10 / 27
ボクの彼女が火あぶり車裂き!?
しおりを挟む
ギルデンスターンのことを思い浮かべる。いつもボクをはげましてくれた彼を。
あの忠義、あの献身、あの励ましはなんだったのだ?
いい笑顔だったのに! ボクほどじゃないけどイケメンだったのに!
「殿下、少しだけでもいいので考えてみて下さい。
彼は私が学園にいない事を知っていた。知っていたのに私がテレーズ嬢を突き飛ばしたという証言を作成した。
私を陥れる気なら、私の取り巻きとやらが全てをやったという筋書きにするはずです。ちがいますか?」
ちがってほしいが、ちがわない。
いくら考えるのが不得意なボクでもこれだけ説明されれば判りたくないけど判ってしまう。
ギルデンスターンは宰相の息子。宮中の事にも通じている。
このメガネがボクの代わりに書類を処理していたことも知っていたはず。
まさか、いや、そんな、でも、だって、うわぁぁぁぁぁ。
うろたえるボクが何も言えないでいるとテレーズが、
「そ、それはきっと勘違いです! ギルデンスターン様は、殿下とわたしをいつも励まして応援してくれて――」
「励ます、いい言葉ですね。ですが叱るべき時に叱らず、忠言するべき時に甘言を弄するのは正しくはありません。
殿下。テレーズ嬢。彼は一度でも殿下をいさめるようなことを言いましたか?
婚約破棄にも真っ先に賛成したのではないですか?」
「それは……」
確かに、ギルデンスターンはいつも側にいて励まして賛成してくれた。
彼の言葉は、いつも力をくれて、前へ向ける気がした。気持ちがよかった。
だけど一度としていさめてはくれなかった。
そりゃボクだってそんな言葉は不愉快なだけだったろうけど。
それでもいさめてくれたのは、テレーズと……ボクが追い出したグスタフだけだった。
「それにです。証言をした令嬢達も、私が滅多に学園に顔を出していないことを知っていたはずです。
なのになぜ、私が学園で命令したと言ったのでしょうね?」
テレーズが震える唇から声をしぼりだした。
「もしかして……言わされた……と言うことですか……?」
「その通りです。殿下とテレーズ嬢はローゼンクランツ殿下とその手先であるギルデンスターン達に陥れられたのです」
「ボクは……」
親友だと思っていた。
弟だって、仲はとりたててよくないけど、こんなことをする人間とは思っていなかった。
裏切られてたんだ。
ボクを裏切ったんだ……。
「こういう展開となれば、私としては自分の身を守るため反論せざるを得ません。
殿下を守るために冤罪をかぶろうと考えるほどには愛も情も感じてもおりませんから」
いつのまにか座り込んでしまったボクを、分厚いメガネの冷たい光が見下ろしている。
「仮に私が反論しなかったとしても、
殿下は、ギルデンスターンをはじめとする忠実な友だった者達の口から、王太子の地位を暈に着て無理矢理偽証をするように脅されたと証言され、完膚なきまでに叩きのめされ。全てを失う結果になったでしょう」
「てっテレーズはっ、テレーズはどうなるんだ!」
「王族をたぶらかした淫婦として、反逆罪で王都を引き回されたのち火あぶりか車裂きですね。
そして親族の方々は平民なので爵位を返上して罪を軽くすることも出来ませんから、実家は財産没収で公開処刑。残りの一族全員奴隷落ちといったところですか。
ただローゼンクランツ殿下は少々サディストですから、一命を助ける代わりに娼館に売り飛ばすという展開もありかと」
「そんなっ、お父様とお母様お兄様までっ」
誰がテレーズをそんな目に!?
ボクか!! ボクのせいなのかっ!
あの忠義、あの献身、あの励ましはなんだったのだ?
いい笑顔だったのに! ボクほどじゃないけどイケメンだったのに!
「殿下、少しだけでもいいので考えてみて下さい。
彼は私が学園にいない事を知っていた。知っていたのに私がテレーズ嬢を突き飛ばしたという証言を作成した。
私を陥れる気なら、私の取り巻きとやらが全てをやったという筋書きにするはずです。ちがいますか?」
ちがってほしいが、ちがわない。
いくら考えるのが不得意なボクでもこれだけ説明されれば判りたくないけど判ってしまう。
ギルデンスターンは宰相の息子。宮中の事にも通じている。
このメガネがボクの代わりに書類を処理していたことも知っていたはず。
まさか、いや、そんな、でも、だって、うわぁぁぁぁぁ。
うろたえるボクが何も言えないでいるとテレーズが、
「そ、それはきっと勘違いです! ギルデンスターン様は、殿下とわたしをいつも励まして応援してくれて――」
「励ます、いい言葉ですね。ですが叱るべき時に叱らず、忠言するべき時に甘言を弄するのは正しくはありません。
殿下。テレーズ嬢。彼は一度でも殿下をいさめるようなことを言いましたか?
婚約破棄にも真っ先に賛成したのではないですか?」
「それは……」
確かに、ギルデンスターンはいつも側にいて励まして賛成してくれた。
彼の言葉は、いつも力をくれて、前へ向ける気がした。気持ちがよかった。
だけど一度としていさめてはくれなかった。
そりゃボクだってそんな言葉は不愉快なだけだったろうけど。
それでもいさめてくれたのは、テレーズと……ボクが追い出したグスタフだけだった。
「それにです。証言をした令嬢達も、私が滅多に学園に顔を出していないことを知っていたはずです。
なのになぜ、私が学園で命令したと言ったのでしょうね?」
テレーズが震える唇から声をしぼりだした。
「もしかして……言わされた……と言うことですか……?」
「その通りです。殿下とテレーズ嬢はローゼンクランツ殿下とその手先であるギルデンスターン達に陥れられたのです」
「ボクは……」
親友だと思っていた。
弟だって、仲はとりたててよくないけど、こんなことをする人間とは思っていなかった。
裏切られてたんだ。
ボクを裏切ったんだ……。
「こういう展開となれば、私としては自分の身を守るため反論せざるを得ません。
殿下を守るために冤罪をかぶろうと考えるほどには愛も情も感じてもおりませんから」
いつのまにか座り込んでしまったボクを、分厚いメガネの冷たい光が見下ろしている。
「仮に私が反論しなかったとしても、
殿下は、ギルデンスターンをはじめとする忠実な友だった者達の口から、王太子の地位を暈に着て無理矢理偽証をするように脅されたと証言され、完膚なきまでに叩きのめされ。全てを失う結果になったでしょう」
「てっテレーズはっ、テレーズはどうなるんだ!」
「王族をたぶらかした淫婦として、反逆罪で王都を引き回されたのち火あぶりか車裂きですね。
そして親族の方々は平民なので爵位を返上して罪を軽くすることも出来ませんから、実家は財産没収で公開処刑。残りの一族全員奴隷落ちといったところですか。
ただローゼンクランツ殿下は少々サディストですから、一命を助ける代わりに娼館に売り飛ばすという展開もありかと」
「そんなっ、お父様とお母様お兄様までっ」
誰がテレーズをそんな目に!?
ボクか!! ボクのせいなのかっ!
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染に「つまらない」と捨てられた俺、実は学校一のクール美少女(正体は超人気覆面配信者)の「生活管理係」でした。
月下花音
恋愛
「つまらない」と幼馴染に振られた主人公・相沢湊。しかし彼には、学校一のクール美少女・天道玲奈の「生活管理係」という秘密の顔があった。生活能力ゼロの彼女を世話するうち、二人は抜け出せない共依存関係へ……。元カノが後悔してももう遅い、逆転ラブコメディ。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
婚約破棄された辺境伯令嬢ノアは、冷血と呼ばれた帝国大提督に一瞬で溺愛されました〜政略結婚のはずが、なぜか甘やかされまくってます!?〜
夜桜
恋愛
辺境の地を治めるクレメンタイン辺境伯家の令嬢ノアは、帝国元老院から突然の召喚を受ける。
帝都で待っていたのは、婚約者である若きエリート議員、マグヌス・ローレンス。――しかし彼は、帝国中枢の面前でノアとの婚約を一方的に破棄する。
「君のような“辺境育ち”では、帝国の未来にふさわしくない」
誰もがノアを笑い、見下し、軽んじる中、ひとりの男が静かに立ち上がった。
「その令嬢が不要なら、私がもらおう」
そう言ったのは、“冷血の大提督”と恐れられる帝国軍最高司令官――レックス・エヴァンス。
冷たく厳しい眼差しの奥に宿る、深い誠実さとあたたかさ。
彼の隣で、ノアは帝都の陰謀に立ち向かい、誇りと未来を取り戻していく。
これは、婚約破棄された辺境伯令嬢が、帝国最強の大提督に“一瞬で”溺愛され、
やがて帝国そのものを揺るがす人生逆転の物語。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました
ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。
王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。
――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。
学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。
「殿下、どういうことでしょう?」
私の声は驚くほど落ち着いていた。
「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
地味で役に立たないと言われて捨てられましたが、王弟殿下のお相手としては最適だったようです
有賀冬馬
恋愛
「君は地味で、将来の役に立たない」
そう言われ、幼なじみの婚約者にあっさり捨てられた侯爵令嬢の私。
社交界でも忘れ去られ、同情だけを向けられる日々の中、私は王宮の文官補佐として働き始める。
そこで出会ったのは、権力争いを嫌う変わり者の王弟殿下。
過去も噂も問わず、ただ仕事だけを見て評価してくれる彼の隣で、私は静かに居場所を見つけていく。
そして暴かれる不正。転落していく元婚約者。
「君が隣にいない宮廷は退屈だ」
これは、選ばれなかった私が、必要とされる私になる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる