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197. ドラゴンスレイヤーになる俺4
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ソウェイサズ王国の役人達は、それきり文句を言うことはなく、調査に加わることもなく、遺体を一つ抱えて、北方都市へと戻ることになった。
ニーズヘッグの解体は、その場にいる者の中ではミカエルしかすることが出来ず(ジルも強さを考えれば出来るはずだが、表向き)、時間を考えればとてもではないが、調査団の帰国には間に合わない。
どうするかと話し合った結果、ドワーフ族にお願いすることになった。
ドワーフに伝手があるのは、ミカエルとジルである。
予定と移動の都合を考えれば、必然的にジルに死骸を預けることになり、物議を醸したものの、倒した本人であるミカエルが、ジルに任せると発言したことで、収拾した。
「あ、あの!我々冒険者ギルドの職員も、是非同行させて頂けないでしょうか…!」
「…なに?」
ギルドマスターの提案に嫌そうな顔をしたジルだったが、必要性を説かれて納得した。
元々調査団に入っていない帝国に、死骸を任せるのは不安であること。
第三者が同行し、解体や素材の記録に立ち会う必要があること。
占有権を持つミカエルの手に渡るまで、見届ける者が必要であること。
「ミカエルに、会う口実が出来る」
「…あ、うん。そうだね」
顔を輝かせてジルに言われ、ミカエルは苦笑した。
月に一度は会っているのだが。
最近は別件で、会う機会もあったのだが。
素直に会いたいと望んでもらえるのは、嬉しいことだった。
興奮した様子のギルドマスターが、ミカエルに笑顔を向けた。
四十代半ば程に見える獅子獣人の女性であるが、背が高くすらりとしていて、笑顔がキュートであった。
「ドラゴンスレイヤーの認定は、すぐにでも。冒険者ギルドからお渡し出来るのは、トロフィーと、解体確認後のドラゴンの素材くらいなのですが」
「いえ、十分です。ありがとうございます」
「では戻るとするか」
カノラド王の声かけに、一同頷いた。
「はい」
ニーズヘッグはジルのマジックバッグに収納され、冒険者ギルドの職員は、ジルに同行して帝国へ行くという。
ジルはその後、カノラド連邦へと戻って、会談を仕切り直すようだった。
「ジル。せっかく来てくれたのに、面倒なこと任せてごめんね」
崖上に登り、広場へと戻る短い距離でミカエルが詫びれば、ジルはきょとんと目を瞬いた。
「面倒なことなんて、何もないよ。ミカエルに会えたし」
「…そこトレードオフでいいの?」
「それ以上のことある?」
「…えっと…」
「あ、そうそう。ヴェルンドが、鍛えがいのある職人をありがとうって礼を言ってた」
「…良かった。こちらこそ、受け入れてもらってありがとう」
「魔道具職人だったよね。適正を見て、配置するから安心して」
「うん。…本当にありがとう」
本当は昨日、ご友人に連れ出されなければ、帝国に赴いてその話をする予定だった。
ミカエルが紹介したのは、エミルだった。
我が国で最も有名な、『魔道具工房モルトゥン』の店主、ダンテ・モルトゥン氏の娘である。
魔族領でレベル上げを始めて最初の休日、バージルとロベルトと共に訪ねた魔道具工房は、古びたビルの三階に移転しており、閑古鳥の鳴く閉店間際の状態になっていた。
やつれて疲れ切った顔で迎えてくれたエミルは、実年齢より十以上は老けて見え、十年近くぶりに訪れたミカエルを見て、涙を流しながら状況を話してくれた。
ダンテ・モルトゥン氏が結界の魔道具を一手に引き受け、工房が有名になってから、色々な商会から権利を売ってくれと交渉を持ちかけられていたが、モルトゥン氏は全て断っていた。
いずれは娘と婿に継がせると言い、自分がやれるうちは自分がやりたい、という職人だった。
買収金額を釣り上げられても靡かないモルトゥン氏を、娘も従業員も尊敬していたし、ずっとこの人の下でやっていきたいと考えていた。
これまでも素材の仕入先を奪われたり、お得意様を奪われたりといった嫌がらせはあったものの、本格的に潰しにかかってきたのは、ちょうどミカエルが留学した頃だと言った。
悪い噂を流され、不良品だとクレームが相次いで入るようになった。
従業員の引き抜きが始まり、一人、また一人と従業員が消えていく。
それでも結界の魔道具の需要が、尽きることはない。
付いてきてくれる従業員と共に、彼らは踏ん張っていた。
権利書は、モルトゥン氏の寝室のクローゼットの引き出しの底に、隠されていた。
それがある日、盗まれた。
盗んだのは、エミルの夫、婿入りした男だった。
愛人にそそのかされ、莫大な金に目がくらんだ男は、権利書をボイル侯爵の商会に売ったのだった。
婿だった男は、ボイル侯爵が新たに立ち上げた魔道具工房の主任として迎えられ、引き抜かれた従業員達と共に、結界の魔道具を作り始めたという。
特許の申請者の名前は書き換えられ、モルトゥン氏は結界の魔道具を作る権利を失った。
嫌がらせはなくならず、取引先は奪われ続け、客足は遠のく。
失意の中で、モルトゥン氏が亡くなった。
必死に店を守ろうとエミルは努力したものの、客は戻らず、店の維持も出来なくなり、移転せざるを得なくなった。
魔道具工房モルトゥンは潰れた、という噂が流れ、わざわざ探してまで来てくれる客も、その頃にはほとんどおらず、この店ももう近日中に閉店する、と言った。
別の都市で、どこかの魔道具工房で雇ってもらうつもりだというエミルの表情に、光はなかった。
娘のイオナが病に倒れ、治療代にも費用がかかる。
もうどうすればいいのか、と、心も折れかけているようだった。
彼女は、ボイル侯爵の商会が嫌がらせをした、という証拠、夫が権利書を売って多額の報酬を受け取っていた証拠を、持っていた。
ついでに、夫の愛人が商会長の愛人であることまで、突き止めていた。
騎士団詰所に相談に行っても、取りあってもらえなかったという。
証拠を奪われないよう、常に気を張っていなければならないエミルは、眠れない日々を送っていた。
ミカエルは、証拠を渡してもらうことと引き替えに、身の安全を保障したのだった。
魔道具職人として働き続けたい、という、彼女の希望を叶える為の伝手は、自国にはなかった。
ジルに相談し、母娘を受け入れてもらったのだった。
彼女は手先が器用で、細部の加工を得意としていた。
今後ミカエルが作る魔道具に、繊細な加工が必要になった時には、役に立ってくれることだろう。
「…実は、冒険者装束のコートがぼろぼろになっちゃったんだ。それの相談もしたいし、時間を作って、様子を見に行くね」
ミカエルが言えば、ジルが嬉しそうに笑う。
「もちろん。いつでも来てね」
「…俺の所にも、いつでも遊びに来てくれて構わないよ、ミカエル」
いつの間にかミカエルの隣に並んだカノラド王が、囁いた。
気配を感じず、驚いた。
…この人も、メインの攻略対象者なのだった。
ポテンシャルは、とてつもなく高いのだ。
鍛えれば鍛えただけ、強くなる人なのだった。
五十を過ぎてなお衰えないその筋肉が素晴らしいと思いつつ、カノラド王を射殺しそうな目で睨みつけるジルを宥めつつ、ミカエルは困ったように小さく笑った。
「盗み聞きは、困ります」
「聞いてないから、安心しておくれ。時間を作って様子を見に行く、とミカエルが言ったのは、聞こえたけどね」
「そうですか…。カノラド連邦にも、また遊びに行かせて下さいね」
「いつでも大歓迎するよ」
「ありがとうございます」
すでにマジックテント型の天幕は撤去されており、聖女とご友人が過ごす天幕のみが残されていた。
もうジルと二人で話す機会は得られなさそうだったので、カノラド王はいるが諦めて、ミカエルはマジックバッグから魔剣ダーインスレイヴを取り出し、ジルへと渡した。
「…これ、倒した時に手元にあって、無意識に収納しちゃってたみたいなんだ。これがダーインスレイヴだと思う。戦利品として記録しておいてくれると、助かるんだけど」
「…え、これ魔力すごいね?」
「うん。虹色の魔石が嵌ってる」
「…えぇぇ…何これ嫉妬する」
ジルは受け取った真っ黒な鞘に収まった剣を一通り眺め、忌々しげに呟いた。
「え?えっと、ジルが欲しいってこと?」
アルヴィスに確認してみて、いいと言ったらあげてもいいかな、と思ったのだが、ジルは首を振った。
「俺があげた剣より強い!ムカつく!」
「あ、そっち…」
「オシウィアド皇帝は、愉快な人物でいらっしゃるようだ」
「…カノラド王は、図太い神経をお持ちのようだ」
「それほどでも」
またカノラド王とジルの間で、牽制が始まっていた。
仲良くしよ?
全員、北方都市へと移動する。
調査団の面々は、転移装置から各国へと帰国する予定となっており、勇者パーティーはそれを見送ってから、ホテルへと戻る。
明日からは、またレベル上げの毎日が始まるのだった。
「撤収する!」
最後の号令は、勇者パーティーのリーダーである、バージルだった。
昨日から今日にかけて、ミカエルにとっては激動の日々だった。
だがようやく日常に戻れると思うと、心から安堵した。
全世界で千年ぶりのドラゴンスレイヤーが現れたこと、それがソウェイサズ王国の第一王子ミカエルであることが、新聞や雑誌で一斉に紹介された。
我が国はといえば、冒険者ギルドに行けば、でかでかと張り紙がしてあるので冒険者は知っているが、新聞などでは全く取り上げられなかった為、知る者は少数となった。
聖女がやらかしたスキル発動については、「事故」として片づけられ、第三騎士団長の死は、どこにも取り上げられることはなかった。
ニーズヘッグの解体は、その場にいる者の中ではミカエルしかすることが出来ず(ジルも強さを考えれば出来るはずだが、表向き)、時間を考えればとてもではないが、調査団の帰国には間に合わない。
どうするかと話し合った結果、ドワーフ族にお願いすることになった。
ドワーフに伝手があるのは、ミカエルとジルである。
予定と移動の都合を考えれば、必然的にジルに死骸を預けることになり、物議を醸したものの、倒した本人であるミカエルが、ジルに任せると発言したことで、収拾した。
「あ、あの!我々冒険者ギルドの職員も、是非同行させて頂けないでしょうか…!」
「…なに?」
ギルドマスターの提案に嫌そうな顔をしたジルだったが、必要性を説かれて納得した。
元々調査団に入っていない帝国に、死骸を任せるのは不安であること。
第三者が同行し、解体や素材の記録に立ち会う必要があること。
占有権を持つミカエルの手に渡るまで、見届ける者が必要であること。
「ミカエルに、会う口実が出来る」
「…あ、うん。そうだね」
顔を輝かせてジルに言われ、ミカエルは苦笑した。
月に一度は会っているのだが。
最近は別件で、会う機会もあったのだが。
素直に会いたいと望んでもらえるのは、嬉しいことだった。
興奮した様子のギルドマスターが、ミカエルに笑顔を向けた。
四十代半ば程に見える獅子獣人の女性であるが、背が高くすらりとしていて、笑顔がキュートであった。
「ドラゴンスレイヤーの認定は、すぐにでも。冒険者ギルドからお渡し出来るのは、トロフィーと、解体確認後のドラゴンの素材くらいなのですが」
「いえ、十分です。ありがとうございます」
「では戻るとするか」
カノラド王の声かけに、一同頷いた。
「はい」
ニーズヘッグはジルのマジックバッグに収納され、冒険者ギルドの職員は、ジルに同行して帝国へ行くという。
ジルはその後、カノラド連邦へと戻って、会談を仕切り直すようだった。
「ジル。せっかく来てくれたのに、面倒なこと任せてごめんね」
崖上に登り、広場へと戻る短い距離でミカエルが詫びれば、ジルはきょとんと目を瞬いた。
「面倒なことなんて、何もないよ。ミカエルに会えたし」
「…そこトレードオフでいいの?」
「それ以上のことある?」
「…えっと…」
「あ、そうそう。ヴェルンドが、鍛えがいのある職人をありがとうって礼を言ってた」
「…良かった。こちらこそ、受け入れてもらってありがとう」
「魔道具職人だったよね。適正を見て、配置するから安心して」
「うん。…本当にありがとう」
本当は昨日、ご友人に連れ出されなければ、帝国に赴いてその話をする予定だった。
ミカエルが紹介したのは、エミルだった。
我が国で最も有名な、『魔道具工房モルトゥン』の店主、ダンテ・モルトゥン氏の娘である。
魔族領でレベル上げを始めて最初の休日、バージルとロベルトと共に訪ねた魔道具工房は、古びたビルの三階に移転しており、閑古鳥の鳴く閉店間際の状態になっていた。
やつれて疲れ切った顔で迎えてくれたエミルは、実年齢より十以上は老けて見え、十年近くぶりに訪れたミカエルを見て、涙を流しながら状況を話してくれた。
ダンテ・モルトゥン氏が結界の魔道具を一手に引き受け、工房が有名になってから、色々な商会から権利を売ってくれと交渉を持ちかけられていたが、モルトゥン氏は全て断っていた。
いずれは娘と婿に継がせると言い、自分がやれるうちは自分がやりたい、という職人だった。
買収金額を釣り上げられても靡かないモルトゥン氏を、娘も従業員も尊敬していたし、ずっとこの人の下でやっていきたいと考えていた。
これまでも素材の仕入先を奪われたり、お得意様を奪われたりといった嫌がらせはあったものの、本格的に潰しにかかってきたのは、ちょうどミカエルが留学した頃だと言った。
悪い噂を流され、不良品だとクレームが相次いで入るようになった。
従業員の引き抜きが始まり、一人、また一人と従業員が消えていく。
それでも結界の魔道具の需要が、尽きることはない。
付いてきてくれる従業員と共に、彼らは踏ん張っていた。
権利書は、モルトゥン氏の寝室のクローゼットの引き出しの底に、隠されていた。
それがある日、盗まれた。
盗んだのは、エミルの夫、婿入りした男だった。
愛人にそそのかされ、莫大な金に目がくらんだ男は、権利書をボイル侯爵の商会に売ったのだった。
婿だった男は、ボイル侯爵が新たに立ち上げた魔道具工房の主任として迎えられ、引き抜かれた従業員達と共に、結界の魔道具を作り始めたという。
特許の申請者の名前は書き換えられ、モルトゥン氏は結界の魔道具を作る権利を失った。
嫌がらせはなくならず、取引先は奪われ続け、客足は遠のく。
失意の中で、モルトゥン氏が亡くなった。
必死に店を守ろうとエミルは努力したものの、客は戻らず、店の維持も出来なくなり、移転せざるを得なくなった。
魔道具工房モルトゥンは潰れた、という噂が流れ、わざわざ探してまで来てくれる客も、その頃にはほとんどおらず、この店ももう近日中に閉店する、と言った。
別の都市で、どこかの魔道具工房で雇ってもらうつもりだというエミルの表情に、光はなかった。
娘のイオナが病に倒れ、治療代にも費用がかかる。
もうどうすればいいのか、と、心も折れかけているようだった。
彼女は、ボイル侯爵の商会が嫌がらせをした、という証拠、夫が権利書を売って多額の報酬を受け取っていた証拠を、持っていた。
ついでに、夫の愛人が商会長の愛人であることまで、突き止めていた。
騎士団詰所に相談に行っても、取りあってもらえなかったという。
証拠を奪われないよう、常に気を張っていなければならないエミルは、眠れない日々を送っていた。
ミカエルは、証拠を渡してもらうことと引き替えに、身の安全を保障したのだった。
魔道具職人として働き続けたい、という、彼女の希望を叶える為の伝手は、自国にはなかった。
ジルに相談し、母娘を受け入れてもらったのだった。
彼女は手先が器用で、細部の加工を得意としていた。
今後ミカエルが作る魔道具に、繊細な加工が必要になった時には、役に立ってくれることだろう。
「…実は、冒険者装束のコートがぼろぼろになっちゃったんだ。それの相談もしたいし、時間を作って、様子を見に行くね」
ミカエルが言えば、ジルが嬉しそうに笑う。
「もちろん。いつでも来てね」
「…俺の所にも、いつでも遊びに来てくれて構わないよ、ミカエル」
いつの間にかミカエルの隣に並んだカノラド王が、囁いた。
気配を感じず、驚いた。
…この人も、メインの攻略対象者なのだった。
ポテンシャルは、とてつもなく高いのだ。
鍛えれば鍛えただけ、強くなる人なのだった。
五十を過ぎてなお衰えないその筋肉が素晴らしいと思いつつ、カノラド王を射殺しそうな目で睨みつけるジルを宥めつつ、ミカエルは困ったように小さく笑った。
「盗み聞きは、困ります」
「聞いてないから、安心しておくれ。時間を作って様子を見に行く、とミカエルが言ったのは、聞こえたけどね」
「そうですか…。カノラド連邦にも、また遊びに行かせて下さいね」
「いつでも大歓迎するよ」
「ありがとうございます」
すでにマジックテント型の天幕は撤去されており、聖女とご友人が過ごす天幕のみが残されていた。
もうジルと二人で話す機会は得られなさそうだったので、カノラド王はいるが諦めて、ミカエルはマジックバッグから魔剣ダーインスレイヴを取り出し、ジルへと渡した。
「…これ、倒した時に手元にあって、無意識に収納しちゃってたみたいなんだ。これがダーインスレイヴだと思う。戦利品として記録しておいてくれると、助かるんだけど」
「…え、これ魔力すごいね?」
「うん。虹色の魔石が嵌ってる」
「…えぇぇ…何これ嫉妬する」
ジルは受け取った真っ黒な鞘に収まった剣を一通り眺め、忌々しげに呟いた。
「え?えっと、ジルが欲しいってこと?」
アルヴィスに確認してみて、いいと言ったらあげてもいいかな、と思ったのだが、ジルは首を振った。
「俺があげた剣より強い!ムカつく!」
「あ、そっち…」
「オシウィアド皇帝は、愉快な人物でいらっしゃるようだ」
「…カノラド王は、図太い神経をお持ちのようだ」
「それほどでも」
またカノラド王とジルの間で、牽制が始まっていた。
仲良くしよ?
全員、北方都市へと移動する。
調査団の面々は、転移装置から各国へと帰国する予定となっており、勇者パーティーはそれを見送ってから、ホテルへと戻る。
明日からは、またレベル上げの毎日が始まるのだった。
「撤収する!」
最後の号令は、勇者パーティーのリーダーである、バージルだった。
昨日から今日にかけて、ミカエルにとっては激動の日々だった。
だがようやく日常に戻れると思うと、心から安堵した。
全世界で千年ぶりのドラゴンスレイヤーが現れたこと、それがソウェイサズ王国の第一王子ミカエルであることが、新聞や雑誌で一斉に紹介された。
我が国はといえば、冒険者ギルドに行けば、でかでかと張り紙がしてあるので冒険者は知っているが、新聞などでは全く取り上げられなかった為、知る者は少数となった。
聖女がやらかしたスキル発動については、「事故」として片づけられ、第三騎士団長の死は、どこにも取り上げられることはなかった。
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