つけられたイザベラは、彼への憎しみを一層募らせる事となった。
自分の顔を醜く変貌させられた時は、元に戻してほしいと頭を下げる事もしなかったサイラス。その彼が、土下座をしてイザベラに懇願している。
他でもない、クロエの為に。
彼女の為なら、プライドも捨て何もかもを差し出すという事か。
「カッコ悪……。サイラスがそんな男だなんて、ガッカリよ。もういい、何かすっごい冷めたわ……」
イザベラは投げやりに吐き捨てる。それが強がりなのか、彼女自身わからなかった。
「どうでもいいわ、あなた達二人の事なんて。もう興味ないから」
イザベラはスタスタとベッドの上のクロエの元へ進む。
「イザベラ様……」
「悪かったわね、巻き込んで。安心して、もう二度とあなた達には近づかないから」
そう言ってイザベラはクロエの顔で美しく笑った。
211
あなたにおすすめの小説
愛を騙るな
篠月珪霞
恋愛
「王妃よ、そなた一体何が不満だというのだ」
「………」
「贅を尽くした食事、ドレス、宝石、アクセサリー、部屋の調度も最高品質のもの。王妃という地位も用意した。およそ世の女性が望むものすべてを手に入れているというのに、何が不満だというのだ!」
王妃は表情を変えない。何を言っても宥めてもすかしても脅しても変わらない王妃に、苛立った王は声を荒げる。
「何とか言わぬか! 不敬だぞ!」
「……でしたら、牢に入れるなり、処罰するなりお好きに」
「い、いや、それはできぬ」
「何故? 陛下の望むままなさればよろしい」
「余は、そなたを愛しているのだ。愛するものにそのような仕打ち、到底考えられぬ」
途端、王妃の嘲る笑い声が響く。
「畜生にも劣る陛下が、愛を騙るなどおこがましいですわね」
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
『身代わりに差し出された令嬢ですが、呪われた公爵に溺愛されて本当の幸せを掴みました』
鷹 綾
恋愛
孤児院で「九番」と呼ばれ、価値のない存在として育った少女ノイン。
伯爵家に引き取られても待っていたのは救いではなく、実の娘エミリアの身代わりとして、“呪われた化け物公爵”フェルディナンドの婚約者に差し出される運命だった。
恐怖と嘲笑の中で送り出された先で出会ったのは――
噂とは裏腹に、誰よりも誠実で、誰よりも孤独な公爵。
角と鱗に覆われたその姿は、血筋ではなく、長年にわたる呪いと心の傷によるものだった。
そしてノインは気づく。
幼い頃から自分が持っていた、人の痛みを和らげる不思議な力が、彼の呪いに届いていることに。
「身代わり」だったはずの婚約は、やがて
呪いと過去に向き合う“ふたりだけの戦い”へと変わっていく。
孤独を知る公爵と、居場所を求めてきた少女。
互いを想い、手を取り合ったとき――
止まっていた運命が、静かに動き出す。
そして迎える、公の場での真実の発表。
かつてノインを蔑み、捨てた者たちに訪れるのは、痛快で静かな“ざまぁ”。
これは、
身代わりの少女が本当の愛と居場所を手に入れるまでの物語。
呪いが解けた先に待っていたのは、溺愛と、何気ない幸せな日常だった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
下賜されまして ~戦場の餓鬼と呼ばれた軍人との甘い日々~
星森
恋愛
王宮から突然嫁がされた18歳の少女・ソフィアは、冷たい風の吹く屋敷へと降り立つ。迎えたのは、無愛想で人嫌いな騎士爵グラッド・エルグレイム。金貨の袋を渡され「好きにしろ」と言われた彼女は、侍女も使用人もいない屋敷で孤独な生活を始める。
王宮での優雅な日々とは一転、自分の髪を切り、服を整え、料理を学びながら、ソフィアは少しずつ「夫人」としての自立を模索していく。だが、辻馬車での盗難事件や料理の失敗、そして過労による倒れ込みなど、試練は次々と彼女を襲う。
そんな中、無口なグラッドの態度にも少しずつ変化が現れ始める。謝罪とも言えない金貨の袋、静かな気遣い、そして彼女の倒れた姿に見せた焦り。距離のあった二人の間に、わずかな波紋が広がっていく。
これは、王宮の寵姫から孤独な夫人へと変わる少女が、自らの手で居場所を築いていく物語。冷たい屋敷に灯る、静かな希望の光。
⚠️本作はAIとの共同製作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる