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198. 新学期が始まる前日の俺※
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ニーズヘッグの件は、調査団だけでなく、聖騎士団や王国騎士団に混じって記者がいたらしく、魔法陣が出現した周辺の石碑から、洞窟内の石碑の写真まで、大々的に特集が組まれて連日大騒ぎ、らしい。
ミカエルの写真も数多く掲載され、コメントも求められたが、「脅威が一つ、取り除かれて良かった」と、模範解答を残すに止めた。
魔族領にある為、観光地化することが出来ず、冒険者以外が足を踏み入れる土地でもないので、「いつか行ってみたいけど、無理かもしれない場所」として、少年少女の心に刻まれたようだった。
それも国外のことであり、国内は至って静かである。
夏期休暇の残りをレベル上げに費やし、皆のやる気が上がっていた為、とても効率良く魔獣を倒すことが出来た。
「俺も、ミカエル殿下のように強くなります!」
肝心要の勇者殿のやる気がアップしたことが、何よりだった。
魔王のとどめは、勇者にしか刺すことが出来ないからだ。
魔王討伐の主役はあくまでも、勇者と聖女である。
ミカエル達は引き立て役であるが、強ければ強い程、勇者達が楽になる。
勇者も強ければ、もっともっと楽になるのだった。
順調にレベリングを済ませて最終日、ようやくミカエルは自宮へと戻って来た。
侍女ミルラやマリーベルに温かく迎えられ、帰って来たのだと実感した。
毒殺暗殺を警戒し、夏期休暇前、自宮にほとんどいない日々を過ごしていたにも関わらず、彼女達の態度は変わらなかったことが、嬉しかった。
ひとまず自宮で着替えを済ませ、堂々と、エントランスから出てアルヴィスの宮へと向かう。
「殿下、お気をつけて行ってらっしゃいまし」
「うん。ありがとうミルラ。夜には戻って来るよ」
「はい」
ミカエルは、ようやく日常が戻って来たことに、安堵していた。
アルヴィスの宮は、いつもと変わらない。
ただ、二階には結界が張られており、一歩でも中に入れば、満たされた魔力の濃度に驚くことだろう。
結界から漏れ出ていた魔力は解消されており、今は完全に結界内に収まっている。
侍女や護衛騎士も二階には入らないよう伝達されており、近づくことはないようだった。
「ただいま、アル」
「おかえり、ミカエル」
ここまでは、いつも通りだった。
風呂に入る時には、自宮へ戻る。
夏期休暇前には、そういう生活だった。
夏期休暇中は、寝る時にアルヴィスの宮へ戻って来て、朝ホテルへ帰る生活だった。
これからは、結界内の魔力を完全に処理するまでは、消灯後、再びミカエルがアルヴィスの宮へ戻って来ることになる。
まぁそれはいいのだが。
「…アル?…まだ昼ですけど…」
「今日は、明日に備えて、すぐに寝たいだろう?」
「まぁそりゃぁ、新学期が始まるから…って、アル、ちょっと待とうか。話をしたいん、だけど!?」
「どうぞ。聞いてる」
「ベッドに連れ込んで言う台詞じゃ、ないんだよなぁ…。ていうか、お風呂入りたい」
「浴室でのプレイがご希望か?」
「…うーん、わざと論点ずらしてくる所、可愛いなって思うんだけど、僕汗かいたから…って、脱がさないで!」
おかしい。
なぜ部屋に入るなり、ベッドに押し倒されて脱がされているのか。
「これでいいか?」
浄化の魔道具を発動されて、ミカエルの身体は綺麗になった。
攻防してみた所で、なんだかんだとアルヴィスに甘い自覚のあるミカエルは、許してしまう。
シャツを脱がされながらキスをされると、不満を持続するのも困難だった。
魔力を調整しろ、と言ってから、アルヴィスは慎重になったし、優しくなった。
そうそう意識を飛ばすことはなくなったが、意識を失えないことで延々と快感漬けになる、という、別の悩みも出てきていた。
舌を絡めて魔力を流し込まれ、ミカエルの身体が震える。
「…ん、ぅ…っん、も…っホントに、このまま、話するけど…っ?」
「構わない」
「…僕が構う、…っん、ん、ちょ、…っ」
乳首を摘まれ、くすぐるように軽く指先を動かされると、無意識に腰が揺れる。
一度覚え込まされた感覚は、回数を重ねるごとに鋭敏になっていく。
アルヴィスの体温が直接触れるとキモチがイイし、ナカを犯されると、もっと欲しいと思うようになってしまった。
「…勃ってるな」
「ふ…っ、ちょ、っと、そこさわらないで…!」
「そうか?わかった」
「っぅぁ…あ、あっ、な、…っんで、そこ、」
「触ってないぞ」
「う…っぁ、そ、だけど…!」
先端を軽く撫で、そのままスルーして後ろに指を突っ込まれた。
入口付近でローションを擦り付けるように浅く抜き差しされて思わず締め付けてしまったが、アルヴィスは軽く息を吐きつつ笑って指を一本、根元まで突き入れた。
「んん、…っぅ…!」
ぐりぐりと動かされても、指一本では物足りない。
襞を撫でるように、指の腹で動かされるのに合わせて、膝が揺れた。
左手で膝裏を掴まれ足を大きく開かされ、アルヴィスの着衣が肌に密着してくすぐったい。
乳首に吸いつくアルヴィスの頭を掴んで、引き剥がす。
「…どうした?」
「…アルも、服脱いで」
シャツの襟首を引っ張ってやれば、アルヴィスは指を引き抜いて身体を起こし、ミカエルの両腕を掴んで、ミカエルの身体も引き起こした。
「では、脱がせてくれ」
「…え」
目を細めて微笑うアルヴィスの顔は、とてもエロい。
何を企んでいるのかと思う間もなく、顔が近づいて来て唇を食まれた。
舌を入れられ、魔力を流される。
また震えるミカエルの両手を取って自身の胸元に当て、アルヴィスがボタンを外せと促した。
仕方なくボタンの位置を探って一つずつ外していくが、その間にもアルヴィスの指がミカエルの身体をフェザータッチで撫でていく。
「ん、…っん、…っ」
舌を吸われ、くちゅくちゅと音を立てて唾液が絡む。
くすぐったいはずなのに、痺れるような快感があって、下半身が疼いた。
震える指先でなんとかシャツを外したが、次はこちら、と布の下から熱く存在を主張するアルヴィスのモノへと導かれ、その熱さと質量にミカエルの手が止まった。
「…そのまま、触ってろ」
「ぅ…」
はだけたシャツを脱いで、ベッド端に投げるアルヴィスの身体は、ミカエルが理想とする男の身体そのもので、羨ましい限りである。
厚みがある筋肉には無駄がなく、美しい。
ごつすぎず、細すぎない。
完璧なバランスだと、思っていた。
またキスをされて、魔力を流された。
一度あたりに流される量は減ったが、回数が増えた。
「んん…っ」
意識は飛ばなくとも、快感は溜まっていく。
わけがわからなくなっていくのもいつものことで、アルヴィスが自分で寛げたズボンから飛び出したモノを、握らされて我に返った。
「んっ…、あ、アル…!」
唇は離れたが、代わりに親指を口の中に突っ込まれ、指の腹で舌を撫でられた。
熱く息を吐くアルヴィスの顔に、余裕がなくなっていた。
握ったアルヴィスのモノが、反り返ってピクピクと震えている。
「…すぐイきそうだから、飲んでくれないか」
「…飲…」
「魔力を。口で」
アルヴィスのモノを握らされた左手は、アルヴィスの手のひらで覆われていて動かせない。
空いた右手で舌を弄る手をどけて、ミカエルは頭が回らなくなり始めたなりに、考えた。
「……ん、と、それは結局、精液を飲むということでは…」
「そうなるな」
ちら、と視線を下ろすと、とても立派なモノが、立派に屹立している。
これが、ミカエルのナカを犯すモノだと思うと、後ろがきゅっと締まるのを自覚した。
「…わかった」
ミカエルに挿れるまで、我慢出来ないというなら仕方ない。
魔力を処理するなら、大事なことだった。
大丈夫。
自分も男なので、どうすればキモチイイかは、わかります。
カリと竿を緩く撫でながら、先端に舌を伸ばした。
少しずつ唾液を含ませて濡らしながら、自分の口には余りそうなモノを咥える。
舌と指を動かしながら上下させ、唇でカリを引っかけるように絞ると、アルヴィスが息を詰めた。
「…ああ、上手いな、ミカエル…っ」
「ふ…っん…っ」
ミカエルの髪を撫でて褒めてくる声が、熱く濡れている。
上下させる幅を大きく、深くするたびに唾液が溢れ、指先を伝ってシーツに落ちた。
じゅるっと音を立てて吸い上げると、アルヴィスの呼吸が荒くなる。
慣れていないのですぐに顎が疲れてしまうが、指で輪っかを作って根元も扱き上げるようにしてやると、アルヴィスの手がミカエルの後頭部を押さえた。
「…出る…っ奥まで、咥えて」
「ん…っぅ、んんん…ッ!」
ぐっ押さえつけられ、ミカエルの口はアルヴィスのモノで、いっぱいになった。
喉奥に叩きつけられる生温かい精液を、反射で飲み込むが、飲み込み切れずに咳き込んだ。
魔力が同時に流れてきて、ミカエルの後ろがひどく疼く。
アルヴィスの精液もマズイはずなのに、魔力のせいでそこまでマズイとは、感じなかった。
美味くはなかったことだけが、救いと言えば救いだった。
「ふ…っ」
アルヴィスの吐息が、エロい。
早く挿入して欲しい、と思う日が来るとは、ミカエルは思いもしなかった。
絶対に、魔力のせい。
一回イったというのに、アルヴィスのモノはすぐに元気になった。
目の前で即復活される気分というのは、どう表現すればいいものか。
ミカエルは存在を主張してくるモノから手を離し、そのままアルヴィスの首に縋りつくように抱きついて、口を塞いだ。
舌を入れて、口の中に残ったアルヴィスの精液を唾液ごと送り込むと、あからさまにアルヴィスが顔を顰めた。
自分の精液なんて、飲みたくなかろう。
俺の気持ちが、わかったか。
そのまま押し倒してやろうとしたのに、アルヴィスは倒れなかった。
どんな体幹してるんだ、と心中にツッコミつつ、気づけば形勢逆転され、ミカエルがベッドの上に押し倒されていた。
送り込んだはずの精液と唾液が返ってきて、苦しさに思わず飲み込むと、アルヴィスが低く笑った。
「ぅ…っぐ、げほっ…!そ、そこは、大人しく飲むとこだろ…!」
「残念。自分のモノは飲みたくない」
「…僕の立場は?」
「おまえは精液だって、美しい」
「意味わかんない」
「…そういえば、話はどうなった?」
ミカエルの身体を俯せにし、尻を高く浮かせてアルヴィスが再びローションを垂らし、入口に指を入れた。
すんなりと一本入ったのでもう一本増やし、ぐちゅぐちゅとナカを広げるように抜き差しする。
「っん、ぁ…っこ、の状況で、出来ると思う…っ?」
「俺は出来るが、ミカエルは無理かもしれないな」
「ぁ、っんふ、ぁあ、も、余裕かよ…っは…っ」
「冗談だ。…おまえに挿れたら、余裕なんて飛んでなくなる」
「…そういうこと言うの、禁止っ…!」
「…なぜだ?」
「は、…ぁっ聞くのも、禁止!」
「むずかしいな」
「…っ…ぁっ」
アルヴィスの指が前立腺を擦ると、ミカエルは身体をひくつかせ、きゅっと指を食い締める。
吸いついて来るような襞の動きは、アルヴィスの理性を削る。
ああ、可愛いな。
アルヴィスは熱い息を吐きながら指を引き抜き、再度ミカエルを仰向けにした。
こんなミカエルを前にして、余裕なんてものは、ない。
膝裏を抱え上げ、自身をミカエルのソコへと宛がう。
紅潮した身体を震わせ、潤んだ瞳で睨みつけられては、理性が保ちようもなかった。
「…聞いてる僕が、恥ずかしい」
「ただの事実なのに」
前立腺をしっかりと狙って奥まで擦り上げながら押し込むと、ミカエルは顎を仰け反らせてイっていた。
急速に締まるナカは、キツくて狭くて、とても熱い。
「っはぁ…おまえのナカが食いついてくるから、いつも、余裕がなくなる…っ」
「ぁ、…っそ、れは、アルのせい…!」
「っふ、そう、そうだな。…だから、責任は取らないと」
話をするのは、もう少し後になりそうだった。
ミカエルの写真も数多く掲載され、コメントも求められたが、「脅威が一つ、取り除かれて良かった」と、模範解答を残すに止めた。
魔族領にある為、観光地化することが出来ず、冒険者以外が足を踏み入れる土地でもないので、「いつか行ってみたいけど、無理かもしれない場所」として、少年少女の心に刻まれたようだった。
それも国外のことであり、国内は至って静かである。
夏期休暇の残りをレベル上げに費やし、皆のやる気が上がっていた為、とても効率良く魔獣を倒すことが出来た。
「俺も、ミカエル殿下のように強くなります!」
肝心要の勇者殿のやる気がアップしたことが、何よりだった。
魔王のとどめは、勇者にしか刺すことが出来ないからだ。
魔王討伐の主役はあくまでも、勇者と聖女である。
ミカエル達は引き立て役であるが、強ければ強い程、勇者達が楽になる。
勇者も強ければ、もっともっと楽になるのだった。
順調にレベリングを済ませて最終日、ようやくミカエルは自宮へと戻って来た。
侍女ミルラやマリーベルに温かく迎えられ、帰って来たのだと実感した。
毒殺暗殺を警戒し、夏期休暇前、自宮にほとんどいない日々を過ごしていたにも関わらず、彼女達の態度は変わらなかったことが、嬉しかった。
ひとまず自宮で着替えを済ませ、堂々と、エントランスから出てアルヴィスの宮へと向かう。
「殿下、お気をつけて行ってらっしゃいまし」
「うん。ありがとうミルラ。夜には戻って来るよ」
「はい」
ミカエルは、ようやく日常が戻って来たことに、安堵していた。
アルヴィスの宮は、いつもと変わらない。
ただ、二階には結界が張られており、一歩でも中に入れば、満たされた魔力の濃度に驚くことだろう。
結界から漏れ出ていた魔力は解消されており、今は完全に結界内に収まっている。
侍女や護衛騎士も二階には入らないよう伝達されており、近づくことはないようだった。
「ただいま、アル」
「おかえり、ミカエル」
ここまでは、いつも通りだった。
風呂に入る時には、自宮へ戻る。
夏期休暇前には、そういう生活だった。
夏期休暇中は、寝る時にアルヴィスの宮へ戻って来て、朝ホテルへ帰る生活だった。
これからは、結界内の魔力を完全に処理するまでは、消灯後、再びミカエルがアルヴィスの宮へ戻って来ることになる。
まぁそれはいいのだが。
「…アル?…まだ昼ですけど…」
「今日は、明日に備えて、すぐに寝たいだろう?」
「まぁそりゃぁ、新学期が始まるから…って、アル、ちょっと待とうか。話をしたいん、だけど!?」
「どうぞ。聞いてる」
「ベッドに連れ込んで言う台詞じゃ、ないんだよなぁ…。ていうか、お風呂入りたい」
「浴室でのプレイがご希望か?」
「…うーん、わざと論点ずらしてくる所、可愛いなって思うんだけど、僕汗かいたから…って、脱がさないで!」
おかしい。
なぜ部屋に入るなり、ベッドに押し倒されて脱がされているのか。
「これでいいか?」
浄化の魔道具を発動されて、ミカエルの身体は綺麗になった。
攻防してみた所で、なんだかんだとアルヴィスに甘い自覚のあるミカエルは、許してしまう。
シャツを脱がされながらキスをされると、不満を持続するのも困難だった。
魔力を調整しろ、と言ってから、アルヴィスは慎重になったし、優しくなった。
そうそう意識を飛ばすことはなくなったが、意識を失えないことで延々と快感漬けになる、という、別の悩みも出てきていた。
舌を絡めて魔力を流し込まれ、ミカエルの身体が震える。
「…ん、ぅ…っん、も…っホントに、このまま、話するけど…っ?」
「構わない」
「…僕が構う、…っん、ん、ちょ、…っ」
乳首を摘まれ、くすぐるように軽く指先を動かされると、無意識に腰が揺れる。
一度覚え込まされた感覚は、回数を重ねるごとに鋭敏になっていく。
アルヴィスの体温が直接触れるとキモチがイイし、ナカを犯されると、もっと欲しいと思うようになってしまった。
「…勃ってるな」
「ふ…っ、ちょ、っと、そこさわらないで…!」
「そうか?わかった」
「っぅぁ…あ、あっ、な、…っんで、そこ、」
「触ってないぞ」
「う…っぁ、そ、だけど…!」
先端を軽く撫で、そのままスルーして後ろに指を突っ込まれた。
入口付近でローションを擦り付けるように浅く抜き差しされて思わず締め付けてしまったが、アルヴィスは軽く息を吐きつつ笑って指を一本、根元まで突き入れた。
「んん、…っぅ…!」
ぐりぐりと動かされても、指一本では物足りない。
襞を撫でるように、指の腹で動かされるのに合わせて、膝が揺れた。
左手で膝裏を掴まれ足を大きく開かされ、アルヴィスの着衣が肌に密着してくすぐったい。
乳首に吸いつくアルヴィスの頭を掴んで、引き剥がす。
「…どうした?」
「…アルも、服脱いで」
シャツの襟首を引っ張ってやれば、アルヴィスは指を引き抜いて身体を起こし、ミカエルの両腕を掴んで、ミカエルの身体も引き起こした。
「では、脱がせてくれ」
「…え」
目を細めて微笑うアルヴィスの顔は、とてもエロい。
何を企んでいるのかと思う間もなく、顔が近づいて来て唇を食まれた。
舌を入れられ、魔力を流される。
また震えるミカエルの両手を取って自身の胸元に当て、アルヴィスがボタンを外せと促した。
仕方なくボタンの位置を探って一つずつ外していくが、その間にもアルヴィスの指がミカエルの身体をフェザータッチで撫でていく。
「ん、…っん、…っ」
舌を吸われ、くちゅくちゅと音を立てて唾液が絡む。
くすぐったいはずなのに、痺れるような快感があって、下半身が疼いた。
震える指先でなんとかシャツを外したが、次はこちら、と布の下から熱く存在を主張するアルヴィスのモノへと導かれ、その熱さと質量にミカエルの手が止まった。
「…そのまま、触ってろ」
「ぅ…」
はだけたシャツを脱いで、ベッド端に投げるアルヴィスの身体は、ミカエルが理想とする男の身体そのもので、羨ましい限りである。
厚みがある筋肉には無駄がなく、美しい。
ごつすぎず、細すぎない。
完璧なバランスだと、思っていた。
またキスをされて、魔力を流された。
一度あたりに流される量は減ったが、回数が増えた。
「んん…っ」
意識は飛ばなくとも、快感は溜まっていく。
わけがわからなくなっていくのもいつものことで、アルヴィスが自分で寛げたズボンから飛び出したモノを、握らされて我に返った。
「んっ…、あ、アル…!」
唇は離れたが、代わりに親指を口の中に突っ込まれ、指の腹で舌を撫でられた。
熱く息を吐くアルヴィスの顔に、余裕がなくなっていた。
握ったアルヴィスのモノが、反り返ってピクピクと震えている。
「…すぐイきそうだから、飲んでくれないか」
「…飲…」
「魔力を。口で」
アルヴィスのモノを握らされた左手は、アルヴィスの手のひらで覆われていて動かせない。
空いた右手で舌を弄る手をどけて、ミカエルは頭が回らなくなり始めたなりに、考えた。
「……ん、と、それは結局、精液を飲むということでは…」
「そうなるな」
ちら、と視線を下ろすと、とても立派なモノが、立派に屹立している。
これが、ミカエルのナカを犯すモノだと思うと、後ろがきゅっと締まるのを自覚した。
「…わかった」
ミカエルに挿れるまで、我慢出来ないというなら仕方ない。
魔力を処理するなら、大事なことだった。
大丈夫。
自分も男なので、どうすればキモチイイかは、わかります。
カリと竿を緩く撫でながら、先端に舌を伸ばした。
少しずつ唾液を含ませて濡らしながら、自分の口には余りそうなモノを咥える。
舌と指を動かしながら上下させ、唇でカリを引っかけるように絞ると、アルヴィスが息を詰めた。
「…ああ、上手いな、ミカエル…っ」
「ふ…っん…っ」
ミカエルの髪を撫でて褒めてくる声が、熱く濡れている。
上下させる幅を大きく、深くするたびに唾液が溢れ、指先を伝ってシーツに落ちた。
じゅるっと音を立てて吸い上げると、アルヴィスの呼吸が荒くなる。
慣れていないのですぐに顎が疲れてしまうが、指で輪っかを作って根元も扱き上げるようにしてやると、アルヴィスの手がミカエルの後頭部を押さえた。
「…出る…っ奥まで、咥えて」
「ん…っぅ、んんん…ッ!」
ぐっ押さえつけられ、ミカエルの口はアルヴィスのモノで、いっぱいになった。
喉奥に叩きつけられる生温かい精液を、反射で飲み込むが、飲み込み切れずに咳き込んだ。
魔力が同時に流れてきて、ミカエルの後ろがひどく疼く。
アルヴィスの精液もマズイはずなのに、魔力のせいでそこまでマズイとは、感じなかった。
美味くはなかったことだけが、救いと言えば救いだった。
「ふ…っ」
アルヴィスの吐息が、エロい。
早く挿入して欲しい、と思う日が来るとは、ミカエルは思いもしなかった。
絶対に、魔力のせい。
一回イったというのに、アルヴィスのモノはすぐに元気になった。
目の前で即復活される気分というのは、どう表現すればいいものか。
ミカエルは存在を主張してくるモノから手を離し、そのままアルヴィスの首に縋りつくように抱きついて、口を塞いだ。
舌を入れて、口の中に残ったアルヴィスの精液を唾液ごと送り込むと、あからさまにアルヴィスが顔を顰めた。
自分の精液なんて、飲みたくなかろう。
俺の気持ちが、わかったか。
そのまま押し倒してやろうとしたのに、アルヴィスは倒れなかった。
どんな体幹してるんだ、と心中にツッコミつつ、気づけば形勢逆転され、ミカエルがベッドの上に押し倒されていた。
送り込んだはずの精液と唾液が返ってきて、苦しさに思わず飲み込むと、アルヴィスが低く笑った。
「ぅ…っぐ、げほっ…!そ、そこは、大人しく飲むとこだろ…!」
「残念。自分のモノは飲みたくない」
「…僕の立場は?」
「おまえは精液だって、美しい」
「意味わかんない」
「…そういえば、話はどうなった?」
ミカエルの身体を俯せにし、尻を高く浮かせてアルヴィスが再びローションを垂らし、入口に指を入れた。
すんなりと一本入ったのでもう一本増やし、ぐちゅぐちゅとナカを広げるように抜き差しする。
「っん、ぁ…っこ、の状況で、出来ると思う…っ?」
「俺は出来るが、ミカエルは無理かもしれないな」
「ぁ、っんふ、ぁあ、も、余裕かよ…っは…っ」
「冗談だ。…おまえに挿れたら、余裕なんて飛んでなくなる」
「…そういうこと言うの、禁止っ…!」
「…なぜだ?」
「は、…ぁっ聞くのも、禁止!」
「むずかしいな」
「…っ…ぁっ」
アルヴィスの指が前立腺を擦ると、ミカエルは身体をひくつかせ、きゅっと指を食い締める。
吸いついて来るような襞の動きは、アルヴィスの理性を削る。
ああ、可愛いな。
アルヴィスは熱い息を吐きながら指を引き抜き、再度ミカエルを仰向けにした。
こんなミカエルを前にして、余裕なんてものは、ない。
膝裏を抱え上げ、自身をミカエルのソコへと宛がう。
紅潮した身体を震わせ、潤んだ瞳で睨みつけられては、理性が保ちようもなかった。
「…聞いてる僕が、恥ずかしい」
「ただの事実なのに」
前立腺をしっかりと狙って奥まで擦り上げながら押し込むと、ミカエルは顎を仰け反らせてイっていた。
急速に締まるナカは、キツくて狭くて、とても熱い。
「っはぁ…おまえのナカが食いついてくるから、いつも、余裕がなくなる…っ」
「ぁ、…っそ、れは、アルのせい…!」
「っふ、そう、そうだな。…だから、責任は取らないと」
話をするのは、もう少し後になりそうだった。
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優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。 そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。 最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
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