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4 バカなことさえしでかさなければパーティは楽しい。
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目がチカチカする真っ赤なドレスのこの女は――
「出た! イエロー伯爵家のトマトさんだな!」
「あの。こちらの話はまとまりそうなんで、彼と貴女のことは、その後で」
という友人の台詞は、あっさり無視されました。
「アタシの可愛い従兄弟サトイモちゃんが、この無礼者のボケナスカボチャに無理矢理言わされましたって証言する手はずなんですもの!」
「さては! ダーリンが責任をとらされて、あなたと結婚するって計略だな! そうはいかないぞ!」
ああっ! 現愛人と切られた愛人の修羅場が始まってしまいます!
せっかく穏当におさまりそうだったのに!
「失礼ですわね! こんな無礼で考えなしの口先男なんかと結婚なんかしたくありませんわ!
この男が騒ぎを起こした責任をとって、罰をくらいやがれってだけですわ!
廃嫡なら最高ですわね! おーっほっほっほ!」
「え? もしかして……貴女も?」
「婚約者さん、アナタもですのっ?」
一瞬で、わたくしたち、わかりあえました!
「そうです。今現在、この人相手には愛も恋もないのです!」
「アタシもですわ! ただ手紙一枚で別れようとする態度にむかついただけですわ!」
「わかる! ちょっと誠意がなさすぎ! ダーリンちゃんと謝るべき!」
3人でにらむと。
「ううっ……うそだうそだみんなが俺を責めるなんて! 俺はモテモテのはずなのに!」
「うん。口説くのはうまいよね。一週間前に口説きに口説きに口説かれて、わたしぽーっとしちゃったもん」
妙に懐かしむ口調でヒマワリ嬢。
「まぁアナタもですの! アタシ、殿方にあんなに情熱的迫られたのは初めてでしたわ……。
今となっては半年前の自分に『このドテナスカボチャだけはやめなさい!』と言ってさしあげたいですわ!」
よほど当時の自分にお怒りなのか、床をヒールで蹴るトマト嬢。
ちょっとだけ、ずるい、と思ってしまいました。
ヒマワリ嬢とトマト嬢は、このカボチャ男の唯一の取り柄である情熱的な口説きを浴びたことがあるのです。
なのに、婚約者であるわたくしだけがそれを体験したことがないなんて……。
「ず、ずるいです! それならわっ私だってあやまってほしいです!」
また出ました! おそらく4人のうちの1人です。
かわいいドレスなのに、なぜか地味に見えてしまうこの女性は多分。
「き、君は納得してくれたはずだ!」
手紙で納得したはずのニンジン嬢ですね。
「な、納得なんてしてません! ただうちは大した家柄じゃないし……別れてくれと言われたら、従うしか……」
わたくしは思わずうなずきました。
「わかります」
トマト嬢は力強くうなずきました。
「わかりますわ」
ヒマワリ嬢は、カボチャにびしりと言い渡しました。
「ダーリン! ここで彼女達にあやまりなさい! あと他のふたりにも! 一緒に行って頭さげてあげるから!」
「ううっ……ハニーまで俺を責める……ど、どうしてこうなるんだ!」
「人間として当然だよ!」
やっぱりヒマワリ嬢はいい人です。
トマト嬢が感に堪えぬという風に。
「いや、アナタすごいですわね。こんなダメ人間、これでもまだ好きなんですの?」
「えー、それは、ほら、いまさら見捨てられないじゃん。義理と人情ってものがありますから」
愛が全く感じられない台詞です。
「アタシは、捨てられた犬が一生懸命いきがってるみたいなところがよかったんだけど、さすがにさめましたわ」
「じゃあ、この人はわたしがもらうってことで。ここにいないふたりには、わたしが責任をもってあやまらせます」
「うん。貴女ならしっかりしてて大丈夫そうね」
一安心です。
ヒマワリ嬢は信頼出来る気がします。
トマト嬢は彼女の手をがっしりと握り。
「もし万が一こまったことがあったら、相談に来なさいな。こいつの弱みとかいろいろ知ってるから」
わたくし……いえいえ、友人は頭を下げました。
「我が家に対しては、彼の実家から婚約解消の正式な手続きをするようさせてくださいね。よろしくお願いします」
「まっかせてください! さぁダーリン。まずはニンジン嬢にちゃんと謝りなさい!」
カボチャはぷるぷると震えています。
プライドだけは高い人ですから、自分より家格が低い人に謝るのは苦痛だったのでしょうね。
だからダメなんですけど。
とはいっても仮にこれが奇跡的に克服できたとしても、他の欠点が山ほどあったのですが。
「で、でも、でも! それじゃあ格好よく婚約破棄ができないじゃないか!」
一瞬。カボチャ野郎が何をほざいたのか、判りませんでした。
あ。いけませんね。わたくしとしたことが野郎なんて。
当時のこのを思い出してしまって冷静でいられなくなってしまったのですよ。
おほん。これはわたくしのことではなく友人のことですからね。
友人と3人の令嬢は顔を見合わせました。
視線だけが飛び交います。
まさか。いや、こいつならありうる。
だよね。
でも、いくらなんでも。
確認するのいやだなぁ。
スルーするわけにも。
確認するとして誰が?
まだ正式な婚約破棄になっていないからわたくしが。
わたしがしようか?
いえ婚約者の務めでしょうから。
そんな意味をこめた視線のやりとりの末。
わたくしがカボチャに確認しました。
「もしかして……それがしたかっただけですか?」
違う、と答えて欲しかったです。
「お、女には男のロマンはわからないんだ!」
見事に裏切られました。
このカボチャに真実の愛とやらを持っている女性がいたとしても、今のはかなり致命的です。
ニンジン嬢は、思わず後じさり
「そ、それはちょっと引きます……」
トマト嬢はヒマワリ嬢に
「いいのこの男で? 今ならまだ引き返せるわよ」
「うーん。
あたしもみんなに迷惑かけた責任があるからさ。
とりあえず、お2人には謝らせて、あなたとはちゃんと婚約解消させて……
あといろいろ関係各方面に謝罪させて……そこまでは付き合うしかないでしょ」
えらい。
義理と人情と責任感に満ちた発言です。
でも、愛の要素が欠落してるように感じるのは気のせいでしょうか?
「なっ。なんだよそれ! お、お前まで俺を見捨てるのかっ!」
ハニーが欠落してるあたり、カボチャも察したようです。
だけど、この男にそれを言う資格があるんでしょうか?
「わたくしこそ、いきなり見捨てられたんですけど」
「アタシら誰も自分からはアンタを見捨ててなかったんだけど」
ニンジン嬢は、もう我慢できないという風に、
「わ、私なんか手紙の『別れよう。さめた』の一言だけですよ!」
友人とヒマワリ嬢とトマト嬢は、思わず。
「「「ひどい!」」」
「な、なんだよっ。こんなの! こんなことあるはずがない!
そうか判ったぞ! お、お前らに真実の愛がなさすぎるんだ!
俺は悪くないんだ!」
わたくしは冷静に告げました。
「最初からなかったです」
トマト嬢があきれたように告げました。
「アタシに言わせりゃアンタにないんじゃない? もしくはあったけど乱暴に扱って落として壊したとか」
ヒマワリ嬢は、うんうん、と頷きました。
「落として壊すタイプだと思うなぁ。っていうか、目の前で落ちた音がしたし」
ニンジン嬢は一生懸命顔をあげて、
「わ、私もお落として壊したに、さ、賛成です……」
カボチャ男は、わたくし達を見回しました。
怪物でも見るような目をしていましたっけ。
まったく令嬢達に対して失礼ですよね。
だから落としてしまうわけですが。
「く、くそぉ。お、お前らなんていらない! ブス! ブス! ブス! ブス!
あとのふたりのどちらかに俺の真実の愛があるはずだ! あるはずなんだ!」
そんな捨て台詞を残して、カボチャは逃げていきました。
しかもその目に涙が浮かんでいたのを、わたくし達は見逃しませんでした。
かっこわるい。
ああはなりたくないですね。
あなたは、ああなってはいけませんよ。
わたくし達はそろってため息をつきました。
そのタイミングが余りにぴったりだったので、思わず顔を見合わせて、笑ってしまいました。
このまま別れてしまうのが惜しい気持ちで。
「みなさん。会場へ戻りませんか」
「そうだねー。なんかおなか減っちゃった」
「うん。なんかアナタ達ともう少し話してたい気分だわ」
「あ、あの私も今から参加させていただいてもい、いいでしょうか!?
みなさんともう少し話していたいです……」
「歓迎します。わたくし達、気が合いそうですもの」
というわけで、わたくしは得難い友人を一挙に3人も得たのです。
友人と彼女らは今でも付き合いが続いています。
人の縁というのは、わからないものなのです。
え? わたくしの親友も3人? あら言われてみればすごい偶然ですね。
単なる偶然ですよ。
カボチャがどうなったかですか?
当然、わたくしとの、おほん、友人との婚約は解消。
真実の愛を求めに行ったふたりにも門前払いされたそうです。
ヒマワリ嬢、トマト嬢、ニンジン嬢にも呆れられ果てて、当然、婚約はしてもらえず。
余りに悪い評判が広がったため、ご自慢の口説き能力も威力を発揮しなくなり。
自暴自棄になった余り、お屋敷の侍女に手を出し孕ませ、そのまま廃嫡で平民に。
そのあげく、その侍女にも捨てられて、今ではどうなっていることやら。
わたくしは婚約解消の翌日に、今の旦那様から婚約を申し込まれました。
たまたまあのパーティに出席していて、わたくしのアッパーの切れ味にひとめぼれしたのだそうです。
わたくしも、カボチャとは同じ人類とは思えない、旦那様の美しさにひとめぼれでした。
さらに清い交際を続けること一年。その誠実さと優しさと賢さにますます好きになってしまいました。
これぞ真実の愛というやつです。
そして結婚。二男一女に恵まれて今にいたるというわけです。
息子よ。何を震えているのです?
そういえば今日は、あなたもどこかのパーティに参加するのでしたね。
パーティが怖いのですか?
大丈夫ですよ。
戦場と言っても死ぬようなことは滅多にありませんし。
あなたのような若輩者の行動なら、まだ大目に見ていただけますし。
あなたの婚約者であるマレーネ嬢はしっかりした方ですから、サポートしてくれますよ。
パーティは怖いものではありません。
婚約破棄なんて馬鹿げたことさえ計画していなければ、ね。
あなたがそんなことを考えてないのは、よーくよーくよーく判っていますから。
それに、マレーネ嬢はわたくし直伝の鋭いアッパーをもっていますからね。
さぁ行ってらっしゃい。楽しんでいらっしゃい。
婚約者のマレーネ嬢をちゃんとエスコートするのですよ。
最初から最後までね。
「出た! イエロー伯爵家のトマトさんだな!」
「あの。こちらの話はまとまりそうなんで、彼と貴女のことは、その後で」
という友人の台詞は、あっさり無視されました。
「アタシの可愛い従兄弟サトイモちゃんが、この無礼者のボケナスカボチャに無理矢理言わされましたって証言する手はずなんですもの!」
「さては! ダーリンが責任をとらされて、あなたと結婚するって計略だな! そうはいかないぞ!」
ああっ! 現愛人と切られた愛人の修羅場が始まってしまいます!
せっかく穏当におさまりそうだったのに!
「失礼ですわね! こんな無礼で考えなしの口先男なんかと結婚なんかしたくありませんわ!
この男が騒ぎを起こした責任をとって、罰をくらいやがれってだけですわ!
廃嫡なら最高ですわね! おーっほっほっほ!」
「え? もしかして……貴女も?」
「婚約者さん、アナタもですのっ?」
一瞬で、わたくしたち、わかりあえました!
「そうです。今現在、この人相手には愛も恋もないのです!」
「アタシもですわ! ただ手紙一枚で別れようとする態度にむかついただけですわ!」
「わかる! ちょっと誠意がなさすぎ! ダーリンちゃんと謝るべき!」
3人でにらむと。
「ううっ……うそだうそだみんなが俺を責めるなんて! 俺はモテモテのはずなのに!」
「うん。口説くのはうまいよね。一週間前に口説きに口説きに口説かれて、わたしぽーっとしちゃったもん」
妙に懐かしむ口調でヒマワリ嬢。
「まぁアナタもですの! アタシ、殿方にあんなに情熱的迫られたのは初めてでしたわ……。
今となっては半年前の自分に『このドテナスカボチャだけはやめなさい!』と言ってさしあげたいですわ!」
よほど当時の自分にお怒りなのか、床をヒールで蹴るトマト嬢。
ちょっとだけ、ずるい、と思ってしまいました。
ヒマワリ嬢とトマト嬢は、このカボチャ男の唯一の取り柄である情熱的な口説きを浴びたことがあるのです。
なのに、婚約者であるわたくしだけがそれを体験したことがないなんて……。
「ず、ずるいです! それならわっ私だってあやまってほしいです!」
また出ました! おそらく4人のうちの1人です。
かわいいドレスなのに、なぜか地味に見えてしまうこの女性は多分。
「き、君は納得してくれたはずだ!」
手紙で納得したはずのニンジン嬢ですね。
「な、納得なんてしてません! ただうちは大した家柄じゃないし……別れてくれと言われたら、従うしか……」
わたくしは思わずうなずきました。
「わかります」
トマト嬢は力強くうなずきました。
「わかりますわ」
ヒマワリ嬢は、カボチャにびしりと言い渡しました。
「ダーリン! ここで彼女達にあやまりなさい! あと他のふたりにも! 一緒に行って頭さげてあげるから!」
「ううっ……ハニーまで俺を責める……ど、どうしてこうなるんだ!」
「人間として当然だよ!」
やっぱりヒマワリ嬢はいい人です。
トマト嬢が感に堪えぬという風に。
「いや、アナタすごいですわね。こんなダメ人間、これでもまだ好きなんですの?」
「えー、それは、ほら、いまさら見捨てられないじゃん。義理と人情ってものがありますから」
愛が全く感じられない台詞です。
「アタシは、捨てられた犬が一生懸命いきがってるみたいなところがよかったんだけど、さすがにさめましたわ」
「じゃあ、この人はわたしがもらうってことで。ここにいないふたりには、わたしが責任をもってあやまらせます」
「うん。貴女ならしっかりしてて大丈夫そうね」
一安心です。
ヒマワリ嬢は信頼出来る気がします。
トマト嬢は彼女の手をがっしりと握り。
「もし万が一こまったことがあったら、相談に来なさいな。こいつの弱みとかいろいろ知ってるから」
わたくし……いえいえ、友人は頭を下げました。
「我が家に対しては、彼の実家から婚約解消の正式な手続きをするようさせてくださいね。よろしくお願いします」
「まっかせてください! さぁダーリン。まずはニンジン嬢にちゃんと謝りなさい!」
カボチャはぷるぷると震えています。
プライドだけは高い人ですから、自分より家格が低い人に謝るのは苦痛だったのでしょうね。
だからダメなんですけど。
とはいっても仮にこれが奇跡的に克服できたとしても、他の欠点が山ほどあったのですが。
「で、でも、でも! それじゃあ格好よく婚約破棄ができないじゃないか!」
一瞬。カボチャ野郎が何をほざいたのか、判りませんでした。
あ。いけませんね。わたくしとしたことが野郎なんて。
当時のこのを思い出してしまって冷静でいられなくなってしまったのですよ。
おほん。これはわたくしのことではなく友人のことですからね。
友人と3人の令嬢は顔を見合わせました。
視線だけが飛び交います。
まさか。いや、こいつならありうる。
だよね。
でも、いくらなんでも。
確認するのいやだなぁ。
スルーするわけにも。
確認するとして誰が?
まだ正式な婚約破棄になっていないからわたくしが。
わたしがしようか?
いえ婚約者の務めでしょうから。
そんな意味をこめた視線のやりとりの末。
わたくしがカボチャに確認しました。
「もしかして……それがしたかっただけですか?」
違う、と答えて欲しかったです。
「お、女には男のロマンはわからないんだ!」
見事に裏切られました。
このカボチャに真実の愛とやらを持っている女性がいたとしても、今のはかなり致命的です。
ニンジン嬢は、思わず後じさり
「そ、それはちょっと引きます……」
トマト嬢はヒマワリ嬢に
「いいのこの男で? 今ならまだ引き返せるわよ」
「うーん。
あたしもみんなに迷惑かけた責任があるからさ。
とりあえず、お2人には謝らせて、あなたとはちゃんと婚約解消させて……
あといろいろ関係各方面に謝罪させて……そこまでは付き合うしかないでしょ」
えらい。
義理と人情と責任感に満ちた発言です。
でも、愛の要素が欠落してるように感じるのは気のせいでしょうか?
「なっ。なんだよそれ! お、お前まで俺を見捨てるのかっ!」
ハニーが欠落してるあたり、カボチャも察したようです。
だけど、この男にそれを言う資格があるんでしょうか?
「わたくしこそ、いきなり見捨てられたんですけど」
「アタシら誰も自分からはアンタを見捨ててなかったんだけど」
ニンジン嬢は、もう我慢できないという風に、
「わ、私なんか手紙の『別れよう。さめた』の一言だけですよ!」
友人とヒマワリ嬢とトマト嬢は、思わず。
「「「ひどい!」」」
「な、なんだよっ。こんなの! こんなことあるはずがない!
そうか判ったぞ! お、お前らに真実の愛がなさすぎるんだ!
俺は悪くないんだ!」
わたくしは冷静に告げました。
「最初からなかったです」
トマト嬢があきれたように告げました。
「アタシに言わせりゃアンタにないんじゃない? もしくはあったけど乱暴に扱って落として壊したとか」
ヒマワリ嬢は、うんうん、と頷きました。
「落として壊すタイプだと思うなぁ。っていうか、目の前で落ちた音がしたし」
ニンジン嬢は一生懸命顔をあげて、
「わ、私もお落として壊したに、さ、賛成です……」
カボチャ男は、わたくし達を見回しました。
怪物でも見るような目をしていましたっけ。
まったく令嬢達に対して失礼ですよね。
だから落としてしまうわけですが。
「く、くそぉ。お、お前らなんていらない! ブス! ブス! ブス! ブス!
あとのふたりのどちらかに俺の真実の愛があるはずだ! あるはずなんだ!」
そんな捨て台詞を残して、カボチャは逃げていきました。
しかもその目に涙が浮かんでいたのを、わたくし達は見逃しませんでした。
かっこわるい。
ああはなりたくないですね。
あなたは、ああなってはいけませんよ。
わたくし達はそろってため息をつきました。
そのタイミングが余りにぴったりだったので、思わず顔を見合わせて、笑ってしまいました。
このまま別れてしまうのが惜しい気持ちで。
「みなさん。会場へ戻りませんか」
「そうだねー。なんかおなか減っちゃった」
「うん。なんかアナタ達ともう少し話してたい気分だわ」
「あ、あの私も今から参加させていただいてもい、いいでしょうか!?
みなさんともう少し話していたいです……」
「歓迎します。わたくし達、気が合いそうですもの」
というわけで、わたくしは得難い友人を一挙に3人も得たのです。
友人と彼女らは今でも付き合いが続いています。
人の縁というのは、わからないものなのです。
え? わたくしの親友も3人? あら言われてみればすごい偶然ですね。
単なる偶然ですよ。
カボチャがどうなったかですか?
当然、わたくしとの、おほん、友人との婚約は解消。
真実の愛を求めに行ったふたりにも門前払いされたそうです。
ヒマワリ嬢、トマト嬢、ニンジン嬢にも呆れられ果てて、当然、婚約はしてもらえず。
余りに悪い評判が広がったため、ご自慢の口説き能力も威力を発揮しなくなり。
自暴自棄になった余り、お屋敷の侍女に手を出し孕ませ、そのまま廃嫡で平民に。
そのあげく、その侍女にも捨てられて、今ではどうなっていることやら。
わたくしは婚約解消の翌日に、今の旦那様から婚約を申し込まれました。
たまたまあのパーティに出席していて、わたくしのアッパーの切れ味にひとめぼれしたのだそうです。
わたくしも、カボチャとは同じ人類とは思えない、旦那様の美しさにひとめぼれでした。
さらに清い交際を続けること一年。その誠実さと優しさと賢さにますます好きになってしまいました。
これぞ真実の愛というやつです。
そして結婚。二男一女に恵まれて今にいたるというわけです。
息子よ。何を震えているのです?
そういえば今日は、あなたもどこかのパーティに参加するのでしたね。
パーティが怖いのですか?
大丈夫ですよ。
戦場と言っても死ぬようなことは滅多にありませんし。
あなたのような若輩者の行動なら、まだ大目に見ていただけますし。
あなたの婚約者であるマレーネ嬢はしっかりした方ですから、サポートしてくれますよ。
パーティは怖いものではありません。
婚約破棄なんて馬鹿げたことさえ計画していなければ、ね。
あなたがそんなことを考えてないのは、よーくよーくよーく判っていますから。
それに、マレーネ嬢はわたくし直伝の鋭いアッパーをもっていますからね。
さぁ行ってらっしゃい。楽しんでいらっしゃい。
婚約者のマレーネ嬢をちゃんとエスコートするのですよ。
最初から最後までね。
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